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【必勝不敗】能代工業 十九冠目【V58】

1 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 18:30:30.45 ID:???
過去スレ
【必勝不敗】能代工業 十八冠目【V58】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1353334867/
【必勝不敗】能代工業 十七冠目【V58】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1338302027/

2 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 18:31:01.12 ID:???
【三年生】
五十嵐 駆 F 新潟・亀田西
土屋 真人 G 山形・上山南
野里 惇貴 SF 青森・弘前津軽
畠山  凌 SF 秋田・能代南
三浦  基 G 秋田・能代南
吉川 雄磨 G 秋田・秋田城南

【二年生】
安保 友貴 SG 東京・京北
小田桐匡志 SG 青森・弘前津軽
佐々木健登 F 秋田・美郷六郷
砥綿 啓伍 PG 福岡・筑紫野筑紫野
中島 強太 PF 埼玉・加須昭和
松本 大河 G 埼玉・所沢柳瀬
水木  隼 SF 秋田・能代南
湊  俊樹 SG 秋田・井川井川
三根 一求 PG 長崎・長崎小ヶ倉

【一年生】
荒木  直 C 東京・町田忠生
猪狩  渉 PG 福島・いわき中央台北
伊藤 諒哉 SF 東京・実践学園
長谷川 暢 G 埼玉・上尾大石
渡邉 竜也 SG 秋田・秋田飯島

【戦力】
PG 土屋3 砥綿2 三根2 猪狩1 
SG 小田桐2長谷川1吉川3 渡邉1 
SF 野里3 松本2 安保2 湊2  
PF 佐々木2畠山3 伊藤1 
C 中島2 荒木1 

3 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 18:31:32.12 ID:???
WC県予選決勝メンバー
4○ 土屋 真人 3
5○ 佐々木健登 2
6○ 松本 大河 2
7○ 野里 惇貴 3
8  長谷川 暢 1
9  畠山  凌 3
10― 中島 強太 2(不出場)
11  安保 友貴 2
12― 小田切匡志 2(不出場)
13○ 砥綿 啓伍 2
14  吉川 雄磨 3
15  荒木  直 1
16  三根 一求 2
17  渡邉 竜也 1
18  伊藤 諒哉 1
19  湊  俊樹 2
20  猪狩  渉 1
21  幸崎 竜馬 ?

4 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 19:14:38.99 ID:???
乱立いい加減にしろよ

5 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 20:21:39.17 ID:???
荒らしも荒らしだけどファンもファンだな

6 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 20:43:12.95 ID:???
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7 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 22:41:06.74 ID:???
荒してんのはモップだろ

8 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 22:56:22.60 ID:???
大体三人しか出ないけど、今まで出たやつとこれから出る可能性のあるやつを纏めてみた
ただの思いつき

从;゚∀从 ドキドキ


从;゚∀从 お母さん、外行ってくる……


< 夕ご飯までには戻りなさいよー


从;゚∀从 わかってる…! 行ってきます…


第十九話「※貞子です」

从;゚∀从。0(誰かに会ったらどうしよう…


 商店街


从 ゚∀从 。0(休みの日に外出るの久しぶりだ……


从∀゚ *从。0(オシャレな店…入ってみたいなあ



 今日はハインリッヒの憂鬱(※貞子のHP)に載せるために野外撮影を結構中


从 ゚∀从。0(どこのポイントで写ろうかな…

< 春もの入荷してまーす

从;゚∀从 あっ…

< よかったら店内でご覧くださーい

从;゚∀从 あ…いや…とも、友達がいるので!

< は、はい…



从;゚Д从。0(危なかった…入ったら最後、死ぬところだった…

从 ゚ー从。0(やっぱ服は通販だな



从 ゚∀从。0(あーなんて楽しいんだろう…私、街に溶け込めてる



从*゚ー从。0(男の子に声かけられちゃったらどうしようかな…

9 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 22:57:03.71 ID:???
< おい、あれ…

< マジすか?

从 ゚∀从。0(どっか、人通りの少ないとこで写真とろっと…


< すんませーん


从 ゚∀从



< あのー


从;゚Д从 え!?

( ・∀・) ちょっといい?

从;゚∀从 !?

从;゚∀从。0(モララーくんだ! わーばれた!? 男子と話したの久々だ!
        (ナンパ!? 彼女いるんじゃなかったけ!?

( ・∀・) もしかして、今日のキャノンボーイ立野のライブ観に行く人?

从;゚∀从 はい……?

( ;・∀・) あれ、違ったかな? ライブハウスの場所がわかんなくてさ…
      いや、ごめん、人違いだった。ごめんねー

从;゚∀从 う…あ、はい……


(・∀・; ) 違ったじゃないすかフォックスさん!

< 人は誰でも間違いを犯すもんだ

(・∀・; ) それ間違えた人が言うセリフじゃないすから!



从;゚Д从。0(よくわかんないけど…ばれてない…よね?
        (よかったー! 危なかった! 休みの日に男子と話したの初めてだ! わー!


从;゚∀从。0(この格好で昼間に出たことないんだよなぁ…気を抜けないぞこれは

从 ゚∀从。0(あ…映画館だ。ここの裏辺りはどうかな…暗すぎるかな?



< 大丈夫キューちゃん?

< そんな泣くアレだった?

< うぇ…う…う…うっ…

10 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 22:57:42.03 ID:???
从 ゚∀从 ?

o川*;ー;)o だってー!

ξ;゚听)ξ べったべたの恋愛映画じゃん。つまんなかったよ

ζ(^ー^;ζ 王道だったね


从;゚∀从 はわっ!


o川*;ー;)o だってだってだって、アグレッシブ小松の気持ち考えたら悲しくて…
        親友のために身を退くだなんて私無理ー!

ξ゚听)ξ それよりも、病室でコサックダンスを踊り始めたマンマミーヤ佐々木に笑ったわ

ζ(゚ー゚;ζ なんでファッキンアースホール木暮は彼を止めなかったのかしらね?

o川*;ー;)o 佐々木の気持ちを考えたら止められるワケないじゃん!
        あれはキラースピアーズ聡子がお漏らしをしたのを誤魔化したいっていう恋心で…



从;゚∀从。0(クラスの子だ! 逃げないと!


 タッタッタッタ


ζ(゚ー゚;ζ きゃっ

从;゚Д从 あっ


 パシャ


ζ(゚ー゚;ζ あ…大丈夫!?

从;゚Д从 わー! 服に…!

ζ(゚ー゚;ζ ごめんなさい

从;゚∀从 あ、いや、私こそ…すみません

ζ(゚ー゚;ζ 私ハンカチあるから……ゴソゴソ

从;゚∀从 いいです! 気にしないで!

ζ(゚ー゚;ζ でも、私が持ってたジュースだから

从;゚∀从 いいんです! さよなら!



 タッタッタッタ…

11 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 22:58:21.94 ID:???
ζ(゚ー゚;ζ あちゃー、悪いことしちゃったな

o川*゚ー゚)o しかもデートの待ち合わせ途中じゃなーい? あんなにばっちりオシャレしちゃっててさ

ξ゚听)ξ そうねー。キュートよりもオシャレで可愛かったねー

o川*゚−゚)o ほんとにねー!

ζ(゚、゚*ζ 大丈夫かなあ……あとで謝ろうっと

ξ゚听)ξ でも誰かわかんないじゃん。うちらの学校の人だったら会えるかもしれないけど

o川*゚ー゚)o 見たことない子だったし、他校じゃない? ほら、あの女子校の

ζ(゚ー゚*ζ 会えるに決まってるよ。だって……

o川*゚ー゚)o 知ってんの?

ζ(゚ー゚*ζ あー……わかんない

ξ゚听)ξ 何それ

从;゚∀从。0(今日はもううちに帰らないと……この服はさっさとクリーニングに出して……




从 ゚∀从。0(あ、ゲームショップだ。入ろうかな……ちょっと見ていくだけ……



 ウィィィィン

('、`*川 ヌッ

*(‘‘)* ピョコ


从 ゚Д从

('、`*川 最悪だったわー

*(‘‘)* やはり人気ゲームは予約するべきでしたね

('、`*川 人気っつってもほぼBLゲーだよ?
     ファンタジーRPGなのに主人公六人が全員イケメンなんだよ?
     くそーニッチなジャンルはオッケーかと思ったのに!

*(‘‘)* 杉田や石田が声優ですからね。色んなファンが買いそうではあります



从;゚∀从。0(ペニサス! ヘリカル! いやああああああ!
       (ばれたら死ぬ人たちのリストに入ってる人来た!

从;゚∀从。0(神さまお願いしますばれませんように…



从;゚∀从 コソコソ…

12 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 22:58:54.26 ID:???
('、`*川 ん?

*(‘‘)* おろろ?


从;゚∀从。0(こっち見るな! ばれた!?

('、`*川 じー

*(‘‘)* じー




从;゚∀从。0(逃げないと!



 スタタタタタ…



*(‘‘)*  ('、`*川

('、`*川 見た?

*(‘‘)* 見ました


('、`*川 あれぜってーデートの待ち合わせだよねー!
     やだやだ。こちとらファンタジーの世界にデート行こうとして失敗したってのに!
     この辺りはゲームショップと電気屋ばっかなんだから、ああいう子は来ないで欲しいよねー!

*(‘‘)* ん? んー、そうですね!

('、`*川 なによ。歪んでるのは背中だけじゃなくて心もって言いたいワケ!?

*(;‘‘)* そんな意地悪いいませんよ!

('、`*川 じゃあなに?

*(‘‘)* 今のさだちゃんじゃありませんか?



*(‘‘)*   ('、`*川



('ー`*川 ないない! それはないわー!(笑)

*(‘‘)* そうでしょうか…

('ー`*川 あいつが化粧したの見たことある?

*(‘‘)* ないですけど、でもさだちゃんっぽい顔立ちでしたよ

('ー`*川 絶対違うって。あいつこの時期はユニクロのパーカー以外着ないし

*(‘‘)*。0(それはペニサスちゃんでは…

13 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 22:59:29.91 ID:???
('、`*川 それにあいつの髪がなんで長いか知ってんの?

*(‘‘)* ええ、まあ

('、`*川 デコめっちゃ出てたじゃん。だから違うよ

*(‘‘)* 出てましたね。左半分だけ

('、`*川 てかあの子前に見たことある気がすんだよな。どこだったかな…

*(‘‘)* それはそうと小腹が減りました

('ー`*川 さっきお昼食べたばっかじゃーん! 仕方ないなー
      じゃあ近くの牛丼やにでも行く?

*(;‘‘)* がっつり食うな自分!?


終わり


从 ゚Д从 さんざんな一日だった…

('、`*川

*(‘‘)* 問題です! 怪盗天使サミュエルの第二期、13話を…

川д川 ラグナロク山田とシーシェパード小杉

*(;‘‘)* 素晴らしい! 作画監督だけならまだしも音楽監督の名前まで知っているとは!

川ヮ川 常識だけど?フフフ

14 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:00:09.86 ID:???
第二十話「昨日の続き」


('、`*川。0(あの女の子が貞子? 信じられん…

*(‘‘)* 続きまして第十五問! サミュエルのライバル、曇天模様黒木が使う…

川д川 ポンキッキ

*(;‘‘)* グレイト! 曇天模様黒木が使う刀を研いでいる職人の
      姪っ子が子供の頃毎朝見ていた番組はポンキッキです!

川д川 この辺は押さえてるから

*(;‘‘)* 何が凄いって問題を推測できるのがまず凄い!


('、`*川 あのさ

川д川 ん?

('、`*川 きのう商店街の近くにいた?

川д川 は?

('、`*川 いなかった?

川д川 ずっと家にいたけど

('、`*川 ふーん



川;д川           ('、`*川 じー
 ドキドキドキドキ

川;д川。0(やっぱり勘づいてた! 意地でもしらを切らないと

('、`*川。0(そういえばだーこの顔ってよく見たことなかったな


*(;‘‘)* ほら、今はクイズ中ですよ! ペニサスちゃんもチャレンジしてください!

('、`*川 私はサミュエル見てないからわかんない

川;д川 アニメよく見るんでしょ? あれは見て損はないと思うけど

川;д川     ('、`*川

     *(;‘‘)*



*(;‘‘)*。0(おそらくきのうのアレは、やはりさだちゃん…
       (隠したいのでしたら、ヘリカルは空気を読みますよ!


('、`*川 だーこ、顔見せて

川;д川 やだ

15 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:00:55.80 ID:???
*(;‘‘)* そーいえばきのうは惜しかったですねー!
      欲しかったゲームが売り切れてて…

('、`*川 そうなのよねー。やっぱり硬派なゲームって男の子に人気だからさー

川д川 え? BLゲームなんでしょ



川д川 ?         *(‘‘;)* ('、`;川



('、`;川 あー! やっぱりきのうの!

川;д川 え? あ……いやっ! 違う…けど…

('、`;川 てめー! くっ、デートか!? デートだったのか!?

川;д川 はぁ!?

*(;‘‘)* 落ち着くんでやんす! 淑女はどんなときも冷静に!

('、`;川 顔見せろやああああ!

川;д川 やめて! きゃー!



< どうした!?


('、`*川 あ……



< こら! なにしてるんだ! 大丈夫か?

('、`;川 ち、違うんです先生…

川;д川 そうです……ただじゃれてただけで…

< 本当に?

川;д川 はい

< そうか…だが、学校で騒ぐのは関心しない。早く帰りなさい

('、`*川 はーい…

川д川 わかりました…

*(‘‘)* おやすいご用でやんす!

16 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:12:56.03 ID:???
 帰り道

('、`;川 だーこのせいで怒られたー!
     いつも優しいビッグペニス大谷先生がかんかんだったよ!

川;д川 あんたのせいでしょーが!

('、`*川 間違いないな

川;д川 反省しろよ!

*(;‘‘)* お二人とも、淑女は帰り道で声を荒げてはなりませぬぞ?

川;д川 だってー…

('、`*川 だって…どうして見せてくんないのよ

川д川 なんで見せなきゃいけないの

('、`*川 友達じゃん

川д川 はいはい…



*(‘‘)* でもさだちゃんの顔、一度まじまじと見てみたいかも…

川;д川 ヘリカルー?

*(;‘‘)* すまぬ…

('、`*川 きのうのアレ、似合ってたじゃん

川д川 アレわたしじゃないし…

('、`*川 じゃあどういうときに顔を見せるのさ

川;д川 とき?

*(‘‘)* 家族にはお顔を見せないのですか?

川д川 見せない…かな

('、`*川 誰にも見せてないの?

川д川 皮膚科の先生には見せてるよ

('、`*川 あぁ…

*(‘‘)* あぁ…


('、`*川 恋人ができたらどうすんの?

川;д川 …さあ

*(‘‘)* 流石に顔は見せるのでは?

('、`*川 顔見せないとデートできないよ?

17 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:13:39.50 ID:???
川;д川 突拍子ないな…顔見せなくてもできるし

('、`*川 見つめあーうとー

*(‘‘)* 素直にお喋りできないですよ?

川;д川 ……はぁ?


('、`*川 キスするときも顔隠したまま?

川;д川 だから突拍子ないな!

*(‘‘)* さだちゃん…

('、`*川 よしお…


   ンチュー
*(‘3‘)*('ε`*川



('、`*川 的なことできないよ?

川;д川 私…そんなことしないし!

*(‘‘)* 将来的にはするでしょう

川д川 しないし……恋人とか…できないもん

('、`*川



   ンチュウ
川゚д('ε`*川



 ギィィィィヤァァァァァァァァ!!!!


川;゚дリ なにするのよ!?


('ー`*川 顔見えたー! あと初チューゲット!

*(;‘‘)* 流石のヘリカルもそれはないですぞ!

川;゚дリ サイテー! ヘンタイ! ばか!

('ー`*川 ありがとう。最高の褒め言葉だ

*(;‘‘)* ち、ちなみに感触と顔は…?

('、`*川 けっこうカサカサ。顔はあれ。関根の娘に似てた

*(;‘‘)* 史織!

18 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:14:38.75 ID:???
川д川 帰る!

('、`;川 わーごめん! 怒らないでだーこ!

*(;‘‘)* ヘリカルも全力で謝罪しますからー!

川д川 知らない! もう話しかけてこないで!

('、`;川 すみません! 貞子さま! ケーキおごるよ! あとお菓子も! メロンも!

川;д川 メロン…


川д川 そ、そんなので許す訳ないし!

('、`;川 一瞬よだれが見えたけれども…

*(;‘‘)* とにかくごめんなさいです。今度クッキー作ってあげますので…

川д川 最悪だぁ…もう

('、`*川 慰めになるかわからないけど、私は親戚のおじさんに唇だけは石原さとみって言われてるから

川;д川 だからなんだよ!


終わり


('、`*川 ごめんよぉ〜愛してるよ〜だーこ〜

川д川 ……うるさい

('、`*川。0(よし、あと一押しだ

19 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:15:35.17 ID:???
 ハインリッヒのため息

  お知らせ   2012/12/02

 この度、管理人ことハインリッヒの一身上の都合により
 ホームページは閉鎖することになりました。
 それに伴い、こちらのブログも更新を停止します(ブログのみ削除はしません)

 皆様の応援を裏切る形となってしまい、大変申し訳ありません。
 いつかまた、何処かでお会いできれば嬉しいです。

 今までありがとうございました。


 拍手[213]   コメント数[86]
(´・ω・`) いきなりだけど変態紳士だよ


(´・ω・`) 今日は僕の個人ホームページ「靴下だけの若妻」に寄せられた
      お悩みメッセージに対してコメントしていくよ

(´・ω・`) それではハンドルネーム「DD」さんから
      私の悩みを聞いて下さい。私は男の子にあまり興味がありません
      格好いい人を見たり、私を好きになったりしてくれる男の子がいても
      ドキドキしたりすることはありません

(´・ω・`) ふむ…


(´・ω・`) でも私には少し気になる子がいます。彼女は同い年の女の子なのですが
      ふと気がつくと目で追っていたり、笑顔を見ていると小さい体を抱きしめたくなります
      想像で、キスしたらどうなるのかな?と考えたこともあります

(´・ω・`) 私は同性愛者なのでしょうか。他の女の子にはこんなことを思ったりはしません

(´・ω・`) というメッセージだが、中々興味深い内容だったね

(´・ω・`) おそらくだけど、DDさんは同性愛者じゃないと思うんだ
      女の子全般に対して性欲を感じる訳ではないし、同性愛者の方は
      異性とフランクに付き合う人が多いけど、どうもそうじゃないみたいだしね

(´・ω・`) DDさんが気になっている子は小さい体の子なんだよね
      ならもしかすると、母性からくる愛情が一番正しい答えなんじゃないかな
      例えば、自分に子供が産まれたら抱きしめたくなったりキスしたくなったりするだろう
      それと同じさ

(´・ω・`) もしもキス以上のことがしたくなったら、一度自分の胸に手を当ててよく考えてみよう
      軽はずみな行為で友達関係を壊してしまったら、お互い損だからね

(´・ω・`) 「靴下だけの若妻」でもお悩みメッセージを募集中です
      みなさんどしどしメッセージを送ってください

(´・ω・`) あと出来れば写真もつけて欲しいです

(´・ω・`)

(´・ω・`) 連絡先とかも書いてくれると嬉しいかな

終わり

20 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:16:06.06 ID:???
('、`;川 だーこ! お願い! 今日一日これ預かって!

川д川 なにこれ?

('、`*川 エロ本…

川゚д川


第二十一話「いつから安価をすると錯覚していた?」


*(;‘‘)* ななななんちゅーもんを学校に持ってきてんですか!

从'ー'从 〜? それなに〜?

('、`;川 何でもないよ〜!?

从'ー'从 そうなの〜



('、`*川 なべちゃん。これ(120円)で美味しいものでも食べなさい

从*'ー'从 いいの〜? じゃあジュース買ってくる〜!

ヾ('、`*川

川;д川 で、なにがどうしたのよ

('、`*川 実は今日の夜親戚の子が泊まりにくんの!
     部屋が足りないから私の部屋で寝るんだって!



('、`;川 だからベッドの下のこれを避難させようと…

川;д川 ……ばーか

*(‘‘)* よくもまあこれだけ集めましたね…

('、`;川 お願いだーこ! なんだったら使ってもいいよ!?
     私のお薦めはね、月刊「プッシーラビット」の緊縛特集で…

川;д川 見ないけど!



川;д川('、`;川 おねげぇしますだ貞子どぉ〜〜〜ん!


川;д川 ……ヘリカルじゃだめなの?

*(;‘‘)* 無理です! 私のお母さんはニヤケモードのコナン並に鋭い人ですから!

川;д川 ぐっ…じゃあケーキおごって

('ー`*川 ありがとー! チューしてやんよ

川;д川 やーめーろー!

21 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:16:38.31 ID:???
 一日だけエロ本を預かることに



 帰宅中

川д川。0(てか紙袋がぱんぱんになるまでエロ本集めんなよ…

川д川 はぁ…



 トコトコ


川д川


川д川。0(どんくらいエロいんだろう……


川д川。0(意外と水着程度とか……?


川д川



川;д川 ちょっとだけ……ガサガサ



川゚д川
 つ□と


川゚д川 わー……


川;д川 うわ……わー………えぐっ



 ガサガサ


川;д川。0(あかん……これあかん……警察に見つかったら補導される!



 タッタッタッタッタ

川;д川。0(最近走ってばっか………



 ドンッ

22 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:17:34.02 ID:???
川゚д川 ぎゃっ!



 ガサガサ!


< お……悪い

  _
( ゚∀゚) 大丈夫?


川;д川 ぎゃー!!

  _
( ;゚∀゚) あ…ごめん。てか貞子さん?


川;д川 ぎゃー!!

  _
( ゚∀゚) 俺だよ。俺。ジョルジュ。同じクラスの……なんだこの本?


川;д川 ぎゃー!!

  _
( ;゚∀゚) お……っ!? おぉう…!?


川;д川 違う違う違う違う違う違う!!!

  _
( ;゚∀゚) ごめん! いや、あの、誰にも言わないから!


川゚д川 ギィィィヤァァァァアアアアア!!!??

  _
( ;゚∀゚) すいません! なんかすいません!?



 五分後


川;д;リ うぇ…ぐぇ……グス……
  _
( ゚∀゚) コーヒーと紅茶買ってきた。どっちが好き?

川;д;リ 別に…どっちでもいいけど……
  _
( ゚∀゚) じゃあ俺コーヒーね

川;д;リ 私のじゃないからね!
  _
( ゚∀゚) おう。信じる

23 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/23(日) 23:18:15.64 ID:???
川;д;リ 本当に!?
  _
( ;゚∀゚) そりゃ、ちょっとは疑ってるけどよ
     でもよく考えたら貞子さんがこんなの持ってる訳ねえし
     今日のことは誰にも言わねえから。お互い忘れようぜ

川;д;リ サイアクダァー サイアクダァー
  _
( ;゚∀゚) 泣くな。今誰かに見つかったら俺がやべえ

  _
( ゚∀゚) じゃあな。気ぃつけて帰れや


川д川 ………ばいばい



川д川。0(最悪だぁ…最悪の日だ………



川д川。0(絶対噂になる………またいじめられる………


川д川 ハァァァァァアア………




 ちなみに噂にはならなかった



終わり

  _
( ゚∀゚)。0(まさかフォックス先輩以外にプッシーラビットを知ってる子がいたとは…
      (おっと、駄目だ駄目だ。忘れる約束だったぜ

(゚、゚トソン ちーちゃん、一緒に帰ろう

*(‘‘)* すみません! 女子会があるので私は教室戻ります!

(゚、゚トソン ハァ? 女子会?

*(‘‘)* ペニサスちゃんたちと一緒にジョッスィな会話で盛り上がるのです

(゚、゚トソン ふーん。私も行っていい?

24 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:43:59.79 ID:???
モップというとすぐ飛んでくるな

25 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:46:42.83 ID:???
第二十二話「ギャル 来日」


*(;‘‘)* それは………どうなんでしょうか

(゚、゚トソン 邪魔?

*(;‘‘)* そういうのじゃないんですけど、ペニサスちゃんたちは人見知りですから

(゚、゚トソン 人見知りって…同じクラスじゃん

*(;‘‘)* 理屈ではないのですよ。人見知りというのは

(゚、゚トソン 何でもいいよ。早くいこ?

*(‘‘)* umm... oh god...



('、`;川


川;д川


*(;‘‘)*


(゚、゚トソン


   (゚、゚トソン。0(なんで黙ってんの…?




('、`;川。0(え、なにこの状況。あり得ないんですけど
       (私は学校で唯一大声を出せる神聖な場所になんでギャルが?
       (コンビニでアゲハでも立ち読みしてろっつーの!


川;д川。0(やっぱりエロ本の噂が!? 私を馬鹿にしにきた!?


*(;‘‘)*。0(感じる。二人の押しつぶされそうなソウルのスクリームを感じる…!


(゚、゚トソン あんたたち、いっつも何話してんの?


('、`;川 え……なにって……

川;д川 別に……ねえ?

('、`;川 ねえ? そんなね……?


(゚、゚トソン はー?

26 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:47:14.75 ID:???
川;д川 ビクッ ('、`;川

*(;‘‘)* いっつもアニメの話とか漫画の話とかしてますよ!

(゚、゚トソン ふーん。アニメって、ナルトとか?




 本音

川д川 んなクソつまんねー忍たまのパクリなんかみねーよ! カカシのフィギュア持ってるけど!


 現実

川;д川 そうそう。そういう感じのアレを…

(゚、゚トソン ふーん



('、`;川 今日はアレね、ちょっと寒いねー

*(‘‘)* そうですね! 風も強いです。トソンさんはスカートめくれたりしないですか?

(゚、゚トソン 別に見られても減るもんじゃねーし

('ー`;川 あはは…

川;д川 うんうん…



(゚、゚トソン



('、`;川 ……はぁ

川;д川 風がねぇ……




(゚、゚;トソン ……


 トソンの頭に幼少の頃の記憶が蘇る




< トソンちゃん、あなたの新しいお父さんよ

< 君がトソンちゃんか。怖がらなくていいんだよ?


(;Д;ロリン うわぁーん! わぁぁぁん!

27 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:47:53.55 ID:???
< ごめんなさいねぇ。この子、ちょっと人見知りで

< はっはっは。この頃の子供は仕方ないさ。のんびりやっていこう



  人 見 知 り

  (゚、゚;トソン。0(……って確かに辛いけど



('、`;川 富山県が一番風速凄かったってさ

川;д川 へぇー…富山がねぇ…



(゚、゚;トソン。0(こじらせると、こうなるの!?

*(‘‘)* 私なんて昨日は飛ばされかけましたよ

('ー`;川 あははは…

川;д川 ちーちゃんらしいねー……



(゚、゚;トソン。0(マジで? てか知らないやつじゃないじゃん私って
       (同じクラスのやつなのに、人見知り治ってねーとこうなんの?
       (てか空気おも。私のせい? 私だよな。やっべー。気まずい…

( 、 ;トソン。0(でも無理いって私から入ったんだから、私が何とかしねーとなぁ…



(゚、゚;トソン あ、あのさ


('、`;川 はいっ?

(゚、゚トソン あー……なんつーの。好きな音楽とか、ある?

川;д川 バンド名ってこと?

(゚、゚トソン 曲でもいいし…ジャンルでもいい。何でも

('、`*川

川д川



('、`*川。0(アジカン。ラルク。バンプ…

川д川。0(志方あきこ、 倉橋ヨエコ、アリプロ…

28 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:48:29.20 ID:???
('、`;川 ……ロック

川;д川。0(そうか! そういうくくりがあったか!

(゚ー゚トソン マジ!? いーじゃん、どんなの聴くの?


('、`;川。0(ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

川;д川。0(おーっとペニサスのピーカブースタイルがこじ開けられた!

*(;‘‘)*。0(トソンさんのガゼルパンチがジョーにヒットです!


(゚ー゚トソン 私はさ、けっこう激しいの好きなワケ。昔はメタルとか聴いてたんだけど
      パンテラとかドラフォとかね? シンフォは結構聴くやつ多いけどどっちかっていうとスラッシュ?
      でも今はハードコアとかエモがばりやばいワケ。フィンチって知ってる? もう活動してないけど

('、`;川

川;д川

(゚、゚トソン スクリーモって軽く思われがちだけど、メロディックでのりやすいし…それに………




     *(;‘‘)*
川;д川     ('、`;川

        (゚、゚;トソン


(゚、゚;トソン。0(やばっ、ノリ間違えたくせえ


(゚ー゚;トソン Jミュージックなら、エルレ辺り? エルレガーデン。これは知ってるよね

('、`;川 あー、エル…知ってる知ってる。この前ライブした…んだっけ?

(゚、゚;トソン 08年から活動してないけど…ほそみーがハイエイタスやり始めたから

川;д川 あぁー…

('、`;川 ハイエー……うん、ね…

( 、 ;トソン。0(しくった――! 別の話題、なにか…こいつらが食いつきそうなやつを…



('、`;川 あの…お腹空いたからもう帰るね

(゚、゚;トソン え?

川;д川 私も……

*(;‘‘)* さだちゃん…

29 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:49:02.17 ID:???
*(;‘‘)*    (゚、゚;トソン

(゚、゚;トソン ……………ごめん

*(;‘‘)* とんでもないです! トソンさんは凄く頑張ってました!

(゚、゚;トソン 私も人見知りだったからさ、何とかなると思ってたけど…

*(‘‘)* 上には上がいるのですよ

(゚、゚トソン しかもオチなし

*(‘‘)* 以上、現場のヘリカルがお送りしました!


終わり

(゚、゚トソン。0(あー…ミセリとちーちゃん以外の友達できる気しねー…

('、`*川 聞いてよー。昨日すごいこと知っちゃった

川д川 ほんと? 私もすごいこと知ってるんだけど……

*(‘‘)* 奇遇ですな! ヘリカルもです!

30 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:49:43.90 ID:???
第二十三話「まぎぃー」

('ー`*川 えー絶対あたしのが一番ショッキングな情報だかんね!

川д川 フラグくせぇー…

*(‘‘)* ペニサスちゃんのショッキングなニュースを聞かせて下さい!

('ー`*川 そう焦るなって。やっぱさ、一番びっくりくるのがトリなのがフツーじゃん?

川д川 じゃああんたが一番だよ

('、`*川 度肝ぬくわよ私の情報は!

*(;‘‘)* うぅー気になるぅー!

川д川 誰が最初に話す?

('、`*川 まー妥当なところでいえばちーちゃん辺りかな?

*(‘‘)* むぐっ、それはそれで腑に落ちません! 私のニュースもかなーりショッキングですよ!

('、`*川 えー、どうせ近所の野良猫が徒党くんで犬と戦争してるとかでしょ?

川;д川 それだったらトリだろ!

('、`*川 ぜっっっっったい私のが…!

川;д川 わかったわかった…じゃああんたがトリだよ

*(‘‘)* では順番は…

川д川 じゃんけんでいいよ

*(‘‘)* フェアーでいいですね! じゃーんけーん…

川д川 ぽん


 というわけで


*(‘‘)* 私が一番手となりました!

('、`*川 うぃー

川д川 ぱっぱっと説明して…


*(‘‘)* どうやら数学のビッグペニス大谷先生と、生物のアワビ豊島先生が付き合っているようなのです


川;д川 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! ('、`;川

('、`;川 うっそ!? マジ!?

*(;‘‘)* ね、ねー!? ショッキングっしょ!?

川;д川 あり得ないでしょ…元読モのアワビ豊島先生と…

31 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:50:22.49 ID:???
('、`;川 あんな冴えない感じのビッグペニス大谷先生と?

*(‘‘)* 確かな情報です!

('、`*川 どこ情報よ?


*(‘‘)* 保険医のデーモン石倉先生です

('、`*川 あー…

川д川 じゃあガチなんだ…

*(‘‘)* もしかしたらアワビ豊島先生は学校をやめるかもしれないですね

('、`*川 どっちかっていうとビッグにやめて欲しいところだけどね

川д川 数学苦手だもんね


*(‘‘)* では続いてさだちゃんお願いします!

川;д川 くっ…ちーちゃんの次やりづらいんだけど。私の大した話じゃないし…

('、`;川 あんたそれ言ったら、私のトリビアにも程があるっての

川;д川 あんた自分からトリやりたいっつったのに…


 二番手 貞子


川д川 ドラえもんって…いるじゃん

('、`*川 猫型ロボットの?

川д川 そう。あいつってさ、空飛べると思う?

*(‘‘)* タケコプターを使えば飛べますが…


川д川 実はあいつって、常にちょっとだけ浮いてるらしいよ…

('、`;川 えぇ!?

*(;‘‘)* うそ!?

川д川 ほら、足音とか変じゃん?

('、`;川 確かに! しゅくしゅごるしゅるるるぅ〜!っていうもんね!

川;д川 まあ…そう…うん、言いたいことはわかるけど


*(‘‘)* あんなに見慣れたキャラクタにも秘密があったのですね

('、`*川 スリーサイズと体重が全部同じ数字っていうのは知ってたのにー

川д川 とりあえず私はこんな感じ

32 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 00:51:02.30 ID:???
*(‘‘)* さあ出ましたペニサスちゃんですよ!

('、`;川 いやー、もういいじゃん。帰らない?

川;д川 はぁー? 自信あったんでしょ?

('、`;川 もういいよー。私が聞いたやつってさ、ちょっと専門的過ぎるっていうか…
      たぶん二人とも興味わかないと思うんだよ

*(;‘‘)* そんなことないですよ。ショッキングな出来事というのは至る所にあるものです

('、`;川 いやぁ〜でもー…

从'ー'从 みんな〜何の話してるの〜?

('、`*川 トリビアを出し合ってるの〜

从'ー'从 楽しそう〜


*(‘‘)* なべちゃんもトリビア的なことありますか?

从'ー'从 えっとね〜南アメリカの国でね〜

川д川 それボリビア

*(‘‘)* トリビアというのはですね、「へぇー!?」とか「そうなんだー!」って思わず言いたくなるような
     日常の隠れた情報のことでして、今それを各人で出しあっておるのですよ

从*'ー'从 それってタモさんが出てた番組に似てるね〜

('、`*川 それだよ。まさにそれ


从'ー'从 あ、私もトリビアあるよ〜!

川д川 どんなの?

从'ー'从 私ね〜よく本を読むんだけど〜しおりを挟むの忘れちゃうの〜

从'ー'从 それでね〜この前もね〜しおり忘れてて〜

从'ー'从 どこから読むのがわかんなくて〜

从'ー'从 適当なページを開いて悩んでたの〜

从'ー'从 そしたらね〜そのとき開いてたページが〜

从*'ー'从 私がちょうど前に読むのやめたとこだったの〜! びっくり〜?


*(´`)* なべちゃん和むわ〜

('、`*川 いよっ! マイナスイオンの申し子!

从'ー'从 シダックスちゃんもびっくり〜?

川д川 貞子。うん、色々とびっくりしたけど

从'ー'从 よかった〜

33 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 16:08:22.32 ID:???
从'ー'ノリノシ じゃあね〜

*(‘‘)ノシ またよろです!

('、`*川 あの子、いつもふらっと学校歩いてるね

川д川 目的の場所まで行ったら目的忘れるから、ずっと歩きっぱなしっていう噂を聞いたことある…

川д川 で、ペニサスは?

('、`*川 なにが?

川;д川 あんたのトリビア

('、`;川 言うの〜?

*(‘‘)* そりゃもう、ここまで来たら


('、`*川。0(まあしかし、なべちゃんの後ならまだマシか

('、`*川 よし、聞いて驚くなよ!

川;д川 驚こうっていう趣旨なんだけど


('、`*川 野球ってあるじゃん

*(‘‘)* ありますが…

('、`*川 でさ、プロ野球ってさ…知ってる? 全員…って、選手全員ね?

川д川 うん

('、`*川 信じられないかもしれないけど、木製のバットしか使っちゃいけないらしいの! びっくり!?

川д川 ん?

*(‘‘)* え?

('ー`*川 びっくりした!?

川;д川 え…え!?

*(;‘‘)* んん? なに…なん…はい!?

('、`*川 えぇー聞いてなかったん? プロ野球選手って、木製のバットじゃないと駄目なの!
     金属製のバットとかだと飛びすぎるから駄目なんだって。これ凄いよね!


*(‘‘)*     川д川



川;д川 そうなんだー!

*(;‘‘)* じゃあ金属製のバットで打ったら全部場外ホームランなんでしょうね!

34 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 16:08:54.34 ID:???
 二人は慈愛の心に包まれている


('ー`*川 そうそう! そういうこと! これ初めて知ったときはたまげたなぁー

川д川 ふぅん…

*(‘‘)* バットといえば、フォックス先輩の部屋にはバットやバスケットボールや
     ほこりの積もったギターなどがあるようですが、全て三日坊主らしいです
     一番続いているのが囲碁だとか

('、`*川 へぇーへぇーへぇー

川ヮ川 3へぇー頂きましたー

*(;‘‘)* くそー粗品まであと77へぇーか!


終わり

从'ー'从。0(教室にかばん忘れてたんだった〜

('、`*川 だーこってなんで化粧しないの?

川д川 え……なんでしなきゃいけないの?

('、`*川 いやぁ、だってさー

*(‘‘)* さだちゃんはダイヤの原石ですよ! (ハートを)磨くっきゃない!


第二十四話「タイトル考えるのが本当にめんどくさい」

川;д川 だって恥ずかしいし…

('、`;川 普通はしない方が恥ずかしいと思うぜ?

('、`*川 正直さー、モテるんじゃね?

*(‘‘)* 絶対モテます! 間違いなく!

川д川 いいよ別に……もてなくて。可愛くないし、可愛げもないし

('、`*川 私がレズだったら絶対貞子狙うけどなー

川;д川 シャレになんないからやめて……

*(‘‘)* 前に街で見たさだちゃんは一級品でしたよ!

川д川 いいよもう…そういうの

*(;‘‘)* もったいない! もったいないお化け!

('、`*川 なんで諦めてんのさ

35 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/24(月) 16:09:31.74 ID:???
川д川 理由聞きたい?


('、`;川 ← 深刻な過去を聞かされる予感がして言葉が出ない

*(;‘‘)* ← 同上

('ー`;川 ま、まあさ、望みはあんじゃん

*(;‘‘)* そう…そうですよ! 私なんか男の子と付き合える未来が浮かばないですもん!




('、`*川 今のは嘘だよね……ヒソヒソ

川д川 むしろ一番その未来が近いよね……ヒソヒソ

*(;‘‘)* 目の前でひそひそ話しないで!

('、`*川 私なんか時代が私の魅力に追いついてないからさ、なかなか難しいぜ?

川;д川 よくもまあ、そういう自信が出てくるねあんたは

*(‘‘)* ペニサスちゃんは人見知り直さないと駄目ですね

('、`*川 それなんだよなー。そこさえいければまだイケる気がするんだけど

川д川 あとはすぐエロい話に持ち込む性格を直して……

*(‘‘)* だらだらな生活を改善すれば……

('、`*川 無理ゲー

('、`*川 一回さ、化粧して学校来てよ

川;д川 はー?

*(‘‘)* 絶対ウケますよ!

川;д川 例えウケるとしても、別にウケたい訳じゃないし

('、`*川 わからん…その武器を使わない理由がわからんわ

*(‘‘)* もったいのぅございまする

('、`*川 もったいないよね…

*(‘‘)* 使えばいいのに…


川д川 ごめん。そういうの、本当にやめて


('、`;川 ごめんなさい…

*(;‘‘)* すみません…

36 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 04:45:05.47 ID:???
モップ

37 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 08:08:57.59 ID:???
思ったより苦戦しなかったな
五十嵐は全十字靭帯やっちゃったか・・・
荒木は成長したね、もちろんまだまだだけど

38 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 09:25:48.03 ID:???
('、`*川 とりま、彼氏欲しい勢は私だけか

*(‘‘)* 合コンとかどうです? 女子高生は需要ありますよ〜

('、`*川 初対面の人間とかほとんどモンスターに近いからね

川;д川 あんた…

('、`*川 てか前から気になってたけど、ヘリカル化粧うまい

川д川 私もそう思う

*(;‘‘)* マジでやんすか!


('、`*川 子供っぽい顔してるくせに、けっこう手が込んでるでしょ

*(‘‘)* それはお母さんの影響かもしれないです


 女は顔っていう武器があるんや 愛嬌も顔からやで!

*(‘‘)* ……っていつも言われていたので。化粧の仕方も習いました

('、`*川 いいなー。私もヘリカルママに化粧習おうかな? ガチで

*(‘‘)* それならもっと身近に、さだちゃんがいるではないですか

川д川 私は自分用の化粧しか知らないから、教えたりはできないけど…

('、`*川 いいなーいいなー。二人とも自分の武器もってるじゃん。私は肌つやとお尻くらいだよ

*(‘‘)* ペニサスちゃんのお尻は魅力的ですが、南米の方がもてそうですね

('、`*川 あーちーちゃんに嫌味言われた

川д川 意外と口悪いよね…

*(;‘‘)* そ、そんなつもりは…!

('、`*川 はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜付き合いたい…誰でもいい。人型だったら許す

*(‘‘)* 志だけは高くってヘリカルいっつも言ってたでしょ!

('、`*川 はぁ〜〜〜〜…………

川д川 いいじゃん。別に付き合わなくても

('、`*川 将来的に結婚とかどうするのさ

川д川 一人でも生きていける

さだちゃ〜〜ん*(‘‘)*川;д川('、`*川 だ〜〜こ〜〜〜〜


川;д川 暑苦しい!

('、`*川 何があんたを歪めたのか知らないけど、過去は過去だぜ

*(‘‘)* 未来には素敵なことが待っていますよ

39 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 09:26:20.09 ID:???
川д川 わかったわかった……別に絶望してるわけじゃないけど

('、`*川 なんか最近、メリハリが無いなー

*(‘‘)* メリハリ?

川д川 何なの急に

('、`*川 生活にメリハリ。部活でも入ってみようかなー

*(‘‘)* ちょっと調べてみましょうか? もしかすると部活編に繋がるかも!

('、`*川 ん? うん。お願いね

終わり


从'ー'从 ありがと〜やっと職員室にたどり着いたよ〜

(゚、゚トソン てか職員室になんの用事だったの?

从'ー'从 ………………ん〜?

(゚、゚;トソン ………ばか

('、`*川 やっと二年生になれたわけだが?

川д川 うちのガッコってクラス替えないから進級した気がしないんだけど

*(‘‘)* 新たな出会いもないんですよねー


最終話「あとがき必見」


*(‘‘)* そういえばモララーくんとクーさんが別れたようです

('、`;川 ま、マジ!?

*(‘‘)* マジマジ

川д川 もしかしたらペニサスくるんじゃね?

('、`;川 いやー、ないっしょ。ないよね。うんないわ

*(;‘‘)* 諦めたら恋愛終了ですよ!


('、`*川 しかしまあ時の流れは早いというか…

*(‘‘)* もうすぐ夏休みですもんね!

川;д川 え? そんな経つんだ…卒業したらどうする?

('、`*川 もちろん理系の国立大学に進学するのさ! 三年は理系クラスに進む

川д川 引きずってんじゃん

*(‘‘)* それはそうと、海に来たんだから泳ぎませんか?

40 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 09:26:59.76 ID:???
('、`*川 えー私浮力には自信あるけど泳げないんだもん

*(‘‘)* それにしてもさだちゃん、意外とAラインなんて着ちゃって! しかも似合うー!

川;д川 やめてって…

('、`*川 パーカーも脱げば?

川;д川 断る

*(‘‘)* あー! 大変ですよ二人とも!

('、`*川 どうしたん?

川;д川 げ!

('、`;川 なにこれ!

*(;‘‘)* 修学旅行の席順、結局くじ引きで決まってしまったようで…

川;д川 私の隣……ミセリさんだ

('、`;川 ……モララーくんだわ……キター

川;д川 ちっちゃい声で喜んでんじゃないよ!

('、`;川 でも、なに話したらいいんだろう?

川;д川 私が聞きたいって!

( ・∀・) でさ、今度のレアルの先発が…

('、`;川。0(サッカー以外の話題が一切でねえ! 誰か助けて!


ミセ*゚ー゚)リ つーかめっちゃバス揺れね? でさ、私は絶対無理って言ったの!
      そしたらね、レモナちゃん的には有りって! マザコンとかなくね?
      恋愛対象外ってか、ポッキー食べる? やべ、次のPAいつ? さっきトイレいっときゃよかったー

川;ヮ川 アハハ…

  _
( ゚∀゚) ………わりぃ、けっこう酔う方なんだよ。トソンと話したかったろ?

*(;‘‘)* いえいえ、そんな、お気遣いなく……


ミセ*゚ー゚)リ というわけで、男の子の宿舎にトツゲキする人この指とまれー!



川;゚ -゚)  |゚ノ;^∀^)  (゚、゚;トソン

41 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 09:27:38.82 ID:???
|゚ノ;^∀^) 先生に見つかったら怒られるよー?

ミセ*゚ー゚)リ センコーが怖くて夜這いができるかっての

(゚、゚トソン あんたのせいで、私らも怒られたらどうすんのさ

ミセ*゚ー゚)リ 一蓮托生でしょーが!

川 ゚ -゚) デレが…

(゚、゚トソン え?

川 ゚ -゚) デレがいない。どこに行ったんだろう

ミセ*゚−゚)リ あーもしかしてデレにゃん一人で夜這いに!?

|゚ノ ^∀^) 絶対違うと思うよー

ミセ*゚ー゚)リ わかってるって! 言ってみただけですぅ〜

从'ー'从 トランプしよトランプしよトランプしよ〜!

('、`*川 大富豪する?

ξ゚听)ξ 私も入れてもらっていいー?

川д川 いいけど…トランプでいいの?

ξ゚听)ξ ん? んー。せっかくだしさ

从'ー'从 ブーンくんと会えなくて残念だね〜

ξ;゚听)ξ はー? なべちゃんさあ、ちょっと意味わかんないかなー

('、`*川 てかちーちゃんどこ?



ζ(゚ー゚*ζ ごめんね、変なこと言っちゃって

*(;‘‘)* いえ、そんな…


ζ(゚ー゚*ζ 今日の話、忘れてほしいかも

*(‘‘)* …ヘリカル的には、覚えておいておきたいです。誰かに言ったりはしませんよ

ζ(^ー^*ζ ありがとう…ちーちゃん









.

42 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 09:28:21.74 ID:???
 高校生活も(ダイジェストで)終わり


 彼女たちの物語も 一つの区切りがつこうとしていた


 これから待ち受けるものが何なのか


 それは彼女たちも知らない



(-、-*川 しかし…グゴ……いかなる困難であっても…地味子たちは支え合い……スー……




< ヘリカル。うしろの馬鹿を起こしてやれ

*(;‘‘)* ペニサスちゃん! 起きてください! 先生の顔が見たことない表情に引きつってますよ!

川;д川 寝言が漏れまくりなんだけど




43 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 09:57:38.75 ID:???
思ったより苦戦しなかったな
五十嵐は全十字靭帯やっちゃったか・・・
荒木は成長したね、もちろんまだまだだけど

44 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 10:19:11.77 ID:???
電車がトンネルの中に入って、どれくらい経っただろう。
突然、ずっと黒一色だった視界が真っ白に染まった。

(;"ゞ)「っ!!」

反射的に閉じた瞼はどこか赤っぽく、顔には逃げ出したくなるほどの熱さを覚える。
少しだけ目を開けると、鮮やかな新緑と俺の前髪が見えた。
上から注がれる日射しを手で遮って、細めていた目をぱっちりと開く。

( "ゞ)「おお……」

目に飛び込んできたのは、はるか遠くまで広がっている向日葵の絨毯。
青空に浮かぶ入道雲は、ひとつひとつが宙に浮かぶ城でも入っていそうなほど大きい。
だけど、何よりも俺の目を釘付けにしたのは、

( "ゞ)「俺、沖縄まで来ちゃったのかな……」

向日葵畑の向こうで綺羅綺羅と輝く、空の色を映したような海だった。









( "ゞ)は夏を待っているようです

第一話 ワン・サマーガール

照りつける太陽の暑さに耐えきれなくなって、反対側の席へ避難する。
直射日光が射さない分だけ、暑いけれどまだマシだ。
金網の上に旅行バッグを置いたままだけど、取りに戻る気力が湧く気がしない。

( "ゞ)「駅に着いてからでいっか……」

手もとの時計に目をやると、もうすぐ1時になろうとしていた。
事前に調べた時刻表によれば、そろそろ駅に着く時間だ。
そして、本当なら冷房の効いた自分の部屋でぐうたらしている時間でもある。

(;"ゞ)「冷房とか……あるわけねぇよな……」

海に入るだけで、山を見るだけで涼しくなれたらどれだけよかっただろう。
だけど、それが可能なら冷房が作られるはずがない。
しばらくお預けになるであろう涼しさを思い出すと、勝手にため息が漏れてきた。

(;"ゞ)「かと言って、じいちゃんとばあちゃんほっとけないしなあ……」

都会生活に慣れてすっかりクーラー病の俺が、なんで真夏の田舎に向かっているのか。
これにはもちろん、それ相応の理由がある。

45 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 10:25:10.28 ID:???
――――――

『はーい、分かった。お盆にでもそっちに行かせるわ。
じゃあ、体に気を付けてね。ばいばい』

( "ゞ)『かあさーん、今日の夕飯なに?』

『あら、デルタ。ちょうどよかったわ』

(;"ゞ)(やべ、これ買い物頼まれるパターンだ)

(;"ゞ)『ん、なに?』

『お盆休みにね、おじいちゃんの所に行って欲しいの』

(;"ゞ)『なんで?』

『おじいちゃん最近腰が悪いらしくって、畑仕事手伝って欲しいんだって』

(;"ゞ)『えぇー……』

『デルタも小学校くらいからずっと行ってないでしょ?』

(;"ゞ)『まあ、そうだけどさ……』

『どうせ家でゴロゴロしてるだけなんだし、行ってきなさい』

(;"ゞ)『ぐっ……分かったよ』



――――――

(;"ゞ)「……はあ」

ただの手伝いならともかく、体を悪くしたとあっては行かない訳にはいかない。
数少ない友達から誘われたプールも断って、きつい農作業をしに行く事になった。
今頃、友達は水着の女の子を眺めてると思うと帰りたくなってくる。

「次は〜ラウンジ〜、ラウンジ。お出口は左側で〜す」

前のアナウンスからどれくらい経っただろう、ようやく目的地の名前が呼ばれる。
窓から前を覗くと、小さく茶色い建物が見えた。
小さい頃に探検と称して侵入していた、家の近くの廃屋を思い出す。

(;"ゞ)「無人駅だったらどうしよう……切符どうすればいいか分からねえ……」

不安と憂鬱で重くなった腰を上げる。
向かいの金網に乗せたバッグを下ろした時、流れる景色が止まった。
背後でドアの開く音がして振り返ると、誰もいないホームが広がっていた。

(;"ゞ)「……無人駅だ」

とりあえず降りたけど、人どころか蝉の死骸すらない。
嫌な予感ほどよく当たるのは本当らしい。

46 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 10:28:41.77 ID:???
モップ

47 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 12:02:05.43 ID:???
荒木は既に三年時の熊谷くらいやれてるな

しかし危ないパスばっか多いな、松本がガードの時が全体的にパスが雑だった

48 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 12:17:50.42 ID:???
(;"ゞ)「どうすりゃいいのよ、これ……」

切符を持ったまま、太陽の照りつけるホームに佇む。
いっその事、今しがた見送った電車が戻ってくるまで待って、運転手さんに聞こうか。
そんな考えがよぎったけれど、その前に俺が干物になってアリにたかられそうだ。

(;"ゞ)「……奇跡的に誰かいないかな」

とりあえず日陰を求めて駅舎へと逃げ込む。
すると、普通なら改札がある場所に大きな箱があった。
マジックで「切符はこちら」とでかでかと書いてある。

(;"ゞ)「ふいー……焦らせんなよ」

安堵のため息が漏れて、胸が軽くなる。
切符を箱へ入れて駅舎を出ると、正面に白い軽トラが止まっていた。
そして、車内には見知った顔がふたり。

(`・ω・´)「久しぶりだな、デルタ」

从 ゚∀从「あらぁ……大きくなったわねぇ」

俺のじいちゃんと、ばあちゃんだ。




( "ゞ)「じいちゃん、ばあちゃん。久しぶり」

最後に会ったのは小学校高学年にもなってない頃だから、7年も前だ。
近付いてみると、ふたりともだいぶ白髪が増えた気がする。

(`・ω・´)「なんでえ、このワカメみてえな髪は」

(;"ゞ)「あだだだっ、じいちゃん痛いってば!」

じいちゃんがいきなり前髪を引っ張ってくる。
肉体派のじいちゃんからすれば、女みたいな髪型に見えるんだろう。
だからと言って、ムキムキの腕で引っ張られるのは勘弁願いたい。

从 ゚∀从「お父さん、これがきっと若い人の流行りなのよ。ねえ?」

(`・ω・´)「最近の奴はみんな女みてえな頭なのか?」

(;"ゞ)「ん、ああ……まあ……ね」

ばあちゃんの仲介が入って、ようやく手が離される。
最近の流行りなんて分からないけど、とりあえずそういう事にしておいた。




从 ゚∀从「デルタが来てくれて、ばあちゃん嬉しいよ」

( "ゞ)「……ごめん、ずっと来なくて」

从 ‐∀从「いいんだよ、デルタが元気でいてくれるだけで」

49 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 12:18:23.22 ID:???
ばあちゃんが俺の手を取って、両手で包み込む。
覚えているよりずっと小さくなっていて、しわも増えていた。
腰も随分と曲がってしまったように見える。

( "ゞ)「……俺、これからはなるべく来ようかなって思う」

大きくなるにつれて、中で遊ぶのがどんどん好きになっていった。
そのうち、何もない田舎のラウンジがつまらなく思えてきて、いつしか行かなくなった。
俺と相反するように小さくなってしまったふたりを見て、その事を後悔する。

从 ‐∀从「そうかい……ありがとうねえ、ありがとうねえ」

(`・ω・´)「言ったからには、ワシが死ぬまでこき使ってやるからな!」

(;"ゞ)「縁起でもない事言わないでくれよ……」

今からでも恩返しが出来るなら、するに越した事はないだろう。




从 ゚∀从「疲れたでしょう? 手伝う前に家で休んでいきなさい」

(`・ω・´)「荷物も置いていかないといけないしな」

( "ゞ)「ありがとう、そうさせてもらう」

とりあえず家に向かう事になって、車に乗ろうとする。
ドアを開けたところで、軽トラの座席がふたつしかない事に気付いた。
どう考えても三人座れるほどのスペースはない。

(;"ゞ)「じいちゃーん、これ三人も乗れないんじゃ……」

(`・ω・´)「何言ってんだ。デルタはこっちだ、ほれ」

じいちゃんが指す先へ視線を移す。
軽トラの荷台以外は、田園風景だけしかなかった。
そういえば、昔はよく乗せてもらってた気がする。

(;"ゞ)「……」

(`・ω・´)「大丈夫だ、一回も捕まった事なんてねえ」

刑法なんて知らずにはしゃいでた頃が懐かしく思える。
独りで車の後を走るわけにもいかず、バッグを先に乗せてから荷台によじ登る。
車内を覗くとじいちゃんと目が合って、それを合図に車は走り出した。




(;"ゞ)「あだっだだだだっだだ」

舗装されていない道は激しく揺れて、その度に尻が跳ねあげられて痛い。
肌に感じる風は涼しいけど、直射日光が見事に相殺してくれやがっている。

(;"ゞ)(俺の尻が割れる……いや、砕ける前に着きますように……)

必死で揺れに耐えているうちに、潮の匂いがしてくる。
前方を覗きこむと、電車から見えた海と砂浜が広がっていた。
海岸線の道は舗装されていて、海を横目に走り始めると揺れが収まる。

50 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 12:19:10.26 ID:???
( "ゞ)「ふう……」

やっと落ち着く事が出来て、景色を楽しむ余裕が出てきた。
不規則に揺れる水面が綺羅綺羅と輝いて、有無を言わさずに心を奪われる。

( "ゞ)「……ん?」

視界の隅にちらり、と白い何か砂浜に転がっているのが見えた。
目を向けると、それは砂浜の色ではなく、雲の色を映したような純白。
車が近付くにつれて、姿形がはっきりしてくる。




( "ゞ)「人か……」

謎の物体の正体は、白い服を着た座っている人だった。
麦わら帽子を背中にぶら下げて、海を見つめたまま動かない。
顔は見えないけど、服がワンピースという事は女性のようだ。

( "ゞ)(こっち向かないかな……)

もしかしたら可愛い女の子で、ひと夏の恋に落ちるかもしれない。
淡い期待を抱きつつも、こっちを振り向かないまま車は進んでいく。
そして、いよいよ通り過ぎてしまう時になって。



( "ゞ)そ(おっ!!)


想いが通じたのか、車の音に反応しただけなのか。



ミセ*゚ー゚)リ



ショートカットの黒髪をなびかせて、彼女は振り向いた。





(;"ゞ)(うおっ、どストライク!!)

顔つきは幼さが残っていて、俺と同い年か少し年下に見えた。
小動物の様なくりくりとした黒く大きな瞳が可愛らしい。
飾り気はないけど、磨けば光りそうな美少女の原石とでも言えばいいだろうか。

ミセ;゚д゚)リ「!!」

(;"ゞ)(立った!? てか、ばっちり見られてる!?)

おもむろに立ち上がった女の子は、明らかにこっちを、俺を見ていた。
離れていても互いの視線が絡み合っているのがはっきり分かる。
この距離で見つめ合うなんて異常だとは思いつつも、目を逸らせない。

51 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 12:19:47.69 ID:???
ミセ;゚ー゚)リ

(;"ゞ)(ああ……美少女が離れていく……)

女の子は車に向かって二、三歩だけ足を踏み出す。
その間にも俺の体はどんどん彼方へ運ばれていって、ついには海からも離れていく。
やがて、白い点になった女の子は曲がり角の向こうに消えていった。




( "ゞ)(何だったんだろう、あの子)

考えれば考えるほど、不思議な点が出てくる。
俺は見ず知らずの女の子に一目惚れされるくらい顔がいい訳でもない。
かといって、こっちに同い年くらいの知り合いがいた記憶もない。

(;"ゞ)(美的感覚がおかしいとか、俺が馬鹿だから忘れてたり……)

理由をこじつけようにも、ご都合主義な発想ばかりが頭の中をぐるぐる廻る。
ゲームやアニメでしか見た事が無いものばかりで、自分で考えていて馬鹿馬鹿しくなってきた。

(;"ゞ)「ああー、もう分かんね」

もやもやした頭の中身の捌け口を求めて空を仰ぐ。
狭まった視界を埋め尽くす入道雲の色は、あの子のワンピースの色だった。

(*"ゞ)(ちょっとしか見えなかったけど……可愛すぎだろあれは)

鮮明に脳裏に焼き付いたあの子の姿が蘇ってくる。

(*"ゞ)「……うへへっ」

つい口角が上がって、吐息と共に気持ち悪い笑い声が漏れた。




(;"ゞ)「んなあっ!?」

突然、意思と関係なく体が後方に投げ出される。
水中に浮かんでいるような感覚を覚えた後、にぶい音がして後頭部を激痛が襲った。

::(; ゝ)::「お、あ、ああ……」

酸欠の金魚みたいにぱくぱくと開く口からは、勝手に声にならない声が出る。
涙で視界が滲んで、見える物すべてから輪郭が消え失せる。
ぶつけた部分にそっと触れると、針で刺したような痛みが走った。

(`・ω・´)「着いたぞデルタ……って何してんだおめぇは」

車のドアが開く音がして、じいちゃんの素っ頓狂な声がした。
物思いにふけっていて気付かなかったけど、どうやら家に着いたらしい。

(;"ゞ)「いきなりブレーキかけないでくれよ……」

(`・ω・´)「ちゃんと座ってねぇお前が悪い!!」

陳情をあっさりとかわしたじいちゃんは、そそくさと家へと歩いていく。
俺も涙を拭うと、鞄と一緒に荷台から飛び降り、小走りでじいちゃんを追いかけた。

52 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 13:46:50.02 ID:???
モップ

53 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 14:33:14.03 ID:???
大人と子供の戦いw

54 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 17:56:14.00 ID:???
能力差だったな
もっとやれたようにも見えるけどあれが今の限界かな
三年生は悔しいだろうけどお疲れ様

55 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 23:03:38.33 ID:???
(もう能代スレって崩壊してる?ここに書いて意味あるかな…)
いやー、広島まで見に行ってきたけど衝撃だったなー
年々弱くなってる気がする
洛南より良かった点なんて一つもないけど、特に印象的だったのがフィジカルの弱さ
何かもう見るからに細い、当たり負けして吹っ飛ばされてる
ディフェンス全然効いてないし、オフェンスもチグハグ
たまに出る速攻が昔を思い出させる程度
山形南や若松商の方が(負けたけど)いいバスケしてた

56 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 23:19:39.67 ID:???
あと、富山の日本代表候補がすごかった
動きがまるで異次元、あのガタイで突然猛スピードでドライブ
ディフェンスが棒立ちで置いてかれてた
途中で怪我しちゃったのが残念

57 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/25(火) 23:52:03.74 ID:???
いいたくないが田舎のバスケだよな.......

58 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 07:16:52.82 ID:???
秋田人には雪かきが似合ってるよ(笑)

59 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 12:35:14.62 ID:???
>>55
フィジカルの差は確かに感じた
荒木はともかく他も結構細いんだよなあ
三彦時代はそういうことほとんどなかったのに

佐々木なんかは頑張れば馬場みたいになれる
運動能力は高いしボールへの執着心もある
荒木も目に見えて成長してるのがわかった
後はサイズがそれなりにあるSFが欲しいな
中島がもっと状況判断良くなれば積極的に使えるけどあの周りの見えなさはひどい
松本にPGやらせてたけど今の段階だと通用しない

悪い部分ももちろんあったけど
土屋のディフェンスに代表するようなボールへの執着心が全体的に見えて良かった
でも他のチームと比べるとウィンターカップなのに全然完成されてないのが悲しいな

60 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 12:42:24.46 ID:???
(`・ω・´)「荷物置いてちっと休んだら、畑行くからな」

( "ゞ)「あ、はーい」

玄関先で追いついたかと思うと、じいちゃんはそれだけ言って奥に見える倉庫へ行ってしまった。
大きなトラクターらしき物が見える辺り、畑仕事の準備をしに行ったんだろう。

( "ゞ)「とりあえず荷物でも置いてくるか……」

家の中に入ろうと引き戸に手をかける。
鍵はかかっておらず、がらがらと音を立てて玄関が目の前に現れた。

(;"ゞ)「……これは、いいのか?」

意識の違いに戸惑いつつも、とりあえず中に入って靴を脱ぐ。
脱ぎ終わって顔を上げると、ちょうどばあちゃんが帰ってきた。

从 ゚∀从「ごめんねぇ、ばあちゃん歩くの遅くて」

( "ゞ)「いいっていいって、無理される方が困るよ」

从 ゚∀从「待っててね、部屋まで案内するから」




家に上がったばあちゃんの後に付いて廊下を歩いていく。
足を踏み出す度に木材の軋む音が響く。

从 ゚∀从「ここだよ」

案内された部屋の戸を開けると、すぐに青草の匂いが漂ってくる。。
ひとりで使うには広すぎる程の部屋一面に、青々とした畳が敷かれていた。

( "ゞ)「こんな広い部屋、俺ひとりで使っちゃっていいの?」

从 ゚∀从「いいんだよ。掃除したけど、使ってなかった部屋だから埃っぽかったらごめんね」

( "ゞ)「ううん、ありがとうばあちゃん」

この広さを曲がった腰で掃除するのは、きっと大変だっただろう。
俺が倒れなければ、畑仕事以外も手伝ってあげようと思った。

( "ゞ)「さて、と」

とりあえず部屋の中央に荷物を置いて、その横に寝転がる。
さっきぶつけた部分はまだ少し痛いけど、気にするほどじゃない。
天井の木目と見つめ合いながら、これからの事に想いを馳せた。




( "ゞ)(畑仕事と家の手伝いは決まりとして……)

手伝いが主な理由とはいえ、せっかくの田舎の夏休みだ。
ただ畑で土をいじって帰るだけじゃ味気ない。

61 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 12:43:03.65 ID:???
(;"ゞ)(高2の夏休みだぞ、青春だぞ!?)

プールで水着の女の子を堪能するのも、所詮はその場限りだ。
大人になっても覚えているような、ひと夏の思い出を作らないでどうする。
そう考えると、俄然やる気が出てきた。

( "ゞ)(よし、畑が終わったら遊びに行くぞ……!)

だけど、計画を練ろうとしてはっとする。

(;"ゞ)(……しまった、どこに何しに行こう)

遊ぶための物も持ってきてないし、一緒に遊ぶ相手もいない。
さらに言えば、遊ぶ場所の当てもない。

(;"ゞ)(考えろ、俺! ここでくじけたら俺の17歳の夏が何の思い出もないまま終わる!)

振り返れば夏休みに入っての一ヶ月間、特に何もせずゴロゴロしてた記憶しかない。
こんなに悩むなら、キッズウォーの再放送とか見てないで遊びに行ったりすればよかった。




ミセ*゚ー゚)リ

ふと、空白だった頭の中にさっきの女の子の顔が浮かんだ。

(;"ゞ)(そうだ、さっきの子に会いに行ってみようかな)

俺がよほどのナルシストでなければ、あの子は確かに俺を意識していた。
記憶にないだけで昔の知り合いだったりするかもしれない。
今を逃せば、あんな可愛い子と知り合える機会なんてこの先ないだろう。

(*"ゞ)(そしてふたりは恋に落ちて……うえっへっへへっへへ)

从 ゚∀从「デルタ、顔赤いけど大丈夫かい?」

(;"ゞ)「ばっばばばばあちゃん!? な、なにっ!?」

妄想の世界に旅立っていた俺の眼前に、ばあちゃんの顔が現れた。
慌てて跳ね起きて、手遅れな気はしつつも平静を装う。

从 ゚∀从「暑かっただろうから、麦茶持ってきたよ」

(;"ゞ)「あ、ありがとばあちゃん。俺平気、うん。全然なんともない」

从 ゚∀从「そうかい?」

(;"ゞ)「そうそう、そうだから、うん」




从 ゚∀从「さっきね、おじいちゃんも準備出来たみたいだから。
      デルタがよければいつでも畑に行けるって」

もう少しだけ畳に転がって休んでいきたい気持ちはあった。
しかし、早く手伝いを終わらせないとあの子が帰ってしまう可能性もある。
それだけはなんとしても避けないといけない。

62 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 12:43:33.77 ID:???
( "ゞ)「よっし、すぐ行くから!!!」

持ってきてくれた麦茶を一気に飲み干す。
通り過ぎていく気持ちいい冷たさが、火照った全身に広がっていく。
心も体も元気を取り戻した俺は、鞄から作業用セット一式を取り出す。

从 ゚∀从「あらま、もう休まないでいいのかい? これも若さかねぇ……」

( "ゞ)「そうだよばあちゃん!! これが若さ、青春だよ!!」

帽子を被り、タオルを首にかけて、最後に軍手をぐいっと引っ張って手にはめる。
今となっては、ほんの一秒すら何物にも代え難いくらい惜しく感じられる。

( "ゞ)「じいちゃあああああああん! 畑行こおおおおおおおおおおおおおお!」

準備の出来た俺は、大いなる目標に向かって駆け足で部屋を飛び出した。

〜〜〜〜〜〜




::(  ゝ)::「や、や、やっと、終わった……」

(;`・ω・´)「なんでぇ、威勢よく飛び出してったってのにだらしねぇ」

全ての作業を終えた家へと向かう車内。
揺れに抗う体力すら残っていない俺は、寄りかかった窓ガラスに頭をぶつけ続けていた。

::(  ゝ)::「聞いてない……あんなに広いなんて、聞いてない……」

(;`・ω・´)「俺んとこは都会の家庭菜園じゃねえっての」

::(  ゝ)::「まったくです……」

意気揚々と手伝いに出かけた俺を待っていたのは、地平線まで広がる畑だった。
広い場所なんてせいぜい校庭くらいしか知らなかったから、ただ絶句するしかなかった。

::(; ゝ)::(死んじゃう! これがあと3日続くとか死んじゃう!)

かごを持って畑を練り歩き、じいちゃんに言われるがままに雑草や悪くなった野菜を取る。
満杯になったら軽トラまで持っていって、また畑へと戻る。
単純作業の繰り返しだけど、これが精神的にも肉体的にもきつい。




::(; ゝ)::(なんかさっきから、生まれたてみたいに全身ぷるぷるしてるし!)

疲れのせいか、あきらかに俺の体がヤバいサインを発している。
これは俺の今後についてじいちゃんに要相談だ。

(`・ω・´)「そうだ、家に帰ったら荷台のゴミを全部捨てといてくれ。
      最近は重い物持つと腰が痛くなってな。捨てる場所は後で教えるからよ」

(; ゝ)「」

(`・ω・´)「デルタが腰かがめる仕事をしてくれて助かったぜ、今日は腰が幾分か楽だ。
      大変だろうが明日も頑張っちゃくれねえか?」

63 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 12:44:18.13 ID:???
(; ゝ)「……うん、任せて」

(`・ω・´)「わりぃな、頼むぜ」

まだ仕事が残っているのを知って諦めたのか。
それとも、嬉しそうに話すじいちゃんを見たからか。
いつの間にか口をついて出たのは、了承の言葉だった。

(;"ゞ)(今は美少女を……あの子を支えにして、頑張ろう)

遠くに見える向日葵畑の、さらに奥に見える海岸線に想いを馳せる。
気付けば、体の震えは止まっていた。




(`・ω・´)「よっと、到着だ」

どれくらい時間が経っただろう。
空を見上げて入道雲がちぎれていくのを眺めていたら、不意に車が止まる。
視線を正面に移して、そこでようやく家に着いたことに気付いた。

(`・ω・´)「デルタ、荷台のゴミはあっちに行けばゴミの溜まってる場所がある。
      そこに全部捨ててきてくれ。これで今日の仕事は終わりだ」

じいちゃんが指差す方を向くと、ちらりと汚らしい一角が見えた。

( "ゞ)「ん、分かった。ところでさ……」

(`・ω・´)「なんだ?」

念には念を入れて、出掛ける旨も言っておく事にする。

( "ゞ)「これが終わったら、その辺プラプラしてきていい?」

(`・ω・´)「ああ、日が暮れる頃までには帰ってくりゃあいい。ちょうど晩飯の時間だ」

それだけ言うと、じいちゃんはさっさと家の中へ入っていく。
じいちゃんの背中越しに、微笑みながら出迎えるばあちゃんの姿が見えた。
可笑しい光景でもないのに笑みがこぼれて、少し心臓の辺りが軽くなる。


( "ゞ)「よし……」

携帯をポケットから取り出して時間を確かめると、午後3時半を過ぎていた。
すでにあの子は帰っていてもおかしくはない。
だけど、一縷の望みに賭けてみるほどの価値はある。

( "ゞ)「さっさとやりますか」

大きく伸びをして、荷台に積まれたゴミの山を睨みつける。
異性に縁がない俺にとって今回は大きなチャンスだ。
そのチャンスを潰そうとする障害は、何であろうとすべて叩き伏せる。

( "ゞ)「今の俺の前に立ちはだかった事……後悔するんだな!」

この山を乗り越えた先には美少女が待っている。
そう思うと、体の内側から力が湧き出てくるような気がした。

〜〜〜〜〜〜

64 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 13:37:02.25 ID:???
モップ

65 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 15:27:21.98 ID:???
>>59
選手が頑張ってるのはすごく伝わってきた
逆に言うとそれだけなんだよなー
監督変えなきゃもう勝てないと思う、あの人は何を教えてるの?
それとも勝ちへの執念がもう薄れちゃったか

66 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 15:57:06.42 ID:???
(;"ゞ)「終わったああああああああああああああっ!!!」

タオルも軍手も放り投げて、玄関で仰向けに倒れ込む。
ほんのり背中に感じた床の冷たさもすぐに消え失せ、シャツが吸った汗の感触だけが残った。
少しだけ休んで着替えたら、急いで海岸に向かう事にしよう。

从 ゚∀从「よう働いてくれたねぇ、お疲れ様。はい、麦茶だよ」

(;"ゞ)「あっ、ばあちゃんありがと……」

天井だけが映っていた視界に、逆さまになったばあちゃんの顔が入り込んできた。
上半身を起こして持ってきてくれた麦茶に口を付ける。
働いた後の一杯だからか、出掛ける前に飲んだ物よりも何倍も美味く感じた。

( "ゞ)「俺さ、この後海岸まで行ってくる。日が暮れるまでには帰ってくるよ」

从 ゚∀从「迷子にならないように気を付けるんだよ?」

(;"ゞ)「大丈夫だよ、もうガキンチョじゃないんだから。携帯だってあるし」

从 ゚∀从「迷ったら電話くれればすぐに迎えに行くからね?」

(;"ゞ)「ははは……はーい」




俺の言った事を聞いていたのかいないのか、ばあちゃんはまだ心配そうな様子だ。
もっとも、むこうからすれば俺はいつまで経ってもガキンチョなんだろう。

( "ゞ)「じゃ、ちょっと着替えてくる」

从 ゚∀从「今はお父さんが入ってるけど、お風呂沸いてるよ。入らないのかい?」

( "ゞ)「ん……いいや。急がないといけないんだ」

正直、ゆっくり湯船に浸かっておっさんみたいな声を出して疲れを取りたい。
だけど、時間が経てば経つほどあの子が帰ってしまう確率は高くなる。

( "ゞ)「ごめんね、ばあちゃん」

从 ゚∀从「いいよいいよ、水辺だから危ないところには行かないんだよ?」

( "ゞ)「ん、分かった」

立ち上がって放り投げたタオルやらを拾い、荷物を置いた部屋へ向かう。
ばあちゃんの親切を無下にしてしまった事に、少し心が痛む。
代わりといってはなんだけど、帰ったら疲れてても何か手伝おう。




(;"ゞ)「おおう……これは洗濯機行きだな」

部屋に戻って汗だくのシャツを脱ぎ捨て、タオルで軽く体を拭く。
新しいシャツを取り出して着替えると、まとわりつくような不快感は消え失せた。

67 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 15:57:40.18 ID:???
( "ゞ)「服よし、財布よし、携帯よし。元気は……あまりないけど美少女の為なら頑張れる」

考え事をしていたせいで、ここから浜辺までどれくらいかかるかは分からない。
だけど、家の前の道沿いに歩けばそのうち着くだろう。
俺の体力とひと夏の恋のチャンス、どっちが大事かは明白だ。

( "ゞ)「ま、なんとかなるだろ」

脱いだシャツを持ち、部屋を出ようと戸を開ける。

从 ゚∀从「あらぁ、もう行くの?」

すると、ちょうど目の前にばあちゃんが立っていた。
持っているお盆の上には氷入りの冷たそうな麦茶が乗っている。
どうやら俺に持ってきてくれたところのようだった。




( "ゞ)「うん、行ってくる」

そう言ってコップを掴んで麦茶を一気に飲み干し、再びお盆に戻す。
手に残る水滴の冷たさが気持ちいい。

从 ゚∀从「やっぱり子供は元気だねぇ。シャツはいいから行ってきなさい」

( "ゞ)「あ、ありがとう。んじゃ、行ってきまーす」

シャツをばあちゃんに託すと、そそくさと玄関へ向かい靴を履く。
気を付けるんだよ、と背後から聞こえた声に軽く応え、俺はまた日射しの下へと飛び出していった。

〜〜〜〜〜〜





(;"ゞ)「あー……ああ……」

息を吐く度に勝手にうめき声が漏れてくる。
変わり映えしない田園風景と暑さのせいで、完全に参ってしまった。
それでもまだ足が前へと進むのは、浜辺がすぐそこに迫っているからに他ならない。

(;"ゞ)「海よ……母なる海よお……」

あの子がいた浜辺に出るまで、あと曲がり角ひとつだ。
だんだんと潮の香りを胸一杯に吸い込む。

(;"ゞ)「俺をっ、包みこんでくれええええええっ!」

半ばヤケクソ気味に叫んで、駆けながら角を曲がっていく。
その瞬間だけ鉛の様だった体が、風になったみたいに軽くなるのを感じた。




(;"ゞ)「着いたぞ……前人未到だ……難攻不落……いや、そうでもないか」

68 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 15:58:15.54 ID:???
ようやく浜辺に辿り着いた、という達成感で妙にテンションが上がる。
しかし、一面に広がる涼しげな青と白を目にして、すぐに冷静さを取り戻した。
ここに来た本来の目的であるあの子の姿を探して、辺りを見渡す。

(;"ゞ)「いるかな……? いや、いてくれ……頼む……」

ぱっと見た限りでは、砂浜には人の姿はおろか砂以外は何も存在しない。
とてもいい事だけど、俺にとってはそれじゃ困る。

(;"ゞ)(いませんでしたー☆、だったら俺ショック死しちゃうよ!?)

美少女と知り合える機会を逃して生きていられるほど、俺のハートは強くない。
もっと近くから探そうと、道から海岸に降りてあの子を探し始める。
何とか見つかってくれ、と願いながら波打ち際に沿って歩を進めた。

(;"ゞ)「……おっ?」

歩き始めて少し経った頃。
数時間前の記憶と寸分違わず。
砂浜と同じ真っ白なワンピースを着て。












ミセ*゚ー゚)リ









あの子は海を見つめていた。














(;"ゞ)(まだいた! 神は俺を見捨てていなかった!)

69 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 15:58:49.97 ID:???
期待と不安が半々だった胸中が、まるで今の空模様のように晴れ渡った。
高揚感で心臓が強く脈打つのがはっきりと分かる。

(;"ゞ)(で、でもどうしよう!? どうやって声かけよう!?)

悲しいかな、こういう事に関しては経験不足だ。
普段はあまり使われない頭を、必死で回転させる。
そして、ひとつの結論に辿り着いた。

(;"ゞ)(無難にいこう、何してるんですかって普通に聞こう! うん、それがいい!)

まずは下手を打たない事を最重要課題とした。
もし最初でコケたら、そこから挽回できる気がしないからだ。

(;"ゞ)「っうん、あーあー」

軽く咳払いして、話しかける際の声のトーンを確認。
裏返ったりしたら第一印象最悪なので、入念に。

(;"ゞ)(いくぞ……いくぞ……)




ミセ*゚ー゚)リ

意を決して、一歩一歩近付いていく。
俺に気付いていないようで、あの子はまだ海を見つめたままだ。

(;"ゞ)「あ、あのー」

あと数歩の距離まで近づいても、まだ気付く気配はない。
少し不安と焦りがこみ上げてきたけど、出来るだけ平静を装って声をかけてみた。

ミセ*゚ー゚)リ

(;"ゞ)(あれれ〜? 反応がないよぉ〜?)

波の音に紛れてしまったのか、わざと無視されているのか。
実は人間じゃなくて置物なんじゃないか、というくらいに微動だにしない。
もう一歩だけ近付いて、さらに声を張って話しかけてみた。

(;"ゞ)「こんな所で何してるんですか!?」

ミセ*゚ー゚)リ「え?」

ようやく俺に気付いて、顔だけをこっちに向ける。
黒く大きな瞳から放たれる視線が、俺を真っ直ぐに射抜く。
何故かそのまま、さっきまでと同じようにぴくりとも動かなくなった。




(;"ゞ)(ん? え? 何、何これ?)

戸惑いの連続で、暑さとは違う汗が顎をつたって砂浜に落ちていく。
もしかして、俺とは違う世界に生きる人だったりするんだろうか。
もちろん危ない意味で、だ。

70 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 16:37:29.07 ID:???
>>59
選手が頑張ってるのはすごく伝わってきた
逆に言うとそれだけなんだよなー
監督変えなきゃもう勝てないと思う、あの人は何を教えてるの?
それとも勝ちへの執念がもう薄れちゃったか

71 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 16:44:09.86 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ

(;"ゞ)(動いて、動いてよ! 暴走しない程度に!)

向こうが動かないから、つい俺まで固まってしまう。
この浜辺で、波だけが時間の流れている証明のようだった。

(;"ゞ)(……お?)

固まり続けてどれくらい経った頃だろう。
まず、瞳が飛び出てしまうそうなくらいに大きく目が見開かれた。

ミセ;゚ー゚)リ

次に、ゆっくりと桜色の唇が開かれた。
それから、金魚みたいにぱくぱくと開いては閉じてを繰り返す。

ミセ;゚д゚)リ





(;"ゞ)「な、に? その――」



幽霊でも見たような顔は、と。
そう問いかけようとした瞬間だった。





ミセ;゚д゚)リ「デルタぁああああああああっ!!??」



(;"ゞ)「はいいいいいいいいいぃ!?」



あの子は、俺の名前を叫びながら押し倒すという暴挙に打って出た。




ミセ;゚д゚)リ「そうなの!? ねぇ!!」

(;"ゞ)「そうですけどおおおおおおお!?」

真夏の砂浜で馬乗りになって俺の肩を掴んで、がくがくと前後に揺さぶる美少女。
なんでこんな事になったのかも分からず、視界が揺れる度に思考がぐちゃぐちゃになっていく。
とりあえず訳が分からない状況から逃れたい一心で、彼女の問いに応えた。

ミセ;゚д゚)リ「やっぱり!」

俺の肩を揺さぶる手が止まって、景色が彼女の顔のどアップで固定される。
しかし、まだ俺の体の上からどいてくれる気配は無い。
それどころか、何かを探るように見つめてくる。

72 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 16:44:45.57 ID:???
(;"ゞ)「あ、の、ところで……やっぱり、って……なんですかね?」

下心は完全に消え失せて、警戒心で胸が満たされる。
自分でも驚くくらいどもりながらも、恐る恐る疑問をぶつけてみた。

ミセ;゚д゚)リ

ミセ;゚ー゚)リ

それに対する返答はなく、代わりに驚きに満ちていた表情が困り顔に変わった。




ミセ;゚ー゚)リ「もしかして、さ」

(;"ゞ)「なんでしょうか?」

ミセ;゚ー゚)リ「覚えて……ない?」

(;"ゞ)「……?」

さっきまでの騒がしさはどこへ行ったのか、波が寄せては返す音だけが流れる。
だんだん冷静になっていく頭の中で、ひとつひとつのピースが組み立てられていく。

(;"ゞ)(そういえば、この子はなんで……俺の名前を知ってるんだ?)

俺と彼女は初対面のはずなのに、名前を知っているはずがない。
加えて、俺の顔を見た時の反応といい、俺に覚えていないのかと聞いたり。

ミセ;゚ー゚)リ

(;"ゞ)(まさか……)

あるひとつの可能性が頭をよぎって、汗が一気に引っ込む感覚を覚えた。
よりによって、こういうケースで一番あってはいけない可能性だ。





(;"ゞ)「えーっとですねー、はい、あの」

ミセ*゚ー゚)リ「?」

口に出した後の事を考えると、喉に綿が詰まったような息苦しさを感じる。
何度か咳払いをしてようやく決心が固まり、非常に聞きづらい質問を彼女に切り出した。

(;"ゞ)「もしかしてですね、わたくしとあなたさまは……」

ミセ*゚ー゚)リ「はあ……」

(;"ゞ)「前にどこかでお会いした事があったのでしょうか、なんて……」

もし、本当にそうだったなら失礼極まりない事態だ。
だけど正直な話、こんなに可愛い子なら俺が覚えていないはずがない。
小中高全ての可愛い子の顔と名前は、全員覚えているのが数少ない俺の自慢なんだから。

73 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 16:45:29.20 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ

ミセ*゚−゚)リ

ミセ#゚−゚)リ

(;"ゞ)(アウトおおおおおおおおおおおおおお!!)




口元を尖らせて、誰にでも分かるくらい不機嫌そうな表情に変わる美少女。
そんな顔をしてても可愛らしさは変わらないけど、それを堪能する余裕がない。
場を取り繕うために熱暴走寸前の頭を回転させる。

(;"ゞ)(うわあああああ頑張れ俺えええええええ!!)

ミセ* − )リ「ほんとに……覚えてないの?」

(;"ゞ)「……え?」

怒っていたかと思うと、彼女はすぐに顔を伏せて残念そうに呟く。
打って変わってしおらしさ全開の態度に、自責の念がこみ上げてくる。

(;"ゞ)「ごめん……なさい」

気付くと俺は、自然と謝罪の言葉を口にしていた。
数瞬して再び顔を上げた彼女は、改めて俺の目を真っ直ぐに見つめる。
それから、視界の端に見えていた桜色の唇がゆっくりと動いた。

ミセ;゚ー゚)リ「……ミセリ」

(;"ゞ)「へ?」

ミセ;゚ー゚)リ「あたしの、名前」



(;"ゞ)「ミセリ……ミセリ……」

うわごとのように何度も繰り返しながら、頭の中の引き出しを開けていく。
しかし、やっぱり思い出す事が出来ない。

ミセ;゚ー゚)リ「10歳の時、実家から来たけどここに独りでいたあたしに、遊ぼうって声をかけてくれて」

俺を見かねてか、謎の美少女改めミセリが口を開く。

ミセ;゚ー゚)リ「あちこち連れて行ってくれて、家に呼んで一緒にスイカ食べたりして」

(;"ゞ)「う……ん……」

何も無い真っ白な空間に少しずつ下描きがされていく感覚。
それはやがて綺麗な線画になって、極彩色で染まっていく。

ミセ;゚ー゚)リ「あたしが帰る日になって、泣きながらわがまま言ってる時に」

(;"ゞ)「くっ……ん……」

描かれた絵がアニメのように動き始めて、声が付いていき。
そして、

74 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 18:21:02.91 ID:???
>>59
選手が頑張ってるのはすごく伝わってきた
逆に言うとそれだけなんだよなー
監督変えなきゃもう勝てないと思う、あの人は何を教えてるの?
それとも勝ちへの執念がもう薄れちゃったか

75 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 23:54:41.38 ID:???
――――――

ミセ*;д;)リ『やだぁああああああ!!! もっとデルタと遊ぶぅううううう!!』

『わがまま言うんじゃありません! すいません、わざわざお見送りに来てもらったのに……』

(`・ω・´)『うちの孫と仲良くして貰ったんですし、全然構いやしませんって』

从 ゚∀从『この年なもんで、満足に遊んでやれなくて……本当にミセリちゃんには感謝しております』

ミセ*;д;)リ『デルタぁあああああ!! ああああああああん!!』

( "ゞ)『ミセリ、ミセリ』

ミセ*;д;)リ『?』

( "ゞ)『俺さ、毎年夏休みはこっちに来るんだ。だからさ、また会えるよ』

( "ゞ)『俺も寂しいけど、もし来年も来てくれたら、絶対にまた会えるから』

ミセ*;д;)リ『……』

( "ゞ)『それまでに絶対身長抜いてやるからな! 待ってろよ!』

ミセ*つд;)リ『……うん』





――――――

ミセ;゚ー゚)リ「来n」

(;"ゞ)「来年も来てくれればまた会えるから」

ミセ;゚ー゚)リ「えっ?」

(;"ゞ)「とか言って、慰めたんだっけ?」

脳裏に少しだけ蘇った記憶と、ぴたりと重なった。

ミセ*゚ー゚)リ「そう……だよ」

僅かな静寂の後、海から涼風が一際強く吹き荒ぶ。
それに乗せるかのようにミセリが、安堵と寂しさの色が混ざった笑顔で囁いた。

ミセ*゚ー゚)リ「ずっと……ずっと待ってたんだから」

(;"ゞ)「ご……めん」

風で舞い上がるミセリの前髪が俺の鼻先をくすぐる。
それがきっかけで、俺は互いの距離を改めて意識する。
途端に顔だけがやたら熱くなり始めて、鼓動が加速していくのを感じた。

76 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 23:55:40.45 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ「あれから毎年待ってたのに、デルタは一度も来てくれないし」

(;"ゞ)「ひゃい、す、すいましぇん」

鼻にくすぐったさを感じるたび、潮の香りとは違う香りがしてくる。
恐らく、ミセリの髪の香りなんだろう。
なんだか、夏の暑さ以外の原因で倒れてしまいそうになってきた。

ミセ*゚ー゚)リ「でも……許してあげる」

(;"ゞ)「あ、い、いいの……?」

クラクラしてきた頭で、しどろもどろに聞き返す。

ミセ*゚ー゚)リ「うん、大遅刻したのはいただけないけど」

ミセリは少しもったいぶるような仕草をして、



ミセ*^ー^)リ「デルタにまた会えたってだけでも、指折り数えて夏を待っていた甲斐があったから」



心底嬉しそうに笑いながら、そう言ってくれた。




家族以外の異性とは特に縁もなく、17年間生きてきた。
そんな俺に訪れた、二次元の中でしか見た事が無いようなシチュエーションの連続。

(;"ゞ)(美少女と運命的な再会を果たして超密着してずっと待たれててあばばばばば)

どうやら、これほどまでのときめきに耐えられるほどの体力は俺にはなかったらしい。

( ゝ)「その笑顔は……はんそkゴフッ」

ミセ;゚д゚)リ「でっ、デルタぁあああああ!?」

ギリギリのところで保たれていた俺の意識は、ミセリの笑顔でノックアウトされた。

〜〜〜〜〜〜




( "ゞ)「ん……んん?」

どれくらい時間が経ったのだろう。
真っ暗だった視界に光を感じて、そっと目を開ける。

ミセ;゚ー゚)リ「あっ、起きた……大丈夫?」

和らぎ始めた日差しと、片手に麦わら帽子を持ったミセリの顔が視界に飛び込んできた。
徐々に体の方も目覚めてきて、後頭部に柔らかな感触を感じる。

77 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 23:56:09.99 ID:???
(;"ゞ)(って、これはまさかっ!)

ミセ;゚д゚)リ「うひゃっ!?」

慌てて跳ね起きて、自分の頭があった場所へ目をやる。
そこには女の子座りになっているミセリの脚があった。

(;"ゞ)(ひ……膝枕!!)

(#"ゞ)「くそおおおおお! こんな時に俺は何をやってたんだああああ!!」

美少女に膝枕をしてもらう、男なら誰もが心躍るはずのシチュエーションだ。
なのに、俺はせっかくの膝枕タイムの時に何をのんびり昏倒なんてしていたのか。
自分の愚かさを悔やんでも悔やみきれず、思わず砂浜を殴りつける。




ミセ;゚ー゚)リ「え、えっと、なんかもう元気っぽいから大丈夫かな?」

ミセリが戸惑いつつも立ち上がって、俺に恐る恐る呼びかけてくる。
そこでようやく、膝枕以外の事が頭に入ってきた。

(;"ゞ)「あ……はい……大丈夫です。ご迷惑おかけしました」

ミセ;゚ー゚)リ「日射病かと思って焦ったよー……」

とりあえず、ミセリに要らない心配をかけた事を平謝りする。
俺の謝罪をを聞いたミセリは、安心したように大きく息を吐いた。

ミセ*゚ー゚)リ「重くて運べないから、引きずって海に放り込もうかと思ってたんだから」

(;"ゞ)「はははは、はは、は……」

もっと心の強い男になる事と、日射病対策に全力を注ぐ事を固く誓った。

ミセ*゚ー゚)リ「ところでさ、デルタはまだ時間ある?」

( "ゞ)「日が暮れるまでだから、まだまだあるよ」





空を見上げると、日射しはすでに淡いオレンジ色を帯び始めていた。
身を焦がすような暑さも影を潜め、じっとりとした空気が肌を撫でる。

ミセ*゚ー゚)リ「じゃあさ、デートって事でちょっと付いてきてくれない?」

ミセリが俺の顔を下から覗きこむように身をかがめて、かわい子ぶった声で誘ってくる。
行動のひとつひとつがいちいち愛くるしくて、頬がつり上がらざるを得ない。

(*"ゞ)「喜んで付いていきますとも!」

ミセ*^ー^)リ「ありがとー♪」

二つ返事で答えると、ミセリは俺の手を握って嬉しそうに笑った。
おかげで、自分の心臓の音がどんどん大きくなっていく。

78 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 23:56:52.91 ID:???
( "ゞ)「そういえば、どこに行くの?」

ミセ*゚ー゚)リ「ここから少し歩いたとこ。どんな場所かは付いてからのお楽しみ」

( "ゞ)「よーし、期待しちゃうぞー」

ミセ;^ー^)リ「あんまりハードル上げないでよー」

自信満々な表情だったミセリが少し困ったように笑い、海沿いの道の方へ歩き出す。
俺もその背中を追いかけて、そのまま砂浜を後にした。




ミセリの少し後を付いていきながら、海岸線に沿って歩いていく。
海から吹く風で、彼女の首にかけた麦わら帽子が揺れていた。
小さな後ろ姿を眺めつつ、ぼんやりと昔に想いを馳せてみる。

(;"ゞ)(言われれば思い出せそうだけど……自力じゃさっぱりだな)

不思議と、11歳の夏の記憶だけが思い出せなかった。
もやがかかっているような感覚で、見えそうで見えないのがもどかしい。
仕方ないから思い出せた記憶だけを振り返ってみた。

( "ゞ)(よくアレからこんな美少女に成長したもんだ……)

記憶の中のミセリは、男の子だと言われれば信じてしまいそうなルックスだった。
しかし今、目の前にいるミセリはワンピースの似合う見事な美少女。
面影はあるけど、時の流れというのはここまで人を変えるものなのか。

ミセ*゚ー゚)リ

(*"ゞ)(こっちの方もなかなかの成長具合ですなうへっへへへ)

強い風が吹くたび、ワンピース越しに体のラインが浮き上がる。
安産型は大好物です、本当にありがとうございました。




ミセ*゚ー゚)リ「そろそろだよー」

(;"ゞ)そ「お、おう!」

急に振り返ったミセリに話しかけられ、慌てて相槌を打つ。
とっさだったからか、なんだか自分のキャラに合わない相槌になってしまった。

ミセ*゚ー゚)リ「どうしたの? そんなにびっくりして」

(;"ゞ)「いや、全然普通だけど?」

ミセ*゚ー゚)リ「そう? まあいいや」

お尻を見てニヤニヤしてました、なんて言える訳がない。
なるべくいつもの声色で平静を装って返事をする。
どうやらごまかせたみたいで、ミセリは再び前を向いて歩き出した。

(;"ゞ)(あっぶねえ、ひやひやした)

79 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 23:57:24.35 ID:???
安堵のため息を漏らして、吹き出した額の冷や汗を拭う。
これ以上危ない橋を渡る前に早く目的地に着かないかと、視線を道の先へ向ける。





( "ゞ)(あの黄色い所……なんだ?)

ちらりと、黄色に染まった一角が見えた。
それは近付いていくにつれて、どんどん広くなっていく。

( "ゞ)(ああ、向日葵か)

行きの電車の車窓から見えた、海の方まで広がっていた向日葵畑を思い出す。
もしかしたら、ここはその端なのかもしれない。
ぼんやり考えているうちに、道の片側が向日葵で埋め尽くされる。

ミセ*゚ー゚)リ「こっちこっち、もう少しだよ」

( "ゞ)「はいはい」

ミセリが海沿いの道から、向日葵畑の中に続く道へ進路を変える。
連れていきたい場所というのは、ここの事だったみたいだ。
両端を向日葵が埋め尽くす、ゆるやかな登りになっている道をふたりでずんずんと突き進んでいく。

ミセ*゚ー゚)リ「とうちゃーく!」

登りの頂上でミセリが立ち止まった。
遅れて俺も頂上に着いて、彼女の右隣に並ぶ。



ミセリの表情を窺おうとしても、少しうつむき加減でよく見えない。
ただ、ちらりと見える口元は笑っていた。

ミセ* ー )リ「なんか、会いたい会いたいばっか考えてたのに」

向日葵畑を駆け抜ける風に乗せるように、ミセリがそっと呟いた。
ざわめきに紛れてしまう声を聞き逃さまいと、聞き耳を立てて次の言葉を待つ。

ミセ* ー )リ「会えたら消えちゃってもいい、とか思ってたのに」

それは死ぬほど俺に会いたかった、という解釈でいいのだろうか。
いくらなんでも大げさだと言いかけたけど、ミセリから有無を言わさぬ雰囲気を感じ取る。
何か言うのはすべて聞いてからにしようと思った。

ミセ* ー )リ「いざ会ったら、どんどん欲が出てきちゃった」

そう言って、ミセリは顔を上げて俺を見る。
そこにあるのが分かっていたみたいに、俺の視線とミセリの視線がぴたりと重なった。

ミセ*゚ー゚)リ「また明日も会いたいな。明後日も、明明後日も」

胸の辺りがしめつけられるように痛む。
だけど、同時に言いようのない心地良さで満たされてもいた。

80 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 23:57:57.97 ID:???
( "ゞ)「いいよ、お盆休みでこっちにいる間は」

ミセ*゚ー゚)リ「ほんと!? やったー!!!」

ミセリは俺から離れて、ガッツポーズしながらぴょんぴょんと跳ねまわる。
その場で回転したり、麦わら帽子を意味もなく被ったり脱いだり、全身で喜びを表す。
その姿は今すぐ抱きしめてやりたいほど、とても愛らしかった。

ミセ*゚ー゚)リ「お盆休みって16日まででしょ? その間は毎日だからね!」

(*"ゞ)「明日も明後日も明明後日も、って言われたからには当然ですとも!」

ミセ*^ー^)リ「ありがとー!!デルタ大好きー!!」

(;"ゞ)「っておああっ! ちょっ、抱きつき、あの、とても柔らかいものが、って大好き!?」

得意げに胸を張っていたらミセリが飛びついて来て、首に手を回された。
香ってくるいい匂いと、どうしても当たる柔らかい感触が頭の中をシェイクされる。
密かに飛び出したとんでもない発言も相まって、全身が一気に熱くなってくる。

(;"ゞ)「とりあえずはにゃれてください! 色々決壊するから!」

ミセ*゚ー゚)リ「何が?」

(;"ゞ)「俺の体とか、あとちょっと理性とかもおおおお!」




ミセ*‐3‐)リ「は〜い」

渋々といった様子で、ミセリは俺の首に回された手をほどいて離れる。
本当に色々危なかった。海まで引きずられて放り込まれるのは勘弁だ。

(;"ゞ)「と、ところでさ。明日はどこで何する?」

この空気を引きずらないように、早々と話題を変える。
ミセリは顎に手を添えて、唸りながら考え始めた。

ミセ*゚ー゚)リ「んー……何も考えてないや。明日会ってから考えよ?」

( "ゞ)「会うっていえば、ミセリの家知らな……いや、俺が忘れてるだけか」

ミセ*゚ー゚)リ「いいよ、いつも浜辺にいるから。これからの集合場所は浜辺ね」

(;"ゞ)「いつもって言っても、俺じいちゃんの畑手伝わないといけないんだよ」

畑仕事がいつ始まって、いつ終わるのかはまったく知らない。
いつもいるとはいえ、炎天下の浜辺に待たせ続けるわけにはいかないだろう。

ミセ*゚ー゚)リ「気にしないで、近くに日陰もあるし。とにかく、デルタが終わったら来てくれれば絶対いるから」

(;"ゞ)「そ、そう……? だったら、なるべく早く来るようにするから……」

あまりの押しの強さに、ついミセリの案を受け入れてしまう。
満足げに頷いたミセリは大きく伸びをして、背後に広がる海の方へ振り向いた。

81 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/26(水) 23:59:24.10 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ「それじゃ、日も暮れる前に帰りましょうか!」

ミセリに言われてはっとして振り返ると、太陽は海の向こうに沈み始めていた。
空はすでに藍色を帯びてきている。

ミセ*゚ー゚)リ「デルタと会った場所まで送るよ。さあさあ、こっちこっち」

ミセリが一足早く、来た道を戻ろうと一歩を踏み出す。

( "ゞ)「ああ、ありが――」

お礼を言いながら振り返ろうとして、言葉を失って立ち尽くす。




思わず魅入ってしまった。


沈んでいきながら強く輝く夕日と、鮮やかな橙色に染まった海に。



藍色と橙色が混ざり合って、マーブル模様の空に。



両端を向日葵が埋め尽くした、海まで真っ直ぐ伸びる砂利道に。



海風でなびく白いワンピースの裾と、夕日に透けて綺羅綺羅と光る黒髪に。


ミセ*゚ー゚)リ「行こ?」



なにより、振り返って俺を見つめながら、逆光を背負って微笑むミセリに。






「……ああ」




何もされていないのに、とてつもなく顔が熱くなるのを感じた。

( “ゞ)は夏を待っているようです

第一話 ワン・サマーガール

終わり

82 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/27(木) 01:08:46.79 ID:???
モップ

83 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/27(木) 17:29:00.77 ID:???
いやー、広島まで見に行ってきたけど衝撃だったなー
年々弱くなってる気がする
洛南より良かった点なんて一つもないけど、特に印象的だったのがフィジカルの弱さ
何かもう見るからに細い、当たり負けして吹っ飛ばされてる
ディフェンス全然効いてないし、オフェンスもチグハグ
たまに出る速攻が昔を思い出させる程度
山形南や若松商の方が(負けたけど)いいバスケしてた

84 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 13:59:09.49 ID:???
もっとやれたようにも見えるけどあれが今の限界かな

85 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 16:42:48.32 ID:???
洛南戦は動きが悪かったな、いつもより
組み合わせは、もっと悪かった 北陸ブロックだったらよかったのに

86 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 17:24:31.98 ID:???
蒸し焼きにされているような暑さにうなされて目が覚めた。
体を動かそうとする気力も湧かないまま、蚊帳越しに見える天井をぼんやり眺める。

(;"ゞ)「……あぢぃいいいい」

扇風機もぬるい風を送ってくるばかりで、その役割を果たしてはいない。
冷房の効いた自分の部屋が懐かしく感じる。

(;"ゞ)「ああー……顔でも洗ってくるか」

水でも被れば、少しは暑さも紛れるだろう。
なるべく早く涼しくなりたい一心で、洗面所に向かうために体を起こそうとした。

(;"ゞ)そ「あぐおおおおっ!?」

その瞬間、体中に激痛が走る。
思わず制止すると、痛みはあっという間に引いた。

(;"ゞ)「……」

(;"ゞ)「筋肉痛……だと?」

87 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 17:25:02.82 ID:???
第二話 アストロノーツ


















(;"ゞ)「くっ……ぬおおおおおお」

腕の痛みに耐えて引き寄せる、ぷるぷると震える箸の先に乗る焼き魚。
なんとかご飯の上に乗せると、どっと疲れが押し寄せてきた。
今日一日、こんな調子なのかと思うと気が滅入ってくる。

(`・ω・´)「デルタ、おめえ筋肉痛か?」

(;"ゞ)「あー、うん……」

(`・ω・´)「なんでえ、だらしねえな」

一方、すでに還暦を超えたじいちゃんはピンピンしている。
シャツから覗く二の腕は俺の一回りも二回りも大きい。
俺がもやしっ子なだけなんだろうけど。

(`・ω・´)「ま、今日は昼には終わるはずだからな。それまでくたばるなよ」

(;"ゞ)「頑張ってみる……あだだだっ」

返事をしながら卵焼きに手を伸ばすと、再び痛みが走る。
食べておかないと昼まで持ちそうにないし、何よりばあちゃんの料理は美味い。
どんなに痛くても、箸を止めるという選択肢はなかった。




「ここ、VIP湾では今夜1万2000発もの花火が打ち上げられる……」

たまご焼きを頬張りながら、ふとテレビに視線を移す。
キャスターがやたら高いテンションで現地からの中継をしていた。

从 ゚∀从「やっぱり都会はすごいねぇ……」

( "ゞ)「都会でもこれは特に大規模だけどね」

从 ゚∀从「ほほう……」

ばあちゃんがテレビを見つめて、しみじみと呟く。
俺が注釈すると、感心したようにゆっくりと首を縦に振る。
そして、俺の方に向き直って一言。

88 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 17:26:04.73 ID:???
从 ゚∀从「デルタは行ったことあるのかい? 女の子と……でぇとなんかで」

(;"ゞ)「ぶふっ!?」




(;"ゞ)「ごっほ、いきな、り、えほっ、何言って、んぐん、るの!?」

唐突に切り出された話題に驚いて、飲み込もうとしたご飯が変なところに入ってむせた。
とりあえず、一番そばにあった味噌汁を飲んでなんとかしようとする。

从 ゚∀从「あら、行った事あるのかと思ったんだけどねぇ」

(;"ゞ)「ごめ……っほ、行った事もないし、相手も、けほっ、いない……」

咳き込みながらばあちゃんの質問に答える。
残念だけど、花火大会の日は毎年ひとりぼっちで変わらない生活を送っている。
浴衣でVIPに向かう電車に乗るカップルを見て、軽い嫉妬を覚えるのが恒例行事だ。

(;"ゞ)(なんかもう……自分で言ってて悲しくなってきた……)

咳も落ち着いてきて、もう一度テレビを見る。
相変わらずハイテンションのキャスターが、さっきよりうざったく感じる。
同時に、そんな思考に至る自分に嫌気がさした。

(;"ゞ)「はあああ……」

(`・ω・´)「女にモテねぇくらいでしょげてんじゃねえ。天気見たら畑に行くからな」

(;"ゞ)「はーい……」




「それでは全国の天気です。全国的に今日は晴れ模様の一日と……」

画面が中継からスタジオに戻って、天気予報が始まる。
ラウンジも一日中快晴のようだけど、太陽にあまり出しゃばって欲しくないのが本音だ。

「今週の天気です。ラウンジは明日の午後から天候が崩れ始め、週末まで雨が続く模様です……」

(;`・ω・´)「おう……まいったなこりゃ」

( "ゞ)「へ?」

じいちゃんが口からため息を漏らして、考え込むように顎鬚をいじる。
少し唸った後によし、と呟いて俺に向き直った。

(`・ω・´)「デルタ、明日の分も今日やっちまいたいんだが」

(;"ゞ)「……ちょっ、え?」

唐突にとんでもない事を言われて、上手く言葉が出てこない。
こんな事になるなら、出しゃばって欲しくないとか考えるんじゃなかった。
うろたえる俺を尻目に、じいちゃんは続けて話す。

(;`・ω・´)「雨が降ると腰の調子がどうも悪くてな……」

(;"ゞ)「じ、じゃあしょうがないか……」

89 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 17:26:35.88 ID:???
ばつが悪そうに話すじいちゃんを目の当たりにすると、そう答えるしかなかった。
何かあっても困るし、明日に雨の中で俺だけで農作業なんて事も出来ない。
ただ、どうしても引っかかって気になってしまう事がひとつだけある。

(;"ゞ)(いつ終わるんだろう……ミセリだってずっと待ってる訳ないだろうし)

家まで来るとはいえ、何時間も待たされたら帰ってしまうだろう。
よくよく考えれば、いつ頃来るのかも決めていなかった。

(;"ゞ)「じいちゃんじいちゃん、今日っていつ頃終わるかな?」

(`・ω・´)「昼に帰ってきて飯食って休んでからもう一度……終わるのは夕方になっちまうな」

(;"ゞ)「そっか……うーん……」

(;`・ω・´)「昼に帰ってこなきゃ、もっと早く終わるだろうけど……なぁ?」

じいちゃんが何か言いたげに尋ねてくる。
言いたい事は大体分かる、俺の体力が持たないとかだろう。
悔しいけど、ご察しの通りだから何も反論は出来ない。

(;"ゞ)「それだときっと死ぬから……うん、今日やろう」

手伝いません、なんて選択肢は当然ないから、最初の計画通りにするしかない。
実はミセリが俺にベタ惚れでどんなひどい事をされても怒らない、なんて事もないだろう。
ミセリに会って開口一番、頭を下げるしか今の俺に出来る事は無かった。




(`・ω・´)「昨日も今日もわりぃな。んじゃ、さっそく行くとするか」

(;"ゞ)(どうやって謝るかな……)

(`・ω・´)「ん? 行くぞデルタ」

(;"ゞ)「はっ!? あ、うん分かったすぐ行こう、うん」

呼ばれてる事に気付いて、急いで顔を上げて返事をする。

从 ゚∀从「暑いからふたりとも気を付けるんだよ?」

(`・ω・´)「おうよ」

(;"ゞ)「んー……」

ばあちゃんの声もいまいち頭に入らないまま、じいちゃんに着いて行って居間を出る。
そのまま玄関に向かって外に出ると、爛々と光る太陽に出迎えられた。
空を見上げると、放射状に太陽の淵から伸びる日射しが眩しい。

(;"ゞ)「向日葵みたいだな……はあ」

昨日見た向日葵畑と、帰り際のミセリの笑顔を思い出す。
まるで鉛でも括りつけられたように、心臓の重さが増した気がした。

90 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 17:27:06.50 ID:???
〜〜〜〜〜〜




(`・ω・´)「帰ったぞー」

从;゚∀从「おかえりなさ……あらまあ」

(; ゝ)「み……ず」

筋肉痛でうまく動かない体のせいで、作業は昨日より時間がかかる羽目になった。
しかも、今日はまだ午後に明日の分が残っている。
これじゃ雨の中で作業する方が幾分かマシな気がしてきた。

从 ゚∀从「はい、麦茶」

(; ゝ)「んぐっ……ん」

ばあちゃんが用意してくれていたらしい麦茶を受け取って、一心不乱に口をつけた。
口の中のぬめついた不快な感触が、冷たさに流されてみるみる消えていく。
息をする暇も惜しく思えて、そのまま一気に麦茶を飲み干した。

(;"ゞ)「ぷっはあああ! 生き返るうううう!」

今なら仕事終わりにビールを飲んで、思わずこう言ってしまう大人の気持ちが分かる。
まるで、生きるためのエネルギーが補給されている気分だ。




从 ゚∀从「お疲れ様。今日はお風呂入るかい?」

(;"ゞ)「えーと……ちょっと待って」

玄関に置かれた履き物をざっと見渡す。俺の靴以外は若い人が履くような物はない。
どうやら、ミセリはまだ来ていないようだった。

(;"ゞ)(あー、でも……入ってる間に来たらどうしよう)

これから女の子と会う、と考えると入っておいた方がいい気がする。
かと言って、ただでさえこっちに来てもらう手間をかけさせている立場だ。
これ以上、俺の都合でミセリを振り回すべきじゃないだろう。

(;"ゞ)「ごめん、今日もお風呂はいいや」

从 ゚∀从「そうかい、でも汗だくだと風邪引くよ? タオルでちゃんと拭いておきな?」

ばあちゃんはそれだけ言うと、麦茶の入っていたコップを持って台所へと歩いていく。
玄関に倒れ込んだまま、その後ろ姿を見えなくなるまで眺めていた。

(;"ゞ)「着替えないと……」

部屋に戻るために立ち上がろうとして、少し足元がふらつく。
なんだか頭も重いし、思っていたよりずっと疲れていたらしい。
とりあえず、縁側で麦茶でも飲んでミセリを待つ事にした。

〜〜〜〜〜〜

91 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 17:27:42.54 ID:???
(*"ゞ)「ああ〜麦茶うんまい〜」

汗も拭いて着替え終わった後、台所のばあちゃんから麦茶の瓶をひとつ貰ってきた。
縁側で風鈴の音に耳を傾けながら、氷のたっぷり入ったコップに注いで飲む。
まさに夏ならではの過ごし方だ。

(*"ゞ)「麦茶さえあれば、いくらでもここで待っていられるわあ……」

さっき、じいちゃんは日射しが和らいできたら午後の仕事に行くと言っていた。
今は12時を少し過ぎた頃。ミセリを待ってる時間は2時間以上ある。
一旦コップを脇に置いて寝転がり、天井をぼんやりと眺めてみた。

( "ゞ)「……」

今日のお昼はなんだろう、ミセリに土下座したらどんな反応をするだろう。
そんな風にあれこれ考えていて、ふと何か忘れている気がした。

(;"ゞ)「……じいちゃんとばあちゃんにミセリが来る事言ってねえ」

ミセリが家の場所を知っているという事は、ふたりとミセリも面識はあるはずだ。
とはいえ、一応は来る事くらい言っておいた方がいいだろう。




( "ゞ)「えーっと、ばあちゃんは台所として……じいちゃんどこだろ?」

ふたりを探すために起き上がって、家の中に戻ろうとした時だった。

「あー、いたいたー!」

聞こえてきた女の子の声と近付いてくる足音。
二、三歩バックして縁側に戻り、身を乗り出して入り口の方を覗き見る。

ミセ*゚ー゚)リ「こんにちわー!」

俺に手を振りながら、ミセリが小走りでこっちに向かってきていた。
日射しから逃れるためなのか、昨日は首から下げていた麦わら帽子を被っている。

ミセ*゚ー゚)リ「玄関に行こうと思ったらデルタが見えたから、こっち来ちゃった」

縁側までやってきたミセリが、少し息を切らしながらそう俺に語る。
頬から顎へと一筋の汗がつたって落ちるのが見えた。

(;"ゞ)「それは全然いいんだけどさ、じいちゃんとばあちゃんにミセリが来るのを言い忘れてて」

ミセ;゚д゚)リ「え……?」

(;"ゞ)「今言ってくるからさ、悪いけどここで座って待ってて」




俺は踵を返して、再び家の中へと戻ろうとした。

ミセ;゚д゚)リ「ああああ! 待って、ストップ!」

(;"ゞ)「うおったたたたた!?」

92 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 17:34:17.10 ID:???
>>85
それを言ってしまうと切なくなるよ
動きはいつも通りだったし、組み合わせがどこだろうとあの程度じゃ8つに残るのも厳しかった
能代工からは決定的な何かがもう失われてしまった
それは取り戻せるかもしれないし、もう永遠に戻ってこないかもしれない

93 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 18:22:31.05 ID:???
今はもう集まらなくて勝てないし、
日本バスケの歩みを遅らせた元凶だと言われてるし、
スレも荒らしとそれに構う荒らしで進むし、
救いようがなくなってきたな。

94 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 19:27:16.13 ID:???
ここまで弱くなったんじゃ、能代カップやる意味ないかも
呼ばれる側にしたら能代工と試合する意義がないんだから、呼んだって来てくれなくなる

思い返すと、三彦の監督交代がどうも不自然だったなー
あんた、自分が監督なる時は事前にちゃんとアシスタントコーチ何年かやらせてもらってたじゃん
信長なんて直前まで現役プレーヤーだったわけで、指導者として何か下地あったの?
あの辞め方は「放り投げた」感がある、もしくは辞めさせられたのか
こう言っちゃなんだけど、信長も決して「上手い」選手っていうイメージじゃなかった
ハッスルプレーで盛り上げ役って感じで、でもそれって指導者に向いてるのかな

95 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 20:40:49.41 ID:???
スタメンに秋田人3〜4人で優勝してた三彦はやっぱりすごいわ

96 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 22:28:59.78 ID:???
能代は高校バスケの導火線
もう役目は終わったのさ

火が点いたかどうかは別だが

97 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:22:37.59 ID:???
しかし、いきなりミセリが大声で俺を引きとめてきた。
ジーンズの裾を引っ張られて、危うく転びそうになるおまけ付きだ。

ミセ;゚д゚)リ「おじいちゃんとおばあちゃんってさ……デルタの?」

(;"ゞ)「そうに決まってるじゃん……どうしたんだよ一体?」

ミセリが真剣なまなざしで俺に尋ねてくる。
ただならぬ様子に、思わず生唾を飲み込んで身構えてしまう。

ミセ;゚д゚)リ「い、家の人には会いたくないなー……なんて」

(;"ゞ)「なんで? じいちゃんはぱっと見怖いけどばあちゃんは……」

ミセ;゚д゚)リ「え、えっと、そ、そのおじいちゃんが……」

急にミセリがうろたえ始めて、両手が落ち着きなく右往左往する。
発するべき言葉を探すかのように、唇が開いたり閉まったりを繰り返す。
じいちゃんとばあちゃんに関して、余程気まずい事があるらしい。




ミセ;゚д゚)リ「むっ、昔デルタのおじいちゃんにゲンコツで頭殴られてさ!!」

(;"ゞ)「そんな事あったの!? ていうかそれが会いたくない理由!?」

どんなに重大な事実が隠されているのかと思ったら、拍子抜けしてしまった。
だけど、当のミセリは真剣そのもので俺に理由を力説してくれる。

ミセ;゚д゚)リ「デルタと遊んでて帰りが遅くなったらさ、こう! ガッツン!!」

(;"ゞ)「ええ……あったっけ……?」

ミセ;゚д゚)リ「デルタもやられてふたりで大泣きしたんだよ!!」

わざわざ動きまで加えて説明してくれても、そんな記憶は頭の中にない。
まさか、その時のショックで馬鹿になってしまったんじゃないだろうか。
それとも、苦い記憶だから忘れてしまったんだろうか。

ミセ;゚д゚)リ「それがずっとトラウマなの! だからあたしの事絶対言わないで! 会ったらショック死しちゃう!」

俺はともかく、ミセリにとっては苦い記憶程度では済まないようだ。
必死に訴えかけてくる様子からもその事が読み取れる。
いまいち納得は出来ないけど、ひとまずミセリの要求を飲む事にした。



(;"ゞ)「んー、分かったよ……」

ミセ*´д`)リ「ありがと〜、安心した〜」

緊張の糸が切れたのか、一気に気の抜けた声色に変わる。
表情もこれ以上ないくらい安心している、と言わんばかりだ。

ミセ*゚ー゚)リ「なんか喉乾いちゃったな……これ飲んでもいい?」

縁側にちょこんと腰を下ろしたミセリが、麦茶を指差して尋ねてきた。
別に飲むのは構わないけれど、年頃の男子としては気になってしまう事がひとつ。

98 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:23:10.74 ID:???
(;"ゞ)「飲んでもいいけど……その……」

ミセ*゚ー゚)リ「ああ、別に間接キスとか気にしないから大丈夫」

(;"ゞ)(見抜かれてたっ!)

先に言われてしまうと、自分から言うのとは違う恥ずかしさが込み上げてくる。
汗でも風でもない何かに肌を撫でられて、全身にむずがゆさを覚えた。

ミセ*^ー^)リ「やっぱ夏はこれだよねー♪」

そんな俺を気にすることなく、ミセリはだいぶ氷の解けてしまったコップに麦茶を注いでいく。
満足気に笑う横顔を見ていると、なんだか自分の心が穢れている気がしてきた。




ミセ*゚ー゚)リ「そういえば今日の事、まだ何も決めてなかったよね?」

(;"ゞ)「そ、そのっ、その事なんだ、けど……」

思い出したかのように、ミセリが麦茶に口を付けつつ俺を見上げて問いかける。
反射的に俺はその場で膝を折って、額を床に擦りつけた。

(;"ゞ)「ごめんなさい急に午後も手伝いしないといけなくなりましたああああっ!!」

ミセ;゚д゚)リ「ちょっいきなり土下座して一体何なのってえええええええええええ!?」

誠心誠意を込めて謝ると、頭上からミセリの戸惑いと驚きの声が聞こえてきた。
そしてしばらくの間、蝉の鳴き声と風鈴の音色だけが聞こえる時間が過ぎる。

(;"ゞ)「本当に申し訳ございません……」

いたたまれなくなって、かしこまった謝罪の言葉をぼそりと呟く。
少し経ってもミセリの返事はない。
恐る恐る顔を上げて、むくれた表情になっているであろうミセリを見上げた。




(;"ゞ)「……?」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、やっと顔上げた」

意外にもミセリは、別段変わった様子もなく麦茶を飲みながら俺を見つめていた。
あまりに普通すぎて、逆に怒っているんじゃないかと疑うくらいだ。
念には念を、と探りを入れてみることにする。

(;"ゞ)「あの……」

ミセ*゚ー゚)リ「ん?」

(;"ゞ)「怒って……」

ミセ*゚ー゚)リ「ないよ?」

あっさり返されて呆気に取られてしまう。
俺がミセリの事を覚えてないと言った時の、あの露骨に不機嫌な顔が脳裏にちらつく。
目の前の光景がまだ、心のどこかで信じ切れない。

99 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:23:42.46 ID:???
(;"ゞ)「で、でも昨日覚えてないって言ったらめっちゃ機嫌悪そうな顔して……」

ミセ;゚ー゚)リ「あれは舞い上がって我を忘れてた、ってだけだし」

(;"ゞ)「いやもうほんとごめんなさい……」

ミセ;゚ー゚)リ「もおー、あたし気にしてないから頭下げないでよー」




ミセ;゚ー゚)リ「そんなさ、頭下げるより今日どうするか考えてくれた方が嬉しいから……」

(;"ゞ)「あ、そっか……どうしようか」

ひとまず頭を上げてからミセリの左隣に並んで座って、これからの事を考えてみる。
だけど、出てくるのはまとまらない思考を音にしたような唸り声だけ。

ミセ;>〜<)リ「うーん……ううー、あー」

それはミセリにも言える事だった。
ちらりと様子をうかがってみると、口を固く結んでこめかみをぐりぐりと揉んでいた。

(;"ゞ)「終わるの6時くらいだろうしなあ……」

ミセ;´д`)リ「そんな遅くからやる事ないよー……」

コップの氷が解けて涼しげな音を立てる一方、澄み切った青空に俺達のため息が消えていく。
吐き出されたもやもやが雲になったなら、きっと空を埋め尽くすほどの入道雲になるだろう。

ミセ*;´д`)リ「ご飯食べて会う頃には夜になっちゃうよー……」

( "ゞ)(……夜?)




ミセリが何気なく呟いた一言が何故だか強く焼き付いて、頭から一向に離れない。
その理由を探して、記憶の引き出しを手当たり次第に開けていく。
そして、ひとつの引き出しを開けた瞬間だった。

( "ゞ)「そうだ……夜だよ」

ミセ;´д`)リ「え?」

脳内がプールに浮かんでいるような清涼感で満たされていく。

(*"ゞ)「夜なんだよ、ミセリ!」

ミセ;゚ー゚)リ「ど、どしたの? 知恵熱?」

それとは裏腹に、思考のスパイラルから抜けだした解放感でテンションが上がっていく。
戸惑うミセリににじり寄って、今更な事を何度も言わずにはいられなかった。

(*"ゞ)「夏の夜って言ったらさあ……」

ミセ*゚д゚)リ「……そっか!!」

100 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:24:13.01 ID:???
無駄にもったいぶってみせると、俺の言いたい事を悟ったような表情をミセリが見せる。
視線を絡ませ合ってにやつきながらせーの、と小声でタイミングを合わせて口を開いた。



(*"ゞ)「「花火!!!」」ミセ*^ー^)リ




思い出したのは、今朝のニュース番組でやっていたVIP湾の花火大会の事。
花火だったら夜だろうが問題ない、というか夜じゃないと出来ない。
後でちゃんとゴミを片づければ、場所は浜辺で大丈夫だろう。

ミセ*゚ー゚)リ「それじゃ、花火とその他もろもろを買いに行きますか!」

(;"ゞ)「なあ、ここって花火売ってるお店あるよな?」

ミセ;゚ー゚)リ「田舎だけどそれくらいあるってば。浜辺から海沿いにちょっと歩けばあるよ」

(;"ゞ)「よかった……」

浜辺からちょっと、なら時間的にも大丈夫なはずだ。
他にろうそくやライターも必要だけど、家に大体の物はあるだろう。

( "ゞ)「んじゃ待ってて、財布取ってくる」

ミセ*゚ー゚)リ「はーい」

残っていた麦茶をちびちびと飲むミセリを置いて、立ち上がって部屋へと向かう。
ついでにろうそくやライターを探そうか、なんて考えながら廊下の角を曲がろうとした時だった。




(`・ω・´)「何してんでぇ、こんなところで」

( "ゞ)「あ、じいちゃん」

お風呂から出てきたばかりなのか、バスタオルを首にかけたじいちゃんとばったり遭遇した。

(;"ゞ)「俺はこれから……」

言いかけてぎくりとする。
ミセリから言わないでくれと釘を刺されているんだった。
慌てて言葉を飲み込んだけどもう遅い。

(`・ω・´)「これからどうすんだ?」

(;"ゞ)「あ、えーと……ちょっと買い物にさ」

とりあえず嘘は言っていない。
浮かんでくるそれらしい理由を並べて、なんとかごまかそうとする。

(;"ゞ)「昨日探索してて買いたい物があったんだけど、その時に財布持ってなくて……」

(`・ω・´)「だったら車で送るぞ? 歩いて行ったら大変だしな」

(;"ゞ)「あーいやいやぜっんぜん大丈夫! むしろなんか歩きたい気分だし!」

101 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:25:10.58 ID:???
(;`・ω・´)「そこまで言うなら構わねぇけどよ……」

じいちゃんはそう言うと俺の横を抜けて、縁側の奥にあるトイレに向かって行く。
声が時々裏返ってしまいながらも、ごまかすのには成功したようだ。

(;"ゞ)(ふう……)

ほっと胸を撫で下ろし、じいちゃんの背中を見送ろうとしてどきりとする。

(;"ゞ)(ミセリと鉢合わせするじゃん!!)

一気に血の気が引いて、慌てて振り返る。
見えたのはトイレに入ろうとするじいちゃんと、

(;"ゞ)「……あれ?」

縁側にぽつりと置かれた空のコップだけ。
座っていたはずのミセリの姿がどこにも見えない。
まるで、最初からそこには誰もいなかったかのように。

(;"ゞ)「ミセリー?」

試しに呼びかけてみても返事は帰ってこない。
座っていた場所まで戻って、目の前に広がる広い庭を見渡してみる。




(;"ゞ)「……ん?」

家の壁が少し出っ張っていて、ちょうどここから見て死角になる場所。
そこから、時々顔を覗かせる白い布切れがあった。

(;"ゞ)「ミセリー、じいちゃん行ったぞー?」

ミセ;゚ー゚)リ「ほ、ほんと?」

様子をうかがうように、恐る恐るミセリが顔を出す。
本当にじいちゃんの事が苦手らしい。

ミセ;゚ー゚)リ「い、いやー、焦って慌てて隠れちゃったよー、ははは……」

(;"ゞ)「よっぽど苦手なんだな……」

ミセ;゚ー゚)リ「まいっちゃうよーほんと。ま、また会ったら怖いから玄関の外で待ってる!」

かなり焦っていたらしく、それだけ言うとすぐに引っ込んでしまった。
走っているような足音が玄関の方へと消えていく。

( "ゞ)「んじゃ、さっさと取ってきますか」

102 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:25:41.22 ID:???
〜〜〜〜〜〜




ミセ*^ー^)リ「はあー、気持ちいい風ー!」

俺の横で両手を広げて、風を全身に浴びるミセリ。

(;"ゞ)「なあ……まだなの?」

対照的に、背を丸めて足元のおぼつかないまま歩く俺。

ミセ;゚ー゚)リ「頑張って! あと少しで着くから!」

(;"ゞ)「それさっきも言われた……」

横目に海を見つつ歩き始めて、どれくらい経ったんだろう。
未だに影も形も見えないお店の存在を、そろそろ信じられなくなってきた。

ミセ;゚ー゚)リ「ほんっとにすぐだから! そこのカーブ曲がったら見えるよ!」

ミセリが前方を指差しながら、俺を歩かせようと懸命に励ましてくれる。
ずっと地面を見つめていた視線を上げると、海岸線は大きく右に曲がっていた。
もしこの先に何も見えなかったら、その場で崩れ落ちる自信がある。

(;"ゞ)「ちょっとどころじゃない……こんなちょっとなんて知らない……」

ミセ;゚ー゚)リ「田舎基準で言っちゃったのは謝るよ……」




(;"ゞ)「いや……謝らないでいいって」

歩いて5分以内にコンビニがあって、バスは10分もしないうちに来る。
そんな、何もかもが溢れかえっている都会の感覚を捨て切れずにいた。
だけど、たった今から考えを改めよう。

(;"ゞ)「……俺が馬鹿だった」

よく考えれば昨日も浜辺まで行くのにヘトヘトだったんだ。
いくら可愛い女の子とデートするとはいえ、それで体力がつく訳じゃない。
舞い上がってさえいなければ、こうなるのは目に見えていた。

(;"ゞ)「ミセリ……」

ミセ;゚ー゚)リ「何!? どうしたの!?」

(;"ゞ)「お店に着いたら……俺、ラムネがぶ飲みするんだ……」

ミセ;゚д゚)リ「何か嫌な予感がするからそういう事言わないで!!」

心配してくれるミセリには悪いけど、彼女いない歴=年齢で死ぬ覚悟も出来た。
もし死んだら、昨日やろうとしていたように海に放り込んでもらおう。
遠くで綺羅綺羅と光る水面は、手招きしているように見えた。

103 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:26:11.71 ID:???
ミセ;゚д゚)リ「ほらデルタ、見えたよ!」

(;"ゞ)「……え?」

ミセリに肩を叩かれて、指差されている方向をじっと見つめてみる。
極彩色の風景の中に、明らかに浮いて見える小さな茶色の建物があった。

::(;"ゞ)::「お、おおお……おおおおおおおおお!!」

ミセ;゚д゚)リ「だからがんば……って元気出た!!」

言いようもない喜びが込み上げて来て、体がふるふると震えてくる。
そして、気付いた時にはミセリを置き去りにして勝手に走り始めていた。
スピードは決して速くはないけど、さっきまでと比べると体が風になったかのようだった。

(;"ゞ)「おおおおおおっとっととぶべらっ!!」

ミセ;゚д゚)リ「転んだ!」

プールの真ん中で浮いているような浮遊感に身を任せていたら、見事に足がもつれて転んだ。
背後からミセリの心配する声が聞こえて、足音が駆け寄ってくる。
全身から火が出そうなくらい恥ずかしい。




(;"ゞ)「いって……」

ミセ;゚ー゚)リ「派手に転んだねー……」

肘に付いた砂利をはらうと、鋭い痛みが走る。
見てみると、大小いくつもの擦り傷から血が滲んでいた。

ミセ;゚д゚)リ「ありゃりゃ……」

(;"ゞ)「ま、ほっといても大丈夫でしょ」

ミセ*゚ー゚)リ「男の子って怪我に強いんだねー。それより、ほらほら」

顔を上げると、点ぐらいの大きさだったお店がすぐそこにあった。
木造のこじんまりとした作りで、だいぶ年季を感じさせる。
典型的な駄菓子屋のイメージそのままだ。

(;"ゞ)「ああー、やっと着いた……」

全身の砂を落として立ち上がり、屋根で日陰になっている場所に逃げ込む。
おあつらえ向きに置かれていたベンチに腰掛けて、天を仰いで休憩した。

ミセ*^ー^)リ「んー、疲れたー」

そう言いながらミセリは、隣に座って大きく伸びをする。
とてもそんな風に見えないけど、どれだけ体力があるんだろう。
もっとも、俺に体力が無さすぎるだけな気もするけど。




(;"ゞ)「今何時ー、っと……」

104 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:27:14.77 ID:???
表示された時間から逆算するとして、決して余裕がある訳じゃなかった。
さっさと花火を選んでしまって、冷えたラムネでも飲みながら帰ろう。
名残惜しいけどベンチから立ち上がり、のんびりしているミセリを手招きする。

(;"ゞ)「早く選んで帰ろう。言っておくけど割り勘な」

ミセ;゚д゚)リ「えっ」

(;"ゞ)「えっ」

想定してなかった、とでも言いたそうな驚きの表情を見せたミセリ。
それ自体に驚いて、素っ頓狂な声が出てしまった。

ミセ;゚ー゚)リ「あはははは……財布はどーこだ?」

ミセリは空笑いを浮かべながら、立ち上がったその場でゆっくりと一回転してみせる。
ポケットひとつ無い、白いワンピースの裾がふわりと宙を舞った。
なるほど、手に持ってなければ財布をしまうスペースなんてどこにもない。




ミセ;>д<)リ「こんな事になるなんて思ってなかったから、財布持ってきてませんっ!」

再び俺に向き直った途端、ミセリは顔の前で手を合わせて謝った。
目を固く閉じて、まるで叱られるのを怖がる子供のようだった。

ミセ;>д<)リ「ほんっとーにごめんなさいっ!!! 場合によっては花火諦めるから!!」

(;"ゞ)「んーと、ほら、急だったし……そんな気にしないでいいって」

今日の事を何も知らなかったミセリを責めるのは、お門違いってやつだろう。
フォローしつつ財布を取り出して、現有戦力を確認してみた。
予定外の出費だったけど、せっかくの花火を諦める必要はなさそうだ。

(;"ゞ)「とりあえず、中に入って一緒に選ぼう、な?」

ミセ;゚д゚)リ「あ!? えと、うん、お、お詫びにデルタが好きなの選んでいいから!!」

不意を突かれたようにミセリが慌てだして、お詫びと言うには微妙な提案をする。
しかし、ふたりでやるんだからそういう訳にもいかない。

(;"ゞ)「せっかくなんだからふたりで……」

ミセ;゚д゚)リ「あたし、ここのおばあちゃんも苦手でさー!! だから外で待ってる、ね!!」




そう言うとミセリはそそくさとベンチに戻ってしまった。
諦めきれずに説得しようと近寄ってみたけど、ベンチの端を手でがっちりと掴んでいる。
どうやら、テコでも動く気はないらしい。

(;"ゞ)「はあ……ひとりで選ぶか」

どっちがいいか聞かれたりして、ワイワイキャッキャしながら選びたかったけど仕方ない。
大きくため息を吐いて、ひとりお店の中へと入っていった。

「いらっしゃいませぇ」

105 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/28(金) 23:30:21.06 ID:???
モップ

106 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 16:19:20.55 ID:???
電気が付いてるのに薄暗い店内に入ると、店番のおばあちゃんのしゃがれ声に迎えられた。
駄菓子から少し時代遅れなデザインの日用品まで、色んな物が雑多に置かれている。
入り口そばの冷蔵ショーケースが唸るような音を出している以外、中はしんと静まり返っていた。

( "ゞ)「花火花火……お、みっけ」

店内を見渡すと、一か所だけ色鮮やかな場所を見つけた。
そこだけは真新しい花火が所狭しと並べられていた。
その横には線香花火やねずみ花火が、箱に入れられてバラ売りされている。

( "ゞ)「とりあえずこのセットになってるのと……あとは……」




色々入ってるセットをふたつ手に取って、花火をする光景を想像してみる。
量的には充分だけど、花火が終わればそれで今日はさよならだ。
そう考えると、なんだか急に物足りない量に思えてきた。

( "ゞ)+「ミセリ、お前ともっといっしょにいたい」

(;"ゞ)「とか言える訳ねえしな……」

小声とはいえ何を言っているんだろう、なんて自分でも思う。
だけど、いっしょにいたいのは本当だし、もっとよく知りたいとも思っている。

(;"ゞ)「……ちょっと多めに買うくらい、いいよな?」

この感情が恋の始まりかどうかは、ずっと後にならないと分からないだろう。
それでも、バラ売りの手持ち花火に手を伸ばそうとする気持ちは、まぎれもなく本物だ。
照れくさくてとても本人の前では言えなくても、だ。

( "ゞ)「すいませーん」

「はぁい」

手持ち花火を一握り持って、そのままおばあちゃんのところに向かった。
花火を差し出すと老眼鏡をかけ、そろばんをはじいて会計し始める。




( "ゞ)「あっ、ちょっとすいません」

一言断って冷蔵ショーケースへと向かう。
ガラスの扉を開くと冷たい空気が吹き抜けて、微かに前髪を揺らした。

( "ゞ)「んー……よっと」

中からラムネを二本取りだし、手持ち花火を数えているおばあちゃんの傍らに置く。

( "ゞ)「これもいっしょにお願いします」

「はいよぉ」

返事をするなり、しわくちゃの手がせわしなく動き始める。
その鮮やかな手つきは思わず見惚れてしまうほどだ。
少し経って動きがぴたり、と止まる。

107 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 16:19:51.13 ID:???
「2000円になりますぅ」

(;"ゞ)「おおう……」

ある程度の覚悟はしていたけど、やっぱりなかなかの出費になった。
来月の新作ゲームは購入を見送るしかないだろう。

「たぁくさん買いましたねぇ、お友達と花火ですかねぇ?」

(;"ゞ)「あ、はい……あそこに座ってる子と」




お店の人に急に親しげに話しかけられる、という慣れない事態に少し戸惑う。
振り返ると、ベンチに座るミセリの頭がちらりと見えた。
おばあちゃんに分かりやすいように、指差して質問に答える。

「あの……子……んん?」

曲がった腰を伸ばして、おばあちゃんはミセリの姿を探す。
それでも、目が見えづらいのかなかなか見つけられないようだ。

「……まぁ、よく分からないけど楽しんでちょうだいねぇ」

( "ゞ)「ありがとうございます、それじゃ」

結局、おばあちゃんはミセリを見つけられないまま会話は終わった。
ビニール袋に詰められた花火とラムネ二本を持って、ミセリの待つベンチへと戻る。

( "ゞ)「ただいまー」

ミセ*゚д゚)リ「おかえ……うわあー、いっぱいあるー!!」

ミセリは最後に見た格好から微動だにしていなかった。
しかし俺の方を向くなり、すぐに目を丸くして寄ってきた。
まるで飼い主の帰りを待っていた子犬みたいで、耳や尻尾はなくても愛くるしさ満点だ。




( "ゞ)「はい、これも」

ミセ;゚д゚)リ「えっ!? そんな、いいよ……」

目を輝かせて花火を見つめる眼前にラムネを差し出す。
だけどミセリは遠慮しているのか、それを受け取ろうとしなかった。

( "ゞ)「なんとなく二本買っちゃったからさ。せっかくだし、いっしょに飲みながら帰ろうよ」

なんとなく、というのは半分嘘で半分本当だ。
こういうシチュエーションへの憧れはずっと持っていた。
だけど、ショーケースの扉を開けるまでは自分の分しか買うつもりはなかった。

ミセ*゚ー゚)リ「うーん……じゃあ、いただきますっ」

何故だか、ラムネを探しているうちにミセリの顔が浮かんできて。
気付けば片手に二本持って扉を閉めていた。

108 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 16:20:54.83 ID:???
ミセ*^ー^)リ「ありがとう、デルタ」

少し悩んでラムネを受け取ったミセリが軽く頭を下げる。
上げた顔に笑みを浮かべている辺り、喜んでくれているようだ。
とっさの思いつきとはいえ、買った甲斐があった。

(*"ゞ)「いいっていいって。さ、帰ろう」


ミセ*゚ー゚)リ「うん!」

ラムネの蓋を覆うビニールを取りながら、来た道を戻り始める。
栓をしているビー玉を中に押し込むと、炭酸の吹き出す音がした。
少しこぼれた中身が瓶を持つ手を濡らす。

(;"ゞ)「ありゃ、もったいね」

ミセ;゚ー゚)リ「こらー、意地汚いから舐めないの」

瓶を反対の手に持ち替えて、口元に手を持っていこうとするとミセリからお叱りを受けた。
急いで引っ込めた手をつたって、地面にラムネが垂れて吸い込まれていく。

ミセ*゚ー゚)リ「うむ、よろしい。それじゃあたしも……ふんっ!!」

満足気に頷いたミセリは瓶を胸に抱えて、力いっぱい掌を押しこんだ。

ミセ;゚д゚)リ「ひゃんっ!?」

俺のラムネより勢いよく炭酸が吹き出して、手だけじゃなくワンピースまで濡らす。
体から遠ざけるも中身は溢れ続けて、収まる頃にはだいぶ減ってしまっていた。
後に残ったのは、唖然とした表情で瓶を見つめるミセリだけ。



ミセ;゚д゚)リ「……もったいな」

( "ゞ)「意地汚いんじゃなかったの?」

ミセ;゚д゚)リ「……」

しばらく固まったままになった後、ミセリは瓶を口元に持っていって舌をちろりと出す。
俺がさっき言われた事をそのまま返すと、無言で引き下がった。
その様子がおかしくてたまらず、笑みが込み上げてくる。

(*"ゞ)「はっははははは!」

ミセ;゚ー゚)リ「むう……」

口を尖らせながら俺を見つめるミセリを横目に、ラムネをぐいっと喉に流し込む。
痛いくらいにはじける炭酸の感触と冷たさが、夏空の下ではとても清々しく思えた。

ミセ;゚ー゚)リ「そこまで笑わなくてもいいじゃん……」

愚痴りながらミセリはラムネに口を付け、飲み込んでから一言。

ミセ;゚ー゚)リ「シュワシュワしない……」

行きは歩き疲れていたけど、帰りは笑い疲れる気がした。

〜〜〜〜〜〜

109 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 16:23:17.88 ID:???
瞼を開いて携帯で時間を確認すると、もうすぐ10時半になろうとしていた。
昼とは打って変わって静かで、木々が風でざわめく音しか聞こえてこない。
布団から出ると、物音をたてないように少し汗ばんだ寝巻を着替える。

( "ゞ)(起こさないように……と)

荷物の中から、寝る前にこっそり拝借したろうそく数本とマッチを取り出す。
仏壇に置いてあった物だから、夜のうちにばれる事はないだろう。

( "ゞ)(……もうすぐなんだな)

ふと、昼間にミセリと交わした会話を思い返す。

――――――

ミセ;゚д゚)リ『……よく考えたら、花火するって言ったらあたしの事ばれちゃうじゃん!』

(;"ゞ)『いや、ばれたってミセリとじいちゃんが会う訳じゃないんだし……』

ミセ;゚д゚)リ『とにかくダメなの!! どっどどどっどどうしよう!?』

(;"ゞ)『えー?』




ラムネも空になった頃、ミセリが急にこんな事を言いだしてきた。
個人的に問題ないと思ったけど、向こうには大問題らしい。
理由を聞いてもダメだから、の一点張りで教えてくれない。

ミセ;゚д゚)リ『でっ、デルタ、家から抜け出してきて!』

(;"ゞ)『そこまでしないといけないの!?』

理由も話してくれないのに言う事を聞けるほど、俺は心の広い人じゃない。

ミセ;゚ー゚)リ『……お願い、します』

訴えかけるミセリの眼差しは真剣そのもので。
首を縦に振りたくなってしまう衝動と、理性の狭間で思考が揺れ動いた。

(;"ゞ)『……理由は、言えない?』

ミセ; − )リ『……ごめん』

(;"ゞ)『そのうち言ってくれる?』

ミセ; − )リ『言う……絶対に言う……!』

110 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 16:33:31.54 ID:???
(;"ゞ)『……じゃあ、今回だけ、だからな』

俺は心の広い人じゃない。
だけど、目の前で真剣に頼まれると断れないヘタレでもある。
今回だけ、と自分にも言い聞かせるように、ミセリにそう告げた。

ミセ; д )リ『ありがとう……ありがとう……』

何回やっても足りないと言わんばかりに、頭を下げては消え入りそうな声でお礼を言う。

(;"ゞ)『いいから、いいからそんな……』

ミセ; д )リ『うん……分かった、元に戻るから待ってて』

乱暴に麦わら帽子を被ったまま俯いて、しばし道の真ん中で立ち止まる。
ミセリに関わる事すら拒否されたみたいに感じて、俺はただ彼女の横で立ち尽くしていた。
やがて、帽子を背中へと追いやって、ミセリはゆっくりと顔を上げた。

ミセ*^ー^)リ『もう大丈夫。急いで帰らないとね』

いつも通りの笑顔を向けられ、鼻の奥がつんとする。
その理由は、俺には分からなかった。




――――――

( "ゞ)(何だったんだろう、あんな必死で……)

結局、その後は待ち合わせの時間を決め、ミセリに花火を預けて別れた。
だけど、あの時の事が頭の隅で気になって仕方ないまま一日が終わろうとしている。

( "ゞ)(……言ってくれるって約束したんだ。今気にしたってしょうがないじゃないか)

自己暗示をかけるかのごとく、頭の中で繰り返す。
それに、これから楽しく花火をやるっていうのに、重苦しいムードにでもなったらたまらない。
ひとまず、今は目の前の事だけを考えるようにしようと決めた。

( "ゞ)「よっと……」

足音に気を付けて廊下を歩き、事前に位置を確認しておいた懐中電灯の所へ辿り着く。
打ち付けられた釘に、紐でぶら下げられただけなので難なく手に入った。
後は外に出て、水を入れるためのバケツを持って浜辺へ行くだけだ。

(;"ゞ)「一番の難関だよなあ……」

目の前に現れた玄関を前にして、呟かずにはいられなかった。
原因はただひとつ、引き戸という構造だ。
音がどうしても出てしまうから一気に開ける事は出来ない。




鍵を外して手をかけると、恐る恐る力を込めてみる。
戸が少し震えながらスライドして、静寂の中に思いのほか大きな音が響いた。

111 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 22:16:11.44 ID:???
監督交代しろ
執念を感じない

112 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 23:20:13.25 ID:???
(;"ゞ)(やばいかっ!?)

急いで聞き耳を立てて、家の中の様子を窺う。
しばらくの間、やたら大きくなった自分の心臓の音だけが聞こえてくる。
幸い、誰も気付かなかったようだ。

(;"ゞ)(心臓に悪いって……早く出てえ……)

口を開けている事すらいけない気がして、固く唇を結んで再び戸に手をかけた。
蟻が動くような速さで、少しずつ戸が開けられていく。

(;"ゞ)(これだけ開けば出れるよな!? な!?)

ようやく通れる程度に隙間が出来たので、体を横にしてそっと歩を進める。
少し胸が引っかかった時は背筋がぞっとしたが、なんとか外に出る事が出来た。
激しい運動をした訳でもないのに、心臓が痛くなるほど脈打っている。

(;"ゞ)「で、出れた……やっと……はふう……」

口を開いて大きく息を吐くと、解放感で全身が満たされた。
思い切り伸びをしてから携帯で時間を確認する。
何時間も経っていた気がしていたけど、最初に確認した時から20分しか経っていなかった。




きちんと玄関を閉めて懐中電灯をつけると、農機具の置いてある倉庫へ向かう。
昼に見つけた、しまわれる事もなく脇に置かれていたバケツを拝借する事にしていた。

( "ゞ)「よーしよし、穴はないな」

一応底を確認すると、濡れてしまいそうなマッチと灯りの懐中電灯は手に持つ。
ろうそくはポケットに押し込み、バケツを空いている方の手で持って準備は完了だ。

(;"ゞ)「野犬とか熊とか幽霊とか出ない……よな?」

家の敷地から海へ続く道まで出て、思わず尻ごみしてしまう。
懐中電灯があってもせいぜい数m先までしか見えない。
暗闇の中に吸い込まれてしまえば、そのまま出てこられない気すらした。

(;"ゞ)「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない」

にわかに高鳴り始めた心臓を押さえ付けるように、土の匂いのする空気を胸一杯に吸い込む。
そして、恐怖心を吐きだすがごとく強気な言葉を何度も口にした。

(;"ゞ)「いける! 今ならいける! いくぞ、俺は海にいくぞ!」

意を決して、いつもより短い歩幅で海へと歩き始めた。

〜〜〜〜〜〜

113 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 23:20:44.60 ID:???
波の寄せては返す音が聞こえてきて少し経った頃、灯りの先に見える道が大きく曲がる。
不意に足下がアスファルトに変わって、浜辺に着いたのだと気付いた。
街灯が道沿いにぽつりぽつりと見えるけど、それでも海の方は真っ暗だ。

( "ゞ)「ミセリー?」

ひとまず街灯の下に行って、ミセリを呼んでみるが返事はない。
時間を確認してみると、待ち合わせ時間を数分過ぎたところだった。

(;"ゞ)「い、いるんだろ! 出て来いって、なあ!」

俺を待っている間に何かあったんじゃないか。
そんな不安が頭をよぎって、声を張り上げて何度も呼びかける。
それでも、帰ってくるのは波の音と風のざわめく音だけだ。

(;"ゞ)「探しにい、行った方がいいかn」

ミセ*゚д゚)リ「わっ!!!」

(;"ゞ)「ぎゃあああああああああああああ!!!!」




ミセ*゚ー゚)リ「やったー! ドッキリだいせいこ……」

::(; ゝ)::「あ、ああ、あああっばっばばあばばばば」

ミセ;゚д゚)リ「やりすぎ……ましたかね?」

背後からミセリの戸惑う声が聞こえてくる。
心配かけさせるな、と思い切り叱ってやりたいけど、体が言う事を聞かない。
腰が抜けたまま、足がぷるぷると震えて立ち上がれない。

::(; ゝ)::「しっしし心配したんっだだかっらな!」

ミセ;゚ー゚)リ「ごめんね……まさかここまで驚くなんて思わなかっt」

(;"ゞ)「ビビりでごめんなさいねえ!!」

客観的に見れば、今の俺は何度も噛みながら女の子に説教する腰砕け野郎。
知り合いには絶対見せられないヘタレっぷりだ。

(;"ゞ)「あああ……まだバクバクしてる」

ようやく落ち着いてきて、よろよろと立ち上がって砂を掃う。
胸を突き破りそうなくらいに心臓が強く脈打っていた。




ミセ;゚ー゚)リ「とりあえず……苦い記憶は花火と一緒に燃やして、ね?」

(;"ゞ)「……激しく賛成する」

いつまでもここでうだうだ言っていても、埒があかない。
花火の準備をするために、浜辺に降りる事にした。

ミセ*゚д゚)リ「おおー、用意ばっちりじゃないですかー!」

114 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 23:21:15.08 ID:???
(;"ゞ)「ばっちりじゃないと花火出来ないじゃないですか……」

ミセ*>ー<)リ「そうでした!」

色々と予定外の出来事はあったけど、いざ始めようとすると気分も高揚してくるものだ。
ミセリはそれが手に取るように分かるほど、テンションが上がっている。

( "ゞ)「俺が火つけるからさ、ミセリはバケツに海水汲んできて」

ミセ*゚ー゚)リ「はーい」

暗闇の中で浮いて見える白いワンピースが、懐中電灯の灯りと共に遠ざかっていくのを見送る。
ポケットから携帯を取り出し、点けたライトの灯りを頼りに蝋燭に火をともした。
ゆらゆらと揺れる淡いオレンジの炎は、見た目よりもずっと心強く見える。




「きゃあああああああ!!!」

(;"ゞ)そ「!?」

「濡れたああああああああああ!!」

(;"ゞ)「何度も驚かせないでくれよ……」

ほっと胸を撫で下ろしながら、近くにあった流木を手に取る。
平らな面に蝋を垂らして、そこにしっかりと蝋燭を固定した。
背後から悔しげにうめく声が聞こえてきて、振り返るとミセリがすぐそこまで来ていた。

ミセ;>д<)リ「ううう、波め……靴がぁ……」

(;"ゞ)「なんだ、その……ドンマイ」

ミセ;>д<)リ「絶対楽しんでやる……靴の分まで……」

未だにねちねちと呟くミセリと手分けして、花火の束をばらしていく。
こうやって見ると結構な量で、ばら売りしていた分まで買った自分の判断を疑わざるを得ない。

ミセ*゚ー゚)リ「やっぱりたくさんあるなー、がんがん遊ばないとね!」

ミセリは楽しそうだからプラマイゼロ、という事にしておこう。




ミセ*゚ー゚)リ「ばらしかんりょーう! はい、デルタはこれ!」

( "ゞ)「ちょっと待って……こっちも終わり、っと」

一足早くばらし終わったミセリから、手持ち花火を受け取る。
花火を一か所にまとめてから、少し短くなった蝋燭をふたりで囲んだ。

ミセ*゚ー゚)リ「点火しまーすっ」

( "ゞ)「どうぞー」

花火の先に小さく火が点って、徐々に大きくなっていく。
数瞬後、数え切れないほどの火花を伴って、鮮やかな炎が勢いよく噴き出した。

115 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 23:21:45.35 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ「綺麗だなぁ……」

( "ゞ)「お、俺のもついた」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、デルタの色違うねー」

小さい頃のように花火を振り回す事も、走り回る事も、何かを燃やす事もない。
それでも、次々に色を変える炎を眺めているだけで、不思議と胸が躍った。




ミセ*゚ー゚)リ「これだけあるんだし……贅沢にいっちゃいますか!!」

始めてすこし経った頃、ミセリがたくさんの打ち上げ花火を胸に抱えて離れていく。

(;"ゞ)「そういうのってさ、普通は最後の方にばーっと……」

ミセ*゚ー゚)リ「どうせ最後の最後は線香花火って決まってるんだから、いつやっても一緒だって!」

俺の進言にミセリは聞く耳も持たず、打ち上げ花火を並べ始めた。
片手では持てずに傍らに置かれた花火の数は、ひとりでは火を付けるのも苦労しそうな数だ。

( "ゞ)「ったく……その提案、乗るよ」

ミセ*^ー^)リ「そう来なくっちゃー♪」

花火を二、三個拾い上げて、ミセリの置いた花火の横に並べていく。
すべて並べ終えると結構な長さになった。
懐中電灯の灯りでは、反対側にいるミセリの顔がよく見えないほどだ。

ミセ*゚ー゚)リ「それじゃあ、お互いに反対側から真ん中に向かって付けていくんだよ!」

( "ゞ)「任せときなさいっ」




ミセ*゚ー゚)リ「火が付いたらダッシュだからね!」

( "ゞ)「はいはーい」

火を付けるための手持ち花火を数本持って、うち一本に火を付ける。
ふたりともほぼ同時に火が付き、砂浜を蹴って走り出した。
すぐに炎の向こうに打ち上げ花火が見えてきて、端からひとつ、またひとつと点火されていく。

ミセ;゚д゚)リ「あっ、やばっ!! 消えちゃった!!」

(;"ゞ)「何やってんのおおおおおおおお!?」

残りひとつというところで、ミセリの花火の火が消える。
慌てて手を伸ばして俺が代わりに火を付けた瞬間、俺の花火も役目を終えたかのように火が消えた。
離れるために真っ暗な中を、蝋燭の灯りを道しるべに戻っていく。

ミセ;゚ー゚)リ「ありがとー、助かったー!」

(;"ゞ)「どういたしましてえええ!」

116 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 23:22:16.06 ID:???
ふたりして息を切らして、元いた場所に戻った時だった。
破裂音と共に光が射して暗闇に風景がぱっ、と浮かび上がる。
数秒も経たないうちに音は鳴りやまなくなって、砂浜は明るいままになった。

( "ゞ)「おお……」

ミセ*゚ー゚)リ「わあ……」




心を奪われた俺達は、ため息を吐く事しか出来ずにその場で立ち尽くす。



俺とミセリしかいない真っ暗な浜辺は宇宙のように思えて。



火の華は夜空に輝く星のように思えて。



普段見上げている夜空に自分が浮いているように思えて。





まるで、自分が宇宙飛行士になったように思えた。

〜〜〜〜〜〜




〜〜〜〜〜〜

たくさんあったはずの花火は、いつの間にか線香花火を少し残すだけになった。
浜辺は暗闇に戻って、手元で火花が弾ける音と波の音だけが響いている。

( "ゞ)「……あっ、落ちた」

火玉が風に揺れて、火花を散らしたまま砂に落ちる。

ミセ*゚ー゚)リ「はい、これで最後」

( "ゞ)「あんなに買ったのになあ……」

受け取った線香花火を眺めて、なんだかしんみりとしてしまう。
胸を満たす感情は、夏が終わる感覚に似ていた。

ミセ*゚ー゚)リ「あたしもこれが落ちたら最後……って落ちちゃったよ」

そう言いだした途端に火玉が落ちた。
ミセリは残念そうに呟いて、花火をまとめていた場所に手を伸ばす。
そこに残っているのは、一本の線香花火だけだった。

117 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 23:23:00.26 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ「……なんか寂しくなるね」

ミセリが名残惜しそうに最後の一本を眺めながら呟く。
その顔を照らす炎が灯る蝋燭も、もうすぐ燃え尽きようとしていた。

(;"ゞ)「で、でもさ、ほら、その……」

湿っぽくなった雰囲気をなんとかしようと、とっさに何か話そうとする。
だけど、慣れない事は出来るはずもなくて、すぐに言葉に詰まってしまった。

(;"ゞ)「またやろうとすれば花火は明日にだって出来るし、明後日にだって」

ミセ* ー )リ「分かってないなぁ、デルタは」

(;"ゞ)「へっ?」

ようやくどうでもいい事を喋り始めた瞬間、ミセリが俺の言葉を遮る。
頭が真っ白になっている俺に、寂しげに微笑んでみせながら。

ミセ*゚ー゚)リ「来るかどうかも分からない明日や明後日の事なんて、今はどうでもいいの」

(;"ゞ)「……?」

ミセ*^ー^)リ「そんな事より楽しかったから今日が終わっちゃうのが嫌、っていう事」




(*"ゞ)「あ、え……そ、そうか……」

ミセリは照れくさそうに笑いながらそう答えた。
何を伝えたかったのかをやっと理解して、途端に全身がむず痒くなってきた。
少しの間、お互いに無言のままで時間が過ぎる。

ミセ;゚ー゚)リ「ま、まあ明日も明後日も来ないなんて事ないだろうし」

(;"ゞ)「……ですよね」

ミセ;゚ー゚)リ「とりあえず明日の事でも決めますか?」

(;"ゞ)「じゃ、じゃあそうしますか」

耐えきれなくなったのか、ミセリが自分の言った事を茶化してみせる。
それでようやく俺達の間に流れていた沈黙が破られた。

( "ゞ)「明日は確か午前中が雨なんだよね」

ミセ;゚д゚)リ「うっそぉ!?」

( "ゞ)「ほんとほんと。でも午後からは晴れるって」




今朝に見たニュース番組でそんな風に言っていたはずだ。
花火の件といい、今日ほどテレビに感謝した事はない。

ミセ*゚ー゚)リ「んー、だったら大丈夫かな。明日は行くアテがあるんだ」

118 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 23:23:30.57 ID:???
( "ゞ)「そうなの?」

ミセ*゚ー゚)リ「なんと明日はね……夜からラウンジ神社でお祭りがあるの!」

(;"ゞ)「なんというタイミング……」

ちょうど良すぎて少し驚いたけど、明日の予定としてこれ以上のものはないだろう。
人混みではぐれないように手を繋いだり、互いのかき氷を味見したり。
いつも羨ましげに眺めていたカップル達のように、そんな事が出来るかもしれない。

(*"ゞ)(期待してもいいんじゃね? うっへうええへへえへ)

ミセ*゚ー゚)リ「……なんかだらしない顔になってるけど、どしたの?」

(;"ゞ)「はっ!?」

ミセリに言われて、慌てて頬を引き締める。
彼女の様子を窺うと、まだ不思議そうに俺を見つめていた。




ミセ*゚ー゚)リ「……まいっか。何時頃に行くかとかは、花火が終わってから決めよ?」

(;"ゞ)「あー、う、うん、ソウデスネー!」

胡散臭い外人みたいな口調になってしまいつつも、普段通りの自分をなんとか取り繕う。
花火に気が移ってくれたみたいで、心の内でほっと胸を撫で下ろした。

ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ、どっちが長く点けていられるか勝負ね!」

そう言うとミセリが立ち上がって、俺の左隣にしゃがみ込んだ。
触れ合う肩の柔らかい感触がやけに気になってしまう。

(;"ゞ)「あ、ああ」

ミセ*゚ー゚)リ「いくよー……せーのっ」

今にも消えそうなくらい小さくなった炎に、線香花火の先を挿し込む。
燃えた部分が徐々に集まり、小さな火の玉が作られる。
ぱちり、と火花がひとつ散って、それを皮切りに暗闇にいくつもの光の筋が走り始めた。

ミセ*゚ー゚)リ「……」

( "ゞ)「……」

無言で花火を見つめるミセリをこっそり横目で眺める。
小動物みたいなあどけなさは影を潜めて、普段よりもずっと大人っぽく見えた。




(*"ゞ)(なんか……妙に色っぽいな)

目を離したくない、という気持ちが胸の奥から込み上げて来る。
それを全身に巡らせようとするように、心臓は速く、大きく脈打った。

ミセ*゚ー゚)リ「どうしたの? あたしの顔、何かついてる?」

119 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/29(土) 23:24:06.21 ID:???
(;"ゞ)「ぇ、いや……あの、あー」

まじまじと見つめられていた事に気付いたミセリが顔を上げた。
完全に油断していた俺は、何も答えられずに口を開け閉めするしか出来ない。

ミセ*゚ー゚)リ「あ、さては……あたしに惚れたな?」

(;"ゞ)「いやいやいやいや! 違うから、全然そんなんじゃないから!!」

惹かれている辺り、間違ってはいないけどそんな事を言える訳がない。
悟られまいと必死で首を何度も何度も横に振った。

ミセ*゚−゚)リ「なんだ……違うんだ」

残念そうに呟いて、ミセリは再び顔を下げた。
花火には向けられず、俺から逸らすように少し左を向いて。
その様子は声をかけられるような雰囲気じゃなくて、仕方なく花火に視線を落とした。



その時だった。












「あたしは好きなのに」









その言葉の意味を聞こうと振り向いた瞬間には、ミセリの顔が目の前にあった。














「「……っ!?」」

120 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 04:24:17.60 ID:???
2回戦で洛南と当たらなければもっとこのチームは勝ち進めた
どう考えても組み合わせはひどすぎた・・・

121 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 09:29:34.67 ID:???
「……」

「……ちっ」

「違うの、好きだけどっ、でも、でもそういう意味じゃなくてっ」

「……」

「ちょっと、からかおうと思って、ほっぺ、にちょっとだけ、ならいい、かな、って」

「……」

「そしたらっ、そしたら急に、こっち、っ、向いたからっ」

「……」

「……だからっ、あの、そのっ」

「……」

「……じ、じゃあねっ!!!」

「……」




砂を蹴る音が遠ざかっていく。



線香花火は互いが触れ合う直前に落ちた。



蝋燭は互いが離れる直前に消えた。



だから、ミセリがどういう表情をしていたのかは分からない。



嫌だったのかもしれない。追いかけるべきなのかもしれない。



だけど、夢の中にいるみたいに俺の体は上手く動いてくれなかった。

122 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 09:30:05.95 ID:???
夢にしてはやけに鮮明に残る唇の感触に戸惑いながら、俺は煙の臭いが残る砂浜に立ち尽くしていた。






























( “ゞ)は夏を待っているようです

第二話 アストロノーツ

終わり

123 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 09:31:00.21 ID:???
山の向こうの雲がゆっくりと割れて、沈み始めた夕日が顔を覗かせる。
ようやく見えた空はすでに薄紫色に染まっていた。

( "ゞ)「……」

ほとんど思考を停止していた頭が再び動き始める。
もう日が暮れる、という事はこれから夜になるという事で。
そこまで考えたところで、意識は昨日の記憶の中に潜っていく。

『違うの、好きだけどっ、でも、でもそういう意味じゃなくてっ』

『ちょっと、からかおうと思って、ほっぺ、にちょっとだけ、ならいい、かな、って』

『そしたらっ、そしたら急に、こっち、っ、向いたからっ』

焦点が合わなくなるほど眼前に近付いたミセリの顔が思い浮かぶ。
蝋燭に照らされた長い睫毛、海風と混ざった髪の匂い、柔らかい感触。
耳の先が火を付けられたように熱くなってきた。

(((//ゝ/)))「〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

何も手につかないままぼんやりと過ごして。
ふとした瞬間に昨日の事を思い出して、ごろごろと転がり回りたくなって。
起きてからずっと飽きることなく、何度も同じ事を繰り返していた。

124 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 09:31:44.18 ID:???
第三話 アフターイメージ





(*"ゞ)「はああ、あー」

まだ熱い顔を両手で懸命に扇ぐ。
雨が降って暑さが和らいだとはいえ、それなりの気温である事には変わりない。
傍らに置かれた麦茶の残りを飲み干して、水滴の付いた掌を額にあてがった。

(;"ゞ)「気持ちいいいいいいい……」

やっと火照りが収まってきて、気の抜けた声が漏れた。
体の力を抜いて縁側にべたり、と倒れ込む。
天井の木目を見つめながら、冷静になった頭でこれからの事に考えを巡らせる。

( "ゞ)(……どうしよう)

花火の終わる間際にミセリと交わした約束。
今日の夜に神社で行われるというお祭りに行くか、行くまいか。
普通なら何も迷う事はないのに、昨日の事を考えるとためらいが生まれる。

(;"ゞ)「ああああ、もう!! ちくしょう!!」

行くのならそろそろ家を出ないといけないのに。
煮え切らない自分への怒りをぶつけるように、髪を乱暴に掻き毟る。
乱れた前髪が鼻の頭をくすぐるだけで、後には無駄に疲れた体が残った。




(;"ゞ)「ふーう……はあ」

静かな家の中に小さなため息の音が響く。
じいちゃんもばあちゃんもすでに祭りの会場へ行っていて、家には誰もいない。
独り言を気にせずに考え事が出来る絶好の環境だったのだけど、このザマだ。

(;"ゞ)「とりあえず出よう……」

昼間に祭りの話になって、ふたりに行くと言ってしまった。
ミセリが迎えに来るのかも、来ないのかも分からないけど、祭りには行かないとならない。

(;"ゞ)「ミセリが来るなら途中で会えるだろ、うん……」

自分に言い聞かせるように呟いてから、勢いよく上半身を起こした。
またあれこれ考えだして止まってしまわないうちに、勢いのまま立ち上がって玄関に向かう。

(;"ゞ)「……暗くなって見えなくなる前に行かないとなあ」

吸い込まれそうな暗闇が脳裏によぎって、背筋に冷たいものが走る。
そそくさと靴を履いて戸を開けると、今まさに山の向こうへ夕日が沈もうとしていた。




( "ゞ)「あ」

ミセ*゚ー゚)リ「あ」

125 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 09:32:21.32 ID:???
夕日が眩しくて細めた目に、白い影が映る。
ちょうど来たのだろう、ミセリが玄関から少し離れた場所にいた。

ミセ*゚ー゚)リ「……」

( "ゞ)「……」

何故かお互いに立ち止まって、数瞬の沈黙が流れる。
近くの木に留まった蝉が一匹、俺達を冷やかすように鳴きわめく。

(;"ゞ)(やばいやばいやばいああやばやばびゃいいっばばばあ)

頭の中がぐちゃぐちゃになって、今すぐダッシュで家に戻ってしまいたい衝動に襲われる。

ミセ*゚ー゚)リ「あ、よかった。デルタもちょうど出るところだったんだ」

(;"ゞ)「ふぇぇ?」

しかし、対するミセリは昨日と何一つ変わらない様子で、俺に話しかけてきた。




ミセ*゚ー゚)リ「入れ違いになったらどうしよう、って思ってたんだけど危なかったねー」

(;"ゞ)「ああ、うん」

適当に相槌を打ちながら、急いで頭の中を整理していく。
ミセリは昨日の事を何とも思っていないんだろうか。
顔は見えなかったとはいえ、かなり取り乱していたような様子だったのに。

ミセ*゚ー゚)リ「ぽけっとしちゃって……何かあったの?」

そう聞かれても、今考えている事をそのまま言えるほどの度胸はない。
それに、気にしていないのならわざわざ触る必要もないだろう。
俺がどんなに気になるとしても、黙っておけば昨日のままの俺達でいられるんだから。

(;"ゞ)「いや、別に……何も」

意識して首を横に振り、いつも通りの自分をアピールする。
首を大げさに振りすぎていないか、声は震えていないか。顔は強張っていないか。
普段の自分がどんな風だったか分からなくなるほど、あれこれと考えてしまう。

ミセ*゚ー゚)リ「そっか、じゃあ行こっか」

そんな心配をよそにミセリは、俺を少しだけじっと見つめるとすぐに歩き出した。

126 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 09:33:00.95 ID:???
〜〜〜〜〜〜




( "ゞ)「おお……コンクリートばっかだ……」

ミセリの後ろに付いていって、神社に向かう道中。
等間隔に置かれた街灯に照らされた、街並みを眺めて思わず呟く。
さすがにVIPと比べると寂しさは否めないけど、街と呼べる風景がそこにはあった。

ミセ;゚ー゚)リ「どれだけ田舎だと思ってたの……」

どうやら聞こえていたらしく、振り返ったミセリに呆れたような声で問われる。

(;"ゞ)「だ、だって、駅やじいちゃん家の周りって畑しかなかったし」

ミセ;゚д゚)リ「それは駅やデルタのおじいちゃんの家が外れにあるから!」

突然の質問に噛みまくりながら答えると、ミセリはあっさりと返して再び前を向いた。
呆れたような大きなため息が後ろにいる俺にも聞こえてきた。
それを最後に、無言のまま歩くだけの時間が過ぎていく。

(;"ゞ)「そっか……」

小さく呟いた俺の相槌に対する返事はない。
神社に向かっている間、ずっとこんな感じだ。




基本的に無言で、どちらかの独り言をきっかけに会話が始まってはすぐに途切れる。
そして、しばらく沈黙が流れては再び会話が始まる。
正直、気まずいなんてものじゃない。

(;"ゞ)(どうすりゃいいの? この空気どうすりゃいいの?)

このなんともいえない雰囲気の原因は、十中八九昨日の一件だろう。
かと言ってデリカシーだとか、女心だとか、これっぽちも分からない俺の事だ。
うっかり逆鱗に触れて今すぐこの場で解散、なんて事態になりかねない。

ミセ*゚ー゚)リ

少し先を歩く悩みの種の張本人は、特に昨日から変わった様子はない。
あくまで、俺の見た限りだけど。

(;"ゞ)(なんかお腹痛くなってきた……)

痛みを紛らわせようと、体を反らして大きく伸びをしてみる。
星が散りばめられた夜空が視界一面に広がり、体を雨の匂いが混じった夜風が撫でていった。
解放感に身を委ねてみると、不思議と気分も痛みもほんの少し楽になった。

( "ゞ)「……ん?」

127 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 09:33:31.55 ID:???
ふと、空の片隅だけが不自然に黒一色に塗りつぶされている事に気付く。
立ち止まってその一点を注視してみると、大きな家が俺と空の間にそびえ立っていた。

(;"ゞ)(な、なな、何か出そう……ボロいし……)

人が住んでいる気配は感じられず、敷地内の植物は伸び放題だ。
壁は葉で覆われてしまっている部分すらある。
幽霊屋敷のお手本のような様相と時間帯も相まって、見ているだけで背筋に寒気が走る。

ミセ*゚ー゚)リ「何してるn」

(;"ゞ)「ひいいい!!」

いきなり視界に入ってきたミセリに驚いて、思わず情けない声を出して後ずさってしまった。
不気味な廃屋に白い服は、駄目な意味で似合いすぎていて困る。

ミセ;゚д゚)リ「えっ、なに!? なんなの!?」

俺に逃げられたミセリは、訳が分からないという様子でうろたえている。
とりあえず、恥ずかしいけど事情は説明しておこうと思った。

(;"ゞ)「あー、ほら、この家ってなんていうか……出そうじゃん?」

ミセ*゚−゚)リ「……うん」




自分で言うのは恥ずかしいので、オブラートに包んで事情を説明する。
だけど、ミセリはどこか上の空で、聞いているのかいないのか分からないような返事しかしない。
神妙な面持ちで、誰かを探すような眼差しで、廃屋を見つめるだけだ。

ミセ* ー )リ「……うん、出るんだよ」

( "ゞ)「は?」

急に俯いて、怪しい笑みを口元に浮かべたミセリがぽつりと呟く。
一瞬、何を言い出したのか理解できなくて、つい聞き返してしまった。

ミセ* ー )リ「この家には老夫婦が住んでいて、休みには孫が来るのを楽しみにしてたの」

(;"ゞ)「あ、のー、ミセリさん?」

ミセ* ー )リ「だけどね、ある日に孫が遊びに来る途中で事故に遭ってしまったの」

(;"ゞ)「そういうのマジで苦手だからやめt」

制止しようとする自分の声が、かすかに震えているのが分かった。
それでも、ミセリは話をやめようとしない。




ミセ* ー )リ「老夫婦は自分達さえいなければ孫は死ななかった、その自責の念から心中をして……」

ミセ* ー )リ「それ以来この家の前を若者が通るとね、声が聞こえてくるんだって」

(;"ゞ)「……」

128 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 09:34:07.67 ID:???
ミセ* ー )リ「名前を呼ばれて返事をしてしまうと……・」

そこで突然、ミセリは話をやめた。
そして、一歩、また一歩と俺に向かってゆっくりと歩み寄ってくる。
後ずさろうとした瞬間、伸びてきた腕に肩を掴まれて、

ミセ ゚゚゚д゚゚゚)リ「家に引きずり込まれてあの世に連れていかれてしまうんだってえええええええええ!!!!」

(;"ゞ)「ぎゃあああああああああああああああ!!!」

目を思い切り見開き、おどろどろしい声で叫ぶミセリの顔が現れた。

(;"ゞ)「ああああああああああ!!」

腕をはねのけて必死で後ずさろうとすると、足がもつれて尻もちをついてしまった。




ミセ*゚ー゚)リ「……ていう話を今考えたんだけど、どう?」

ドッキリの感想を聞くような意地の悪い笑みを浮かべて、ミセリが俺の目の前までやってくる。
呼吸が整わなくて答えられずにいると、目線を合わせるように膝を抱えてしゃがみこんだ。

(;"ゞ)「……めっちゃ怖かったから、もうやらないで」

ミセ*^ー^)リ「どうしよっかなー♪」

首をかしげながら、可愛く作った声でおちょくってきた。
胸がキュンとして口元がほころびそうになるのをこらえて、そそくさと立ち上がる。
負けた気がして悔しくて、ちょっとだけここにいるのが怖くて、早くこの状況から抜け出したかった。

(;"ゞ)「かわい子ぶっても駄目だからな……ほら、行くぞ」

絶対に絶対にミセリにときめいたからじゃない、とアピールするように。
つい、ぶっきらぼうな話し方になってしまった。

ミセ*゚ー゚)リ「さ・て・は……ここにいるのが怖いな?」

(((;"ゞ)))「ば、ばばばばっかやろー!! そ、そんなわけあるめい!!」

それもあるけどちょっとだけだ、本当にちょっとだけ。




ミセ*^ー^)リ「そうだね、そんなわけないね」

全部分かってます、とでも言いたげな表情を浮かべて、ミセリもゆっくりと立ち上がる。
長い前髪でも隠しきれないほど、俺の心の内は態度に出てしまっているようだ。

ミセ*゚ー゚)リ「さーてさて、こんなとこで油売ってないで行きますか」

(;"ゞ)「そうですねー!! 誰だろうねこんなところで怪談とか話して油売ってた人はー!!」

ミセ*^ー^)リ「さあ?」

129 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 10:07:56.47 ID:???
怪我人が多すぎた

怪我人が少なければもっといけてた

130 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 12:53:58.11 ID:???
とぼけたフリをすると、ミセリはまた俺の少し先を歩き始めた。
心なしか、今までよりも足取りは軽やかに見える。
俺達の間に流れていた重苦しい空気も、幾分か和らいだ風に思えた。

( "ゞ)(幽霊屋敷のおかげ……なのかな)

振り返って、もう一度幽霊屋敷を眺めてみる。
不思議と、最初に見た時のような怖さは感じなかった。
代わりにどこか暖かく、懐かしい気持ちで心が満たされる。

(;"ゞ)「……ったた!!」

溢れてくる感情の正体を探っていると、危うく電柱にぶつかりそうになった。
ひとまず考え事をするのはやめて、きちんと前を見て歩く事にした。

〜〜〜〜〜〜




ミセ*゚ー゚)リ「この上だよー」

(;"ゞ)「うっげえ……これ登るの?」

ミセリが指差したのは、鳥居のふもとから延びる石造りの階段。
見上げると、山の中ほどでぷっつりと途切れている。
途切れた先端に建てられていたもうひとつの鳥居が、淡いオレンジの光に照らされていた。

ミセ;゚ー゚)リ「もう少しなんだから頑張ってよ」

(;"ゞ)「俺、都会のモヤシっ子なんだからさ……」

ミセ;゚д゚)リ「あたしだって普段は街暮らしなんだから!! はい、レッツゴー!!」

(;"ゞ)「ぐうっ……」

見れば見るほど登る気が失せてきて、つい愚痴ってしまう。
しかし、ミセリにごもっともな反論をされてしまい、ただ押し黙るしかなかった。
そうこうしている内に、ミセリはどんどんと石段を登っていく。

(;"ゞ)「……はいはい、モヤシっ子だけど登ってやりますよおおおお!!!」

小さくなっていく背中を追いかけて、一段飛ばしで石段を駆け上がっていった。




ミセ*゚ー゚)リ「おおー、やれば出来るモヤシっ子じゃなーい♪」

(;"ゞ)「お、かあ、さんか、っての!!」

息を切らして登ってきた俺に、数段上からミセリが語りかける。
何故だかその口調は得意気というか、調子に乗っているという感じだ。

ミセ*゚ー゚)リ「なんだかさー」

(;"ゞ)「えー?」

131 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 12:54:29.62 ID:???
ミセ*^ー^)リ「普段見上げてる人を見下ろすって……いい気分だね♪」

(;"ゞ)「……あ、そう」

どうやら、ミセリは身長にかなりコンプレックスを抱いているようだ。
平均より少し低いくらいで、そんなに気にするほどじゃないと思うのだけど。

( "ゞ)「なあ、俺が少し高いだけでミセリはそんなnミセ#゚д゚)リ「平均より3cm小さいだけだからっ!」

(;"ゞ)「……」

これ以上触れるべき話題じゃないのは分かった。




(;"ゞ)「あ、ほら、もうすぐ登り切る!」

幸い、石段の頂上はすぐそこに迫っていて、自然と話題をそっちに移す事が出来た。
ミセリはむくれ顔のまま振り向くと、ぴたりと立ち止まる。

( "ゞ)「ん?」

ミセ*゚д゚)リ「おおおー!!!」

そして、再び俺の方に振り返った。
その瞳は、さっき見た夜空の星よりも輝いているように思えた。

ミセ*゚д゚)リ「おお、お祭りだよ!!」

(;"ゞ)「うん、知ってる知ってる」

ミセ*゚д゚)リ「テンション低いよ!!!」

人が変わったようなミセリのテンションに、正直戸惑いが隠しきれない。

ミセ*゚д゚)リ「早く行こ!! ねっ!?」

(;"ゞ)「ちょっ、転ぶ転ぶ!!」




うろたえている間に手を握られて、引っ張られながら石段の頂上へ走っていく。
日中に雨の降った後の夜風のせいか、伝わる体温はだいぶ低かった。
それ以上に、俺よりかなり小さい手の柔らかな感触が気になって仕方ない。

ミセ*゚д゚)リ「わああああ……」

石段の頂上で立ち止まったミセリの口から、感嘆の声とため息が同時に漏れる。
立ち並んだ出店の温かな光が、神社の境内に溢れていた。
少し痛いと感じるほど、握られた手に力が込められる。

(;"ゞ)「いつつ……」

ミセ;゚д゚)リ「あっ、ご、ごめんっ」

つい出てしまった声を聞いて、ミセリが慌てて手を離した。
互いに手持ち無沙汰になってしまい、向かい合ったまま立ち尽くす。

132 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 12:55:00.36 ID:???
(;"ゞ)「ああ……大丈夫だから」

ミセ;゚ー゚)リ「そう……?」




とりあえず話してみても間が持たず、話題を探して横目で境内を見渡す。
広い土地の中央に建てられたやぐらでは、盆踊りの曲に合わせて太鼓が叩かれている。
この辺りの住民みんなが集まっているのか、境内は人で溢れかえっていた。

( "ゞ)「……」

さっきまで俺の右手を握っていたミセリの左手に視線が移る。
だらりと垂れ下がった様が、何故だか寂しく思えた。
それは、自分の右手も同じだった。

( "ゞ)「ミセリ」

だから、名前を呼んで右手を差し伸べた。

ミセ;゚ー゚)リ「……え?」

ミセリは戸惑いの表情を浮かべて、俺の手と顔を交互に見つめる。
このままだと俺が何をしたいのか理解するまで、少し時間がかかるだろう。

( "ゞ)「人が多いからさ、はぐれないように」

ミセ;゚ー゚)リ「あ……ああ、うん」




半分は本当にそう思ったんだけど、もう半分は嘘だ。
なんとなく、もう一回手を繋ぎたくなった。それだけだ。

ミセ*゚ー゚)リ「……はぐれたら、困るもんね。うん」

何度も小さく頷きながらミセリが左手を伸ばして、俺の右手がきゅっと握りしめられた。
握る力はさっきよりもずっと弱く、迷子防止には頼りないように思える。

( "ゞ)「……よし、離すなよ」

さっきと決定的に違うのは、俺もミセリの手を離すまいと握りしめている事だ。

ミセ*^ー^)リ「……はーい」

元気のいい返事を聞いて、ゆっくりと手を引いて人ごみへと歩き出す。
そして、いよいよ人の波に飲まれようか、という時にミセリの様子が気になって振り返ってみた。

ミセ*゚ー゚)リ「?」

屋台の明かりに照らされて、いつもより大人っぽく見える顔が目の前にあった。
そのまま見ていると、顔を赤くして見惚れてしまいそうで、反射的に正面に振り向いていた。

(* ゝ)「……」

きっと、俺はもう振り返れないだろう、と。
振り返れても、ミセリの顔は見れないだろう、と。
顔ごと火照った頭で、そう思った。

133 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 12:55:35.16 ID:???
横目で出店を眺めながら、人ごみをかき分けるように歩いていく。
お年寄りや家族連れがほとんどで、俺達と同年代らしき人はまばらにしかいなかった。
そんな中で手を繋いで歩く俺達は、きっと周りからすれば浮いて見えるんだろうと思った。

ミセ*゚ー゚)リ「あっ、金魚すくいだって!」

ミセリが手をくいくいと引っ張って、俺を呼び止める。
素早く一回、深呼吸をして振り返ると、ミセリは出店のひとつを指差していた。

「お、兄ちゃんやってくかい?」

その指先の延長線へ視線を移す。
麦わら帽子にタンクトップとジーンズという、いかにもな感じの屋台のおっちゃんと目が合った。
しかも、興味を持ったのはミセリなのに、俺がやりたがってると勘違いされている。

ミセ;゚д゚)リ「あ、い、いーじゃん! あたし、後ろから見てるからやってきなよ!」

相談する前に背中をぽん、と叩かれてしまった。
その拍子に一歩、金魚すくいへ踏み出してしまい、再びおっちゃんと目が合う。
嬉々としてポイの袋に手を突っ込んだのを見て、逃げられないと悟った。





(;"ゞ)「とりあえず……ひとつ」

「あいよ、ひとつね! 200円だ!」

200円と引き換えにポイを受け取り、しゃがみ込んで器に水をすくうと水槽を見渡した。
大きなやつ、赤白二色のやつ、黒い出目金。見た目の派手な金魚にどうしても目が行く。

ミセ*゚ぺ)リ「……」

(;"ゞ)「……」

ミセリは俺の肩に両手を置いて、後ろから覗きこむように水槽を眺めている。
固く唇を結んで、俺と同じように目立つ金魚を目で追っていた。
ただ、俺にはちらちら見える横顔や漂ってくる髪の匂いの方が、金魚よりも気になってしまう。

(;"ゞ)(集中出来ねえ……)

水槽とにらめっこし始めて、少し経った頃。
一匹の黒い出目金が俺の目の前に泳いできた。

ミセ*゚д゚)リ「でめきん……でめきんちゃーん……」

ミセリは出目金に向かってもっとこっちに来いと手招きする。
理解してるのかは分からないけど、同じところをぐるぐると泳ぎ始めた。

(;"ゞ)「ちょっとこれは……取れる自信がないな」



ミセ;゚ー゚)リ「えー……」

(;"ゞ)「普通の金魚が限界だ……」

ミセ;´д`)リ「えええー……」

134 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 12:56:05.95 ID:???
不満気な表情で、ミセリはため息混じりの残念そうな声を漏らす。
俺だって取れるものなら取ってやりたいけど、そこまでの技術はない。

ミセ;゚д゚)リ「……でめきーん……おーい」

諦めきれないミセリは、出目金を未だに目で追い続けていた。
ちくり、と心に針が刺さる様な痛みが走った。
ぐっとこらえて、すくえそうな金魚を探して水槽を凝視する。

「兄ちゃん、ぶつぶつ言ってても金魚は取れねえぞ? はっはっはっは!!」

おっちゃんの言う通りで、さっきからミセリと話すだけですくおうとすらしていない。
とりあえず、金魚が集まっている場所にそっとポイを入れてみる。
蜘蛛の子を散らすように逃げていく金魚達の中で、あまり動きの速くない一匹に狙いを定めた。

ミセ*゚д゚)リ「お……おおっ!?」

急にミセリがそわそわし始めて、些細な金魚の動きにすら声を上げるようになる。
出目金ではないけど、楽しんでくれているらしいのは幸いだった。




(;"ゞ)「よっ……と」

少しずつポイを水面に近付けながら、ぴったりと金魚の動きを追う。
そして、動きが止まった一瞬を狙って、そっと金魚をすくいあげた。

(;"ゞ)「ていっ!」

ミセ*゚д゚)リ「ふおおー! 取れたー!」

紙が暴れられて破れてしまう前に、慌てて器に放りこんだ。
横から器を覗きこんだミセリが歓声を上げる。
とはいえ、器に一匹だけじゃやはり寂しい。

ミセ*゚д゚)リ「もう一匹! もう一匹!」

ミセリは手拍子しながら、目を輝かせてまっすぐ俺を見つめてくる。
せっかくなので、なかなか聞く機会のなさそうなアンコールに応える事にした。

(;"ゞ)「……まだまだすくいますとも」

「言ってくれるじゃねえか!! おっちゃんが食いっぱぐれない程度で頼むぜ?」

おっちゃんの無用な心配を聞きながら、俺は再び冷たい水の中へ手を入れた。

〜〜〜〜〜〜




ミセ*゚ー゚)リ「お前、なんだか寂しそうだね」

俺が手に持っている小さな袋を覗いて、ミセリが語りかけた。
中に入れられた一匹の金魚は、特に大きな動きをする事もなく袋の中央を漂っている。

ミセ*゚ぺ)リ「無愛想なやつだなー、もー」

135 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 12:56:41.59 ID:???
(;"ゞ)「無茶言ってやるなって……」

ミセリは口を尖らせて顔を上げる。
結局、すくう事が出来たのは最初の一匹だけだった。
そして、何故か俺が持って帰って世話をする事になってしまった。

ミセ*゚ー゚)リ「ま、金魚だからしょうがないか」

(;"ゞ)「……それを分かってて何を期待したんだよ」

あっさり機嫌を直したミセリは背伸びして、辺りの出店をきょろきょろと見渡す。
少しして、ある一点を見つめたまま動かなくなった。




ミセ*゚д゚)リ「……」

ミセリのそばに寄って、視線の先を追ってみる。
周りよりも一際、長い列が出来ている出店があった。

( "ゞ)「ん……? ああ、かき氷ね」

確かにお祭りといえば、夏といえばかき氷だ。
買いに行くか、と聞こうとミセリの方へ振り向いた。
まだ、顔から少し目を逸らしていないとどうも恥ずかしいけど。

ミセ*゚д゚)リ「……」

大きく喉が動いて、ミセリが生唾を飲み込むのが見えた。
呟いた言葉は独り言なのか、俺に向けたものなのかは分からない。
どっちにしろ、独りで行動するという選択肢はなかった。

( "ゞ)「じゃあ食べるか?」

ミセ;゚д゚)リ「あ、いや、ほら……」

昨日やってみせたように、ミセリはその場でくるりと一回転する。
どうやら、また財布を忘れてきたらしい。




(;"ゞ)「来る時に言ってくれればよかったのに……」

ミセ;゚ー゚)リ「なんていうか、そんな空気じゃなかったし……あはは」

言われてみればその通りで、乾いた笑いが俺達の間にむなしく響く。
思えば、金魚すくいの時にどこか焦っていたのもそのせいだったのだろうか。

( "ゞ)「……いいよ、今更」

ミセ;゚ー゚)リ「えっ?」

( "ゞ)「食べたいんでしょ、かき氷くらいおごるって」

ラムネも花火も買ったんだし、そこにかき氷が加わった程度で何もないだろう。
ミセリは申し訳なさそうに俺を見つめて、何か言おうと口を開きかけては閉じたりを繰り返している。
やがて、意を決したようにキッと目を開いて、大きく息を吸った。

136 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 12:57:28.88 ID:???
ミセ;゚ー゚)リ「本当に……いいの?」

( "ゞ)「いいですともいいですとも」

そう言って何度も首を縦に振ると、ミセリは安堵の表情を浮かべて、深く頭を下げた。
そして、頭を上げると俺を導くように先を歩いて、出店へ向かっていく。
人ごみを誰ともぶつかる事なくすり抜けていく様は、見事の一言に尽きる。




ミセ;゚д゚)リ「ふんっ! ……ふんっ!」

( "ゞ)「……何してんの?」

一足先に列の最後尾に並んだミセリは、せわしなく動き回っていた。
ぴょんぴょんと飛び跳ねたり、列の横から屋台の方を覗きこんだり。

ミセ;゚д゚)リ「何味があるか見たいんだけど……」

( "ゞ)「えーと……」

背伸びをして列の向こう側を覗くと、シロップの種類が書かれた小さな看板が見えた。
段ボールを切り取ったものにマジックで書かれた看板は、いささか見づらい。

( "ゞ)「いちご、レモン、メロン、ブルーハワイ……かな」

ミセ*゚д゚)リ「おおー、さっすがー!」

なんとか見えたシロップの種類を一通り読み上げると、ミセリは拍手して手柄を称えてくれた。
そして、すぐに顎に手を添えて真剣な顔つきに変わる。
かすかに唇が動くごとにメロン、とかいちご、とか聞こえてきては、首を横に振っている。




ミセ*゚ぺ)リ「んー……」

( "ゞ)「俺はブルーハワイにしよっかな……」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、じゃあレモンにする!」

俺が呟いたのを聞いて、ミセリも何味にするか決まったらしい。
好きに選ばせてやれなかったみたいで、なんだか申し訳なかった。

( "ゞ)「いいの?」

ミセ*゚ー゚)リ「違う味だったら食べ比べ出来るじゃん?」

ミセリはそれが当たり前のように、俺に同意を求めてくる。
誰かとそんな事をした経験がなくて、頷いていいのかためらってしまった。

ミセ*^ー^)リ「迷ってたから後押ししてくれて助かったよー」

笑顔を見るに、俺が思っているより深刻な事じゃなかったらしい。
列の先に視線を移して、強く鼓動を打ち始めた胸を撫で下ろした。

137 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 12:58:01.69 ID:???
話しているうちに列はだいぶ進んでいて、前にはあと数人しか残っていなかった。
どうやら家族連れのようで、今作られている分が終わったら、次は俺達の番らしい。

ミセ*´д`)リ「ああ〜、ほら見てふわっふわ〜」

幸せそうな顔でミセリが指差している先では、器に氷が盛られていっていた。
出店の灯りを乱反射して輝く様は、見るだけで美味しいと分かる。
目から冷たさが体に入り込んできて、全身に広がっていく気がした。

( "ゞ)「お、いなくなったいなくなった」

注文したかき氷を全部受け取った家族連れがいなくなって、俺達の番が来た。
思いのほか金魚の入った袋が邪魔になるので、手首からぶら下げておく事にした。
財布をジーパンのきついポケットから引っ張り出し、小銭入れを開きつつ注文をする。

( "ゞ)「ブルーハワイと……えっと、レモン」

「はいはーい!」

威勢のいい返事が返ってきて、あっという間に器に氷が盛られていく。
ミセリはいつの間にか機械の前に陣取っていて、間近でその様子に見入っていた。

「はいブルーハワイとレモンお待ちー! 400円でーす!」

( "ゞ)「……はい」

「ちょうどいただきまーす!」



代金と引き換えに、かき氷を両手に受け取る。
そのまま列の横へ外れようとした時、後ろから声をかけられた。

「お兄ちゃん、お腹壊さないようにねー!」

( "ゞ)「……はあ」

振り向いて会釈はしたけど、何故そんな事を言われたのか分からなかった。
あの人は俺がふたつとも食べるとか思っているんじゃないか。
そんな考えがよぎって、自分でも思わず吹きだしてしまった。

ミセ*゚ー゚)リ「急に笑ってどうしたの?」

(*"ゞ)「ははっ……なんでもない」

あまりにくだらなさすぎて、ミセリに話しても一文の価値もないと思った。
適当にはぐらかし、人の流れから少し離れた場所で立ち止まる。

(;"ゞ)「うーん……ここで立ち食いってのもなんかなー」

ミセ*゚ー゚)リ「どっか座れる場所探す?」

( "ゞ)「そうだな、そうしようか」

とはいえ、ゆっくり座れる場所はそう多くはないだろう。
あったとしても、人の流れが無いという事は暗くて危ない場所とも言える。
なるべく明るい場所を探そうと決めて、人ごみの中に戻っていった。

〜〜〜〜〜〜

138 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 19:34:22.32 ID:???
怪我人が多すぎた

怪我人が少なければもっといけてた

139 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 22:44:59.94 ID:???
( "ゞ)「うーん……」

当たり前といえば当たり前だけど、座れそうな場所はなかなか見つからない。
いくつか良さそうな場所を見つけても、そこにはすでに先客がいた。
手に持ったかき氷の器から雫が垂れてきて、俺の手を濡らしていく。

ミセ;゚〜゚)リ「ないねー……」

俺の横で難しい顔をしてミセリが愚痴る。
両手が塞がってしまったから、今は俺の服の裾をちょこんとつまんでいる。

ミセ;゚〜゚)リ「どーしよーかなー、むう……」

(;"ゞ)「もう少し暗い所でも探す?」

あまり怖い思いはさせたくないけど、このままじゃ八方塞がりになってしまう。
ミセリの了解さえ得られれば、と思って聞いてみた。

ミセ*゚ー゚)リ「危ない目にあったら助けてくれるなら、いいよ?」

(;"ゞ)「絶っっっっ対助ける! 何が何でもっ!!」

大きく何度も頷いてそう言うと、ミセリは笑みを浮かべて納得してくれた。
ひとまず人ごみの外に出るために、人の流れを無視して歩き始めた。



そろそろ人ごみを抜けられるという頃。
ミセリはちゃんと付いてきているか、そう思って振り返った瞬間だった。

ミセ;゚д゚)リ「ひゃっ!?」

つまづいてしまったのか、人に押されてしまったのか。
普段なら笑ってしまいそうな間抜けな声をあげて、ミセリがこっちへ倒れ込むようによろめく。

(;"ゞ)「危ねえっ!!」

手に持ったかき氷の事も忘れて、反射的にミセリを受けとめようと体を寄せた。
痛くなるほどの冷たさが腕に触れるのを感じつつ、胸に飛び込んでくるミセリを見つめる。
そして、後ろに倒れないように踏ん張ると、スローモーションに流れていた時間は元の速さに戻った。

(;"ゞ)「あ、ああ……よかった……」

ミセ;゚д゚)リ「……」

人が俺達を避けていくのを横目に見ながら、大きく安堵のため息を吐いた。
胸にすっぽりと収まったミセリは、呆気にとられたような表情のまま固まっている。




(;"ゞ)「あ、やべえ……垂れてきた」

ミセ* д )リ「……」

真上に掲げた腕をつたって、溶けたかき氷が肘のあたりまで垂れてきた。
早めに洗わないとべたついて大変な事になりそうだ。
とりあえず、ミセリには一旦離れてもらう事にしよう。

140 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 22:45:30.56 ID:???
(;"ゞ)「ミセリー、かき氷こぼれてきたから」

ミセ* − )リ「……」

(;"ゞ)「ちょっとどい……て」

いつの間にか、ミセリは俺の胸に顔をうずめたまま動かなくなっていた。
小さな手がシャツを握りしめている感触が伝わってくる。
ただならない様子に、思わず言葉を飲み込む。

ミセ* − )リ「ん……やっぱ」

(;"ゞ)「……?」




ミセ* − )リ「やっぱ……ダメだ、我慢できない。もう限界……」

その言葉の意味を理解し切れないうちに、ミセリはそっと俺から離れる。
頭は下がっていて、表情は分からない。

ミセ* − )リ「……来て」

そう言われて、今までで一番強く、手を握りしめられた。

ミセ* − )リ「話したい、事がある」

盆踊りの軽快な曲と、幸せそうな喧騒だけが聞こえてくる。
俺は返事を探しながら、夕日の様な出店の灯りに照らされたミセリの髪を見つめていた。
そんな時間がどれだけ過ぎたのかは分からない。

( "ゞ)「……分かった」

どれだけ過ぎたのかは分からないけど、これ以外の返事は俺には思い浮かばなかった。
まるで他の言葉なんて知らないかのように。

〜〜〜〜〜〜




ミセ*゚ー゚)リ「手、洗うんでしょ?」

(;"ゞ)「あ、ああ……」

ミセリに手を引かれて連れてこられたのは、神社の本殿だった。
出店もここまでは出されていなくて、ほとんど真っ暗だ。
かき氷を持ってもらい、その間に手洗い場で腕を洗うのも手探りだった。

( "ゞ)「持ってくれてありがとう、もう大丈夫」

ミセ*゚ー゚)リ「はい……こっちがレモンだっけ」

(;"ゞ)「ああ……多分、そうだと思う」

少し目が慣れてきて、かき氷の白い器を無事に受け取る。
ミセリは自分の持った器を、間近まで顔を近づけて見つめていた。

141 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 22:46:01.53 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ「んっ……よかった、レモンレモン。それじゃあ、付いてきて」

( "ゞ)「あ、うん」

言われるがままに、闇に浮かぶワンピースを追いかける。
事情を知らない人が見たら、幽霊と勘違いしそうだ。




ミセ*゚ー゚)リ「あった、ここだ」

( "ゞ)「……ここって」

立ち止まった場所は神社の本殿の一角だった。
目を凝らして見ると、軒下に人が入れそうな空間が存在している。

ミセ*゚ー゚)リ「さ、入った入った」

(;"ゞ)「ちょっ、押さないで、あだっ!!」

ミセ;゚д゚)リ「あっ、ごめんっ!!」

よく見えないうえ、無理矢理に背中を押されたから、梁に額をぶつけてしまった。
背後からミセリが慌てて謝る声が聞こえてくる。
二度と背中を押さないように釘を刺してから、再び体をかがめて中に入っていく。

(;"ゞ)「つー……まだじんじんする……」

本殿の木の香りと、足下に敷き詰められた砂利の音だけがそこにはあった。
悲痛なぼやきも暗闇に溶けて、すぐに消えてしまう。
ひとまず、いつまでも背中を折り曲げていられないので、適当な場所に腰を下ろした。



ミセ*゚ー゚)リ「よっと」

ミセリが苦もなく中に入ってきて俺の横に座る。
膝を抱える姿は、元々の体の小ささも加わってかなりコンパクトだった。

ミセ* − )リ「……」

(;"ゞ)「……」

膝の間に頭を入れたまま、ミセリは押し黙ってしまった。
生い茂った木々の隙間から、祭りの人ごみや出店が見える。
軒下にも淡いオレンジ色の光が差し込んできて、俺達を頼りなく照らしてくれていた。

(;"ゞ)「かき氷……」

ミセ* − )リ「……?」

耳に入るのが遠くから聞こえてくる祭囃子だけ、という状況に耐えきれず、苦し紛れに口を開いた。
膝で口元を隠したミセリが、視線だけ俺に向ける。
その眼差しは、ミセリを照らす光と伴って、儚さと美しさが入り混じって見えた。

(;"ゞ)「……食べようよ」

ミセ* ー )リ「……うん」

142 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 22:46:32.71 ID:???
ミセリは顔を上げてそっと微笑んだ。
揺れる前髪が、夕日に似たオレンジ色を反射してきらめく。
そして、傍らに置いたかき氷を持ち上げると、小さく一口をすくい上げて口に運んだ。

ミセ*゚ー゚)リ「……おいし」

( "ゞ)「……そっか」

満足そうな声を聞いて安心すると、俺もかき氷を口に運んだ。
ブルーハワイの何物にも例えようのない甘さが、舌全体に広がっていく。
しばらくの間、祭囃子に混じってしゃりしゃり、という音が軒下に響く。

ミセ*゚ー゚)リ「うん、頭すっきりした」

ふと、ミセリが大きく頷きながらそう呟いた。
しかし、一度だけじゃなく何度も頷いている。
まるで自分に言い聞かせているみたいだった。

ミセ*゚ー゚)リ「デルタ、あのね」

かき氷を一口頬張ると、ミセリがこちらを向いて俺を呼んだ。
ブルーハワイを運んでいた手を、ぴたりと止める。




ミセ*゚ー゚)リ「ほんとはね、全然平気じゃなかったの」

( "ゞ)「……ん?」

はにかみながらそう言われるも、最初は何が平気じゃなかったのか見当がつかなかった。
だけど、次の一言でさすがの俺でも全て察した。

ミセ*゚ー゚)リ「デルタがいようがいまいが、ずっとドキドキしてたんだ」

間違いなく、昨日のあの一件の事だった。
ミセリも俺と同じように、どうしようもなく気になっていたのだった。
言葉の合間にかき氷を口に運びつつ、ミセリは話を続ける。

ミセ*゚ー゚)リ「思い出したら、ごろごろ転げ回っちゃうくらいでさ……」

(;"ゞ)「ご、ごめん……」

呆れたように話すミセリに対して、どんどんと罪悪感が込み上げてきた。
向こうのいたずらとはいえ、あんな事になってしまった原因は俺にもある。
軽く頭を下げただけでは足りないように思えて、きちんと土下座くらいしようと姿勢を正す。

ミセ*゚ー゚)リ「ううん……謝らないといけないのは、あたしの方」




(;"ゞ)「な、なんで」

ミセ* − )リ「嘘、ついたの」

かき氷を運ぶミセリの手が止まり、器が地面に置かれた。
膝の上に顎を乗せて、自分のつま先を見つめるように目を伏せる。

143 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 22:47:25.45 ID:???
ミセ* − )リ「いたずらなんかじゃ、なかった」

まさか、と思う俺とそれを否定する俺が、脳内に交互に現れては消えていく。

ミセ* − )リ「ほんとにちゅーしちゃうのは、予想外だったけどさ」

そう言って細めた眼は笑っているようにも、怯えているようにも見えた。

ミセ* − )リ「……デルタ」

(;"ゞ)「……」

静かに名前を呼ばれて、息を飲む。
ミセリの声以外をかき消しそうなほど、心臓の鼓動がうるさい。
こんなにも次の言葉を待ち望む事は、これから先、二度とないと思った。








ミセ* − )リ「……好き、です。大好きです」








(;"ゞ)「……!」

期待しながらも、どこかであり得ないと思っていた事が、目の前で起きた。
多幸感で満ちた心臓がさらに強く、早く脈を打つ。

ミセ* − )リ「ずっと……初めて会った夏からずっと、好きでした」

ミセリは堰を切ったように喋り続ける。

ミセ* − )リ「子供と子供の口約束だったけど、ずっと待ってました」

聞こえてくるのは、浜辺で出会った時に聞いたのと似た言葉。

ミセ* − )リ「毎年、指折り数えて……夏を待ってました」

あの時との大きな違いは、本当の気持ちを包み隠さず話しているという事。

ミセ* − )リ「……」

(;"ゞ)「……」


(;"ゞ)「……ミセリ」

ミセ* − )リ「……っ!」

144 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 22:47:56.26 ID:???
名前を呼ばれたミセリは、怖いものでも見たようにびくり、と体を跳ね上げてこっちを見た。
ワンピースの裾を掴んでいる手が、小刻みに震えている。
自分の本心を晒してしまった事が不安なんだろうか。

(;"ゞ)「なんか、すごいびっくりしてて、こういうの初めてだし……上手く言えないと思うけど」

自分でも驚くほどたどたどしい話し方で、きっと今の俺はとてもかっこ悪いだろう。
それでも、今すぐにでも、ミセリの不安を取り除いてやりたいと思った。

(;"ゞ)「あの、今だから言えるけど、最初にミセリを見た時にすげえ可愛いと思って」

ミセ* − )リ「……」

雨に震える子犬のような瞳が、俺を真っ直ぐに射抜く。

(;"ゞ)「仲良くなれたら、って思って浜辺に行ったらミセリで、でも、俺は全然覚えていなくて」





(;"ゞ)「正直、下心たっぷりだったんだけど、なんかそれで一気に冷めて……」

ミセ* − )リ「冷めちゃったの……?」

ミセリの眉間にしわが寄って、瞳がすぐに泣いてしまいそうなくらいに潤む。
慌てて取り繕いながら、自分の会話の下手さを怨んだ。

(;"ゞ)「いや、そんなダメな意味じゃなくて、その、冷静になったっていうか」

ミセ* − )リ「そう……?」

(;"ゞ)「そう、なんていうか、ああ……ひと夏限り、とか思わなくなって」

仲良くなりたい、という感情は最初からずっと変わらなかった。
いつしか、仲良くなった先の事を考えるようになった。

(;"ゞ)「もっと仲良くなって、夏が終わっても連絡とか取るようになって」

仲良くなって、もっと長く付き合っていけたら、と。
もっと深くお互いを知る事が出来たら、と思った。

(;"ゞ)「休みには電車に乗って会いに行ったりとか、そういう風に……そういう風になりたいって思った」




(;"ゞ)「これっきりなんてごめんだ、ってすっごい思ったんだ」

これを人は恋だと言うんだろうか。
正直、思春期になってからは誰かの話を聞いて、憧れたり妬んだりするだけだった。

(;"ゞ)「俺が今ミセリに対して抱いている気持ちが、同じかは分からないけど」

だから、自分が恋をしているのかは分からない。
ミセリの気持ちと同列になんて、してはいけないのかもしれない。
だけど、

(;"ゞ)「すごい嬉しくって、すごい……心臓がバクバクいってる」

145 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 22:48:31.09 ID:???
この気持ちが恋で、これからミセリの気持ちとの差を埋めていけるのなら。
それ以上幸せな事は無いと、心の底から思えた。

(;"ゞ)「……」

ミセ* − )リ「……」




嵐が過ぎた後のような静寂が訪れる。
どうも恥ずかしくてミセリの顔を見れなくなって、行き場を無くした視線を地面に向ける。
水滴でびしょびしょになってしまったかき氷の器を、意味もなく見つめた。

ミセ* − )リ「……なんか、かっこ悪かったよ」

いつもの調子を少しだけ取り戻した声で、ミセリがぼそりと呟いた。
それは自分でも分かっているから、あんまり言わないでほしい。

ミセ* ー )リ「でも、かっこ悪くてもいいや。デルタだし」

(;"ゞ)「それどうい……っ!」

振り向いて問いただしてやろうとした瞬間、右肩に重みを感じる。
いつの間にかミセリは俺に寄り添うように座っていて、肩に頭を置かれていた。

(;"ゞ)「……」

ミセリの匂い、としか言いようのない匂いが鼻をくすぐる。
二の腕に触れる髪の柔らかい感触がこそばゆい。




視線は未だにかき氷に向けられている。
正確には、向けるしかないという感じだ。

(;"ゞ)「……ふうー」

大きく深呼吸をして覚悟を決める。
いっせーのせ、と心の中で合図を出して、右肩へ視線を移した。

ミセ*゚−゚)リ「……」

(;"ゞ)「……あ」

ちょうどミセリも俺を見ていて、ばっちりと目が合ってしまった。
まだ少し潤んでいる瞳での、反則にも近い上目遣いは俺を惹きつけて離さない。

ミセ*゚−゚)リ「……」

数瞬の沈黙の後、ミセリの体がさらに俺に密着してきた。
俺の手にミセリの手がそっと重ねられる。




肩にかかる重みが少しだけ軽くなり、ミセリが顎をくい、と上げた。
そして、

146 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 22:49:20.21 ID:???
ミセ* − )リ「……」



唇がほんの少し突き出され、瞼がゆっくりと閉じられた。


(*"ゞ)「……」



俺は、その唇に吸い込まれるように顔を寄せて――






「ね〜え〜、ここってなんだか暗くてこわ〜い」



(;“ゞ)「!!!!!」



ミセ;゚д゚)リ「!!!!」



キスしようとした瞬間、いきなり人の声が聞こえてきた。






「大丈夫だって。それに、ここなら誰も来ないだろうし……」

「や〜だあ、えっち〜」

どうやら、声から察するに若いカップルらしい。
なんだか聞いているこっちが気まずくなってくるような会話が聞こえてくる。

(;"ゞ)「……」

ミセ;゚д゚)リ「……」

息がかかるほどの近距離で、驚いて固まってしまったまま動けなくなる。
ミセリも大きな目を限界まで見開き、どうしたらいいか分からないような表情を浮かべていた。
さっきまでのいい雰囲気なんて、もう欠片も残っていなかった。

「いいだろ……?」

「んもお〜、しょうがないんだからあ〜」

外のカップルは今すぐにもここで始めてしまいそうな気配だ。
本当にそうなったら、ここから出れなくなってしまう。

147 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 23:09:17.68 ID:???
ミセ*^ー^)リ「……ぷぷっ」

急にミセリが声を殺して笑い始めた。
大きな声を出さないようにするのが大変なのか、全身をぷるぷると震わせている。

(*"ゞ)「……ははっ」

そのうち、なんだか俺も可笑しくなってきてしまい、ミセリと一緒にこっそり笑った。
さっきとは違う意味でのいい雰囲気で軒下が包まれる。

ミセ* ー )リ「ふーっ、ふ、ぷぷ、ひーっ!」

(*"ゞ)「指差しちゃダメだって、本人達は真面目に……ぶふっ」

今じゃなくても、焦らずにもっとお互いを知ってからでもいいだろう。
俺達はもう、ひと夏で終わる関係なんかじゃないんだから。
この夏が終わってもまだまだ続いていくんだから。



俺達にはまだ、未来があるんだから。

〜〜〜〜〜〜




( "ゞ)「本当にもういいの?」

ミセ*゚ー゚)リ「うん、お祭り堪能したし。これ以上デルタに奢らせるのも悪いし」

あれから、俺達はばれないように軒下から脱出した。
そして、その直後にミセリはもう帰ると言いだした。

ミセ*゚ー゚)リ「それに……」

( "ゞ)「それに?」

ミセ*^ー^)リ「……なんか恥ずかしいし」

ミセリは頬を掻きながらそう言うと、はにかんで目を伏せた。
妙な照れくささがあるのは俺も同じだから、その気持ちはよく分かる。
本当は一緒にもっと祭りを見て回りたかったけど、ミセリの気持ちを汲む事にした。

ミセ*゚ー゚)リ「あ、鳥居まででいーや。また上がるの大変だろうし」

( "ゞ)「いや、俺だってたまには頑張るって……」

ミセ*゚ー゚)リ「あたしがいいからそれでいいのっ」

無理矢理丸めこまれた頃、ちょうど鳥居に辿り着いた。
いまいち納得がいかないけど、ミセリはすでに帰る気満々だった。

148 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 23:10:04.84 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ「じゃ、デルタはお祭り楽しんできてねっ」

( "ゞ)「ああ……うん。それじゃ」

繋がれていた手が離れて、汗ばんだ手のひらを涼風が通り抜けた。
いつまでも石段を降りていかない辺り、どうやら俺が人ごみに消えるのを見送るつもりらしい。
名残惜しいと思いながらも、仕方なく振り返って歩き始める。

「デルタぁ!!」

( "ゞ)「ん?」



もうすぐ人の波に飲まれる、というところでミセリに名前を呼ばれて振り向く。



ミセ*^ー^)リ「さよならっ!!」



今までで一番の笑顔のミセリが、大きく手を振っていた。
そして、俺が見たのを確認すると、すぐに石段を駆け下りていった。



( "ゞ)「……」









何故かその笑顔は残像のように焼き付いて、いつまでも瞼の裏から消える事はなかった。















( “ゞ)は夏を待っているようです

第三話 アフターイメージ

終わり

149 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 23:11:06.58 ID:???
(;"ゞ)「んぎっ……閉まっ……た!!」

荷物を全て詰め終わり、帰るための準備が一段落した。
そのまま後ろに倒れ込んで、開けっぱなしになっている障子の方向へ顔を向ける。
小さな水槽に入れられた金魚と目が合った気がした。

( "ゞ)「……」

ラウンジに来てからの思い出が、走馬灯のように浮かんでは消えていく。
ほとんどがミセリで埋め尽くされていて、ひとつですら忘れたくないと思えた。

( "ゞ)「……」

昨日ミセリに言われた事と、言った事を思い返す。
きっと、これからはそんな思い出がたくさん出来るんだろう。
そう考えると、時間が早く過ぎて欲しい、なんて思ってしまった。

( "ゞ)(今日は……会えるのかな)

微かに聞こえてくる雨音に耳を澄ませながら、そっと目を閉じて想いを馳せる。
ラウンジで過ごす最後の日は、朝から雨が降っては止んでを繰り返していた。




( “ゞ)は夏を待っているようです

最終話 ハイカラータイムズ






(;"ゞ)(そういえば、連絡先交換しないと)

はっと気付いて、足で反動をつけて起き上がる。
このままラウンジを離れてしまえば、俺はミセリと連絡が取れない。
思えば俺はメールアドレスも、電話番号も、住所も、ラウンジにいる時の住所も知らなかった。

(;"ゞ)(でも……どこに行けば会えるんだ?)

ミセリは結局、今日はどうするかについて何も言わなかった。
忘れていたのか、それとも俺とはひと夏限りのつもりなのかは分からない。
出来れば前者であって欲しいけど、本人に聞かなければ所詮は俺の妄想に過ぎない。

( "ゞ)(……俺、何も知らないんだなあ)

連絡先や行き先だけじゃない。
好きなものや嫌いなもの、趣味や特技、11歳からの空白の6年間の事。
そんな会話なんて数えるほどしかしていなかった事に気付いた。

(  ゝ)「……」

どっと体の力が抜けて、再び畳の上に仰向けに倒れ込む。
蛍光灯の光すら鬱陶しく思えてきて、腕で目元を覆い隠した。

150 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 23:11:37.25 ID:???
(  ゝ)(……このままじゃ駄目だ、いくらなんでも駄目すぎる)

離れ離れになってしまう前に、ミセリの事を知ろう。
これからじゃなくて、今すぐにでも互いを深く知って、近付いていこう。
そんな思いで頭がいっぱいになる。

( "ゞ)(探しに行こう、時間ならまだたくさんある)

決心して腕をどかすと、蛍光灯の白い光が目を刺した。
少し目を細めつつ、さっきよりも勢いよく跳ね起きる。
苦心して閉めた鞄を開けて、服の山の下に埋もれていた時刻表を取り出した。

( "ゞ)(えーっと……最低で暗くなるまで探すとして……終電か)

田舎だからか、電車は夕飯時には終電が来るようになっていた。
暗くなったら土地勘のない俺には危なくて、あちこち探し回れない事を考えるとちょうどよかった。

( "ゞ)(……とりあえず、浜辺に行ってみるか)

終電の時間を携帯にメモし終わって、すっくと立ち上がる。
電気を消しながら聞き耳を立ててみても、雨音は聞こえてこない。
降ったり止んだりを繰り返している事を考えると、傘は持っていった方がいいだろう。


廊下に出ると、テレビ番組の笑い声が聞こえてきた。
何もやる事がないなら、じいちゃんとばあちゃんは居間にいるはずだ。

(;"ゞ)(……こっそり出かけるのはさすがにまずいよな)

ふと、ミセリが自分の事を知られるのを、頑なに拒んでいた事を思い出した。
玄関に向かっていた足を止めて、廊下の真ん中に突っ立って思案に暮れる。

( "ゞ)(最後に外を見てきたいとか、適当に言っておけばいいか)

考えがまとまったところで、行き先を玄関から居間へと変更して歩き出す。
居間に辿り着いて、少し引っかかる障子を無理矢理開けた。

(;"ゞ)「あれっ?」

ところが、予想に反して居間はもぬけの殻だった。
飲みかけのお茶が置かれた空間に、点けっ放しのテレビの音声がむなしく響いている。
思考が止まってしまい、棒立ちのままで数秒間の時が流れる。

(;"ゞ)「……あれー?」

ようやく頭が動き始めて、これからどうするか、という案が浮かんでは消えていく。
探してみよう、と囁く天使がいる一方で、何か言われる前に出かけてしまえ、という囁く悪魔も現れる。


(;"ゞ)(いや、探さずに黙って出ていくのはまずい)

(;"ゞ)(でも……探して見つからなかったならしょうがない、うん、うん)

中立らしき結論に達して、簡単に見て回る程度に家の中を探す。
しかし、じいちゃんとばあちゃんは見つからなかった。
仕方ない、と勝手に納得して、書き殴った手紙を居間の机の上に置いておいた。

(;"ゞ)「しょうがない、やれる事は全部やった、うん」

151 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 23:12:26.78 ID:???
第三者目線の自分に責められている感覚が拭えなくて、自分に言い聞かせるように口に出す。
同時に大きく頷きながら靴を履こうとするも、揺れる視界では履き辛い事に気付くのにだいぶかかった。
思っていたよりも、かなり気持ちは焦っているらしかった。

(;"ゞ)「ははは……はあ」

冷静になって靴を履き終わると、乾いた笑いとため息が漏れてきた。
今からこんな調子では、ミセリと会った時にひどい事になるのは目に見えている。
雨上がりの涼風で頭が冷える事を願いながら、外に出ようと戸に手をかけた。


(`・ω・´)「おう、どっか行くのか?」


(;“ゞ)「あ」


俺が力を込めようとした瞬間、勝手に戸が動いてじいちゃんが目の前に現れた。



(;"ゞ)「じじじじいっじじじいちゃんっ!!!」

(`・ω・´)「何を分かり切った事言ってんだおめえは。それよか、出かけんのか?」

(;"ゞ)「いい一体っどっどどどこ行っててっ」

心のどこかに抱いていたやましさのせいか、自然な会話をしようとしても上手く口が動いてくれない。
頭が真っ白になって、単なる質問にも満足に答えられないでおろおろするばかりだ。

(;`・ω・´)「ちょっくら倉庫に行ってただけだ。んな事より、おめえは出かけんのか聞いてん」

(;"ゞ)「なーんだ、そ、そうだったんだねー。うん、俺ちょっと出かけてくるよ」

俺には弁解不可能な怪しさだと察して、逃げられるうちに逃げようと決めた。
少々噛みながら返事しつつ、足早にじいちゃんの体の横を通り抜けようとする。

(`・ω・´)「待て」

(;"ゞ)「ひゃいっ!?」

しかし、肩を思い切り掴まれると強引に引き戻された。
よろけた体勢を立て直して顔を上げると、じいちゃんが後ろへは行かせまいと正面に立ちはだかっていた。
その表情はいつになく真剣で、蛇に睨まれた蛙のように委縮してしまう。


(`・ω・´)「なんでそんなに急いで出ていこうとすんだ?」

(;"ゞ)「え、えーと、それは最後にあれこれ見てきたくて……」

取り調べをされているような気分になりながら、恐る恐るでっち上げた理由を話す。
喉も唇も声を出せる最低限しか動かなかったんじゃないか、と思うほど小さな声しか出せなかった。

(`・ω・´)「そんなの俺が車に乗せてってやる。どこがいい?」

(;"ゞ)「いや、なんていうか、自分の足で歩いてこようかなって」

(`・ω・´)「それでもよ、今から急ぐほど時間はかからねえぞ?」

(;"ゞ)「あ、の……」

152 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 23:12:57.26 ID:???
じいちゃんは俺が何か言うなり、さらに突っ込んで聞こうとしてくる。
間違いない、じいちゃんに完全に怪しまれている。
俺が何を言っても、本当の事を言わない限りは聞く耳を持ってはくれないだろう。

(`・ω・´)「単当直入に聞くぞ? おめえ、何しに行くつもりだったんだ?」

(;"ゞ)「……」



ついに退路を断たれてしまった。
頭の中で、色々な思考が天秤にかけられていく。
強行突破するか、今すぐ理由をでっち上げるか。それとも、ミセリの事を全て話してしまうか。

(`・ω・´)「……言えねえか。言えねえような事をしに行くつもりだったのか?」

(;"ゞ)「いや、そんな」

決して人に言えないような事じゃない。ミセリとはそんなやましい関係じゃない。
だったら、ここで洗いざらい話してしまって潔白を証明してしまえばいいはずだ。
ただ、あれだけ嫌がっていたのに話してしまっていいのか。

(`・ω・´)「デルタ、おめえは俺の大事な孫だ。何か間違った事をしようとしてるなら」

じいちゃんが深刻そうな声で俺を諭す。
何も心配するような事をしてないなら、安心させてやるべきなんじゃないか。
本当の事を話したって、ミセリはきっと分かってくれるんじゃないだろうか。

(`・ω・´)「引っ叩こうが嫌われようが、このまま外に行かせる訳にはいかねえ」

じいちゃんの固い決意が込められた言葉が、片方に傾き始めた天秤の皿に乗せられる。
それが最後のひと押しになって、皿が地面に着いた。

(;"ゞ)「……じいちゃん、あのさ」

ミセリには悪いけど、全てを話そう。



( "ゞ)「俺がこっちに来た日にさ、車で海岸線を走ったでしょ?」

(`・ω・´)「……それがどうしたってんだ」

じいちゃんの返答はぶっきらぼうで、実にそっけない。
孫が非行に走ろうとしてると勘違いしてるんだから、無理もない事だ。

( "ゞ)「その時に浜辺に女の子がいたんだけど、覚えてない?」

(`・ω・´)「いや、俺は誰も見てねえ」

運転していたせいか、じいちゃんはミセリを見ていないらしく首を横に振る。
白い砂浜に溶け込むような、紛らわしい服を着ていたせいだろうか。

( "ゞ)「そっか……まあ、それはともかく。実は手伝いが終わった後、その子に会いに行ったんだ」

(`・ω・´)「……そいつにたぶらかされたってか?」

(;"ゞ)「ち、違うってば! 黙ってたのは悪かったけど、別にやましい事は何も無いって!!」

153 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 23:13:27.99 ID:???
案の定、じいちゃんはミセリに対してあらぬ誤解を抱いていた。
だけど、俺がミセリの事をきちんと説明してやれば、じいちゃんだってすぐに考えを改めてくれるはずだ。
両手を千切れそうなほど振って、真っ向から否定してやる。


(;"ゞ)「小さい頃だけど、じいちゃんだって会った事がある人なんだよ!」

(`・ω・´)「ほう……?」

そう伝えると、じいちゃんが興味深そうに呟いた。
幸い、俺の話を聞いてくれる気になったようだ。
チャンスを逃すまいと、一気に畳みかける。

( "ゞ)「俺が前に来た時に仲良くなった、ミセリって子なんだよ」

(;`・ω・´)「ミセ……リ?」

( "ゞ)「そう! たまたま向こうもこっちに来てたみたいでさ」

じいちゃんはミセリの名前を聞くと、眉をひそめて聞き入り始める。
どうやら、だいぶ昔の事だけど覚えていてくれたみたいだ。

( "ゞ)「一昨日は夜の海岸で花火して、昨日だって祭りに一緒に行ってたし」

(;`・ω・´)「……おい、待て」

話していくうちに、じいちゃんの顔色がみるみる曇っていく。
花火の事が気に触れたのかもしれない。ちゃんとフォローを入れておくべきだろう。


(;"ゞ)「あ、夜に抜け出した事も教えなかった事も悪いと思ってるけど、それはミセリが昔……」

(;`・ω・´)「待てって言ってんだろ!!」

(;"ゞ)「へっ!?」

いきなりじいちゃんに肩を掴まれて、話を大声で遮られてしまった。
間近まで迫ってきた表情は怒っているのか、限界まで目は見開かれている。

(;"ゞ)「い、いや、別に嘘は言ってないし、これから謝ろうと」

(;`・ω・´)「おめえな、自分が何言ってるか分かってんのか!?」

見える物全てが輪郭を失うほど、掴まれた肩をがくがくと揺さぶられる。
世界の一大事が訪れたような剣幕に、言葉を飲み込んでしまう。

(;`・ω・´)「ミセリちゃんがいる訳ねえだろうが……!」

(;"ゞ)「は?」

さっきの言葉をそのまま返してやりたい気持ちで、頭の中がいっぱいになる。
思わず、空気が漏れたみたいな間抜けな返事をしてしまった。

(;`・ω・´)「いいか、ミセリちゃんはな……ミセリちゃんはな!」

突拍子もない事を言い始めたじいちゃんの次の一言は。

154 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/30(日) 23:13:58.64 ID:???
(;`・ω・´)「ミセリちゃんは、おめえが12の時に亡くなっただろうが!」




( "ゞ)「……は?」




やっぱり、突拍子のないものだった。


(;"ゞ)「……は、はは、ははははは」

吐息を漏らすだけだった喉がほぐれて、ようやく乾いた笑い声が出た。
可笑しいわけでもないのに、何故だか笑いが止まらない。

(;"ゞ)「ははは、はは、はは、は、どうしたの、急に」

(;`‐ω‐´)「……」

(;"ゞ)「一気にボケちゃって……あ、もしかして、熱中症とか」

たちの悪い冗談を話してくれたじいちゃんは、神妙な面持ちのまま黙っていた。
シリアスな演技が上手すぎて、俺の方がおかしいみたいになってしまっている。
少ししたら、姿の見えないばあちゃんと仕掛け人のミセリが、プラカードを持って出てくるはずだ。

(;`‐ω‐´)「おめえが12の夏にな、こっちに来る途中に車にはねられたそうだ」

(;"ゞ)「や、やけに細かく設定、してあるね……誰が考えたの……?」

俺の言う事を無視して、じいちゃんは無駄に作りこまれた設定を話し始める。
どうせ、恋人が死ぬ話とかが好きそうなミセリが考えたんだろう。

(;`‐ω‐´)「ミセリちゃんのじいさんとばあさんから、そう聞いた」

(;"ゞ)「冗談でも、人を死なせるなんて、さ、ひどいよ」



(;`‐ω‐´)「それからすぐ、糸が切れたみたいにふたりともぽっくり逝っちまったけどな」

(;"ゞ)「ほ、ほら、また死なせた。こんな話で、泣かせようなんて」

一向にネタばらしをしないみんなに苛立ちすら覚え始める。
とっくにタネは割れているんだから、さっさと出てくればいいのに。

(;`‐ω‐´)「俺がおめえん家に知らせて、葬式の日取りやら」

(# ゝ)「そんなわけないだろ!!!」

(;`・ω・´)「でっ……!」

いよいよ限界を迎えて、つい怒鳴ってしまった。
あの男気たっぷりのじいちゃんも、思わずたじろいでしまうくらいの剣幕だ。
ばあちゃんもミセリも、早く出てこないと大変な事になると気付いて欲しい。

155 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 10:16:30.35 ID:???
怪我人が多すぎた

怪我人が少なければもっといけてた

それは間違いない

156 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:02:25.84 ID:???
能力差だったな

もっとやれたようにも見えるけどあれが今の限界かな

157 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:19:32.87 ID:???
(# ゝ)「霊感なんてないのに見えたし、触れたし、話せた!!」

(# ゝ)「向日葵畑も行ったし、ラムネだって飲んだし、花火だってしたし、祭りだって行った!!」

(# ゝ)「いい加減にしてくれよ! 死んでるなんて、あり得ないだろ!!」

こんなに怒っているのに誰も出てこないのは何故か。
時間が経つにつれて、あるひとつの考えで頭が塗りつぶされていく。

(;`・ω・´)「デルタ……」














(#;ゝ;)「ミセリが死んでるなんて、そんなの嘘に決まってんだろおおおおおおおおおお!!!」

全部本当の事だから、誰も出てきてくれないんじゃないか、と。
















(  ゝ)「はあ……はあ、ぐっ」

声を張り上げて捲くし立てたせいで、息が切れてしまう。
いつの間にかこぼれてきていた涙を拭いながら、何度も深呼吸を繰り返した。

(  ゝ)「……どこ?」

(;`・ω・´)「?」

まだ整っていない呼吸の合間を縫うように、声を絞り出してじいちゃんに問いかけた。

(  ゝ)「ミセリの、家」

酸欠になってしまったのか、頭の中心から全体へ痛みが広がってくる。
それでも、今すぐに自分の目ですべてを確かめないといけないと思った。

158 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:20:03.73 ID:???
(;`・ω・´)「市街地にあるでかい家だ。今じゃ廃墟になっちまってるけどな」

(  ゝ)「……ありがと」

小さくお礼を言って、立ちはだかっていたじいちゃんの横をすり抜ける。
今度は肩を掴まれる事も、呼び止められる事もなかった。
引き戸を開けると、雨と土の匂いがぬるい風に乗って鼻をくすぐった。


家の外に出て、まだ少し滲んでいる視界で空を見上げた。
雲の切れ間から見える青空は、すでに遠くへ行ってしまっている。
代わりに、濃い灰色の雲が隙間なく敷き詰められていた。

(  ゝ)「……嘘だ」

体調も天気も最悪だった。
それでも、傘も持たずに地面を蹴って一本道へと駆けだした。

〜〜〜〜〜〜


天を仰いでいた顔に雨粒が当たって弾けた。
時間が経つにつれて雨は激しくなり、やがて本降りになって俺の体を濡らす。
近いようで遠い市街地が、微かに薄らいで見えた。

(; ゝ)「はあっ……は、はっ」

呼吸をするたびに心臓に締め上げられるような痛みが走る。
時々、足が地面に引っ掛かって転びそうになる。
それでも、歩くのと大差ないスピードでも、走り続けた。

(; ゝ)「ひ、はっ」

家を出てから、雨は降っては止んでを繰り返していた。
最初のうちは鬱陶しく思えた雨も、今は気にしている余裕すらなかった。

(; ゝ)「んっ、ぐ……はあっ」

喉の奥にまとわりついていた、ねっとりとした唾液を吐きだして大きく息を吸った。
幾分か呼吸が楽になった気がして、すぐに気のせいだったと思い知らされる。

(; ゝ)「は、あっ、はっ」

どれだけ辛くても、足は不思議と止まる事はなかった。


どれくらい走った頃だろうか、視界が灰一色に染まった。
ようやく市街地まで辿り着いて、俺はそこで初めて休憩を取った。
立ち止まった瞬間、足から力が抜けて尻餅をついてしまいそうになる。

(;"ゞ)「はーっ、はあ、あーっ……」

近くにあった電柱に寄りかかって呼吸を整える。
急ぎたい気持ちはやまやまだったけど、ここからは闇雲に走るだけじゃいけない。
頭に急ピッチで酸素を送り込みながら、じいちゃんの言っていた事を思い返す。

『市街地にあるでかい家だ。今じゃ廃墟になっちまってるけどな』

(;"ゞ)「はあ……ふう……」

159 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:20:34.49 ID:???
市街地にあって、今は廃墟になっている大きな家。
ただでさえ土地勘がないのに、これだけのヒントでミセリの祖父母の家を探さないとならない。
誰かに聞ければ手っ取り早いけれど、雨のせいか出歩いている人はひとりもいなかった。

(;"ゞ)「はあ……」

適当なお店に入って尋ねようかとも考えたけど、自分の格好を思うと気が引けた。
結局、今出来るのは市街地をしらみつぶしに歩く事だけだった。


いつもの半分以下になった歩幅で、誰もいない道路を歩いていく。
雨脚は少し弱まったものの、依然として雨が止む気配はない。
一歩踏み出す度に、たっぷり雨水を吸ったスニーカーの中で不快な感触がした。

(;"ゞ)「……ん」

額に貼り付く前髪を、定期的に横へどけつつ周囲を見渡して進む。
遮る物のない視界に映るのは、見た事のない街並みばかりだ。

( "ゞ)「……お?」

しばらく歩き続けて、何個目か分からない曲がり角を曲がった時だった。
目の前の街並みは今までと違って、見覚えがあるような気がした。

(;"ゞ)「うーん……」

立ち止まってとっ散らかった思考を整理していく。
ふと、頭の上に電球が浮かんだような感覚が走った。

(;"ゞ)「……あ! 昨日の!」

ここは昨日、神社に向かう最中に通った道だった。
夜だったとはいえ、道中の気まずさから周囲を眺めていたから見覚えがあったんだろう。

(;"ゞ)「確か、ここをまっすぐ進んで……!」


昨夜の記憶がありありと蘇ってくる。
その中にひとつ、見逃せない出来事があった。
いくつもの水たまりに足を突っ込みながら、道沿いに走り始めた。

(;"ゞ)「この先にっ、あったんだっ!」

雨が止み始めたからか、俺が近付いてきたからか。
輪郭のぼやけた大きな影が遠くに見えてくる。
影は徐々にはっきりとした形を成してきて、俺が息を切らす頃には正体を現していた。

(;"ゞ)「はあ……はっ」

数十m手前で走るのを止めて、俺は空を見上げた。
視界を覆ったのは空ではなく、大きな家だった。
窓ガラスは割れ、壁は葉で覆われて、人の住んでいる気配はない。

(;"ゞ)「これだ……」

市街地にあって、廃墟になっている大きな家。
じいちゃんから教えてもらったミセリの祖父母の家、そのものだった。

160 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:21:05.09 ID:???
(;"ゞ)「……はあ」

門の前で立ち止まって、敷地の中を見渡してみても、当然だけど誰もいなかった。
ここがミセリの祖父母の家だとしたら、ミセリは一体どこで寝泊まりしているのだろうか。

(  ゝ)「……」

その答えはきっと、じいちゃんの言っていた通りなのかもしれない。

(;"ゞ)(いや、まだだ……まだだ!)

ぶんぶんと首を振って、嫌な考えを髪に付いた水滴ごと振り払う。
頭は多少軽くなったけど、胸に巣食う不穏なざわつきが消える事はなかった。

(;"ゞ)「そうだ、表札……」

表札が残っているなら、名字でミセリの祖父母の家なのか確認出来る。
そう思い立って、郵便受けの辺りを覆い尽くす葉をどけるために手を伸ばした。

(  ゝ)「……っ」

だけど、葉に指先が触れる一歩手前で気付いてしまった。
一瞬の間が生まれて、ゆっくりと腕を下ろしてその場に呆然と立ち尽くす。


(  ゝ)「……ははは、名字、知らないんだった」

とても可笑しく、むなしく思えて、思わず力ない笑い声が漏れた。
これから知ればいい、なんて考えていた自分を殴り飛ばしたい衝動に駆られる。
俺とミセリがどれだけ希薄な関係だったか、突き付けられた気がした。

(  ゝ)「はは、ははは……」

ミセリはじいちゃんの言う通り、死んでいたのかもしれない。
だから、今の自分の事を何も話してくれなかったのかもしれない。
ミセリは俺との関係を、ひと夏で終わらせるつもりだったのかもしれない。

(  ゝ)「……」

確信めいた憶測で頭がいっぱいになって、破裂してしまいそうになる。
いっそ思考回路を捨て去って、何もかも諦めて、ただ無意味に時間を消費していきたいと思った。
俺は門に不格好に寄りかかると、周りの全てをシャットダウンし始めた。



「デルタ」



その時だった。





(  ゝ)「……え」

161 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:21:43.68 ID:???
ミセ* ー )リ「……ばれちゃったみたいだね」




顔を上げた先には、寂しそうに笑うミセリがいた。




ミセ* ー )リ「着いてきて欲しい……最後に、話したい事があるから」




雨は、いつの間にか止んでいた。







〜〜〜〜〜〜

俺はミセリに促されるままに、彼女の後を付いて歩いていた。
数歩先で黒髪と、鮮やかなオレンジに染まったワンピースが揺れる。
会話は無く、砂利を踏みしめる音と、波の寄せては返す音だけが響いていた。

( "ゞ)「……」

ミセ* ー )リ「……」

俺が来た道を戻り続けて、じいちゃんの家へと伸びている分かれ道もとっくに通りすぎていた。
行き先を知らされはしなかったけど、容易に想像が出来た。
目的地であろう場所を探して、俺の視線はミセリの背中とその向こうの景色を行き来する。

( "ゞ)「……あ」

見間違えようのない目印を見つけて、思わず声が漏れる。
ミセリに初めて会った時に連れて来られた、お気に入りだと言っていた向日葵畑の端っこだ。
夕日に混じる事なく映える黄色が波打っている。

ミセ*゚ー゚)リ「……」

俺の声に反応したミセリが振り返り、またすぐに前を向く。
昨日と何一つ変わらない表情が、今はとても尊いものに思えた。


道の片側が完全に向日葵で覆われてからしばらくした頃。
俺達は曲がり道に入って向日葵畑の中へ消えていく。
はっきりとした輪郭を成した俺の影が、ミセリの背中をスクリーンにして投射される。

ミセ* ー )リ「よっと」

少し登り坂になっていた道の、その頂上でミセリが立ち止まる。
後を追って、あの時と同じようにミセリの右隣で俺も立ち止まった。

162 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:22:15.06 ID:???
ミセ*゚ー゚)リ「……綺麗でしょ」

( "ゞ)「……うん、綺麗だ」

互いに独り言を言っているようなトーンで一言だけ交わして、再び無言の時間が訪れた。
海風に吹かれて波打つ向日葵の絨毯の美しさは、どこも変わっていない。
なのに、始めて見た時は胸を打った景色が、今は胸を潰してしまいそうなほど締め付けてくる。

( "ゞ)「……」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

隣に佇むミセリを見つめる。
やはり、死んでいるなんて悪い嘘な気がした。
それでも、直に触れて俺の知っている体温と柔らかさを確かめる勇気は、出なかった。


ミセ*゚ー゚)リ「……ごめんね」

( "ゞ)「何、が?」

肩越しに俺を見つめ返してきたミセリが、申し訳なさそうに謝る。
何を言いたいのか薄々分かっていても、一縷の希望にすがりたかった。
聞き返す自分の声は詰まってしまうほど震えていた。

ミセ* ー )リ「きっと、おじいちゃんかおばあちゃんから聞いたのかな」

ミセ* ー )リ「ばれちゃうと思ったから、黙っててほしかったんだけど……しょうがないね」

少し抑え気味だけど、風にかき消される事なくミセリの声は俺の耳に届く。
泣ける映画を見て、感傷に浸りながら感想を話すような、そんな声だった。



ミセ* ー )リ「あたしね……本当は死んじゃってるの」

(  ゝ)「……っ」

千切れそうなほど、唇を噛んだ。


ミセ* ー )リ「……最後に会ったのは、もう6年も前だから11歳の時か」

ミセ* ー )リ「12歳の夏に、都合が悪くなってラウンジに行けなくなっちゃってね」

ミセリは俺がきちんと理解出来るように、懇切丁寧に語り始める。

ミセ* ー )リ「ずーっと楽しみにしてたから、わんわん泣きながら駄々こねてさ」

ミセ* ー )リ「あんまり聞きわけが無いもんだから、お父さんもお母さんもついに折れて」

やめてくれ。

ミセ* ー )リ「あたしひとりでラウンジまで行くのを許してくれたんだ」

ミセ* ー )リ「でも、ちょっとはしゃぎ過ぎちゃって」

その先は、聞きたくない。

163 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:22:57.60 ID:???
ミセ* ー )リ「駅が見えてもうすぐだ、って駆けだしたら」

ミセ* ー )リ「車のクラクションがププーッ、って」

(  ゝ)「……」

なのに、込み上げてくる何かが喉を詰まらせて、話を遮る事が出来なかった。


ミセ* ー )リ「あ、って思ったらいつの間にかあの浜辺に寝っ転がってたんだ」

ミセ* ー )リ「最初は夢かな、って思ってこっちの家に行ったらおじいちゃんもおばあちゃんも泣いてて」

事も無げに話す声とは裏腹に、少し潤んだ瞳は伏せられていて、俺を見ていない。
そのギャップが悲壮感を漂わせて、話に真実味を持たせていた。

ミセ* ー )リ「気付かれる事もなくて、声も届かなくて、触る事も出来なくて」

ミセ* ー )リ「あたし死んじゃったんだな、って思った途端に涙がぼろぼろこぼれてきた」

でもね、と言って再び俺と視線を絡ませる。
ロマンチックな感情を伴わない、ただの苦痛が心臓に走った。

ミセ* ー )リ「あたしはなんでまだここにいるんだろう、って考えてたら」

ミセリの指が俺の頬を指す。
圧迫感は感じても、体温を感じる事は出来なかった。

ミセ*゚ー゚)リ「きっとデルタに会う為なんだろうな、って思ったの」

ミセリはそう言って、子供をあやすような優しい微笑みを浮かべた。


ミセ*゚ー゚)リ「きっとデルタからあたしの事は見えなくても」

ミセ*゚ー゚)リ「それでもいいから、約束を守りたかったのかもしれないね」

(  ゝ)「……」

もうぶつけるには遅い、ぶつける意味を持たない怒りが込み上げてくる。
昔の自分に、今の自分に対する怒りだ。

ミセ*゚ー゚)リ「だからさ、デルタに声かけられた時はびっくりしちゃったよ」

ミセ*゚ー゚)リ「あたしが見えるどころか、知らない間にちゃんと17歳の格好になってたみたいだし」

ミセリはどんな気持ちで俺を、夏を待っていたんだろうか。

ミセ*゚ー゚)リ「理由は結局、お盆だからって事にして難しく考るのはやめたけどさ」

秋には期待外れだった夏を振り返って、来年こそと思い直したんだろうか。

ミセ*゚ー゚)リ「……忘れてたところに付け込んだのは、ちょっとずるいと思うけど」

冬には正反対の景色と対比させて、遠い夏に思いを馳せたんだろうか。

ミセ*゚ー゚)リ「今を逃したら、きっと……ううん、絶対後悔すると思ったから」

春にはすぐそこに迫った夏に、大きな期待を膨らませたんだろうか。

164 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 16:23:39.16 ID:???
(# ゝ)「何でだよ……っ!」

夏には一日が何事もなく過ぎていく度に、笑顔を曇らせていったんだろうか。












(# ゝ)「なんでっ……なんでそこまでして、馬鹿正直に約束守ろうとしたんだよ!!」

この怒りを本当にぶつけるべきなのは、自分だと分かってはいた。
ミセリは何も悪くないのに、八つ当たりもいいところだ。

ミセ;゚ー゚)リ「……それは」

(# ゝ)「俺は何もかも忘れて! のうのうと今まで生きてたのに!!」

うろたえながらも答えようとするミセリを遮って、声を張り上げてどなり散らす。

(# ゝ)「俺と約束なんかしなけりゃ死ななかったんだぞ!! 分かってんのかよ!?」

(# ゝ)「なのにどうして、どうして怒りもしないんだよ!?」

いっそ怒ってくれた方が、お前のせいだと言ってくれた方がずっと気が楽だった。
理不尽な怒りをぶつけられた不満を、声を荒げてぶつけ返して欲しかった。
それでもミセリはただ黙って、俺を見つめていた。

(  ゝ)「お前が、し、死んだのは……!」

本当の事なのに、ミセリ本人が死んでいると言っていたのに。
声に出すのを一瞬ためらった。




( ;ゝ;)「全部……全部俺の……せいなのに……」


( ;ゝ;)「ぐうっ、うう……」

とうとう、前を向く事も意味のある言葉を口にする事も、出来なくなってしまった。
喉は吐き出される空気を震わせるだけで、それが情けない泣き声になって宙に放たれていく。
何度も両手で涙を拭っても、手を離した次の瞬間に視界は滲んでしまう。

( ;ゝ;)「ご……めっ……」

ミセリは俺の何倍も辛いと分かっていた。
俺が泣いている場合じゃないと分かっていた。
だけど、びしょ濡れになった謝罪の言葉を紡ぐだけで精いっぱいだった。

165 :バスケ大好き名無しさん:2012/12/31(月) 22:52:53.39 ID:???
誰がケガしてたの?

166 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/01(火) 00:00:43.33 ID:???
五十嵐

167 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/01(火) 08:33:45.89 ID:YhyAyAan
最弱秋田(笑)

168 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/01(火) 11:29:50.56 ID:JVJLQjhS
新体制では活かせる組合せで使うべき。
三根のPGは良いと思う。
佐々木と中島は同時スタートのほうが流れが良い。

169 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 09:07:41.24 ID:???
「ねえ、デルタ。知ってる?」

俺の泣き声の合間を縫うように、穏やかなミセリの声が響いた。
いつもなら聞き返すところだけど、今はそれすらままならない。
意思だけでも伝えようと、前を向いてミセリがいるであろう方向を見つめた。

ミセ*゚ー゚)リ

一瞬限りのクリアな視界に映ったミセリは、向日葵を一輪、手に持っていた。



もっと長く見ていたい、忘れないようにはっきりと見ていたいと思った。
熱を持って、ぴりぴりとした痛みが走っても、涙を拭い続ける。
涙のモザイクが付いたり取れたりを繰り返すミセリが、向日葵に視線を落として言う。

ミセ*゚ー゚)リ「向日葵の、花言葉」

( つゝ)「……んん」

まだしゃくりあげてしまって、上手く喋れそうになくて、首を振って答えた。
瞼の痛みが増していくにつれて、徐々にモザイクが薄まっていく。

ミセ*゚ー゚)リ「そっか。じゃあ、教えてあげるね」

ミセリが向日葵から俺へと視線を移す。
その時、一際強い風が吹いて、俺の目から涙を吹き飛ばした。
泣き出しそうな空から、雲を割って射しこむ逆光を背負ったミセリは、



ミセ* ー )リ「『私の目はあなただけを見つめる』」



静かに、嬉しそうに、そう言った。



( "ゞ)「……」

ミセ* ー )リ「約束しなければ、守ろうとしなければ、きっと死ななかったってあたしも思うんだ」

ミセリは愛おしそうに、向日葵の花びらを撫でながら語り続ける。
影になっている表情は、細かな変化までは見えない。
その代わり、ミセリの体が逆光を遮って、俺の目が眩むのを防いでいた。

ミセ* ー )リ「でも、その事を後悔した事は一度も、一瞬もなかったよ」

(;"ゞ)「そん……」

ミセ* ー )リ「本人に言うのってちょっと恥ずかしいけど、初恋だったんだよ?」

そんなはずはない、と言おうとして、逆にミセリに話の腰を折られてしまう。
俺はそれっきり言葉が出なくなってしまい、逆にミセリはまるで何もなかったみたいに話を続けた。

ミセ* ー )リ「初恋は実らないって言うけど、死んじゃったおかげで実ったしね」

170 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 09:08:12.28 ID:???
ミセリは得意気に肩をすくめて、話を締めた。
たったそれだけの理由で、後悔なんて無くなるものなんだろうか。
俺が自分の価値を知らないのか、ミセリが俺の価値を過大評価してるのか、それを知る術はない。


ミセ* ー )リ「でも……もう、お別れかな」

顔を上げたミセリが唐突に別れを告げた。
その言葉の意味を、すぐに視覚で理解する。

(;"ゞ)「あっ、ああ……」

突然飛び込んできた橙色の光に、思わず目を細める。
ミセリが背負っていたはずの太陽が、彼女の体の向こう側に透けて見えていた。

(;"ゞ)「待って、なんで……まだ、まだ夕方なのに、時間あるのに……」

虚脱感がすさまじい速さで体中に染み渡っていく。
まとまらないまま声に出した問いかけは、あっけなく霧散してしまいそうなほど弱弱しかった。

ミセ*゚ー゚)リ「だって、もうここにいる理由もなくなっちゃったし」

(;"ゞ)「でもっ……! もう少しくらいは……」

胸騒ぎが心臓を撫でまわす感覚が無視できない。
ミセリがふとした瞬間にいなくなってしまいそうで、瞬きする事すらためらってしまう。

ミセ;゚ー゚)リ「うーん、なんていうかな……」


困った顔をして頬を掻くミセリを無視して、手の届く距離まで近づく。
なんとか引き止めたくて、風にたなびくワンピースを掴もうとした。

(;"ゞ)「あっ……」

だけど、手のひらを風が撫でて通りすぎていく感触だけが伝わってくる。
それを証明するように、揺れるワンピースが何度も指先をすり抜けていた。
まだ頭のどこかで理解出来なくて、混乱したままミセリを見つめ返す。

ミセ*゚ー゚)リ「真っ暗な中で独り寂しく消えちゃうのも……ねえ?」

(;"ゞ)「……」

花火の時に見た、吸い込まれてしまいそうな夜の海を思い出す。
俺と別れた後のミセリは、きっとあの浜辺に座って最後の時間を過ごすんだろう。
自分の手のひらもいつしか見えなくなって、文字通り闇に溶けて消えてしまうんだろう。

(; ゝ)「……」

それは想像するだけで息が詰まりそうなほど、恐ろしい事に思えた。
きっと俺の想像は当たっている。
だからこそ今、お気に入りの場所で、俺の目の前で、笑って消える事をミセリは望んでいる。


(; ゝ)「……分かった」

繋ぎとめたいと願って、ミセリの体に埋めていた手を静かに引く。
正真正銘、最後のわがままを聞いてやろうと決めた。

171 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 16:35:50.35 ID:???
キャプテンは三根なのか?

172 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 19:55:14.92 ID:Oms6ntJn
当然佐々木でしょう!
1年時からスタートで地元出身!!
そうでなかったら、あの指導者は本当に何もわかっていないと思う。

173 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 22:51:17.56 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

174 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:18:05.75 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ
信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

175 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:33:12.18 ID:???
( ゝ;)「……寂しいなら、最初からそう言えよな」

ミセ*゚ー゚)リ「……ありがと、そういうところ大好きだよ」

口では強がってみせても、どうしても視界が滲んでしまう。
泣き出しそうな空の下で、泣き出しそうな俺を見てミセリは微笑む。
嬉しいはずの言葉も、今は涙腺を刺激するだけだ。

ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ、もう行くね」

( ゝ;)「うん……」

ミセ*゚ー゚)リ「ほんとに色々ありがと、楽しかった」

( ゝ;)「うん……」

ミセ* ー )リ「うん、以外に何か言いたい事あるでしょ?」

( ;ゝ;)「う……ん……」


ミセ* ー )リ「あはは……変なの」

本当は言いたいことが山ほどあった。
だけど、一度口を開いてしまえば大声で泣き出してしまいそうで。
もう泣いているのに、これ以上泣かないように堪えるので精一杯だった。

ミセ* ー )リ「……デルタ、応えてくれなくていいから、聞いてて?」

ミセリの指が俺の頬に触れて、涙を拭う動きを見せる。
感触は、ない。

ミセ* ー )リ「毎年『今年は会いたいな』って思いながら待ってた」

俺の胸元へ視線を落として、短い前髪でミセリの目元が隠れた。
何故か通り抜けずにもう片方の手に持たれていた、向日葵が腕に触れる。

ミセ* ー )リ「でもね、それが『また明日会いたいな』になるなんて考えた事もなかったから」

ミセ* ー )リ「すっごく嬉しかったし、楽しかった」

自分のすすり泣く声がうるさくて、息を止める。
初めて会った時に鼓動を高鳴らせた、ミセリの髪の匂いはしない。

ミセ* ー )リ「夢っていうか……未練が叶ったし」

ミセ* ー )リ「でもね……でもね、あたし」

流暢に話していたミセリが言葉に詰まり、顔を上げた。

176 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:33:46.39 ID:???
ミセ*;ー;)リ「……こんな時になっても『また明日会いたいな』って、思っちゃってる」

















( ;ゝ;)「ミ……セリぃ……」

泣きながらくしゃくしゃの笑顔を浮かべるミセリが目に入った瞬間。
耐えきれずに一気に溢れだした涙をせき止めようと、固く瞼を閉じてしまった。
それでも止まるはずはなく、僅かな隙間から漏れだしてくる。

「……デルタぁ」

鼻をすする音が聞こえて、ミセリは濡れた声で俺の名前を呼んだ。
知らない誰かの手で塞がれたみたいに、瞼は開いてくれない。
泣くまい、というすでに意味を無くした意地が、頑なに存在を証明しようとしていた。

「……ばいばい」

向日葵が一際強く、押し付けられる。

「……大好き」

何かが体を通り抜けていったような気がして。

支えを失った向日葵が、腕を撫でるように落ちていって。

ぱさり、と地面を力なく叩く音がした。



泣き疲れてしまうまで、瞼を開く事は叶わなかった。

〜〜〜〜〜〜

  _
( ゚∀゚)「……で?」

(;"ゞ)「へ? も、もう終わりだけど……」

177 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:34:17.13 ID:???
ふーん、とつまらなさげに唸って、ジョルジュは残っていたビールを一気に飲み干した。
成人してからしょっちゅう酒に付き合わされてるけど、こいつの飲みっぷりにはいつも感心するばかりだ。
  _
( ゚∀゚)「その子が生まれ変わった、とかねーの?」

(;"ゞ)「そんな事あるわけないだろ……」

あの17歳の夏から、もうすぐ4年が経とうとしている。
残念ながらというか、当たり前というか、その間に生まれ変わったミセリと再会なんてことはなく。
あんなに現実離れした出来事なんてなかったみたいに、ごくごく普通の人生を送ってきた。
  _
( ゚∀゚)「……なーんだ」

(;"ゞ)「ていうかさ……お前、マジで信じてるの?」

信じてもらえないだろうと思っていたし、今まで誰にも話した事はなかった。
今日、初めて話したのは酒の力とジョルジュのしつこい詮索にギブアップしたからだ。
それでも、嘘だと思われて流されるのが関の山だと思っていた。

  _
( ゚∀゚)「ん? 嘘だったのか?」

(;"ゞ)「いや、本当だけど……まさか信じるとは思わなくて……」
  _
( ゚∀゚)「ま、最初は確かにうさんくせえとは思ったけどよ」

(;"ゞ)「あだっ!」

何故か肩をぱん、と叩かれる。
酔っているせいか、加減がされていなくて痛い。
  _
( ‐∀‐)「ありえない、って思ってるような事ってのはさ」

そのまま肩に手を回されて、ジョルジュの顔が間近まで迫る。
絵に描いたみたいに面倒くさい酔っぱらいの絡み方だ。

( "ゞ)「うん」
  _
( ‐∀‐)「見た事が無いだけで、きっと普通に起こるんだよ」

ジョルジュはそう言うと、ひとりで勝手に納得したように何度も頷いた。
きっと、俺以外には酔っぱらいのたわごとにしか聞こえないんだろう。
俺だってジョルジュが語り始めるまで、適当に聞き流そうと思っていたくらいだ。


( "ゞ)「……そう、なのかな」

だけど、何故かその言葉にはとても真実味があるように思えた。
俺もほろ酔いだから、ちゃんとした判断が出来ていないと言われればそれまでだけど。
  _
( ゚∀゚)「そうなんだよ、絶対そうだ」

(;"ゞ)「なんでそんなに自信たっぷりなんだよ……」

聞いてて呆れるくらいに自信満々に宣言するジョルジュ。
一体どこからその自身が湧いてくるのか、是非とも知りたかった。
  _
( ‐∀‐)「……根拠は目撃談、ってとこだな」

( "ゞ)「へえ……どんな事があったの?」

178 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:34:51.66 ID:???
ジョルジュが思わせぶりに俺を見つめた。
酔っぱらいたちの喧騒だけが聞こえる、無言の時間が数瞬流れる。
呼吸するのを思い出したように息を飲んだ時、ジョルジュがゆっくりと口を開いた。
  _
( ゚∀゚)「……それは内緒だ!」

(;"ゞ)「はあ!? 思わせぶりにしといてそれかよ!?」

  _
( ゚∀゚)「ま、それは置いといて飲み直そうぜ。いい感じに酔ってたのに醒めてきちまった」

そう言ってジョルジュは何事もなかったみたいに、通りがかった店員を呼び止める。
俺が見る限り、酔いが醒めてきている様にはまったく見えない。
それよりも、俺にばかり話させて自分はだんまりとはいい度胸だ。

(;"ゞ)「お前あんだけ飲んどいてまだ……ていうか俺の話を聞け!」
  _
( ゚∀゚)「それはまた気分が乗ってきたらな。あ、ビールふたつ。ジョッキで」

(;"ゞ)「うおおおい! もう無理だよ腹パンパンだよ!!」

やっぱり無視された挙句、さらりと俺の分も注文されて急いで止めようとする。
だけど、店員はすでに小走りで去ってしまった後だった。
  _
( ゚∀゚)「ひとりで飲んだって楽しいわけないだろ。続きが聞きたきゃ付き合ってくれよ。な?」

(;"ゞ)「……」

ため息交じりで背中を向けて遠ざかっていく店員を見つめる。
ジョルジュの誘いの声と共に視界の隅で金髪が揺れて、今度は優しめに肩を叩かれた。

(;"ゞ)「……嘘じゃないだろうな?」

一応トイレの位置を確認して、視線を戻す。
健康的に明日を過ごすのは諦めた方がいいだろう、と思った。

〜〜〜〜〜〜


(;"ゞ)「ああ……ふわふわする……」

体と世界の境界線が曖昧になった感覚の中、足をひたすら前へと進める。
靴底がアスファルトを少しだけ噛むたびに、ゆったりと景色が背後へ流れていった。

(;"ゞ)「結局はぐらかしやがって……あんにゃろ」

あれからしばらく飲み続けたが、ジョルジュは何を聞いてもはぐらかしてばかりだった。
たった今、もう一軒付き合ってくれれば教えてやる、と言われて愛想を尽かし、別れてきたところだ。
足取りが若干怪しいと自分でも思うし、どっちにしろこれ以上付き合う気はなかった。

( "ゞ)「おっ」

等間隔に置かれた街灯だけに照らされた住宅街に差し掛かった。
その光が届かない隙間を埋めるように、ぽつりと佇む自販機が目に入る。
喉も乾いているし、水の一本でも買って飲みながら帰る事にした。

(;"ゞ)「んー、小銭小銭」

179 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:35:22.44 ID:???
近くで直視するには目が眩む、自販機の真っ白な光をあてにして財布の中を引っかき回す。
こんな時に限って1000円札はなく、硬貨は10円玉ばかりだ。
手もとがおぼつかなくて硬貨が上手く取り出せず、だんだんもどかしさが溢れてくる。


(;"ゞ)「あっ……あー」

端の方に窮屈に収まっていた一枚を取ろうとした時だった。
せっかく取りだした硬貨が、指の間から全部すり抜けて落ちてしまった。
はっとした瞬間にはもう遅く、俺を中心にして金属音が四方八方に散らばっていく。

(;"ゞ)「ちっくしょ、なんで水買うだけでこんな苦労を……はあ」

ため息を吐きつつ足下に残っていた数枚を拾うが、明らかにさっきより少ない。
自販機の明かりの届く範囲を見渡してみても、足元は薄暗くてはっきりと確認は出来なかった。

(;"ゞ)「えー、どこだ?」

携帯のライトを付け、腰を曲げて地面を凝視しながら一歩一歩進んでいく。
たかが数十円の為にここまでしているところなんて、知り合いにはとても見せられない。
金額を意識するとますます気分が落ち込んできて、吐息が勝手にため息に変わってしまう。

(;"ゞ)「あとはえーと、一枚か」

幸いにも、探し始めてすぐに何枚か見つける事が出来た。
ただ、最後の一枚がどこを探しても見つからない。
遠くに転がっていってしまった可能性を考えて、真っ暗な場所まで足を運んでみる。


(;"ゞ)「うーん……おお?」

道の端に沿って少し歩いた場所にあった、排水溝の穴のすぐ横。
ライトの光を反射して、茶色にきらめく硬貨が転がっていた。
うっかり弾いて穴に落としてしまわないように、慎重に拾い上げる。

(;"ゞ)「ふう、こりゃラッキーだったな……」

ライトに照らされた右手を開くと、十枚揃った硬貨がちゃり、と音を立てた。
胸を撫で下ろして、念入りに力を込めて握りしめる。

( "ゞ)「……?」

手のひらの向こう側に、何か細長いものがぼんやりと見えた。
ライトを向けてゆっくりと顔を上げて、その正体を確かめようとする。

( "ゞ)「……ああ」

俺の胸元くらいの背丈まで伸びた、まだつぼみのままの向日葵だった。


再び足下に視線を落とす。
多く見積もって、大学ノート一冊分くらいの土が露出していた。

( "ゞ)「……」

一際強い風が住宅街を吹き抜けて、向日葵が左右に揺れた。
肌を撫でられる事で改めて、都市特有のまとわりつくような空気の生暖かさを感じる。
少し前に梅雨は明けた。これからどんどん暑さは増していくだろう。

180 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:35:52.99 ID:???
( "ゞ)「なんか、一本じゃ物足りないな」

誰に聞かせる訳でもなく、呟く。
本当は聞かせたい相手はいるけど、届く事はない。
気付けば、17歳の夏の事を思い出していた。

( "ゞ)「……」

ふたりで何をしたか、みたいな大まかな事は今でも覚えている。
だけど、どんな事を話したか、とか、どんな表情を浮かべていたか、とかは思い出せなかった。
傷ついたCDのように、記憶は飛び飛びになってしまっていた。

( "ゞ)「……なんでだ」

思い出せない部分を自分で補っていき、そのうち大切な出来事も忘れてしまう気がした。
いつしか、記憶はすべて都合のいいように美化された、まったくの別物になってしまう気がした。
その事はとても腹立たしくて、とても悲しくて、なによりも怖かった。


食い込んで痛みを感じるほどに硬貨を握り締め、自販機の場所まで戻る。
取り出し口から出てきた水は、場違いなくらいにきんきんに冷えていた。
一口飲んで空を仰ぐと、また生暖かい風が吹いて、前髪が鼻先をくすぐった。

( "ゞ)「ほんっと、なんでだろうな」

小さい頃のミセリとの記憶を思い出せなかった理由が、今はなんとなく分かる。
きっと、訃報を聞いた俺は逃げ出したかった、忘れてしまいたかったんだ。
そうやって目を背けて、思い出さないようにしているうちに、本当に忘れてしまったんだろう。

(  ゝ)「馬鹿だよな……今も、昔も」

どんなに忘れたくなくても、時が過ぎると共に忘れていってしまうのだから。
真夏の青過ぎる空と海も、満開の向日葵畑も、大好きな人の笑顔も。
すべて溶けるように、街の中に消えていってしまうのに。

(  ゝ)「……」

それでもまだ、心の傷跡は痛みを忘れていない。
もう二度と味わいたくないような、何度も指をねじ込みたくなるような、矛盾した痛みだ。


(  ゝ)「……」

向日葵が咲いていた場所まで歩いていく。
当たり前だけど、さっきと変わらない状態で向日葵はそこにあった。
ペットボトルのキャップを外して、適当に根元にかけてやる。

( "ゞ)「頑張って咲くんだぞー」

途切れ途切れに水の塊が跳ねる音がした。
満開の花を咲かせる助けになればいい、と思った。
その様子を思い描くと、数といい、茎の背丈といい、最後に見たミセリの姿が重なる。

( "ゞ)「……」

少しづつ忘れていく一方で、きっと忘れられないであろう事もある。
どうしようもなく馬鹿な自分や、最後に見たミセリの泣き笑いの表情や、胸の痛み。
忘れたくても忘れられないまま、ミセリを置いて俺だけがずっと生きていくのだろう。

181 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:36:28.14 ID:???
だけど、いつも悲しい事よりも先に思い出す事がある。



本当ならありえないはずの、二度目のひと夏の出会いの事。


目の前に宇宙が広がった、海での花火の事。


屋台の灯りとミセリの姿が、残像のように消えなかったお祭りの事。


眩しすぎた、最後の別れの事。


振り返れば顔が紅くなるような、極彩色の時間の事。





楽しくて仕方なくて、ミセリといた時はいつも笑っていた事。


( "ゞ)「……」

向日葵に水をかけ終わると、もう一口飲んでキャップを閉めた。
水のおかげか時間が経ったからか、もう酔いもだいぶ醒めてきている。

( "ゞ)「……じゃあな」

なんとなく向日葵に別れの言葉を呟いて、歩き始めた。
前方に見えていた自販機がゆっくり近付いてきて、やがて後方へと流れていく。

( "ゞ)「今夜は冷房でも付けるかな……」

青春の記憶はまだ、思い出には出来そうにない。
みっともなく引きずっている俺を見たら、ミセリはなんて言うだろう。
本気で諭してくれるのか、それとも少し嬉しそうにちゃかしてくるのか。

( "ゞ)「なあ、どうなんだ? ……はは、なんてな」

その答えを知る術はない。
それでも、夏が近付くと心が躍る。

( "ゞ)「……」

約束なんてしていないのに、また会える日を待っているから。
ほんの少しだけ、奇跡を期待しているから。

182 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/03(木) 23:36:58.86 ID:???
俺は今までも、今も、きっとこれからも。

ミセリと出会えた季節を、夏を、待っている。














( “ゞ)は夏を待っているようです

最終話 ハイカラータイムズ

終わり

183 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 04:47:30.73 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

184 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 04:48:01.75 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ
信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

185 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 08:19:53.90 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第1話 (´・ω・`)
( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

(´・ω・`)

(´・ω・`)「え?」

( ^ω^)「ゆっくりしていってね」

(´・ω・`)「まずここについて詳しく教えてほしいんだけど」

( ^ω^)

( ^ω^)「めんどくせぇ」



(´・ω・`)「勝手に連れてきておいてそれはどうかと思うよ」

( ^ω^)「はぁ…わかったお」

(*^ω^)「ここは夢の世界ブンダーランド☆」

(*^ω^)「日頃の疲れをしっかり癒していって欲しいんだお☆」

(´・ω・`)

( ^ω^)「なんとか言えや」



(´・ω・`)「うん…なんていうか…斜め上だったから…」

( ^ω^)「けっ」

( ^ω^)「社会の歯車と化したおっさんには、テーマパークのマスコットの気持ちなんてわからんのだお」

(´・ω・`)「社会の歯車…ね…」

( ^ω^)「ま、そんなことはどーでもいいんだお」

( ^ω^)「さっきも言ったけど、ここは夢の国」

( ^ω^)「しっかり疲れを癒して社会を回してくれよおっさん」

(´・ω・`)「言い方もっと考えてくれよ」



(´・ω・`)「まぁ…そういうことなら、羽を伸ばさせてもらおうかな」

( ^ω^)「そうするがいいお」

(´・ω・`)「で。パンフレット的なものはあるのかい?」

( ^ω^)「ないお」

(´・ω・`)

186 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 08:20:24.77 ID:???
( ^ω^)「ここにあるアトラクションはたった一つだけだお」

(´・ω・`)「それテーマパークとして機能してるのかい?」

( ^ω^)「部外者に気にされるほど苦しい経営はしてないお」



(´・ω・`)「まぁなんでもいいや…案内してくれよ」

( ^ω^)「おっけーだお」


(´・ω・`)「…随分色んなアトラクションがあるように見えるけど」

(´・ω・`)「これは乗れないのかい?」

( ^ω^)「ダメだお」

( ^ω^)「これはあんたのためのアトラクションじゃないんだお」

( ^ω^)「あんたが乗れるものは、一つしかないんだお」

(´・ω・`)「面倒なシステムなんだね」



(´・ω・`)

( ^ω^)

(´・ω・`)「遠いんだね」

( ^ω^)「そうだおね」

(´・ω・`)

( ^ω^)

(´・ω・`)「なぁ」

( ^ω^)「黙っているのが辛いのかお?」

(´・ω・`)「…少しね」

( ^ω^)「なら、話したいように話せばいいと思うお」

(´・ω・`)

(´・ω・`)「少し、聞いてくれ」



(´・ω・`)「君の言う通り、僕は社会の歯車だ」

(´・ω・`)「上司に媚を売って、部下には馬鹿にされて」

(´・ω・`)「それでも毎日、書類と向き合って」

187 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 08:21:07.43 ID:???
(´・ω・`)「実のない会議をして、家でも仕事をして」

(´・ω・`)「疲れたらそのまま寝て、起きればまた会社」

(´・ω・`)「そしてまた媚を売って馬鹿にされて」

(´・ω・`)「毎日毎日、その繰り返しだ」



( ^ω^)「それで?」

(´・ω・`)「すごくつまらないんだ」

(´・ω・`)「昔見ていた夢は輝きを失って」

(´・ω・`)「今に希望も見い出せなくて」

(´・ω・`)「未来は真っ暗に閉ざされてる」

(´・ω・`)「僕はどうすればいい?」

(´・ω・`)「どうすれば、この歯車から抜けられるんだ?」

(´・ω・`)「僕は、僕は」

( ^ω^)「着いたお」



(´・ω・`)「え」

( ^ω^)「着いたって言ってんだお」

(´・ω・`)「アトラクションなんかどうでもいいんだ」

(´・ω・`)「僕の話を聞いてくれ」

( ^ω^)「僕はしがないマスコットだお」

( ^ω^)「僕の仕事は、あんたの愚痴を聞くことじゃない」

( ^ω^)「あんたをここに案内することだお」

(´・ω・`)「…そんな」

(´・ω・`)「癒してくれるんじゃなかったのか?僕の悩みを解消してくれるんじゃなかったのか?」



( ^ω^)「なら、一つ聞くけど」

( ^ω^)「あんたはそこを抜け出す努力はしたのかお?」

( ^ω^)「自分の中に鬱憤を溜め込んで、大人ぶって」

( ^ω^)「それを続けた結果が、今なんじゃないのかお?」

(´・ω・`)「…しょうがないじゃないか」

188 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 08:21:37.82 ID:???
( ^ω^)「本当にしょうがないのかお?」

( ^ω^)「あんたはさっき言ったお。『昔見ていた夢は輝きを失った』と」

( ^ω^)「本当に夢は輝きを失ったのかお?」

( ^ω^)「どんな宝石でも、ほっとけば黒ずむんだお」

( ^ω^)「あんたは宝石を磨く努力をしなかったんじゃないのかお?」



(´・ω・`)「…僕は」

( ^ω^)「おっと」

( ^ω^)「これ以上あんたをここに入れないでいると、僕の存在意義が失われてしまうお」

ガチャッ

( ^ω^)「いってらっしゃい」

(´・ω・`)「……」

バタン



(´・ω・`)

(´・ω・`)「…真っ暗だ」

(´・ω・`)「ここは何なんだ…?」

パッ

('A`)「いらっしゃいませ、お客様」

(´・ω・`)「君は?」

('A`)「ドクオと申します。ここ、『走馬灯シアター』の管理を任されております」

(´・ω・`)「走馬灯…」

('A`)「こちらでは、お客様の半生を走馬灯という形で上映させて頂いております」

('A`)「ご自分の人生を見つめなおすのに打ってつけかと」

(´・ω・`)「…今更、何を見ろって言うんだ」

('A`)「上映開始のお時間となりました」

('A`)「携帯電話の電源はお切りください。フラッシュ撮影等もお止めください」

ブー

('A`)「では、どうぞ」

189 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 08:22:57.93 ID:???
『(´・ω・`)』

(´・ω・`)「…僕だ」

『(´・ω・`)「ぼくのゆめ」』

(´・ω・`)

『(´・ω・`)「ぼくのゆめは、やきゅうせんしゅになることです」』

『(´・ω・`)「しょうらいはながしまやおうのようなだいせんしゅになりたいです」』

『(´・ω・`)「ほーむらんをいっぱいうって、みんなによろこんでもらいたいです」』

(´・ω・`)「ああ。僕は野球選手になりたかった」

(´・ω・`)「誰でも思う、平凡で…そして、ほとんどの人は叶えられない夢だ」



『(;´・ω・`)』

(´・ω・`)「野球部に入って、練習もいっぱいしたよな」

(´・ω・`)「球拾いばっかりだったけど」

『(*´・ω・`)』

(´・ω・`)「はは…練習試合でたまたま打っただけなのに、あんなに喜んでる」

『(#´∀`)』

(´・ω・`)「…あの先輩は、練習のときは怖かったな」

『(;・∀・)』

(´・ω・`)「同級生の…彼も、僕と同じように働いているんだろうか」



(´・ω・`)「…次は中学か」

『(,,゚Д゚)』

(´・ω・`)

『(,,゚Д゚)「よっし!またホームランだぜ!」』

(´・ω・`)「…この頃、かな…夢が輝きを失ったのは」

(´・ω・`)「何をやっても敵わない相手が出てきたんだ」

(´・ω・`)「嫌っていうほど思い知らされた」

(´・ω・`)「自分と彼とは、生きてる次元が違うって」

(´・ω・`)「…そして、彼も」

190 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 08:24:40.73 ID:???
『(,,゚Д゚)「…おっす…久しぶりだな」』

『(,,゚Д゚)「レギュラー?…入ってねーよ」』

『(,,゚Д゚)「補欠すらダメだった」』

『(,,゚Д゚)「なんていうか…次元が違うよ、上手いやつは」』

(´・ω・`)「…決定的、だったな」



(´・ω・`)「彼は、本当に上手かったのに…高校じゃ全然歯が立たなかったらしい」

(´・ω・`)「自分が勝てない彼が更に勝てない相手」

(´・ω・`)「見えない壁だったけど…果てしなく高い壁だった」

(´・ω・`)「僕は…すっかり、諦めてしまったっけ」

(´・ω・`)「…磨くのを、やめてしまった」

(´・ω・`)「僕の夢は宝石なんかじゃなく」

(´・ω・`)「どこにでも転がってるような、石ころだと気付かされたから」



『(,,゚Д゚)「よ。甲子園出場決定したぜ」』

『(,,゚Д゚)「ま、俺は出ないんだけどな」』

(´・ω・`)「…不思議だったな」

(´・ω・`)「どうして、彼は笑っていられたんだろう」

(´・ω・`)「自分だってベンチに座っていたかったはずなのに」

『(,,゚Д゚)「お前も応援してくれよな」』

(´・ω・`)「…僕は結局、彼の高校の試合を見なかった」

(´・ω・`)「後で新聞で見たら…二回戦敗退だった」

(´・ω・`)「世界の広さをまた思い知った」



(´・ω・`)「…はは。後は早送りか。ありがたいね」

('A`)「お客様がそう望んでいるようでしたので」

(´・ω・`)「ありがとう」

ピロロロロロ…

('A`)「…お客様。お電話がなっております」

191 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 08:25:11.33 ID:???
(´・ω・`)「…そんな。ちゃんと電源切ったのに…すいません」

('A`)「どうぞ、出てください」

(´・ω・`)「え」

('A`)「あなたはその電話に、出なければなりません」

(´・ω・`)「……」

('A`)「さぁ」

ピッ



(´・ω・`)「もしもし」

『おっ、つながった。ショボン…だよな?』

(´・ω・`)「そう、ですけど…どなたですか?」

『俺だよ。ギコ』

(´・ω・`)「よく僕の携帯がわかったね」

『なかなか大変だったぜ』

(´・ω・`)「…まだ、野球やってるのかい?」

『ああ』

(´・ω・`)「…君はすごいね」

『そうか?好きだからやってるだけだけどな』

(´・ω・`)

(´・ω・`)「好きだから、か」

(´・ω・`)「そうだね。僕も、好きだったよ」



『なんだ?今は嫌いになっちまったのか?』

(´・ω・`)「さぁ…どうなんだろうね」

(´・ω・`)「長いことやってないから、覚えてないんだ」

『なら、思い出させてやる』

(´・ω・`)「……」

『今度の日曜日に草野球の大会がある』

『単刀直入に言うぜ。お前に出てもらいたい』

(´・ω・`)

192 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 08:25:51.96 ID:???
『どうだ?』

(´・ω・`)「…いいのかい?僕で」

『お前が出ちゃいけない理由でもあるのか?』

(´・ω・`)

(´・ω・`)「ないね」

『だろ?』



『んじゃ、今度の日曜の朝八時に…そうだな…』

(´・ω・`)「中学の前はどう?」

『お、いいな。んじゃ、そこで集まって現地に行くってことで』

(´・ω・`)「ああ、わかった。肩を慣らしておくよ」

『おう。やるからには、しっかり働いてもらうぜ』

(´・ω・`)「お手柔らかに頼むよ」

『そんじゃ、またな』

(´・ω・`)「ああ」

ピッ

(´・ω・`)

('A`)「いかがでしたか?」

(´・ω・`)

(´・ω・`)「思い出したよ」

('A`)「そうですか。良かったですね」

(´・ω・`)「はい」



('A`)「…上映は以上となります。後ろの扉からご退場ください」

(´・ω・`)「わかったよ」

ガチャッ

('A`)「お客様」

(´・ω・`)「ん?」

('A`)「お客様がこちらに二度とお越しにならないよう、祈っております」

(´・ω・`)

193 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 13:58:54.97 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

194 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 13:59:25.63 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ
信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

195 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 15:51:50.10 ID:???
(´・ω・`)「心配はいらないよ」

('A`)「…失礼いたしました」

バタン



( ^ω^)「おいすー」

(´・ω・`)「やぁ」

( ^ω^)「どうだお?自分の半生を改めて見た気分は」

(´・ω・`)「古傷をぱっくり抉られた気分だよ」

( ^ω^)「そりゃ痛そうだおね」

(´・ω・`)「ああ、痛かった…でも」

(´・ω・`)「このまま傷口が腐っていくよりはマシだったんじゃないかな」

( ^ω^)「処置のおかげもあるんじゃないかお?」

(´・ω・`)「はは…確かに、あの電話は効いたよ」

(´・ω・`)「あれもアトラクションの一環なのかい?」

( ^ω^)「ところがどっこい現実です…!これが現実…!」

(´・ω・`)「…そうか」



( ^ω^)「何苦笑してんだお」

(´・ω・`)「…正直言って、怖いんだ。楽しくやれるか、わからないし」

( ^ω^)「んなこと言ってたら何もできんお」

(´・ω・`)「そりゃそうだけど」

( ^ω^)「思い出したんなら、行動あるのみなんじゃないのかお」

(´・ω・`)「わかってるよ。せっかくまた、石ころを磨くチャンスができたんだからね」

(´・ω・`)「宝石みたいな輝きは出せないだろうけど、磨きつづけてみるよ」

(´・ω・`)「そうしたらきっと、自分が満足できるぐらいには光るだろうから」

( ^ω^)

( ^ω^)「ま、せいぜい頑張るといいお」



( ^ω^)「さて、と。そろそろ閉園時間だお」

(´・ω・`)「随分早いんだね」

196 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 15:52:38.29 ID:???
( ^ω^)「あんたが帰る時間が閉園時間だからしょうがないお」

(´・ω・`)「…なるほどね」

( ^ω^)「なんならもう少し居座ってみるかお」

(´・ω・`)「止めておくよ。早く帰らないと仕事に遅れそうだ」

( ^ω^)「つまらないんじゃなかったのかお?」

(´・ω・`)「下手にサボって休日出勤なんか食らってみろ。もっと辛いぞ」

( ^ω^)「なるほど」



(´・ω・`)「帰り道はこっちでいいのかな?」

( ^ω^)「まっすぐ行けば元の世界だお」

(´・ω・`)「わかった」

( ^ω^)「二度と戻ってくるんじゃないお」

(´・ω・`)「映画館の人にも言われたよ」

( ^ω^)「そんだけ戻ってきて欲しくないってことだお」

(´・ω・`)「…ああ、約束する」

( ^ω^)

( ^ω^)「それじゃ」

( ^ω^)「さようならだお」

(´・ω・`)「さようなら」

( ^ω^)ノシ


( ^ω^)

( ^ω^)「無事、帰ったようだおね」

( ^ω^)「あー…疲れた…さっさと閉めるとするかおー…」

「……」

( ^ω^)

( ^ω^)「やれやれ…またお客さんかお…」

( ^ω^)


( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」


( ^ω^)ブンダーランドのようです 閉園

197 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 15:53:21.95 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第2話 川 ゚ -゚)

( ^ω^)「…GWだってのに何で僕はこんな寂れた遊園地にいるんだお…」

( ^ω^)「こんな時期にこんなところに来るやつなんかいないっての」

( ^ω^)

( ^ω^)「よーし決めたお!今日は閉園!」

川 ゚ -゚)「なんだ、閉めるのか」

( ^ω^)




川 ゚ -゚)「ああ」

( ^ω^)「…帰る気は?」

川 ゚ -゚)「帰ろうにも方法がわからん」

( ^ω^)「ま、そりゃそうか」

川 ゚ -゚)「あなたが教えてくれるなら、別だが」

( ^ω^)「それがそういうわけにもいかないんだお」

川 ゚ -゚)「そうなのか」

( ^ω^)「さて…一応、決まり文句だから言っとくお」

( ^ω^) コホン

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」




( ^ω^)「あったら逆にびっくりするわ」

川 ゚ -゚)「…遊園地、なのか?」

( ^ω^)「ま、そんなとこだお」

川 ゚ -゚)「ふむ」

( ^ω^)「とりあえず付いてくるお。アトラクションに案内するお」

川 ゚ -゚)「わかった」




( ^ω^)「規模だけはどこの遊園地にも負けないお」

川 ゚ -゚)「誰もいないようだが」

198 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 15:53:53.10 ID:???
( ^ω^)「色々とワケありなんだお」

川 ゚ -゚)「そうか」

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)




川 ゚ -゚)「そう言われてもな。初見の相手に話すほどの愚痴も悩みも持ち合わせていない」

( ^ω^)

( ^ω^)「何でお前ここ来たんだよ」

川 ゚ -゚)「知らん」

( ^ω^)「やれやれ…ま、いいお」

( ^ω^)「ここに来たって時点で、あんたに何かしらの悩みがあるのはわかってんだお」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「さぁな」




川 ゚ -゚)「…お化け屋敷か」

( ^ω^)「どうだお?外見だけでちびっちゃいそうだお?」

川 ゚ -゚)「凝ってるのは認めるがそれはない」

( ^ω^)

( ^ω^)「つまんね」

川 ゚ -゚)「悪かったな」

( ^ω^)「お前生まれつきそんななのかお」

川 ゚ -゚)「…そうだ」

( ^ω^)「ふーん」




( ^ω^)「ここまで来て入らなかったらどうかしてるだろ」

川 ゚ -゚)「それもそうか」

( ^ω^)「ほんっと喋りがいのない女だお…」

199 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 15:54:50.47 ID:???
川 ゚ -゚)「ほっとけ」

ガチャ

川 ゚ -゚)「じゃあな」

( ^ω^)「はいはいいってらっしゃいいってらっしゃい」

バタン




川 ゚ -゚)「暗いな…」

ヒュ~ドロドロドロドロ~

川fд川f「うらめしや〜」

川 ゚ -゚)「どうも」

川fд川f

川д川「驚いてくれないとこっちも商売上がったりなんだけど」

川 ゚ -゚)「胸に『STAFF』って縫ってありますが」

川д川

川д川「呪詛です」

川 ゚ -゚)「はぁ」

川д川「いや…つっこんでよ…」



川 ゚ -゚)「私はクーです」

川д川「じゃ、早速だけどクーちゃん。あなたにはここを歩いて行ってもらいます」

川 ゚ -゚)「言われなくてもそのつもりです」

川д川「おっと、ちょい待ち。行くって言っても、一人じゃないの」

川 ゚ -゚)「…?他に誰かいるんですか?」

川д川「この先で待機してるから、一緒に行ってね」

川 ゚ -゚)「わかりました」



川 ゚ -゚)「はぁ…」

川д川「おっと、あんまり待たせたら可哀想ね。ごゆっくりどうぞ」

フワァ…

川 ゚ -゚)「…行くか」

200 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 15:55:20.76 ID:???
川 ゚ -゚)「む…あの人か?」

川 ゚ -゚)「すいません」
  _
( ゚∀゚)

川 ゚ -゚)
  _
( ゚∀゚)

川 ゚ -゚)「…な」

川 ゚ -゚)「…なんで…お前が…」



  _
( ゚∀゚) スタスタスタ

川;゚ -゚)「…や…やめろ!来るな…!」
  _
( ゚∀゚) ブンッ

川; - )「ひっ…!」

川; - )

川; - )「…?」

川;゚ -゚)「…いない…?」

川;゚ -゚)「…幻覚…だったのか…」

川 ゚ -゚)「…さっさと行こう…貞子さんの言っていた人を探さないと」




川 ゚ -゚)「…お化け屋敷の割に何も出てこないな…」

川 ゚ -゚)「貞子さんの言っていた人も見つからないし…」

川 ゚ -゚)

川 ゚ -゚)「…う」
  _
( ゚∀゚)

川;゚ -゚)「…また…」
  _
(# ゚∀゚) ボゴォ!

川;゚ -゚)「…殴っている…のか…人を…」



(# ゚∀゚) ガスゥ!

川 ; -;)

201 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 15:55:51.25 ID:???
川; - )「……」
  _
(# ゚∀゚) ドスッ!

川 ; -;)『や…めろ…ぉ…』
  _
(# ゚∀゚)『あ?やめろ、だ?誰に向かって口聞いてんだ、テメー』

川  - )「……」

川 ; -;)『やめて…やめてよ…』

川  - )「…う…」

川; - )「うわあああぁぁぁ!!」




スゥ…

川д川「止めないわ」

川;゚ -゚)「…貞子…さん…」

川д川「言ったでしょう?二人一組って」

川;゚ -゚)「あの男と…一緒に行けって言うんですか…」

川д川「ええ」

川; - )「…嫌…だ…」

川д川「拒否しても無駄よ。彼が消えることはないんだから」

川д川「彼と生きるか、ここで永遠にうずくまるか」

川д川「どちらかしかあなたの選択肢はないの」




川д川「記憶は消えても、傷は消えないわ」

川д川「あなたの左腕の傷も、心の傷も」

川  - )「……」

川д川「誤魔化すのだって、限界がある。そうでしょ?」

川  - )「…ああ」

川 ゚ -゚)「友達に言われたんだ」

川 ゚ -゚)「この、傷のことを」

川 ゚ -゚)「『気持ち悪い』って」

202 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 15:56:31.50 ID:???
川 ゚ -゚)「でも私にとっては…そうではなかった」
  _
( ゚∀゚)『…っち。その傷、治らねぇのかよ』
  _
( ゚∀゚)『気持ち悪い』

川 ゚ -゚)「その場で昔のことを全部思い出して、吐いた」

川 ゚ -゚)「以来、誰も傷のことには触れない。自分でも、考えないようにしてる」

川 ゚ -゚)「だけど」

川 ゚ -゚)「ふとした時に、出てくるんだ」




川 ゚ -゚)「私を蹴りに来る」

川 ゚ -゚)「私を…殺しに来る」

川 ゚ -゚)「…もう、嫌なんだ…」

川д川「そう言われてもね…さっきも言ったでしょ。彼は消えないって」

川д川「あなたが生きている限り、何度でも出てくるわ」

川д川「あなた、その度に吐くつもり?」

川 ゚ -゚)「…なら、どうしろって言うんだ」

川д川「勝てばいいじゃない」




川д川「勝つのよ」

川д川「あの程度の壁も乗り越えられないなら、この先生きていけないわ」

川 ゚ -゚)「……」

川д川「さ、どうする?私もそろそろ、虐待されるあなたを見飽きてきたんだけど」

川 ゚ -゚)「……」

スック
  _
( ゚∀゚)『…なんだ?殴られたりねーのかよ』



( ゚∀゚)『おら!』

ガスッ

川# - )「…これで、殴られ納めだ」

203 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 17:19:26.02 ID:???
川#゚ -゚)「クソ親父!!」

ブンッ
  _
( ゚∀゚)『え?』

キーーーーーン!!!
  _
(  ∀ )『     』

川д川「うわぁ…」

川#゚ -゚)「はぁ…はぁ…っ」

川д川「自分で煽っといてなんだけど今のは引くわ…」

川#゚ -゚)「勝手に引いててください」




川д川「一応最後まで連れて行ってね、その人」

川 ゚ -゚)「そのルールは残ってるんですか…」

川 ゚ -゚)「…引きずってもいいですよね」

川д川「お好きなように」

川 ゚ -゚)「じゃあ、そうします」

ズリズリズリズリ

川д川「…トラウマ克服しすぎてない…?」




川д川「出口ね。毎度ありがとうございました」

川 ゚ -゚)「…はい。こちらこそ」

川д川「こちらからの入場はできませんのでご容赦くださいませ」

川 ゚ -゚)「もう入る必要もないですよ」

川д川「それもそうね」

川 ゚ -゚)「お世話になりました」

川д川「ん。もう二度と来ないようにね」

川 ゚ -゚)「…はい」

ガチャ

川д川「さよなら」

バタン

204 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 17:20:02.53 ID:???
( ^ω^)「お、終わったのかお」
  _
(  ∀ )

( ^ω^)

( ^ω^)「何そのボロ雑巾」

川 ゚ -゚)「ただのボロ雑巾だ」

( ^ω^)「いやどう見ても違うだろ」

川 ゚ -゚)「違わないさ」

( ^ω^)「ふーん…じゃ捨てれば?」

川 ゚ -゚)「それはできない」




川 ゚ -゚)「墓場まで忘れずに持っていく」

( ^ω^)「よくわかんねー嗜好をお持ちのようですおね」

川 ゚ -゚)「私は物持ちがいいんでな」

( ^ω^)「ただのステラレネーゼな気もするけどお」

川 ゚ -゚)「ステラレネーゼじゃない、ステネーゼだ」

( ^ω^)「…屁理屈っぽいけど」

( ^ω^)「なんか晴れ晴れしてるから許すお」




川 ゚ -゚)「そうなのか?」

( ^ω^)「お客様が満足した時がここの閉園時間なんだお」

川 ゚ -゚)「なるほど。異存はない」

( ^ω^)「あっても受け付けねーから安心するお」

( ^ω^)「…ここを真っ直ぐ。それが、現実世界への帰り道だお」

川 ゚ -゚)「把握した」




( ^ω^)「僕は何もしてないお」

川 ゚ -゚)「いいんだ。言わせてくれ」

( ^ω^)「変な奴だおね…」

205 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 19:50:15.56 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

206 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 19:50:49.51 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ
信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

207 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 22:18:51.78 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

208 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 23:37:46.27 ID:???
( ^ω^)「そうそう、一つ忠告として」

川 ゚ -゚)「二度と戻ってこないように」

( ^ω^)「…わかってるならいいんだお」

川 ゚ -゚)「心配しなくても大丈夫だ。頼まれても来てやらん」

( ^ω^)「可愛くねぇな」

川 ゚ -゚)「では、失礼する」

( ^ω^)「ったく…さよならだおー」

( ^ω^)ノシ




( ^ω^)「よし」

( ^ω^)「これでようやくGWを満喫できるお!」

( ^ω^)

( ^ω^)「冷静に考えたらやることねぇな…どうしよ」

「……」

( ^ω^)

( ^ω^)「ま、なんだ」

( ^ω^)「やることないし、お客様を迎えるのもやぶさかではない気持ちだお」


( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」




( ^ω^)ブンダーランドのようです 閉園

209 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 23:38:26.45 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第3話 ( ´_ゝ`)

( ^ω^)

( ´_ゝ`)

( ^ω^)「構わん、続けろ」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「すまん」

( ^ω^)「わかればいいんだお」




( ´_ゝ`)「ある日起きたら異世界でしたなんてのは確かに憧れてたけど」

( ^ω^)

( ´_ゝ`)「オプションが太った着ぐるみじゃ嬉しくもなんともないんだが…」

( ^ω^)「僕だって好きで太ってるわけじゃないお」

( ^ω^)「中身はめっちゃスリムだお」

(;´_ゝ`)「中身とか言っていいのかよ!?」

( ^ω^)「これからは開けっぴろげなほうが受けるんだお」

(;´_ゝ`)「無駄に革新的な着ぐるみだな」




( ´_ゝ`)「そうそう、それ。俺の部屋じゃないってことは確かだけど」

( ^ω^)「んじゃ、答え代わりに決り文句をば」

( ^ω^) コホン

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

( ´_ゝ`)「…それ答えになってなくね?俺ブンダーランドとか知らんのだけど」

( ^ω^)「今から軽く説明するからちょっと黙れ」




( ^ω^)「夢の国です」

( ´_ゝ`)「ネズミーランド的な?」

( ^ω^)「あー、ちょっと違うお」

( ^ω^)「あそこは『夢を演出する国』」

( ^ω^)「ここは『夢の国』」

210 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 23:38:56.75 ID:???
( ^ω^)「この違い、わかるかお?」

( ´_ゝ`)「…要するに」

( ´_ゝ`)「ここは夢の中なのか?」

( ^ω^)「Exactry」

( ´_ゝ`)「その通りでございます、ってか」




( ^ω^)「リアルの疲れをしっかり癒す」

( ^ω^)「それがここのモットーなんだお」

( ´_ゝ`)「めちゃくちゃ有意義な遊園地だな」

( ^ω^)「だおだお?」

( ´_ゝ`)「俺はそこに偶然呼ばれた幸運な人間なわけか」

( ^ω^)「だおだお」

( ´_ゝ`)「…でもどうせならやっぱり美少女とかに逢いたかったなぁ」

( ^ω^)「次元が違うことまで面倒見切れんお」

( ´_ゝ`)「夢でも次元越えは無理っすか…」




( ´_ゝ`)「いやーしかし遊園地なんて何年ぶりだろう」

( ´_ゝ`)「これぐらいの年で彼女もいないと遊園地なんて来る機会全然ないからさ」

( ´_ゝ`)「おっ!あれジェットコースターじゃん!」

( ^ω^)

( ´_ゝ`)「ん?どうかしたか?」

( ^ω^)「はしゃぎすぎで正直引くわ」

( ´_ゝ`)「遊園地のマスコットが言っていいことじゃないぞそれ」

( ^ω^)「あと一つ悲しいお知らせが」




( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「なん…だと…」

( ´_ゝ`)「俺の昂ぶる気持ちをどうしてくれる…」

( ^ω^)「落胆しすぎだろ…」

211 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 23:39:27.05 ID:???
(#´_ゝ`)「だって!ひっさびさの遊園地ですよ!?」

(#´_ゝ`)「それをお前一つしか乗れないって」

( ^ω^)「あーはいはいわかったわかった」

( ^ω^)「ったく…めんどくせぇ客だおね」




( ^ω^)「まずは僕が案内するアトラクションを楽しむ」

( ^ω^)「その後で、まだ何か乗りたい気持ちが残ってれば好きなだけ乗ってく」

( ^ω^)「これでどうだお?」

( ´_ゝ`)「…まぁ、それなら」

( ^ω^)「交渉成立だおね」

( ´_ゝ`)「ホントに好きなだけ乗るぞ?」

( ^ω^)「好きにすりゃいいお」

( ^ω^)「…乗る気が残ってれば、だけど」




( ´_ゝ`)「早速そこに連れてってくれよ」

( ^ω^)「どんだけ遊園地に飢えてんだお…」


スタスタスタスタ

( ´_ゝ`)「なぁなぁ、最初のアトラクションってどんななんだ?」

( ^ω^)「禁則事項です」

( ´_ゝ`)「こっからどれぐらいのとこにあるんだ?」

( ^ω^)「禁則事項です」

( ´_ゝ`)「何でお前はそうオタクの俺に合わせた言い方をしてくるわけ?」

( ^ω^)「(禁則事項です)うるせーなこいつ」

( ´_ゝ`)「逆になってんぞ」




( ´_ゝ`)「でさ、マジで何も教えてくれないわけ?」

( ´_ゝ`)「こう見えてもナイーブだからお化け屋敷とか連れてかれるとヤバイんだけど」

( ^ω^)「とりあえずお化け屋敷ではないお」

212 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 23:40:00.97 ID:???
( ´_ゝ`)「お、それは教えてくれるんだ」

( ^ω^)「…ここには」

( ^ω^)「お化け屋敷はないんだお」




( ^ω^)「ちょっと前に潰れたんだお」

( ´_ゝ`)「客がいなかったのか?」

( ^ω^)「ま、そんなとこだお。こんだけでかいと維持も大変だし」

( ´_ゝ`)「なるほどねぇ。そういや、従業員もお前以外見てないな」

( ^ω^)「…ってかね」

( ^ω^)「お前他に話すことないのかお?さっきからここの話しかしてないお」

( ´_ゝ`)「ええ?例えば?」

( ^ω^)「リアルの話だお」




( ^ω^)「まぁそう言わずに。悩みとか愚痴でもいいから」

( ´_ゝ`)「…そうさなぁ…強いて言うなら、弟のことかな」

( ^ω^)「弟がいるのかお?」

( ´_ゝ`)「ああ。俺は一卵性双生児でな、瓜二つの弟がいる」

( ´_ゝ`)「と言っても、瓜二つなのは外見だけなんだけど」




( ´_ゝ`)「弟はスポーツマンなんだ。しかも頭もいい」

( ^ω^)「全能力を弟に持ってかれたわけかお」

( ´_ゝ`)「そういうこと、なんだろうな」

( ^ω^)「で、それがどう悩みに繋がるんだお?」

( ´_ゝ`)「皆まで言わなくても大体わかるだろうに」

( ^ω^)「そこをあえて本人の口から言わせるのがここ流なんだお」

( ´_ゝ`)「趣味悪いなぁおい」

213 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 23:40:31.11 ID:???
( ´_ゝ`)「何でそんな万能なんだよリア充めコンチクショー!」

( ´_ゝ`)「ってのが悩みなわけだ」

( ^ω^)「ふーん」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「いや、ふーんって」

( ´_ゝ`)「ひどくね?皆まで言わせといてその反応はひどくね?」

( ^ω^)「だって…ねぇ」

( ^ω^)「あんた、本当の悩み言ってないだろ」

( ´_ゝ`)




( ´_ゝ`)「弟のリア充っぷりにはマジで悩んでるんだぜ?」

( ^ω^)「だーかーらー」

( ^ω^)「その言葉に僕は本音を感じ取れないわけ」

( ´_ゝ`)

( ^ω^)「いや、ちょっと違うかお…それも悩みではあるけどもどーでもいいような小さな悩み、みたいな」

( ´_ゝ`)

( ^ω^)「ま、言えないんならいいお」

( ^ω^)「どうせこの先で嫌ってほど思い知るんだから」

( ^ω^)「…っと、丁度良くアトラクションにご到着だお」




( ^ω^)「こんな地味な外装のお化け屋敷はないお」

( ´_ゝ`)「じゃあなんなんだよ」

( ^ω^)「中に入ればわかるお」

( ´_ゝ`)「…一理あるな、そりゃ」

ガチャ

( ^ω^)「さ、いってらっしゃい」

( ´_ゝ`)「どーも」

バタン

214 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 23:41:01.76 ID:???
( ^ω^)「さて、と」

( ^ω^)「もう一人のお客様を迎えに行かないといけないおね」

( ^ω^)「全く…案内係のマスコットが一人しかいないなんて」

( ^ω^)「ネズミーランドだって何体もいるっつの」

( ^ω^)

( ^ω^)「行くかお」




( ´_ゝ`)「これでお化け屋敷だったら訴えるからな、あの着ぐるみ野郎」

パッ

( ´_ゝ`)「お?」

|  ^o^ |「どうも はじめまして」

| ^o^ |「ようこそ 『みらーはうす』へ」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「あの…着ぐるみ」

| ^o^ |「では ありません」

( ´_ゝ`)「あ、すいません」




| ^o^ |「わたしは ゆうたろう ここのかんりにん2です」

( ´_ゝ`)「随分似てますね」

|  ^o^ |「おでんだけに にたものどうし」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「え?」

|  ^o^ |「いまのわらいどころが わからないとは かわいそうなひと」

| ^o^ |「いや いまのは おまえがわるい」




( ´_ゝ`)「全面鏡張りの迷路みたいなやつですよね?」

|  ^o^ |「ざっつ らいと」

215 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/04(金) 23:41:32.04 ID:???
( ´_ゝ`)「いいですねぇ。俺、ミラーハウスって一度入ってみたかったんです」

| ^o^ |「ぞんぶんに たのしんでいってください」

|  ^o^ |「のちに じごくをみるがな」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「え?」

| ^o^ |「いらんことは いわんでよろしい」




| ^o^ |「さぁ さっさとすすみなさい」

|  ^o^ |「にやにや」

| ^o^ |「おまえは そこに なおりなさい」

(;´_ゝ`)「…まぁいいや。行ってみよう」


( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)

(;´_ゝ`)「うっわー…こりゃすげぇ眺めだな」

( ´_ゝ`)「どっちを向いても俺しかいねぇ」

「どれが俺かわからなくなりそうだ」

( ´_ゝ`)「ああ、全く…ん?」




( ´_ゝ`)「しかし俺ってこんな顔してたのか」

( ´_ゝ`)「改めて見ると…案外、悪くないな」

( ´_ゝ`)「問題は服のセンスだな。生粋のしまむらーだからしょうがないか」

(;´_ゝ`)「え…ちょ…どちらさん?」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「何を言ってるんだ」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「俺は」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「兄者だよ」

(;´_ゝ`)「…!!」




( ´_ゝ`)「まぁそう強がるなよ」

( ´_ゝ`)「毎日毎日弟と比べられて」

216 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:25:35.70 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

217 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:26:08.93 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

218 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:31:15.78 ID:???
( ´_ゝ`)「窮屈な日々だったよなぁ」

( ´_ゝ`)「でも、それも今日で終わりにしてやれる」

(;´_ゝ`)「……」




( ´_ゝ`)「俺は運動神経だ。オリンピックも夢じゃない」

( ´_ゝ`)「俺は何かよくわからんがモテる」

( ´_ゝ`)「お前ウラヤマだな…ちなみに俺はガンダールヴ」

( ´_ゝ`)「いやお前のがウラヤマだろう…」

( ´_ゝ`)「ま、とにかく。俺らは皆、胸を張ってこう言える」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「俺は兄者だ」

( ´_ゝ`)「ってな」




( ´_ゝ`)「俺は弟者じゃなく兄者だと」

( ´_ゝ`)「胸を張って言えるのか?」

(;´_ゝ`)「……」

( ´_ゝ`)「言えないよな」

( ´_ゝ`)「おいおい、言えてたらこんなところに来てないだろ」

( ´_ゝ`)「ですよねー」

( ´_ゝ`)「いやお前空気読めよ」



( ´_ゝ`)「周りからは文句を言われ続ける」

( ´_ゝ`)「そんな男に、兄者を名乗る資格があるものか」

( ´_ゝ`)「怪しいもんだと俺らは…いや」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「お前は思っている」

(  _ゝ )「……」

( ´_ゝ`)「何とか言い返してみたらどうなんだ」

( ´_ゝ`)「止めとけ。言い返す材料がないのは」

( ´_ゝ`)「俺らが一番( <●><●>)」

( ´_ゝ`)「いやだから空気読めよ」

219 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:31:50.68 ID:???
(  _ゝ )「俺は…俺は…」

( ´_ゝ`)「俺は…何だ?」

(  _ゝ )「俺は…誰なんだ」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「知らん」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「それはお前が決めることだろう」

(  _ゝ )「……」

( ´_ゝ`)「…ん」

( ´_ゝ`)「向こうでも始まったな」

(  _ゝ )「……」

( ´_ゝ`)「聞こえるか、そこの男」

( ´_ゝ`)「向こうで悩む男の声がよ」



(  _ゝ )「…!」

『俺は兄者じゃない…!弟者だ…!』

(  _ゝ )「…弟者…」

( ´_ゝ`)「全く、双子は厄介だな」

( ´_ゝ`)「性格が真反対だったとしても」

( ´_ゝ`)「考えることは丸っきり同じだ」

( ´_ゝ`)「それを打ち明けられないのもな」

(  _ゝ )「……」



( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「もうわかっただろ」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「お前が胸を張れることが何なのか」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「お前にしかできないことは何なのか」

( ´_ゝ`)「…ああ」

( ´_ゝ`)「わかったよ」

( ´_ゝ`)「回りくどいことしやがって」

( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)「流石だよな俺ら」

( ´_ゝ`)「…俺だけじゃ締まんないだろ、その台詞は」

ダッダッダッダッ!

220 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:32:26.62 ID:???
(´<_` )「…さて」

(´<_` )「来たようだぜ」

(´<_` )「我らが親愛なる兄上様がな」

(´<_` )「お前自分で言ってて恥ずかしくないの?」

ダッダッダッダッ!

( ´_ゝ`)「おい、弟者」

(´<_` )「…兄者…何で兄者がここに…」

( ´_ゝ`)「そんなことはどうでもいいっていうか知らん」

(´<_` )「……」

( ´_ゝ`)「それより俺今からすっげーいいこと言うからよく聞けよ」



( ´_ゝ`)「お前はお前」

( ´_ゝ`)「以上!」

(´<_` )(´<_` )(´<_` )(´<_` )

(´<_` )

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「何総スカンしてくれちゃってんの」

(´<_` )「いや…悪い…」

(´<_` )(´<_` )(´<_` )(´<_` )「臭すぎて…」

( ´_ゝ`)

(´<_`;)「い、いや!俺は思ってないぞ!?」

( ´_ゝ`)「いいよもう…ちゃんと話すから…」



( ´_ゝ`)「『俺は兄者だと胸を張って言えるか』ってな」

(´<_` )「…俺も言われたよ、俺にな」

( ´_ゝ`)「…で、俺は…イエスと言えなかった」

( ´_ゝ`)「どこに行っても誰に会っても、お前と勘違いされる」

( ´_ゝ`)「だが実際はお前より勉強も運動もできないし、モテないし」

( ´_ゝ`)「そんで勝手に失望されて」

( ´_ゝ`)「俺って何なの?と、思っていたわけだ」

221 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:33:04.06 ID:???
(´<_` )「兄者と勘違いされて、同級生やらから親しげに話し掛けられるんだが」

(´<_` )「兄者のように上手いこと返せなくて、ああなんだ弟者か…と言われて」

(´<_` )「…俺を弟者だとわかって話し掛けてくる人はほんの少しだ」

( ´_ゝ`)「モテてるのに贅沢なやつだな」

(´<_` )「…今だから言うが」

(´<_` )「兄者と勘違いしてコクってきた人もいる」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「おい、本格的に殺意沸いたんだがどうすればいい」

(´<_` )「せめてここを出てからにしよう」

( ´_ゝ`)「把握した」



( ´_ゝ`)「うむ」

(´<_` )「今は言えるのか?」

( ´_ゝ`)「ああ、言えるね。声量MAXで言える」

( ´_ゝ`)「俺は兄者だ」

(´<_` )

(´<_` )「…そうか」

( ´_ゝ`)「お前はまだ言えないのか?」

(´<_` )「…俺は兄者のように自信家じゃない」

( ´_ゝ`)「俺だって自信なんかないさ。一つのこと以外はな」



( ´_ゝ`)「お前の兄貴だってことだ」

(´<_` )

( ´_ゝ`)「俺は良く出来た弟を持ったと」

( ´_ゝ`)「そんで、些細なことで凹んだそいつを励ますのは俺にしかできないことだと」

( ´_ゝ`)「胸を張って言えるね」

(´<_` )

(´<_` )「そうか」

(´<_` )「それなら、俺も胸を張って言えるかもしれん」

( ´_ゝ`)「おう、言ってみろ」

222 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:33:34.41 ID:???
(´<_` )「頭は悪いし運動もできない、しかも二次コンのダメ人間だ」

( ´_ゝ`)

(´<_` )「でも、凹んだ俺を励ましてくれる、自慢の兄貴だ」

(´<_` )「だから俺も胸を張って言おう」

(´<_` )「俺は兄者の弟の弟者だ、ってな」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「最初ちょっと泣きそうになったけどいいんじゃないか」

(´<_` )「まぁ事実だから仕方ないな」

( ´_ゝ`)「お前俺が凹んだらちゃんと励ませよ?」




(´<_` )(´<_` )(´<_` )(´<_` )「青臭い兄弟物語をありがとよ」

( ´_ゝ`)

(´<_` )

( ´_ゝ`)「きめぇ」(´<_` )

パッ

|  ^o^ |「ぶじ のりこえたようですね」

| ^o^ |「にんげん こうでなくては いけません」

( ´_ゝ`)「ああ、全くだ」

(´<_` )「悩みすぎるのは良くないな」




| ^o^ |「もうちょっと はなすことあるでしょう」

|  ^o^ |

|  ^o^ |「おお そうでした」

|  ^o^ |「ここには にどともどってきては いけませんよ」

| ^o^ |「それがあなたたちへの たったひとつのちゅうこくです」

( ´_ゝ`)「大丈夫さ。弟者には俺が付いているからな」

(´<_` )「そして兄者には俺が付いている」

( ´_ゝ`)「流石だよな俺ら」(´<_` )

( ´_ゝ`)「…やっぱ俺ら兄弟はこうでないと」

223 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:34:04.78 ID:???
|  ^o^ |「そして だれにも かわりはいないのです」

(´<_` )「…何か急にいい話しだしたぞ」

| ^o^ |「ほおっておいて ください じき なおります」

( ´_ゝ`)「んじゃ、そうするよ」

ガチャッ

( ´_ゝ`)「じゃあな、変な双子」(´<_` )

|  ^o^ |「あなたたちに いわれたくありません」| ^o^ |

| ^o^ |「あと わたしは いとこです」

バタン




( ´_ゝ`)「お」

( ^ω^)「最初に一つ言わせて貰う」

( ^ω^)「お前ら、長い」

( ´_ゝ`)「いや…そんなん言われても…」

( ^ω^)「もう二度と二人同時にアトラクションに放り込むようなことはしないお」

(´<_` )「俺らみたいなケースはそう来ないと思うが」

( ^ω^)「そうであることを願うお」




( ´_ゝ`)「どうにか治ったよ」

(´<_` )「最初は背筋が凍ったが」

( ^ω^)「たまには鏡でも見て考えろってことだお」

(´<_` )「隣に常に鏡が張られてるわけだしな」

( ´_ゝ`)「お、上手いこと言うな弟者」

( ^ω^)「いや、俺の台詞盗んでるからねそれ」




( ´_ゝ`)「やっぱ止めとく。疲れた」

( ^ω^)「そりゃこっちの台詞だお」

(´<_` )「何の話だ?」

224 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:34:37.91 ID:???
( ´_ゝ`)「ここを出たら何か別のアトラクション乗せろって話してた」

(´<_` )「…遊園地ぐらいではしゃぐなよ兄者」

( ^ω^)「何も乗らないんなら、そろそろ閉園時間だお」

( ´_ゝ`)「マジかよ…随分長居しちまったな」




( ´_ゝ`)「どうすりゃ帰れるんだ?」

( ^ω^)「ここを真っ直ぐ。それでお前らは元の世界に戻れるお」

( ^ω^)「それから、一応」

( ^ω^)「もう戻ってくんなお、絶対に」

( ´_ゝ`)「わかってるさ」(´<_` )

( ^ω^)「ならばよし」

( ´_ゝ`)「じゃあな!元気でやれよ」

(´<_` )「さよならだ」

( ^ω^)「さいならだおー」

( ^ω^)ノシ




( ^ω^)「今回は長丁場だったおー…待つのも楽じゃないってのに」

( ^ω^)「ま、暇を持て余すよりはマシだったかおね」

( ^ω^)「でも僕もちょっと休みたい気分だお」

「……」

( ^ω^)

( ^ω^)「ったく、休む間もないおね」

( ^ω^)「嬉しいような悲しいような…辛いような」

( ^ω^)「…ま、それはともかく」


( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

225 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 00:35:08.22 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第4話 ( ФωФ)

( ФωФ)「な…なんなのであるかここは…」

( ^ω^)「ここは」

(;ФωФ)「ひっ、人っ!?」

( ^ω^)「人ですが」

(;ФωФ)「うわわわわわあばばばばば」

(;ФωФ)「どどっどどどどないしよよよ」


( ^ω^)

( ^ω^)「まためんどくさい客だおね」




(;ФωФ)「はははははい」

( ^ω^)「落ち着いてないし…」

( ^ω^)「はい、吸って」

(;ФωФ) スゥー

( ^ω^)「吐いて」

(;ФωФ) ハァー

( ^ω^)「どうだお?」

(;ФωФ)「す…少し落ち着いたのである…」




( ^ω^)「これは決り文句だから聞いてほしい」

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

(;ФωФ)「な…なんなのでございましょうか、それは」

( ^ω^)「いや、なんか口調おかしいから」

(;ФωФ)「うう…すまないのである…久々に人と話したもので…」

( ^ω^)「…ま、いいお」

( ^ω^)「ここの説明をさせてもらうお」




( ^ω^)「お先真っ暗なリアルを忘れて」

226 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 02:12:30.02 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

227 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 02:13:01.08 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

228 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 08:39:30.75 ID:???
( ^ω^)「明日からまた楽しく過ごしましょう」

( ^ω^)「そんな場所なんだお」

(;ФωФ)「はぁ…」

( ^ω^)

( ^ω^)「あんま嬉しそうじゃないおね」

(;ФωФ)「い、いや…事態を把握しきれなくて…」

( ^ω^)「おいおい慣れてくれればいいお」




( ФωФ)「…元の世界にはいつ帰れるのであるか?」

( ^ω^)「そりゃあんた次第だおね」

( ^ω^)「あっという間に帰ったやつもいれば、なかなか帰れなかったやつもいる」

( ^ω^)「…永遠に帰れなかったやつもいるけど」

(;ФωФ)「ええー…」

( ^ω^)「ま、そんなのはめったにいないから気にすんなお」

(;ФωФ)「気にするに決まってるのである…」




( ФωФ)「…案内とは?」

( ^ω^)「あんた用アトラクションへの案内だお」

( ФωФ)「どういう意味であるか?」

( ^ω^)「ここは見てのとおり、結構アトラクションがあるんだけど」

( ^ω^)「一人の人間が乗れたり入れたりするのは一種類だけなんだお」

( ФωФ)「…遊園地らしからぬシステムであるな」

( ^ω^)「色々とイレギュラーなところなんだお」




( ФωФ)「…お願いするのである」

( ^ω^)「おっけー、迷子にならないよう気をつけるんだお」


スタスタスタスタ

229 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 08:40:04.43 ID:???
( ФωФ)「偉い数のアトラクションであるな」

( ^ω^)「数だけはどこにも負けないお」

( ФωФ)「…所々更地があるのが気になるが」

( ^ω^)「ああ、あれは撤去されたとこだお」

( ^ω^)「近々新しいのが完成する予定だお」

( ФωФ)「とてもそうは見えないのであるが…」




( ^ω^)「ちょっと立ち入ったこと聞いてもいいかお?」

( ФωФ)「…答えられる範囲なら」

( ^ω^)「あんた、さっき人と話すのは久しぶりって言ってたけど」

( ^ω^)「どれくらい話してないんだお?」

( ФωФ)「…恐らく二年程は」

( ^ω^)「うっわ、筋金入りだおね」

( ФωФ)「そうであるな。自分で言っておいて、ちょっとびっくりである」



( ФωФ)「自分でもほっとしたのである」

( ^ω^)「なんで二年も人と話してないんだお?」

( ФωФ)

( ФωФ)「…すまない」

( ^ω^)「言いたくないのかお?」

( ФωФ)「そうである」

( ^ω^)「そりゃ残念。せっかくいい酒の肴になると思ったのに」

( ФωФ)「…性悪なマスコットであるな…」



( ^ω^)「人間なんて八割方そんなもんだお」

( ФωФ)「…そう、であるな」

( ^ω^)「僕は色んな人の愚痴を聞いてきたお」

( ^ω^)「そのどれもこれも、思い出すと楽しくってしょうがないお」

( ФωФ)「とことん性悪であるな」

( ^ω^)「こんな場所に長年いると、嫌でもそんな思考になるもんだお」

230 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 08:40:44.89 ID:???
( ФωФ)「そんな曖昧な…」

( ^ω^)「あ、あったあった。ここだお」

( ^ω^)「あんたは幸運だおね。ここはまだ、出来て日が浅いんだお」

( ^ω^)「故に中身も最新!多分!」

( ФωФ)「…そんな曖昧な…」

( ^ω^)「ままま、いいからいいから」

ガチャッ

( ^ω^)「いってらっしゃい」

( ФωФ)「……」

バタン




( ФωФ)「…さて、一体何が出るのやら」

パッ

ノパ听)「おーっす!」

( ФωФ)「…どうも」

ノパ听)「挨拶はもっと大きな声で!」

( ФωФ)「…どうも」

ノパ听)「もっと!」

( ФωФ)

( ФωФ)「どうも」

ノパ听)「…まぁ、よしとしてやろう」



ノパ听)「私の名前はヒート!『電脳チャンバラ』の管理人だ!」

( ФωФ)「なんであるか、『電脳チャンバラ』って」

ノパ听)「おっとその前に」

ノパ听)「名前を言われたら自分も名前を言う!それがマナーだろう!」

( ФωФ)「…ロマネスクである」

ノパ听)「うむ、それでよし」

ノパ听)「では施設紹介だ!」

231 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 08:41:34.11 ID:???
ノパ听)「ここでは最新の機器によるバーチャルな空間を作り出し」

ノパ听)「限りなくリアルに近いバトルを楽しむことができるのだ!」

( ФωФ)「おお…なんか凄そうなのである」

ノパ听)「凄そうなんじゃない」

ノパ听)+「凄いんだ」

( ФωФ)「自信満々であるな」



ノパ听)「さて。とりあえず、これを被ってくれ」

( ФωФ)「了解である」

ノパ听)「目を瞑って」

( ΦωФ)「……」

ノパ听)「3」

ノパ听)「2」

ノパ听)「1」

ノパ听)「0!」



( ФωФ)「…おお」

( ФωФ)「見渡す限り荒野に…」

( ФωФ)

( ФωФ)「寂しい風景であるな」

ノパ听)「…ここは」

ノパ听)「お前の心象風景さ」

( ФωФ)

ノパ听)「お前の心の中にはこんな風景が広がっているらしいな」

( ФωФ)

( ФωФ)「…納得である」




ノパ听)「腰に剣があるだろう?抜け」

( ФωФ)「いつの間に…」

232 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 08:42:26.60 ID:???
スラッ

( ФωФ)「随分軽いのであるな」

ノパ听)「その刀もバーチャルだからな」

( ФωФ)「…バーチャルにしては生々しい感覚である…」

ノパ听)「さて、それじゃ始めよう」

ノパ听)「『STAGE1』スタートだ」



ブブブブブブブブ

(;ФωФ)「…なんか、巨大な虫が来たのであるが」

ノパ听)「群がってくる巨大虫を斬り伏せろ!」

ズバッ! ボトッ

ノパ听)「こんな風にな」

( ФωФ)「うわぁ…」

ノパ听)「斬らないと死ぬぞ、バーチャルに」

( ФωФ)「わ、わかったのである」

ズバッ! ボトッ

(;ФωФ)「うぅ…やっぱバーチャルにしては生々しいのである…」



ノパ听)「でなきゃ、斬ることの快感も怖さも理解できないからな」

ズバッ!

( ФωФ)「確かに…この感覚は」

ズバッ!

( ФωФ)「良い感じと嫌な感じが混在しているやも」

ノパ听)「それを感じ取ってくれれば私も嬉しい」

ズバッ!

ノパ听)「…ふむ。今のが最後の虫だな」



ノパ听)「この先、『STAGE2』からは」

ノパ听)「人型の敵が出てくる」

( ФωФ)「……」

233 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 08:42:56.73 ID:???
ノパ听)「つまり、お前は人を斬る感覚を味わう」

ノパ听)「中途退場は許さん、覚悟しろ」

( ФωФ)「…わかった」

ノパ听)「『STAGE2』だ」




( ФωФ)「…ああ」

ズバッ!

(;ФωФ)「……」

ノパ听)「どうだ?人を斬った感想は」

( ФωФ)「…意外と気持ちいい」

ノパ听)「ほう」

(;ФωФ)「ただ、同じぐらい気持ち悪い」

ノパ听)「それでいい。あと」

ノパ听)「後ろから来ているぞ」

( ФωФ)「え」

バゴン!

(;ФωФ)「…っが…!」




ズバッ!

ノパ听)「どうだ?殴られた感想は」

(;ФωФ)「な…なんで…こんなとこまでリアルに…」

ノパ听)「斬る感覚がリアルなんだ」

ノパ听)「殴られる感覚もリアルで何が悪い」

(;ФωФ)「…こんなの、何のメリットもないのである」

ノパ听)「何故そう思う?」




ノパ听)「そういう言葉は、痛みを知っているやつの言葉だ」

ノパ听)「二年も引きこもっていたやつが使っていい言葉じゃない」

234 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 08:43:27.22 ID:???
( ФωФ)「…痛みなら…知っているのである」

( ФωФ)「嫌というほど、知っているのである」

ノパ听)「ふん」

ズバッ!




ノパ听)「いじめか、かっこ悪いな」

( ФωФ)「始まりは突然だ」

( ФωФ)「急に無視されるようになった」

( ФωФ)「所構わず殴られるようになった」

( ФωФ)「持ち物はどんどんなくなった」

ズバッ!

ノパ听)「それで引き篭もった、と」




( ФωФ)「我輩はもう、これ以上傷つきたくなかった」

( ФωФ)「だから引き篭もったのに」

ズバッ!

( ΦωΦ)「どうして、こんなところで」

( ФωФ)「痛い目に遭う必要がある…」

ズバッ!

ノパ听)「お前の境遇に同情はする」

ノパ听)「だが、だからといって痛みから逃げていいわけじゃないだろう」

ノパ听)「ほれ、また後ろにいるぞ」




ズバッ!

ノパ听)「そうだ、そうやって人は戦わなければいけない」

ノパ听)「だって痛いのは嫌だからな」

( ФωФ)「…違う」

( ФωФ)「痛いのが嫌なら、回避するべきだ」

235 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 08:43:57.41 ID:???
( ФωФ)「戦えば、相手だって傷つく」

ノパ听)「同じ言葉を、お前をいじめたやつらに言えるのか?」

( ФωФ)「…それは」

ズバッ!

ノパ听)「『STAGE2』クリアだ」



ノパ听)「殴られるのが嫌なら、後ろで見ていろ。退場はできないがな」

( ФωФ)「……」

ノパ听)「お前だってさっき、知っただろ」

ノパ听)「人を斬るのは楽しいんだよ」

ノパ听)「気持ち悪さに目を瞑ればな」

( ФωФ)「…我輩は、嫌である。そこに目を瞑るのは」

( ФωФ)「斬った相手に目を瞑るぐらいなら、斬らないほうがいい」

ノパ听)「…『STAGE3』スタート」



ズバッ!

( ФωФ)

( ФωФ)「理解できないのである」

バゴッ!

ノハ#゚听)「ぐ…まだまだぁぁぁ!!」

( ФωФ)「どうして」

ズバッ!

( ФωФ)「そんなに、生き生きとしているのであるか」




ノハ# )「がっ…」

ドザァァ!

( ФωФ)「…痛くないのであるか」

ノハ#゚听)「痛いに決まってるだろうが!」

( ФωФ)「なら、どうして止めないのである」

ノパ听)「…それはな」

236 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 09:54:32.78 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

237 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 09:55:03.75 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

238 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 15:51:53.96 ID:???
ノパ听)「生きてる気がしないからだ」

( ФωФ)

ノパ听)「人生確かに、痛いことだらけさ。殴っても痛いし、殴られても痛い」

ノパ听)「人と話すことだって傷つけあうこととイコールだろう」

ノパ听)「でもな、それが生きてる証になるんじゃないのか?」

( ФωФ)

ノパ听)「その証拠に、引き篭もってる二年間」

ノパ听)「お前は楽しかったのか?」

( ФωФ)

( ФωФ)「つまらなかったよ」




ノパ听)「だったら瞑らなければいい」

ノパ听)「自分の付けた傷がどうなるのか、最後まで見届けろ」

( ФωФ)「…斬られた時は?」

ノパ听)「斬り返せ」

ノパ听)「殴り合いの果てに仲良くなるのは青春漫画の王道だしな」

( ФωФ)「…そう上手くいくのだろうか」

ノパ听)「わからんさ」

ノパ听)「やってみなけりゃな」




ノパ听)「あ、一応言っとくけどリアルに斬り合うのはなしな。死ぬから」

( ФωФ)「殴り合いなら?」

ノパ听)「いいんじゃないか」

( ФωФ)「そうか」

( ФωФ)「…やっぱり我輩は斬り合うのは嫌だ。死ぬし」

( ФωФ)「だから」

ポイッ

239 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 15:52:24.41 ID:???
( ФωФ)「殴り合ってくる」

ノパ听)

ノパ听)「…しょうがないな。付き合おう」




(;ФωФ)「はぁ…はぁ…」

ノハ;゚听)「つ…疲れた…」

(;ФωФ)「やっと全員倒したのである…」

ノハ;゚听)「こいつらあれだな…打撃耐久高すぎだな…」

(;ФωФ)「しかもいいパンチ持ってやがるし…」

ノハ;゚听)「…何はともあれ、『STAGE3』クリアだ」

( ФωФ)「まだ続くのであるか?」

ノパ听)「いーや。もう終わりだ。目的は果たしただろ?」

( ФωФ)「…ああ」




( ФωФ)「どうぞ」

ノパ听)「3」

ノパ听)「2」

ノパ听)「1」

ノパ听)「…0」

ノパ听)「メットを外せ」

( ФωФ)「…ふぅ。汗だくである」

ノパ听)「動きまくったからな」

ノパ听)+「体の疲れもリアルだろう」

( ФωФ)「嬉しそうであるな…」




ノパ听)「すっきりできたか?」

( ФωФ)「ああ」

( ФωФ)「とりあえず、明日は外に出ようと思う」

240 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 15:52:55.00 ID:???
ノパ听)「いい心がけだな」

( ФωФ)「…恩に着る」

( ФωФ)「ここに来なかったら…我輩は、ずっと死んでいた」




( ФωФ)「そうか」

ノパ听)「お帰りはあちらだ」

ノパ听)「退場後の再入場は許可できないことになっている」

ノパ听)「要するに、もう戻ってくるなよ」

( ФωФ)「…そうか、もう会えないのか」

ノパ听)「女々しいことを言うなよ」

( ФωФ)「そうだな、すまない」




ノパ听)「生きることを怖がるなよ、ロマネスク」

( ФωФ)「ああ。達者でな、ヒート」

バタン

ノパ听)

ノパ听)「…偉そうに、説教を垂れてしまったな…」

ノパ听)「最初はどうなるかと思ったが」

ノパ听)「なかなか、悪くない仕事かもな」




( ФωФ)「実にスリリングだったのである」

( ^ω^)「おー…そりゃ大変そうだお」

( ФωФ)「確かに大変だった」

( ФωФ)「でも、悩みはなくなった」

( ^ω^)「あったりまえだお」

( ^ω^)「そうでなきゃここに来た意味がないお」

241 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 15:53:25.31 ID:???
( ФωФ)「やっと答えが出せた」

( ФωФ)「一人で悩んでいてもダメだ、と」

( ^ω^)「そうそう。なんだって一人でやるより二人でやるほうがいいんだお」

( ^ω^)「時にはぶつかるかもしれないけど」

( ФωФ)「ぶつかるからこそ、出せる答えもある」

( ^ω^)「そういうことだお」




( ФωФ)「それを言われると…」

( ^ω^)「せいぜいこれからは無駄遣いした時間を取り戻せるように生きろお」

( ФωФ)

( ФωФ)「ああ」

( ФωФ)「取り戻してみせよう」

( ^ω^)「やる気は十分みたいだおね」

( ^ω^)「そんじゃ、そろそろ閉めるとするかおー」




( ^ω^)「二度とここに来ることがないように、だお」

( ФωФ)「大丈夫だ」

( ^ω^)「…しっかしまー、あんた別人のようだおね」

( ^ω^)「最初はあんなにキョドってたのに…」

( ФωФ)「自分でも不思議な感じだ」

( ФωФ)「何をびくついていたんだろうな、と」

( ^ω^)「まーいい変化だから文句は言わないお」




( ФωФ)「ああ、わかった」

( ФωФ)「…世話になったのである」

( ^ω^)「世話をしたのは僕じゃなくアトラクションの係員だお」

( ФωФ)「そっちにはもう礼を言ったのである」

( ^ω^)「そーかお」

242 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 15:53:55.94 ID:???
( ФωФ)「では…さようなら」

( ^ω^)「ばいぶー」

( ^ω^)ノシ




( ^ω^)「いじめってのはいつになってもなくならないもんだおね」

( ^ω^)

( ^ω^)「ってか気付いたらGW終わりじゃん…なんなのもう」

「……」

( ^ω^)

( ^ω^)「全く、年中無休ってのは辛いお」

( ^ω^)「…ま、こればっかりは仕方ないか」

( ^ω^)


( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」




( ^ω^)ブンダーランドのようです 閉園

243 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 15:54:36.06 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第5話 ('、`*川

('、`*川

('、`*川「帰りたい」

( ^ω^)「待て、その第一声はおかしい」

('、`*川「寝たい」

( ^ω^)「寝るなお」




( ^ω^)「うん」

('、`*川

('、`*川「やっぱめんどいからいい」

( ^ω^)「もうやだこの遊園地、まともなやつ来ねぇ」

('、`*川「遊園地ね…にしては寂れてるけど」

( ^ω^)「いいんだお、ここは寂れてるぐらいで」

('、`*川「へー」




( ^ω^)「一つだけ言っておかないといけないことがあったんだお」

('、`*川「どうぞ」

( ^ω^) コホン

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

('、`*川「来たくて来たわけじゃないけどね」

( ^ω^)「さて、どうだか」

( ^ω^)「ここに来る奴は大体来るべくして来るんだお」

( ^ω^)「無意識でも、ね」

('、`*川「あっそ…興味ないからいいわ」




( ^ω^)「ブンダーランド」

('、`*川「その心は?」

( ^ω^)「夢の中の夢の国、だお」

('、`*川「何それ…曖昧な上に非科学的なんだけど」

244 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 15:55:06.62 ID:???
( ^ω^)「理解する必要はないお」

( ^ω^)「ここであんたが為すべきことはたった一つ」

( ^ω^)「ストレス発散と悩み解消」

( ^ω^)「それだけだお」




( ^ω^)「発散したくはないのかお?」

('、`*川「できるもんならしたいわね」

( ^ω^)「決定だおね。着いてくるお」

('、`*川「歩くの?」

( ^ω^)「歩くお。それなりに」

('、`*川

('、`*川「待った、五発ぐらい殴らせてくれればすっきりできそうかも」

( ^ω^)「誰がさせるか」




( ^ω^)「時に」

('、`*川「ん?」

( ^ω^)「あんたの悩みってなんなんだお?」

('、`*川「ここから帰れないこと」

( ^ω^)「いやそんな即時的なものでなく」

('、`*川「わーってるわよ…聞きたいの?」

( ^ω^)「黙って歩いてるのもつまらんお」

('、`*川「それもそうね…んじゃ、ちょっと愚痴らせてもらおうかしら」




('、`*川「三年ぐらい付き合ってたんだけどさ」

('、`*川「急に『別れよう』って。そんで理由聞いたら、こう言うわけ」

( ^ω^)「なんて?」

('、`*川

('、`*川「『地味だから』って」

( ^ω^)

245 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 15:55:41.31 ID:???
( ^ω^)「ごめんマジすぎて否定できない」

('、`*川「嘘でも慰めろ」



('、`*川「それでもさ、三年連れ添った女に対して『地味』って」

('、`*川

('、`*川「正直かなり痛かった」

( ^ω^)「自覚してなかったのかお?」

('、`*川「いや、してるわよそりゃ」

('、`*川「でも自分で思うのと人に、増してや彼氏に言われるのじゃ違うでしょ」

('、`*川「あんただってデブって言われたらムカつかない?」

( ^ω^)「うん、すっげームカつく」




('、`*川「…そこよ」

('、`*川「あいつを見返してやりたい気持ちはある」

('、`*川「でも派手な私ってのも想像できないし、似合わないだろうし」

('、`*川「私はどうするべきか…と」

( ^ω^)「なるほどねー」

('、`*川「あんた真面目に聞く気ある?」

( ^ω^)「まぁまぁ。とりあえず、あんたに合いそうなアトラクションは見つかったお」

('、`*川「…ここ?」



('、`*川「…私が言うのもなんだけど」

('、`*川「地味ね」

( ^ω^)「あんたにはぴったりだお」

('、`*川「おい、ここ来てからストレス増えてるんだけど」

( ^ω^)「どうどう」

ガチャ

( ^ω^)「行けば分かるさ、迷わず行けよ」

('、`*川「…ったく。行けばいいんでしょ、行けば」

バタン

246 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 16:42:29.47 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

247 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 16:43:00.32 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

248 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:16:48.33 ID:???
('、`*川「暗っ」

ボゥ

('、`*川「提灯…?」

( ∵)

Σ('、`;川

( ∵)「ようこそいらっしゃいました」

('、`;川「…係員さん?」

( ∵)「はい。『和の庭』の係員、ビコーズと申します」

('、`*川「ああ…『和』だから提灯…」

( ∵)「どうぞ中へ」




('、`*川「うわー…畳なんて何年振りかしら」

( ∵)「如何でしょう?」

('、`*川「癒されるわ」

( ∵)「何よりです。どうぞお座りください」

('、`*川「(正座のほうがいいわよね)」

( ∵)「楽にしてくださって構いませんよ」

('、`;川「あ、はい」

('、`;川「(何故読まれた…)」




('、`*川「これはご丁寧に…」

( ∵) シャカシャカシャカシャカ

('、`*川「本格的ね」

( ∵)「これぐらいしか出来ないものですから。お茶菓子もどうぞ」

('、`*川「…マナーとか、わからないのだけど」

( ∵)「興味がおありなら、お教えしますが」

('、`*川「…止めとくわ。この先お茶を嗜む気はないし」

( ∵)「皆さんそう言われます」

249 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:17:19.11 ID:???
~旦('、`*川 ズズ…
('、`*川

('、`*川「美味しい」

( ∵)「ありがとうございます」

('〜`*川 モグモグ

('、`*川「…はぁー。こんなに美味しいなら、茶道も悪くないかも」

( ∵)「それでは、人心地ついたようですし…参りましょうか」

('、`*川「え?どこに?」

( ∵)「ここは『和の庭』ですから」




('、`*川「なんとまぁ」

( ∵)「少々季節感がないのが困り物ですが」

('、`*川「…綺麗な庭ね」

( ∵)「ええ。我ながら、そう思います」

('、`*川「…あら」

('、`*川「あのあたりの雑草は抜かないの?」

( ∵)「雑草ではありません。あれはオオバコです」

('、`*川「名前あったんだ…」




( ∵)「ええ」

('、`*川「どうして?雑草なのに」

('、`*川「他の花が育つのに、邪魔じゃないの?」

( ∵)「邪魔になることも、ないわけではありませんね」

('、`*川「じゃあどうして?」

( ∵)「彼らには彼らの美があるからです」

('、`*川

( ∵)「私は美しく咲く花も好きですが、たくましく育つ彼らのような草も好きなのです」

( ∵)「彼らの生き様は、大輪の花には決して真似できるものではありません」

250 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:17:49.26 ID:???
( ∵)「大きな花、綺麗な花…それはもちろん、素晴らしいことです」

( ∵)「ですが、道端に咲いている小さな花や、どれだけ踏まれても尚そこに根を張りつづける草も」

( ∵)「同じだけ素晴らしいと私は思うのです」

('、`*川「…でも、やっぱり」

('、`*川「憧れはあるんじゃないかしら」

('、`*川「大きな花を咲かせたい、綺麗な花を咲かせたい」

('、`*川「…そんな憧れは」




( ∵)「自分の生まれを選ぶことはできませんから…草木も、人間も」

( ∵)「それを嘆くことは簡単でしょう」

( ∵)「しかし、嘆く前にやれることもあるのではありませんか?」

( ∵)「歌になるほど月並みな台詞ですが」

( ∵)「人は皆、世界に一つだけの花です」

( ∵)「あなたにしか咲かせられない花もあるのではないでしょうか」




('、`*川「私が咲かせる花は、他の人も咲かせる花かもしれないじゃない」

( ∵)「それはわかりません」

( ∵)「咲いてみなければね」

( ∵)「だから、咲く前から諦めるのは…どうか、止めてください」

( ∵)「咲くことを諦めてしまった花を見るのが、一番悲しいですから」

('、`*川「…じゃあ、私を見てたら悲しくなるかもね」

( ∵)「いえ」

( ∵)「あなたは諦めていないじゃないですか」




( ∵)「そう見えるからです」

( ∵)「これでも人を見る目には自信があるつもりですが」

( ∵)「間違っていましたか?」

('、`*川

251 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:18:19.58 ID:???
('、`*川「ここに来る前だったら、間違ってたわ」

('、`*川「今は…間違ってるとは言いがたいわね」

( ∵)「それは良かった」




('、`*川「自分が咲かせられる花を咲かせればいいわけか」

( ∵)「私はそう思います」

('、`*川「…お茶、貰っていい?」

( ∵)「どうぞ」

('、`*川「ありがとう」

~旦('、`*川 ズズ…

('、`*川「…ふぅ」

('、`*川「ありがとう」

( ∵)「お気になさらず」




('、`*川「美味いお茶も飲んだし、お菓子も食べたし、綺麗な花も見たし」

('、`*川「おまけに一歩前進できたし」

('、`*川「そろそろお暇するわ」

( ∵)「ええ、わかりました」

( ∵)「また来てください…と言いたいところですが」

( ∵)「できれば、戻ってこないでくださいね」

('、`*川「ん」

('、`*川「これからはできるだけ、立ち止まらないようにするわ」




( ∵)「だからといって、気を張りすぎないでくださいね」

('、`*川「同じドジは踏まないわよ。背伸びは自分の少し上までにしておくから」

( ∵)「そうしてください」

ガラガラ

252 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:18:49.70 ID:???
('、`*川「じゃ、これで」

( ∵)「はい。さようなら」

バタン



('、`*川「何よ」

( ^ω^)「僕もお茶菓子食べたいお」

('、`*川「知るか、中で食べさせてもらえ」

( ^ω^)「それはできんお」

( ^ω^)「あんたを出口に送り届ける仕事が残ってんだお」

('、`*川「マスコットも大変ね」

( ^ω^)「大変なんだお」




('、`*川「いや」

('、`*川「派手になるのは合わないから」

( ^ω^)「んじゃどうやって見返すんだお?」

('、`*川「私なりに咲いてやろうと思う」

('、`*川「あの時の私はまだ双葉だったのだと」

('、`*川「フルパワーではなかったのだと」

('、`*川「思い知らせてやるわ」

( ^ω^)「なんでバトル物みたいになってんだお…」




( ^ω^)「何度も出てくる中ボスみたいな心がけされても」

('、`*川「うっせ」

( ^ω^)「ま、来た時よりはやる気出てるみたいだおね」

('、`*川

('、`*川「まぁ、ね」

( ^ω^)「なら文句はないお」

( ^ω^)「中ボスみたいだけど」

('、`*川「中ボス言うなや」

253 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:19:20.31 ID:???
( ^ω^)「ここを真っ直ぐ行けば元の世界だお」

('、`*川「そこも曖昧なのね…」

( ^ω^)「戻れりゃいいんだお、戻れりゃ」

('、`*川「それには同感」

( ^ω^)「気張って咲いてくるといいお」

('、`*川「言われなくてもそうするわ。じゃ」

( ^ω^)「もう二度と来んなおー」

( ^ω^)ノシ




( ^ω^)「ここを真っ直ぐ行けば元の世界だお」

('、`*川「そこも曖昧なのね…」

( ^ω^)「戻れりゃいいんだお、戻れりゃ」

('、`*川「それには同感」

( ^ω^)「気張って咲いてくるといいお」

('、`*川「言われなくてもそうするわ。じゃ」

( ^ω^)「もう二度と来んなおー」

( ^ω^)ノシ




( ^ω^)「確かに『地味』は酷いけど」

( ^ω^)

( ^ω^)「閉めるかぁ…って言うと」

「……」

( ^ω^)「大体人が来るんだおね」

( ^ω^)「…んじゃまた、話を聞かせてもらうかお」

( ^ω^)


( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

254 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:19:50.47 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 番外編 ('A`)

('A`)

一体これはどういう状況なのでしょうか。
いや、私より皆さんの方がきっと状況を理解できていませんね。失礼しました。
では、状況を少しだけ説明させていただきます。

私の周囲には、どこか懐かしさを覚える建物達が所狭しと並んでいます。
自分の記憶を辿ってみて…それが昔遊園地で見たような建物なのだと気付きました。
つまりきっと、ここは遊園地。

( ^ω^)「んー…なるほど、なるほど」

目の前にいる少々太った着ぐるみも、懐かしさに拍車をかけます。
恐らく、彼はここのマスコットか何かなのでしょう。

('A`)「あの…私は何でここに…」

( ^ω^)「ま、それは追々。とりあえずこれだけ言わせてくれお」

軽い咳払いをすると、着ぐるみは先ほどより幾分か明るい口調でこう言いました。

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」



しかし、そんな名前の遊園地は聞いたことがありません。
これだけ大きな遊園地なら、名前ぐらいは聞いたことがあっても良さそうなものなのですが。

( ^ω^)「立てるかお?」

何がなにやらわからずへたり込んでいる私に、着ぐるみが手を差し伸べてくれました。
その手を借りてようやく私は立ち上がります。

('A`)「ありがとうございます…えっと」

お礼を言おうとして、彼の名前を聞いていないことを思い出します。

( ^ω^)「名前?呼びたいように呼べばいいお。悪口でなければ」

('A`)「はぁ…わかりました。私は」

( ^ω^)「鬱田ドクオ」

…何故、私の名前を知っているのでしょうか。
もしかして中に入っているのは私の知り合いなのでしょうか。




彼の手に握られていたのは、一枚の紙。

('A`)「それは?」

( ^ω^)「履歴書みたいなもんだお。さ、着いてくるお」

その履歴書をポケットに突っ込み、着ぐるみの彼は歩き出しました。
私も後に続きます。

255 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:20:20.91 ID:???
('A`)「どこへ行くんですか?」

( ^ω^)「面接会場だお」

…訳がわかりません。面接を受けに来た覚えはないのですが。
何が何だか結局わからないまま、彼は一つの建物の前で止まりました。
周囲のレトロな建物とは明らかに造りが違う建物です。

着ぐるみの彼は、懐から鍵束を取り出し、その中の一つをドアノブに差し込みました。
鉄製の扉が開く無骨な音が、無音の周囲に響き渡ります。

( ^ω^)「どうぞ」



壁と床、天井には何の装飾もありません。
あるのは、椅子が二つと長机が一つきり。まさに『面接会場』といった様相でした。

( ^ω^)「座ってほしいお」

そう言いながら彼が机側の椅子に座るのを見て、私は空いているほうの椅子に座りました。
随分久しぶりに座った気がするのは何故でしょう。
着ぐるみの彼は、再びあの履歴書を取り出しました。

( ^ω^)「まずは…ここに書いてあることが正しいかどうか、確認させてもらうお」

('A`)「どうぞ」

( ^ω^)「鬱田ドクオ、32歳。某中小企業のサラリーマン」

('A`)「ええ、その通りです」

それ以降も訥々と語られる私の情報に偽りはありませんでした。

( ^ω^)「…おっけー、確認は終了だお」

('A`)「そうですか」



如何せん着ぐるみなので、上辺の笑顔以外の表情を窺い知ることは出来ません。
ですが、私はその笑顔がほんの少し引き締まったように感じました。

( ^ω^)「それじゃ、本題に入らせてもらうお」

( ^ω^)「さっきも言った通り、これは面接試験だお」

( ^ω^)「あんたがここで働ける人間かどうかを試験する、ね」

('A`)「…何が何やら」

素直に思ったことを口に出しました。
一体全体、何がどうなって私はこんなところで面接を受けているのでしょうか。
そろそろ教えてもらってもいい頃だと思うのですが。

( ^ω^)「とりあえず、うちの説明だけさせてもらうお」

私の脳内抗議も虚しく、『ブンダーランド』の説明が始まりました。

256 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:29:03.09 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

257 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 17:29:33.88 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

258 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 18:04:59.94 ID:???
( ^ω^)「ここに来るまでの間、色々な建物があったのは見たおね?」

('A`)「はい。遊園地のように見えましたけど」

( ^ω^)「うん、それは正解だお。ここはまさしく遊園地」




( ^ω^)「ここは夢の世界に作られた遊園地なんだお」

('A`)「……」

突然ですが、私は非科学的な物を余り信じない性質です。
ですので、彼の言葉も信じることはできませんでした。

( ^ω^)「あんたが信じようが信じまいが、これは事実だお」

('A`)「…わかりました」

私の返事に、彼は満足そうに頷いて話を続けました。

( ^ω^)「遊園地って言っても、ただの遊園地ではないお」

( ^ω^)「ここの目的は来た人間を遊ばせることじゃなく」

( ^ω^)「来た人間の悩みとかトラウマとか、そういうのを解消することなんだお」




( ^ω^)「それは従業員の裁量に任せることになってるお。例えば」

履歴書が入っていたのとは逆のポケットから、少々古ぼけた紙が取り出されました。
手招きされるままに立ち上がり、机の上に広げられたそれを覗き込みます。
そこにはいくつもの四角形が書き込まれており、その中には丸囲みされた数字が入っていました。

( ^ω^)「これ、ここの地図の一部ね。四角形はアトラクション」

('A`)「この数字は?」

最初はアトラクションの解説でもあるかと思いましたが、紙にそれらしきものは書いてありません。
よく見れば書かれている数字はどこもばらばらで、同じ数字が書かれているところもあります。
さらによく見れば、数字は10までしかないようでした。

( ^ω^)「ノルマだお」

ノルマとは、と聞き返すよりも早く、彼のもこもこした手が一つの四角形を指差しました。

( ^ω^)「ここはミラーハウスになってるお」

('A`)「全面鏡張りのあれですか」

( ^ω^)「そうだお」

259 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 18:05:34.73 ID:???
( ^ω^)「『じぶんのふりみて わがふりなおせ』」

('A`)「…人の振り見て、じゃないんですか?」

( ^ω^)「ミラーハウスだけに、ってことらしいお」

彼はそう言って肩をすくめ、再び別の四角形を指差しました。
ここの数字は「1」となっています。

( ^ω^)「ここはお化け屋敷なんだけど」

( ^ω^)「本人のトラウマを見せて、それを倒すことで克服させるっていう荒療治をやってるお」

('A`)「それはまた…」

( ^ω^)「まぁ他も大体荒療治なんだけど」

その後もいくつかのアトラクションについて話を聞かせてもらいます。

( ^ω^)「仕事内容についてはこんなところだおね」

慣れた手付きで地図が畳まれます。




('A`)「ええ…理解はできました」

('A`)「でも、仕事内容についてだけです」

彼は何も言いません。
私はぶつけました。今、一番の疑問点を。

('A`)「何故私なんですか?」

自分で言うのもなんですが、私は何の取り柄もない男です。
その私が何故、自分で望んだわけでもないのにこのような場所の従業員面接を受けているのでしょうか。

( ^ω^)「何故、ねぇ」

彼は再び履歴書を取り出しました。

( ^ω^)「そういえば、ここの採用条件を言ってなかったおね」

履歴書の下の方を眺めながら、彼は言いました。




( ^ω^)「まず、大きな未練を抱えた人間であること」

('A`)「……」

( ^ω^)「そしてもう一つ」

( ^ω^)「死んでいる人間であること」

履歴書の表側がこちらに向けられました。
その一番下の欄に書かれている文字を、彼は読み上げます。

260 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 19:45:03.03 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

261 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 19:45:50.62 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

262 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 23:42:12.22 ID:???
( ^ω^)「『32歳 自宅で首を吊って自殺』」

('A`)「…ああ」

思い出しました。
そういえば、私は。

自殺、したのでした。




( ^ω^)「そして、選択を迫られる」

( ^ω^)「ここで生きてる人間の手助けをするか否か」

淡々と告げる彼の顔からは、やはり微笑み以外の表情を窺い知ることはできません。

( ^ω^)「もちろん、働いた分のメリットもある」

( ^ω^)「さっきノルマって話をしたと思うけど」

私は、先程の地図を思い出しました。
四角形の中に書き込まれた数字は、ノルマ。

( ^ω^)「10人助けたやつには、一つだけ特典が与えられる」

('A`)「どんな特典ですか?」

( ^ω^)「来世」

その言葉に、微かに自分の心臓が波打つのがわかりました。




( ^ω^)「記憶はなくなるけど、前世の未練は強く魂に刻み込まれる」

( ^ω^)「生まれ変われば、それを晴らすことができるかもしれない」

('A`)「……」

( ^ω^)「ただし、10人助けるのがいつになるかはわからない」

( ^ω^)「さっき見た通り、ここには星の数ほどのアトラクションがある」

( ^ω^)「そして、人が連れて行かれるアトラクションは僕の一存で決められる」

('A`)「断った場合は?」

( ^ω^)「そのまま消えるだけだ」

消える。そう、事も無げに彼は言いました。

( ^ω^)「強い未練を持った魂は、それなりに危険な存在だから」

( ^ω^)「魂も何もかも、僕が完全に消す」

( ^ω^)「転生する望みはないけど、人が抱える苦しみや辛さからは完全に開放される」

263 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 23:42:54.92 ID:???
( ^ω^)「面接とは言ったけど…働くかどうかはあんた次第だお」

( ^ω^)「未練を晴らすために、ここで長い時を過ごすか」

( ^ω^)「苦しみから逃げるために、消え去るか」

( ^ω^)「どっちを選んでも誰も何も言わないお」

('A`)

( ^ω^)「さぁ」

( ^ω^)「どうするかお?」

('A`)

('A`)「…私は…」




死の間際に自分の思った『大きな未練』を思い出します。

('A`)「少し、話をしてもいいでしょうか」

( ^ω^)「構わないお。僕の仕事は話を聞くことだお」

一度深く礼をして、私は語り始めました。

('A`)「私には妻がいました。私には勿体無いほど、良く出来た妻でした」

そう、本当に素晴らしい妻でした。
代わりに私が死ねば良かったのだと、心から思えるほどに。

('A`)「家計を支えるためにやっていた、雑誌配達のアルバイト中に」

('A`)「車に轢かれたんです」

('A`)「即死だったと医者に言われました」

いつになっても、生まれ変わろうとも、忘れられないんじゃないだろうかという記憶。
顔に白い布をかけられた妻。何度も何度も頭を下げる運転手の青年。

('A`)「彼を責める気持ちも、もちろんありました。ただ、それ以上に自分が情けなかったんです」



もしも、あの日彼女を仕事に行かせなかったなら。
もしも、私が代わりに配達をしていたなら。

可能か不可能かを問わず、後悔はいくらでも浮かんできました。

そして。

('A`)「私は自殺しました。後追いといえば聞こえはいいかもしれませんが」

264 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 23:43:25.16 ID:???
('A`)「実際は、彼女のいない世界から逃げたんです」

('A`)「彼女は唯一の心の支えでした。私は、彼女に甘えすぎていた」

('A`)「…私の未練は、『彼女を死なせてしまったこと』」

('A`)「この未練は…過去に戻りでもしない限り、晴らせません」

もちろん過去に戻ることはできません。

しかし振り返ることはできます。

('A`)「…走馬灯ってあるじゃないですか」




('A`)「自分の人生を…彼女と一緒に過ごした日々を、最初から最後まで見させられました」

('A`)「そして思ったんです」

('A`)「彼女のことを忘れたくない、って」

('A`)「消えてなくなるのは簡単かもしれません」

('A`)「でも、彼女の思い出まで全て消えてしまうのは…私は嫌です」

('A`)「だから私は、もう一度生まれたい」

('A`)「記憶がなくなっても、きっと彼女のことは忘れません」

('A`)「そして、この未練も忘れない」

('A`)「次にまた生まれることができたなら」

('A`)「今度はきっと、同じ思いをしないで済むように生きられると思うんです」

('A`)「…いや。生きてやろうと思うんです」

('A`)「それに…同じ後悔を、人に感じさせたくはないんです」




着ぐるみの彼は、何も言わずに私の話を聞いていました。
相変わらず微笑んでいる顔からは、何を考えているのか読み取ることができません。
やがて。

( ^ω^)「あんたの気持ちはわかった」

彼は履歴書を思いっきり破りました。
代わりに取り出したのは、一枚のネームプレート。

( ^ω^)「もうあんたは鬱田ドクオじゃない。ここのスタッフのドクオだ」

手渡された真っ白なそれに、「ドクオ」という文字が浮かび上がりました。

265 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 23:43:55.70 ID:???
('A`)「はい」

( ^ω^)「年中無休のただ働きだけど、よろしく頼むお」

('A`)「…はい!」

着ぐるみの手袋越しの握手でしたが、彼の手はとても暖かく感じられました。




彼は、ブンダーランドの地図とボールペンを取り出しました。

( ^ω^)「空いてるところは…うん、ここでいいかお」

数字が書き込まれていない、真っ白な四角形に「10」と書き込みます。
ノルマは、10人。

( ^ω^)「んじゃ、次だけど」

( ^ω^)「何をやるか、それを決めてもらう必要があるお」

何をやるか。すなわち、どうやって自分が人を助けるか。
私には、一つの考えがありました。

('A`)「走馬灯はどうでしょうか」

私が最後に見た、あの走馬灯。




('A`)「悩んで立ち止まった時は、一度振り向く時間が必要だと思って」

…私は、それができなかったから。

('A`)「問題は技術的なことなんですけどね…」

人の記憶を覗いて、しかもそれを映像にするなんて技術は現代世界には存在していませんし。

( ^ω^)「それなら心配ないお。ここは夢の世界だお」

着ぐるみの彼が手袋のまま指を弾くと、一台の映写機が現れました。
古めかしいデザインにどこかノスタルジックを感じてしまうのは、私がおじさんになった証でしょうか。

('A`)「何でもありですね…」

( ^ω^)「ただし、動力源が必要だお」

自分の胸を叩きながら、彼は続けます。

( ^ω^)「あんたの気持ちが、こいつの動力源になるお」

( ^ω^)「生まれ変わりたい、人を助けたい…そういう気持ちを、なくしちゃいけないお」

私は大きく頷きました。



外壁は赤いレンガでできており、ドアの上には「Theater」と書かれた看板が掲げられています。

266 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 23:44:28.69 ID:???
('A`)「…今日からここが、私の職場だ」

('A`)「よろしくお願いします」

礼をして、大きなドアを開きました。
彼に渡されたのは、走馬灯を映し出す映写機一台だけ。
ここをシアターとして機能させるのは私の役目です。

('A`)「さぁ、整備をしないと」

映写機を映写室に置き、私は場内の整備を始めました。


そして、月日は流れて。

今日も、私の仕事が始まります。




場内に、男性の声が響きました。

「ここは何なんだ…?」

戸惑う男性の声に答えるように、私は明かりのスイッチを点けます。
そして、歓迎の挨拶を。

('A`)「いらっしゃいませ、お客様」

どうか、お客様がご自分の人生に希望を見出せますよう。




('A`)ブンダーランドのよ

267 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 23:44:59.00 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第6話 从 ゚∀从

( ^ω^)「ちゃーっす」

从 ゚∀从「ああ?」

( ^ω^)「返事は」

从 ゚∀从「…おっす」

( ^ω^)「良し」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「何が良しなんだ」




从 ゚∀从「そーかい…」

从 ゚∀从

从∀゚ 从

( ^ω^)「どうかしたかお?」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「どこなんだよ、ここ」




从 ゚∀从「?」

( ^ω^)「いいねぇその反応」

( ^ω^)「やっぱ異世界に迷い込んだらそういう反応しないと」

从 ゚∀从「…すまん、話が読めないんだが」

( ^ω^) コホン

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「ますます読めねぇ」




从 ゚∀从「バカにしてるよな」

( ^ω^)「すまん」

从 ゚∀从

( ^ω^)「さて、そんじゃ軽くここの説明をさせてもらうお」

268 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 23:45:51.67 ID:???
( ^ω^)「さっきも言った通りここはブンダーランド」

( ^ω^)「夢の遊園地、だお」




( ^ω^)「ある意味そうだおね」

( ^ω^)「ただ、これは紛れもなく現実だお」

( ^ω^)「なんなら頬でも抓ってみるかお?」

从 ゚∀从「…止めとく。夢にしちゃ地面とかの感触がリアルすぎる」

( ^ω^)「案外論理的だおね」

从 ゚∀从「ご期待に添えず申し訳ありませんね、と」




从 ゚∀从「あー、ある」

( ^ω^)

( ^ω^)「人の話は最後まで聞けよ」

从 ゚∀从「お前それ、着ぐるみだよな?」

( ^ω^)「そうだけど?」

从 ゚∀从「にしちゃよく動くな。声も通るし」

( ^ω^)「またどーでもいいことに食いつくおね…」




从 ゚∀从「早速さっきの発言と矛盾してんじゃねーか」

( ^ω^)っ「細けぇこたぁいいんだお!」

从 ゚∀从「…はぁ」

从 ゚∀从「そうする。いちいち突っ込んでたら日が暮れそうだ」

( ^ω^)「やっと理解してもらえたかお。そんじゃ、アトラクションに案内するお」

从 ゚∀从「え?案内って…俺に選択権ねーの?」




( ^ω^)「実はここ、遊園地は遊園地なんだけど」

( ^ω^)「乗るアトラクションはこっちが選ぶっていう決まりになってるんだお」

269 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/05(土) 23:46:21.91 ID:???
从 ゚∀从「へぇー…ま、いいや。好きにしてくれ」

从 ゚∀从「遊園地で喜ぶ年でもねーしな」

( ^ω^)「いつぞやの兄貴に聞かせてやりたい台詞だお…」




从 ゚∀从「はいよ」

スタスタスタスタ


从 ゚∀从「しっかしまぁ…随分広い遊園地だな」

( ^ω^)「それだけが取り柄なんだお」

从 ゚∀从「しかも随分レトロな雰囲気だし」

( ^ω^)「この方が落ち着かないかお?」

从 ゚∀从「確かに、キラキラしてるよりは俺好みかな」




从 ゚∀从「何をだよ」

( ^ω^)「悩み」

从 ゚∀从「お前はカウンセラーか何かか」

( ^ω^)「割かし近い存在だおね」

( ^ω^)「僕は悩みを聞くのが仕事みたいなもんだから」

从 ゚∀从「ただの着ぐるみじゃねぇってわけか」

( ^ω^)「まぁね。んで、聞かせてもらえないかお?あんたの悩みを」




从 ゚∀从「そんな大層なもんじゃねぇんだけどな」

( ^ω^)「でもあるにはある、と」

从 ゚∀从「…あぁ」

从 ゚∀从「俺な、両親がいねぇんだ」

( ^ω^)「良心?」

从 ゚∀从「悪かったな、見た目不良で」

( ^ω^)「俺ってのもどうかと思うお」

从 ゚∀从「こっちのが舐められなくていいんだよ」

270 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 00:01:04.36 ID:???
从 ゚∀从「…親父もお袋も俺が小さい頃に死んじまってな」

从 ゚∀从「もう顔も覚えてねぇ。会いたいなんて女々しいこと言うつもりもねぇ」

从 ゚∀从「けどな、こないだ母の日だったろ?それでちょっと知りたくなった」

从 ゚∀从「俺の母さんはどんな人だったんだろう、ってな」

( ^ω^)「親父は?」

从 ゚∀从「そっちは父の日にな」

( ^ω^)「親父…あと一ヶ月の辛抱だお…」




从 ゚∀从「どうしたもんかと思ってるんだよ」

( ^ω^)「ふーん…」

从 ゚∀从「んだよ」

( ^ω^)「嘘吐いてるわけではなさそうだおね」

从 ゚∀从「嘘吐いてどーすんだ」

( ^ω^)「嘘吐いても隠したい悩みを抱えてる人間もいるんだお」

从 ゚∀从「そんなもんか」




从 ゚∀从「あ?何ぶつぶつ言ってんだ?」

( ^ω^)「いや…何か他に悩みない?」

从 ゚∀从「ねぇよ」

( ^ω^)「あ、そう…うーん…」

从 ゚∀从「(暇だなぁ…ん)」

从 ゚∀从「なぁ、ここって何のアトラクションなんだ?随分ちっちぇ建物だけど」

( ^ω^)「ん?ああ、ここは…いや、待てよ」

( ^ω^)「…ここならいい、かな」




( ^ω^)「じつはここがもくてきちだったんだおー」

( ^ω^)「ほんとだおーめんどくなったからてきとうにきめてるわけではないおー」

从 ゚∀从「お前…嘘吐くの絶望的に下手だな…」

( ^ω^)「世間では正直者で通ってるお」

271 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 00:01:35.02 ID:???
ガチャ

( ^ω^)「さ、どうぞ。いってらっしゃい」

从 ゚∀从「…ったく、わかったよ。行けばいいんだろ」

バタン




从 ゚∀从「人いんのかここ」

パッ

从 ゚∀从「ん」

J( 'ー`)し「あら」

从 ゚∀从「ども」

J( 'ー`)し

从 ゚∀从「?」

J( 'ー`)し「…ううん、何でもないの。ごめんね」

从 ゚∀从「はぁ、そっすか」




J( 'ー`)し「ここは何か、かしら?」

从 ゚∀从「ええ、まぁ」

J( 'ー`)し「ここはね、『主婦の戦場』よ」

从 ゚∀从「…微妙に説明になってないような」

J( 'ー`)し「私は管理人のカーチャンっていうの。あなたは?」

从 ゚∀从「あ、俺はハインです。ハインリッヒ」

J( 'ー`)し「うん。よろしくね」




J( 'ー`)し「着いてきてくれたらわかるわ」

スタスタスタスタ

从 ゚∀从「あ、ちょっと…」


J( 'ー`)し「じゃーん」

从 ゚∀从「キッチン…?」

272 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 00:02:05.31 ID:???
J( 'ー`)し「そう。『主婦の戦場』」

从 ゚∀从「納得っす」

从 ゚∀从「でも、何やるんですか?遊園地ですよね、ここ」




从 ゚∀从「…もしかして」

J( 'ー`)し「お料理よ」

从;゚∀从「うぇぇ…俺、料理って苦手なんすけど…しかも遊園地でやることじゃないんじゃ…」

J( 'ー`)し「いいのいいの。結構楽しいわよ?」

从;゚∀从「いやでも…」

J( 'ー`)し「ね?」

从 ゚∀从「…わかりました」




从 ゚∀从「いきなりそう言われても…」

J( 'ー`)し「ハインちゃんの好きな物でいいのよ」

从 ゚∀从「…じゃあ、肉じゃがとか」

J( 'ー`)し「あら、意外と素朴なのね」

从 ゚∀从「肉じゃがはお袋の味ってよく言うじゃないですか」

从 ゚∀从「けど俺、手作りの肉じゃがって食ったことなくて」

J( 'ー`)し「…そうね。じゃあ、作ってみましょうか」




从 ゚∀从「どこにあるんすか?冷蔵庫とか、見当たりませんけど」

J( 'ー`)し「あっち。スーパーになってるの」

从;゚∀从「調達からやるんすね…」

J( 'ー`)し「食材を選ぶところからがお料理なのよ」

从 ゚∀从「はぁ…そういうもんですか」

J( 'ー`)し「さ、行きましょう」




J( 'ー`)し「肉じゃがの材料、わかる?」

273 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 00:02:35.73 ID:???
从 ゚∀从「えっと…まず、じゃがいもと肉ですよね」

J( 'ー`)し「まぁ肉じゃがだからねぇ」

从 ゚∀从「あとはニンジンとか?」

J( 'ー`)し「それと、うちで入れてたのは玉ねぎやしらたきってところかしら」

从 ゚∀从「なるほど」

J( 'ー`)し「そうそう、調味料は向こうに置いてあるからね」

从 ゚∀从「わかりました」




从 ゚∀从「…一口にじゃがいもっつっても、色々あるんすね」

从 ゚∀从「あ、男爵いもは聞いたことあるな」

J( 'ー`)し「メークインのほうが煮崩れしにくくていいかもしれないわよ」

从 ゚∀从「へー。中身も違うんすか」

J( 'ー`)し「人間と同じよ」

从 ゚∀从「深い…のかな」




J( 'ー`)し「ごめんね、かご持たせちゃって」

从 ゚∀从「いえ、大丈夫っす」

J( 'ー`)し「あ、そうだ。お米も買っていきましょ」

从 ゚∀从「何でです?」

J( 'ー`)し「お米が欲しくなるからよ」

从 ゚∀从「…わかるような、わからないような」

J( 'ー`)し「さ、お会計お会計」




从 ゚∀从

从 ゚∀从「バイト?」

( ^ω^)「うるせぇ、早くしろお」

( ^ω^)「本来僕は中のことには不干渉だってのに…ブツブツ」

J( 'ー`)し「うふふ、ごめんなさいね。せっかくだから気分出したくて」

( ^ω^)「合計で2000円になりまーす二千円札からお預かりしまーすこちらレシートになりまーす」

274 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 00:03:21.48 ID:???
从 ゚∀从「まだ金出してねぇけど」

( ^ω^)「いいよもう…ここ自体イレギュラーだし…」




ウィーン

J( 'ー`)し「さぁ、これからが本番よ」

从 ゚∀从「オッス!」

J( 'ー`)し「さぁ、まずは材料を切りましょう」

从 ゚∀从「包丁か…小学校の家庭科以来だ」

J( 'ー`)し「指切らないように気をつけてね」



从 ゚∀从

J( 'ー`)し

从 ゚∀从「いや、今のはじゃがいも切った音で…」

J( 'ー`)し「ばんそうこう貼りましょうか」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「ごめんなさい」



从;゚∀从「う…確かに…」

J( 'ー`)し「芽、取れる?」

从 ゚∀从「多分…」

J( 'ー`)し「包丁のお尻のところで…そう、えぐる感じで」

グリッ

从 ゚∀从「えぐるように」

グリッ

从 ゚∀从「こんな感じっすか」

J( 'ー`)し「うん、上手ね」

从 ゚∀从「…へへ」



从 ゚∀从「オッス!」

ザクッ

275 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 00:03:56.94 ID:???
从 ゚∀从

J( 'ー`)し

J( 'ー`)し「はい、ばんそうこう」

J( 'ー`)し「今ピーラー出すからちょっと待ってね」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「お願いします」




从 ゚∀从「いや…するする剥かれながら言われても…」

J( 'ー`)し「練習すればすぐにできるようになるわよ」

从 ゚∀从「精進します」

J( 'ー`)し「よし。皮は剥けたから、適当な大きさに切ってみて」

从 ゚∀从「…よーし」

ザクッ

从 ゚∀从「ばんそうこうください」




从;゚∀从「ナイフならもう少し上手く使えるんすけど…すいません…」

J( 'ー`)し「気にしないで。はい、貼れたわ」

从 ゚∀从「…ばんそうこう程度でこんなこと言うのもなんすけど」

从 ゚∀从「なんか、お母さんみたいっすよね。カーチャンさんって」

J( 'ー`)し「…そう。ありがとうね」

从 ゚∀从「?はい」

J( 'ー`)し「さ、もう少し頑張ってみましょう。今度は私も手伝うから」

从 ゚∀从「オッス!」




ザクッ

从 ゚∀从「ばんそうこうを…」


J( 'ー`)し「玉ねぎは目にしみるから気をつけてね」

ザクッ

276 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 00:04:27.46 ID:???
从 ;∀从「目がキツいっす…」

J( 'ー`)し「はい、ばんそうこう」


J( 'ー`)し「牛肉は3cmぐらいの長さに」

ザクッ

从 ゚∀从

从 ゚∀从「これで十本目か…」




J( 'ー`)し「経験の問題よ」

从 ゚∀从「いやでも…」

J( 'ー`)し「大丈夫。私だって、昔は下手だったもの」

从 ゚∀从「そうなんすか?」

J( 'ー`)し「ええ。あなたを見てると、昔の私を思い出すわ」

J( 'ー`)し「私も昔はお母さんに教わったものよ」




从 ゚∀从「俺も教わってみたかったなぁ」

J( 'ー`)し「…ハインちゃんのお母さんもそうしたかったと思うわ」

从 ゚∀从「そうなんすかね」

从 ゚∀从「(…って、俺親の話したっけ?)」

J( 'ー`)し「きっとそうよ。私もそうだったから」

从 ゚∀从「…カーチャンさんって、子供いるんですか?」




J( 'ー`)し「今はもう、会うこともできないから…」

从 ゚∀从「…すいません」

J( 'ー`)し「ううん、いいの。気にしないで」

J( 'ー`)し「さ、お料理を続けましょう」

从 ゚∀从「はい」

J( 'ー`)し「もう包丁は使わないで済むから安心してね」

从 ゚∀从「ははは…良かった…」

277 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 00:04:57.78 ID:???
J( 'ー`)し「最初は材料を炒めるの」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「知ってましたよ、ええ」

J( 'ー`)し「あらあらうふふ」

从 ゚∀从「笑わないでくださいよ…」

J( 'ー`)し「ごめんなさいね、楽しくなっちゃって」




从 ゚∀从「だし汁…これか」

J( 'ー`)し「煮立ったら火を少し弱める」

从 ゚∀从「IHって便利っすね」

J( 'ー`)し「灰汁もちゃんと取ってね」

从 ゚∀从「はい…じる…?」

J( 'ー`)し「『あく』よ。表面に浮かんでるそれ」

从 ゚∀从「そういやおたまで一生懸命すくってたな…これ」




从 ゚∀从「よっと」

J( 'ー`)し「調味料も加えて…よし」

J( 'ー`)し「あとは煮汁が少なくなるまで煮込めば完成よ」

从 ゚∀从「ふぅ…こりゃ喧嘩のがよっぽど楽だな…」

J( 'ー`)し「いっぱい怪我もしちゃったしね」

从 ゚∀从「名誉の負傷ってことで」




从 ゚∀从「今まで結構漠然と飯食ってたけど」

J( 'ー`)し「ふふ、そうね」

J( 'ー`)し「でもね、大変な分嬉しいこともあるのよ」

从 ゚∀从「嬉しいことっすか」

J( 'ー`)し「そう。…あ。肉じゃが、煮えたみたい」

从 ゚∀从「おお…美味そう」

278 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 01:06:12.63 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

279 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 01:06:43.76 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

280 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 09:31:57.82 ID:???
J( 'ー`)し「お米も炊いておいたし、早速頂きましょうか」




J( 'ー`)し「いっぱい食べてね」

从 ゚〜从 モシャモシャ

从*゚∀从「…美味い」

J( 'ー`)し「自分で頑張ったから、尚更でしょう?」

从*゚∀从「正直びっくりっす」

从*゚〜从 モシャモシャ

J( 'ー`)し「…うふふ」




J( 'ー`)し「ううん、違うの」

J( 'ー`)し「幸せそうなハインちゃんを見てたら嬉しくってね」

从 ゚∀从「…そっか…さっき言ってたのって」

J( 'ー`)し「うん。そういうこと」

从 ゚∀从「じゃあ、カーチャンさんも肉じゃが食べてくださいよ」

从 ゚∀从「俺も実感したいっす」

J( 'ー`)し「…そうね。それじゃ、頂きます」




J( 'ー`)し「うん、美味しい」

从*゚∀从「…確かに、嬉しいっす」

J( 'ー`)し「でしょう?」

从 ゚∀从「お袋も、こういう気持ちだったのかな…」

J( 'ー`)し「きっとそうよ」

从 ゚∀从「…やっぱり、カーチャンさんってお母さんって感じですよね」

从 ゚∀从「俺、お袋は死んじゃったし、どんな人かも覚えてないけど…そう思うっす」

281 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 09:32:28.36 ID:???
从 ゚∀从「いえ。感謝するのは俺のほうっす」

从 ゚∀从「お袋ってどういう人なのか…教えてもらえましたから」

从 ゚∀从「俺のお袋も、カーチャンさんみたいな人だったと思うんです」

从 ゚∀从「…証拠も何もないんですけどね」

J( 'ー`)し「……」

从 ゚∀从「料理も教えてもらえましたしね。楽しかったっす」

J( 'ー`)し「…私も、楽しかったわ」




J( 'ー`)し「お粗末様でした」

从 ゚∀从「さて、食器洗わないと」

J( 'ー`)し「ありがとうね、ハイン」

从 ゚∀从「これぐらい当然っす」

从 ゚∀从「(…あれ、今…)」

J( 'ー`)し「…洗い物が済んだら、お料理は終わりよ」

从 ゚∀从「終わってみると案外短いもんっすね」




从 ゚∀从「……」

ッキュ

从 ゚∀从「終わりました」

J( 'ー`)し「ありがとう。それじゃ、出口に行こうか」

从 ゚∀从「はい」




从 ゚∀从「二度と、ってことっすか?」

J( 'ー`)し「そう。お母さんのことを考えるのはいいけれど」

J( 'ー`)し「こんなところに来るほど考えすぎちゃいけないわ」

从 ゚∀从「…わかりました」

J( 'ー`)し「大丈夫。お母さんはいつでも、ハインのことはちゃんと見てるから」

从 ゚∀从「…あ」

282 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 09:32:58.60 ID:???
ガチャ

从 ゚∀从「…ああ。さようなら」

从 ゚∀从「…お袋」

J( 'ー`)し「……」

バタン

J( 'ー`)し「…ごめんね、ダメなお母さんだったよね…私は…」

J( ;ー;)し「ハイン…嬉しかったよ…大きくなったあなたが見られて…」




J( 'ー`)し「ありがとうね、レジ係なんてやってくれて」

( ^ω^)「それは別に構わんお。ただ」

( ^ω^)「あんたの未練…晴れちゃったおね」

( ^ω^)「『幼い娘の大きくなった姿が見たい』」

J( 'ー`)し「……」

( ^ω^)「どうする?消えたきゃ、ここで消してあげるけど」

J( 'ー`)し「ううん。嫌よ」




J( 'ー`)し「そして…また、お母さんになりたい」

( ^ω^)「…ま、そう言うと思ったお」

( ^ω^)「あと4人、精々頑張ってくれお」

J( 'ー`)し「ええ。そうするわ」

ガチャ

( ^ω^)「…しかし一ヵ月後どうするかな…またあいつ来る可能性あるよな…」

( ^ω^)「しかも親父もこっちにいるんだよな…うーん…でもまた会わせるってのも…」

バタン




从 ゚∀从「外出てきたらいねーから困ってたぜ」

( ^ω^)「売上管理に手間取ってたんだお」

从 ゚∀从「ほんとかよ…」

283 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 09:33:28.86 ID:???
( ^ω^)「嘘だお」

从 ゚∀从

( ^ω^)「ま、それより。すっきりできたかお?」

从 ゚∀从「ああ…まぁな」




从 ゚∀从「お袋にも…親父にも」

( ^ω^)「ま、普通はそうだと思うお」

从 ゚∀从「でも、今日で吹っ切れた。お袋のことは」

从 ゚∀从「お袋は多分…いい母さんだった」

( ^ω^)「…親父は?」

从 ゚∀从「わかんねぇよ」

从 ゚∀从「でも、お袋が選んだ男なんだ。ダメ親父ってことはねぇだろ、多分」




从 ゚∀从「でもここ、もう戻ってこないほうがいいんだろ?」

( ^ω^)「…そう、だおね」

( ^ω^)「はっきり言って…長居するのはあんま良くないと思うお」

从 ゚∀从「…そか」

从 ゚∀从「ちょっと…残念だな」




从 ゚∀从「親父のこと調べてみるよ。じいちゃん達にも話聞いてさ」

从 ゚∀从「髪も、怒られたら染め直す」

从 ゚∀从「そんで…肉じゃがとか、作ってみようかな」

( ^ω^)「…うん。それがいいと思うお」

( ^ω^)「親父のほうには伝えとくお」

( ^ω^)「髪染めて不良になって、いい女になってるって」

从 ゚∀从「誉めてんのか、そりゃ」

284 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 09:33:59.45 ID:???
从 ゚∀从「どっちの方角にいるかだけ教えてくれないか?」

( ^ω^)「あっちのほうだおね」

从 ゚∀从「サンキュー」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「ごめんな、親父。会ってやれなくて」

从 ゚∀从「これ以上は、甘えになっちまう気がするから」

从 ゚∀从「だから…俺、もう戻るよ。そんで、親父のこと…忘れないように、思い出すから」




( ^ω^)「切り替えはえぇな」

从 ゚∀从「うじうじするのは性に合わないんでな。やることもできたし」

( ^ω^)「目的がしっかりしてるのはいいことだおね」

从 ゚∀从「だろ?ほれ、出口まで案内してくれよ」

( ^ω^)「はいはい」




( ^ω^)「だお。ここを真っ直ぐ行くと元の世界に帰れるお」

从 ゚∀从「わかった」

( ^ω^)「…本当に親父さんに会わなくていいんだおね」

从 ゚∀从「くどい。大体長居はやばいって言ったの、お前だろ」

( ^ω^)「そりゃそうだけど…」

从 ゚∀从「んじゃ、そうだな…親父が会いたくて泣いてるとか、そういう時に呼んでくれ」

从 ゚∀从「一発殴ってやるからよ」

( ^ω^)「呼ぶ気失せたわ」



从 ゚∀从「親父によろしく」

( ^ω^)「ああ、わかってるお。さよなら」

( ^ω^)ノシ

( ^ω^)ノシ

( ^ω^)

( ^ω^)「さよなら、ハイン」

285 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 11:47:08.96 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

286 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 11:47:39.96 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

287 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 13:44:16.97 ID:???
( ^ω^)「随分薄情者に育ったもんだお」

( ^ω^)

( ^ω^)「でも、強く育ったみたいだお」

( ^ω^)「…いかんいかん、マスコットが自分語りなんて終わってるおね」

「……」

( ^ω^)

( ^ω^)「そう…僕の仕事は、まだまだ終わらないんだから」

( ^ω^)


( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」





( ^ω^)ブンダーランドのようです 閉園

288 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 13:44:48.57 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第7話 ( ><)

( ^ω^)「おいすー」

(;><)「そしてあなたは誰なんですか!」

( ^ω^)「誰、と言われても」

( ^ω^)「人に名前を聞くときは、自分から名乗るのが礼儀ってもんだお」

(;><)「う…確かに…」

( ><)「僕はビロードっていうんです」




( ><)

( ^ω^)

( ><)

( ^ω^)

( ><)「いやいやいやいや」

( ><)「名乗って欲しいんですけど…」

( ^ω^)「名前はまだない」

(;><)「新手の詐欺なんです!」

( ^ω^)「まぁ、好きなように呼んでくれお」




( ^ω^)「よくぞ聞いてくれたお」

( ^ω^) コホン

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

( ><)

( ><)「ごめんなさい、聞いたことないんです…」

( ^ω^)「いや、それが普通だからそんなにかしこまられても…」




( ><)「実はめちゃくちゃ有名な場所なのかと」

( ^ω^)「何だろうこのいたたまれない気持ち」

( ^ω^)「とにかくもっと気を楽にしてほしいお」

289 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 13:45:18.81 ID:???
( ><)「うぅ…申し訳ないんです…」

( ^ω^)「止めてマジでそういうの止めて」




( ^ω^)「ここについての説明をするお」

( ><)「お願いするんです!」

( ^ω^)「さっきも言ったけど、ここはブンダーランド」

( ^ω^)「簡単に言えば遊園地だお」

( ><)「確かに、遊園地っぽいですけど…」

( ^ω^)「ん?」

( ><)「何か空気が違うっていうか…ただの遊園地じゃないような…」




( ^ω^)「確かにここはただの遊園地じゃないお」

( ^ω^)「お金を取るって意味じゃなくてね」

( ><)「わかってます」

( ^ω^)

( ^ω^)「ここは遊ぶことが目的じゃないんだお」

( ^ω^)「ここの目的は…君の悩みを解消すること、なんだお」

( ><)「悩みですか…それなら、丁度大きな悩みがあるんです!」




( ><)「どうしたんですか?」

( ^ω^)「いや…久々に素直なお客さんだから嬉しくて…」

(;><)「そんなひねくれた人ばっかり来てるんですか…」

( ^ω^)「そうそう、それから」

( ^ω^)「ここじゃ乗れるアトラクションは一つだけなんだお」

( ^ω^)「ついでに、どのアトラクションに乗るかも僕が決めさせてもらうお」

( ><)「僕一人じゃ迷子になっちゃいそうだから、そっちの方がありがたいんです」

( ^ω^)「確かにいかにも迷いそうなオーラ出てるお」

290 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 14:41:30.79 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

291 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 14:42:02.18 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

292 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 15:14:01.97 ID:???
( ^ω^)「んじゃ、行くとするかおー」

スタスタスタスタ


( ^ω^)「んで」

( ^ω^)「あんたの悩みってのは、何なんだお?」

( ^ω^)「まさか方向音痴とか言わないおね」

(;><)「悩むほど方向音痴じゃないんです…」

( ^ω^)「これは失敬」




( ^ω^)「へぇ…」

( ><)「会社で仕事をしてたはずなのに、いつの間にか家にいたり」

( ><)「買った覚えのない本が家にあったり」

( ><)「丸一日記憶がなかったこともあったんです」

( ^ω^)「なんか心当たりはないのかお?」




( ><)「病院にも行ってみたんですけど、『至って健康です』と」

( ^ω^)「脳とかも問題なかったのかお?」

( ><)「はい。CTスキャン…でしたっけ?あれとかも撮ってもらったんですけど」

( ><)「健康すぎて帰りに献血までしちゃいました」

( ^ω^)「それ脳関係ないけどね」

( ><)「…ただ」

( ^ω^)「ん?」



( ^ω^)「というと?」

( ><)「『いつもはおろおろしてるのに、自信満々になってた』とか」

( ><)「『グサっと刺さる皮肉を言われた』とか」

( ><)「『目がでかくなってた』とか」

( ^ω^)「なるほどねぇ」

( ><)「僕、どうしちゃったんですかね…」

( ^ω^)「さて…それはちょっと、わかりかねるお」

293 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 15:14:31.94 ID:???
( ^ω^)「ただ」

( ^ω^)「ここに来たからには、しっかりその悩みを解消してみせるお」

( ><)「是非そうしてほしいんです!」

( ^ω^)「ま、大船に乗ったつもりでいるといいお」

( ^ω^)「…っと、ここだお」




( ^ω^)「おーい、お客さん連れて来たおー」

……

( ><)「…誰もいないんですかね?」

( ^ω^)「いや、いるお」

( ^ω^)「僕がいるから出てこないだけだお」

( ><)「はぁ…」

( ^ω^)「そんじゃ、あとはここの管理人に任せるから」

(;><)「え、ちょっと」

スタスタスタスタ




( ><)「…それにしても、本当に大きな観覧車なんです!」

( ><)「これはちょっとテンション上がってきたんです!」

(#゚;;-゚)「…どうも」

( ><)「あ。もしかして、ここの係員さんですか?」

(#゚;;-゚)「…係員じゃなくて管理人。でぃ」

( ><)「でぃさんですか。僕はビロードなんです」

(#゚;;-゚)「ん」




(#゚;;-゚)「ええ」

( ><)「ありがとうなんです!」

(#゚;;-゚)「…でも、ひとつだけ条件」

( ><)「なんなんです?あ、お金なら」

(#゚;;-゚)「そんなの、いらない」

294 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 15:15:02.33 ID:???
チャッ

( ><)「へ?」

(#゚;;-゚)つ=|三三ラ

( ><)




( ><)

( ><)そ

(;><)「えええええ!?」

(#゚;;-゚)つ=|三三ラ「…うるさい」

(;><)「いやいやいやいや!意味わかんないんです!なんで急にナイフなんか!」

(;><)「あ、あれですか!でぃさんお得意のジョークみたいな!ですよね!」

(#゚;;-゚)つ=|三三ラ「ううん」

( ><)

(#゚;;-゚)つ=|三三ラ

ザクッ!




(;><)「痛い痛い!!血!!血とか出ちゃうんです!!」

(#゚;;-゚)「…大丈夫、怪我はないから」

( ><)「え」

( ><)「…ほんとだ」

(;><)「さ…先に言ってほしかったんです…」

(#゚;;-゚)「これ、人の心を切り分けるナイフなの」

( ><)「すいません、わかりやすく」

(#゚;;-゚)「…あっち、見て」

( ><)「…?」




( ><)「…どちら様…ですか?」

(#゚;;-゚)「あなた、変わってるわ」

295 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 17:43:19.62 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

296 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 17:44:01.14 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

297 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 22:17:21.77 ID:mno3CZo9
しつこい

298 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 22:34:49.77 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

299 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 22:35:26.79 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

300 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 22:35:58.10 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ
信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

301 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 23:40:52.34 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

302 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 23:41:23.74 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

303 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 23:41:55.41 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ
信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

304 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 23:42:26.06 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

305 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 23:43:11.21 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

306 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 23:43:41.57 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

307 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/06(日) 23:44:23.58 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ
信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

308 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 00:27:25.31 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

309 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 00:27:59.88 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

310 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 07:37:52.35 ID:???
(#゚;;-゚)「本当はあなたがもう一人出てくるのに」

(#゚;;-゚)「あっちの人…あなたじゃない」

( ><)「…えっと…状況が把握できないんですけど…」

( <●><●>)「…やれやれ。私が説明しましょう」

(;><)「喋った!」

(#゚;;-゚)「待って」




(#゚;;-゚)「話すなら、観覧車の中」

( ><)「で、でも」

(#゚;;-゚)「それがここの決まり」

(#゚;;-゚)「嫌なら」

チャッ

(#゚;;-゚)つ=|三三ラ「細切れになってみる?」

( ><)「乗りますめっちゃ乗りますいやむしろ乗らせてください」

( <●><●>)「…ま、いいでしょう。話すならどこでも同じです」




(#゚;;-゚)「どうぞ」

(;><)「うぅ…」

( <●><●>)「……」

バタン

(#゚;;-゚)「ふぅ」

( ^ω^)「ドアを開けるの、いつもは僕の役目なんだけどなー」

(#゚;;-゚)「…どうも」

( ^ω^)「こんちはだお」

(#゚;;-゚)「乗りますか?」

( ^ω^)「いや。二人が降りてくる頃にまた来るお」

(#゚;;-゚)「そうですか」

311 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 07:38:23.51 ID:???
(;><)「……」

( <●><●>)「それにしても、異常なまでに建物の多い遊園地ですね」

(;><)「……」

( <●><●>)「ざっと見ただけでも…いや、これは目測できる量じゃなさそうだ」

(;><)「……」

( <●><●>)「喋れよ」

(;><)「あ、すいません…ちょっと、驚いちゃって…」




( ><)「…そうなんです。一体君は…誰なんですか?」

( <●><●>)「人に名前を聞くときは自分から、と言いたいところですが」

( <●><●>)「貴方の名前は聞き飽きてますからいいでしょう」

(;><)「(いちいち回りくどい人なんです…)」

( <●><●>)「私はワカッテマスといいます」

( <●><●>)「…まさかこんな形で貴方と会うことになるとは思いませんでした」




( <●><●>)「私が何者なのかわからない、と」

( ><)「はい」

( <●><●>)「二重人格って知ってますか?」

( ><)「…知ってるんです」

( <●><●>)「なら簡単です。私は貴方の中にある、もう一つの人格なんですよ」

( <●><●>)「自信満々、皮肉、でかい目…全部私に当てはまるでしょう?」

( ><)「あ、じゃあ…僕の記憶が飛んだのは」

( <●><●>)「私が目覚めていたからです。貴方の変わりにね」




( ><)「どうして君は、僕の中に生まれたんですか?」

( ><)「一体何がきっかけになったんですか?」

( <●><●>)「……」

( <●><●>)「生まれた、というのは正確ではないですね」

312 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 07:47:20.92 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

313 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 07:47:59.87 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

314 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 07:48:55.10 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ
信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

315 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 07:51:48.24 ID:???
 
【米国】NY州上下院‘慰安婦決議案’史上初同時発議
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/war/1357463173/

316 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 08:00:30.37 ID:???
新体制では活かせる組合せで使うべき。
三根のPGは良いと思う。
佐々木と中島は同時スタートのほうが流れが良い。

317 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 08:27:55.99 ID:???
( <●><●>)「私は、ずっといたんですよ…貴方と一緒に」

( ><)「…え?」




(;><)「で、でも!君が出てきたのはつい最近のはずなんです!」

( ><)「僕が小さい頃は記憶が飛んだりなんかしなかったんです!」

( <●><●>)「元々私と貴方は一つでしたからね。混ざり合った一つの存在で」

( <●><●>)「それが最近分離し始めた。何が原因か」

( <●><●>)「私が思ったからですよ。外に出たい、とね」

( ><)「外…?」

( <●><●>)「ええ。つまり」

( <●><●>)「私は一人の人間として生きたくなったんです」




( <●><●>)「労働、会話、観察」

( <●><●>)「全てが新鮮だった。貴方を通して送られてくる情報とは全く違っていた」

( ><)「……」

( <●><●>)「だから私は、こう思っています」

( <●><●>)「貴方の意識を乗っ取ってやろうと」

( ><)「…本気、なんですか」

( <●><●>)「ええ。生憎、冗談は苦手な性質でして」




( ><)「…体を渡すってことは、僕はもう出てこられないってことですよね」

( <●><●>)「そうなりますね」

( ><)「…それは、嫌なんです」

( <●><●>)「でしょうね」

( ><)「…でも」

( ><)「渡してもいいような気がしてるんです」

( <●><●>)「は?」

318 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 08:56:10.65 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

319 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 08:56:41.58 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

320 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 09:17:44.23 ID:???
( ><)「ええ。それは何となくわかったんです」

( <●><●>)「…なら、何故」

( ><)「何か…他人の気がしないんですよ」

( ><)「さっきの話が本当なら、僕と君は同一人物ですけど」

( ><)「それとは別に、懐かしい感じっていうか…」

( ><)「それに君、二十年以上僕の中にいたんですよね?」

( <●><●>)「ええ、まぁ」

( ><)「なら、今度は君の番なんです」

( ><)「また二十年ぐらいしたら替わってください」

( <●><●>)「…返す保証はありませんよ」




( ><)「でも、君は僕なんでしょう?」

( ><)「僕は約束を破るような人間じゃないんです!」

( <●><●>)「……」

( ><)「だから、替わってくれるって信じてるんです」

( ><)「さ、好きにするといいんです!」

( <●><●>)「…そう、ですか…」

( <●><●>)「わかりました」




ガシッ

(;><)「アイアンクロー痛いんです!」

( <●><●>)「状況説明乙」

(;><)「あだだだだ」

( <●><●>)「いいですか」

( <●><●>)「私に体を渡すということは、この痛みももう感じられないということです」

(;><)「…わかってるんです!」




( <●><●>)

321 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 09:18:14.60 ID:???
ギリギリギリ

(;><)「あがががが」

ギリギリギリ

(;><)「ぬぐぐぐぐ」

ギリギリ

(;><)「んぎぎ」

ギリ

(;><)「ぎ…?」

パッ

( <●><●>)「……」




( <●><●>)「…はぁ」

(;><)「あこれ可哀想な子を見る目だ!」

( <●><●>)「…全く…」

( <●><●>)「私としたことが、すっかり失念していましたよ」

(;><)「な…何を?」

( <●><●>)「貴方が無駄に頑固者で」

( <●><●>)「そして、極度のお人好しだということを忘れていたんです」




( <●><●>)「そう取ってもらって構いません」

( <●><●>)「…参りました。私の負けです」

( ><)

( ><)「体、いらないんですか?」

( <●><●>)「ええ…というか」

( <●><●>)「元より、乗っ取るつもりなどありませんでしたよ」




( <●><●>)「むしろ私は消えたかったぐらいです」

(;><)「ひでぇ!」

( <●><●>)「…私は貴方にとって、邪魔な存在ですから」

322 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 09:58:22.73 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

323 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 09:58:54.91 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

324 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 10:31:44.92 ID:???
( ><)「……」

( <●><●>)「本当はね、外に出てくるつもりもなかったんです」

( <●><●>)「私はただ…成長する貴方を眺めているだけで満足だった」




( <●><●>)「流石に育ちすぎた、ということなんでしょう」

( <●><●>)「貴方の好きなバンドも言っています」

( <●><●>)「『一つ分の陽だまりに 二つはちょっと入らない』」

( <●><●>)「…私は、貴方の陽だまりを奪いたくなかった」

( <●><●>)「だから消えたかったと、そういう訳です」




( ><)「僕がお人好しだからですか?」

( <●><●>)「ええ。貴方のことですから、消えないように説得されると思いました」

( <●><●>)「これでも二十年近く貴方を内側から見ていますからね。絶対の自信がありました」

( ><)「それであんな言い方を…」

( <●><●>)「ま、完全に裏目だったわけですが」

( <●><●>)「まだまだ私も甘いですね」




( <●><●>)「私を貴方の中から消してください」

( ><)「……」

( ><)「嫌なんです!」

( <●><●>)

( <●><●>)「…貴方…」

( <●><●>)「本物の馬鹿ですか」

( ><)「馬鹿で結構コケコッコーなんです!」

( ><)「僕だってさっき言ったんです!君に体を渡してもいいって!」

( <●><●>)「だから、それは私の本意ではないと」

( ><)「嘘なのはわかってます!」

325 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 10:32:18.60 ID:???
( <●><●>)「…私が出ていた間ということですね」

( ><)「そうなんです。皆、色々言っていたけど…最後はこう言ってたんです」

( ><)「『楽しそうだった』って」

( <●><●>)

( ><)「本気で消えたいと思ってる人間が楽しそうに見える訳ないんです」

( ><)「逆に言えば」

( ><)「君は生きたいと思ってるってことなんです!」

( <●><●>)

( <●><●>)「…貴方は…貴方ってやつは…」




( ><)「この期に及んで嘘なんて吐かないでください」

( <●><●>)「……」

( <●><●>)「…本当に、甘いですね。私は」

( <●><●>)「貴方を諭すはずが逆に諭されて」

( ><)「甘くなんてないんです」

( ><)「君は僕のこと、真剣に考えてくれてたんです」

( ><)「それに気付けなかった僕の方が甘々なんです!」

( <●><●>)「…では、お互い様ですね」




( <●><●>)「…いえ。やはり、私は消えます」

( <●><●>)「私は…貴方の中に居るべきではない」

( ><)「そんなことないんです!」

( <●><●>)「あります」

( <●><●>)「嘘を吐くな、と言いましたね。なら、もう一つ…本当のことを言わせてください」

( <●><●>)「私は…貴方ではないんです」

( ><)

( ><)「すいません、こんがらがってきたんですけど」

( <●><●>)「説明しますよ」

326 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 11:24:27.31 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

327 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 11:24:58.08 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

328 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 11:34:27.04 ID:???
( <●><●>)「本来なら私は、この世に生を受けて…そして」

( <●><●>)「貴方の兄になるはずだった」

( ><)

( ><)「え」

( <●><●>)「しかし私は上手に生まれることが出来ず、死んでしまい」

( <●><●>)「何故かはわかりませんが、魂だけが母親の胎に残った」

( <●><●>)「魂だけになった私は、受け皿を追い求めて…四年後」

( ><)「…僕に、入った」




( <●><●>)「見ることも叶わなかったはずの弟の姿を見られたのですから」

( ><)「……」

( <●><●>)「外に出ていた間は確かに楽しかった」

( <●><●>)「生きる喜びを知りました。そして同時に」

( <●><●>)「貴方から、弟から…この喜びを奪ってはいけないと思った」

( <●><●>)「貴方の体は、貴方と私の物ではなく

( <●><●>)「貴方一人の物なのですから」

( ><)「…でも…」




( ><)「…わかったんです」

( <●><●>)「私に悪いことをした、と思うぐらいなら」

( <●><●>)「私の分まで楽しく生きてください」

( <●><●>)「それ以外に私から言うことは何もありません」

( ><)「……」

( ><)「わかったんです!」

( ><)「僕、兄さんの分まで生きるんです!」

( <●><●>)「物分りが良くて助かりますよ」

ガコン

(;><)「おぅっ」

( <●><●>)「…終わりのようですね」

329 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 11:34:57.44 ID:???
(#゚;;-゚)「お疲れ様」

( <●><●>)「ええ、どうも」

( ><)「ありがとうなんです!」

バタン

(#゚;;-゚)「楽しかった?」

( <●><●>)「そうですね。弟と話が出来てよかったです」

(#゚;;-゚)「…弟?」

( ><)「まぁ、いろいろありまして…」

(#゚;;-゚)「似てない」

( <●><●>)「私もそう思います」




( <●><●>)「こんにちは」

( ><)「なんです」

( ^ω^)「増えたおねー」

(#゚;;-゚)「ええ」

( ^ω^)「まぁ、いいや」

( ^ω^)「楽しかったかお?」

( ><)「うーん」

( <●><●>)「結果オーライ…ってところですか」

( ^ω^)

(#゚;;-゚)「まぁ、いいんじゃないですか」




(#゚;;-゚)「この観覧車、二回は乗れないから」

( <●><●>)「わかりました」

( ><)「もう、乗ることもないと思うんです!」

(#゚;;-゚)「そうですか」

( ><)「はい!」

(#゚;;-゚)「良かった」

( ^ω^)「ところで僕の台詞全部取られてるよね」

330 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 12:57:59.41 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

331 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 12:58:31.31 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

332 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 13:13:00.66 ID:???
(#゚;;-゚)「お帰りは」
( ^ω^)「僕が案内するから!」

(#゚;;-゚)「…どうぞ」

( ^ω^)「さぁ二人とも着いてくるお!」

( ><)「着ぐるみさんも大変なんですね」

( <●><●>)「滑稽ですね」

( ^ω^)

( ^ω^)「早く着いてきて、でないと泣く」




( ^ω^)「ここ真っ直ぐ。それで元の世界に帰れるお」

( ><)「…お世話になったんです。兄さんも」

( <●><●>)「ええ。頑張りなさい」

( ^ω^)「ん?あんたは行かんのかお?」

( <●><●>)「私は消えることにしたんです」

( ><)「……」

( <●><●>)「さ、行きなさい」

( ><)「…さよなら、なんです!」

( ^ω^)ノシ「さよならだおー」

タッタッタッタ…




( ^ω^)「行っちまったおね」

( <●><●>)「ええ」

( ^ω^)「で…あんた、どうすんだお?」

( <●><●>)「どうもこうも」

( <●><●>)「ここで朽ちるのを待ちますよ」

( ^ω^)「家庭ゴミは遠慮させてもらってるお」

( <●><●>)「生ゴミです」

( ^ω^)「より性質悪いわ」

333 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 13:13:33.51 ID:???
( <●><●>)「生きたくないと言えば嘘になりますね」

( ^ω^)「…そんじゃあさ」

( ^ω^)「働いてみる?うちで」

( <●><●>)「どういうことでしょうか」

( ^ω^)「詳しくは後で話すけど」

( ^ω^)「うちで働いてノルマを達成すると漏れなく転生できるというシステムが」

( <●><●>)「…転生、ですか」

( ^ω^)「見たところうちの採用条件は満たしてるようだし」

( ^ω^)「興味あるなら、後であそこの建物に来てほしいお」

( <●><●>)「…ちょっと歩きながら考えてみます」

スタスタスタスタ




( ^ω^)「悩むってのは、生きてる人間の特権じゃないおね」

( ^ω^)「にしても相変わらず二人連れてくると長いおー…」

( ^ω^)「ま、お仲間も増えそうだしいいけど」

「……」

( ^ω^)「…さてさて」

( ^ω^)「間違ってもインフルエンザなんか持って来ないように頼むお」

( ^ω^)


( ^ω^)「ブンダーランドヘようこそ」





( ^ω^)ブンダーランドのようです 閉園

334 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 14:42:26.16 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

335 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 14:42:57.38 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

336 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 15:06:44.07 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 第8話 川 ゚ 々゚)

( ^ω^)

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)

(^ω^)「なにこのひとこわい」




( ^ω^)「ぬおっ」

( ^ω^)「喋れたのかお」

川 ゚ 々゚)「喋れたら悪い?」

( ^ω^)「いや」

( ^ω^)「いいけど、何も言わずにガン見されると怖い」

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)「だから止めろ」




( ^ω^)「あー…うん、まぁいいや。さっさといつもの済ませるお」

( ^ω^) コホン

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)

(^ω^)「もうやだこの空気」




( ^ω^)「えっ」

川 ゚ 々゚)「ブンダーラ何とかって」

( ^ω^)「ンドぐらい覚えろよ、ゴダイゴかよ」

川 ゚ 々゚)「何?」

337 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 15:07:15.56 ID:???
( ^ω^)「…簡単に言えば遊園地だお」

川 ゚ 々゚)「ふぅん」

川 ゚ 々゚)

川 ゚ 々゚)「つまんなさそう」

( ^ω^)「お前は今言ってはならんことを言ったお」




川 ゚ 々゚)「つまんなさそう」

( ^ω^)

川 ゚ 々゚)「帰らせて」

( ^ω^)「意地でも帰さんお」

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)「さっさと帰りたいなら着いてこいや」

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)「来ないと帰れないお?」

川 ゚ 々゚) チッ




川 ゚ 々゚)「何か古臭い」

( ^ω^)「レトロって言うんだお」

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)「無視かよ」

川 ゚ 々゚)

川 ゚ 々゚)「はぁ」

( ^ω^)「おっ」

( ^ω^)「何か悩みを抱えているような溜め息だおね!もし良かったら話すといいお!」

川 ゚ 々゚) チッ

( ^ω^)

( ^ω^)「職務放棄してぇ」



( ^ω^)「そー職務。お兄さん仕事してるの。わかる?」

338 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 16:33:32.90 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

339 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 16:34:37.49 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

340 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 17:29:25.87 ID:???
川 ゚ 々゚)「どんな?」

( ^ω^)「お、興味あるのかお?」

川 ゚ 々゚)「ちょっとね」

( ^ω^)「遊園地マスコット…と」

( ^ω^)「カウンセラー。あんたみたいな不安定な人間の」

川 ゚ 々゚)「ふぅん」

川 ゚ 々゚)「私、不安定なんだ」

( ^ω^)「ぼちぼちね」




( ^ω^)「ん」

川 ゚ 々゚)「あのさ」

川 ゚ 々゚)「人、殺したいって思ったことある?」

( ^ω^)「なくはない」

川 ゚ 々゚)「殺したことは?」

( ^ω^)「ない」

川 ゚ 々゚)「ふぅん」




川 ゚ 々゚)「でも、殺したいと思ったことはある」

( ^ω^)「誰でも一回ぐらいはそんなこと思うんじゃないかお」

川 ゚ 々゚)「すっごい嫌いな奴が何人もいて」

川 ゚ 々゚)「何回も何回も何回も思うんだ」

川 ゚ 々゚)「殺したいって」

( ^ω^)「そう」

川 ゚ 々゚)「ねぇ」

川 ゚ 々゚)「なんで人を殺しちゃいけないの?」




川 ゚ 々゚)「カウンセラーなら答えてよ」

川 ゚ 々゚)「私、それで不安定になってるんだから」

341 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 17:29:55.93 ID:???
( ^ω^)「…逆に聞くけど」

( ^ω^)「僕が何か答えたとして、納得する気あるのかお?」

川 ゚ 々゚)「ない」

川 ゚ 々゚)「だって、人を殺したことない人に言われても説得力ないし」

( ^ω^)「じゃ、何言っても無駄だおね」

川 ゚ 々゚)「それって逃げ?」

( ^ω^)「そう取ってもらって構わんお。ガキに説教するのは趣味じゃないし」

川 ゚ 々゚)「…つまんない」




川 ゚ 々゚)「うん」

( ^ω^)「でも実感するのはそれなりに面白いと思うお。…ほれ」

川 ゚ 々゚)「…何ここ」

( ^ω^)「あんたにぴったりの場所だお」

( ^ω^)「なかなか人連れて来ないんだけどね、ここ」

ガチャ

( ^ω^)「さ、どうぞ。入らないと帰さないお」

川 ゚ 々゚)「……」

川 ゚ 々゚) チッ

バタン




パッ

('(゚∀゚∩

川 ゚ 々゚)「…?」

('(゚∀゚∩「イ…」

('(゚∀゚*∩「イヤッホォォォォォウ!!!」

川 ゚ 々゚)

('(゚∀゚*∩「久しぶりのお客さんだよ!!歓迎するよ!!」

川 ゚ 々゚)「うるさい」

('(゚∀゚∩「まぁまぁ気にしない気にしない!こっちへどうぞ、だよ!」

342 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 18:08:10.12 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

343 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 18:08:54.44 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

344 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:15:49.65 ID:???
川 ゚ 々゚) チッ




川 ゚ 々゚)「そう」

('(゚∀゚∩「最近人が来なくてフラストレーション溜まってたんだよ!うん!」

川 ゚ 々゚)

川 ゚ 々゚)「あなたは」

('(゚∀゚∩「ん?」

川 ゚ 々゚)「人、殺したいって思ったことある?」

('(゚∀゚∩「ないよ!」

川 ゚ 々゚)「はやっ」




('(゚∀゚∩「いないよ!」

川 ゚ 々゚)「ふぅん」

('(゚∀゚∩「お姉さんは殺したい人がいるの?」

川 ゚ 々゚)「いるわ、いっぱい」

川 ゚ 々゚)「どうして殺させてくれないのかって思うぐらい」

('(゚∀゚∩「へぇー…」

('(゚∀゚∩「そっかぁ。それで支配人さん、ここに連れて来たんだぁ」

川 ゚ 々゚)「何の話?」

('(゚∀゚∩「ううん、なんでもないよ!」




('(゚∀゚∩「?」

川 ゚ 々゚)「平和な脳味噌してるのね」

川 ゚ 々゚)「嫌いな人がいないなんて」

('(゚∀゚∩「あはは、まぁね!」

('(゚∀゚∩「何なら見てみる?」

川 ゚ 々゚)「何を?」

('(゚∀゚∩「へへへ」

345 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:16:19.79 ID:???
('(゚∀゚∩「の・う・み・そ!」

川 ゚ 々゚)「は?」




(;;(;;;∀::゚∩「あは、あはははは」

川 ゚ 々゚)「な…」

(;;(;;;∀::゚∩「み、見える?のう、みそ」

川 ゚ 々゚)「何してんの、あんた」

(;;(;;;∀::゚∩「はや、く、みない、と」

(;(;;∀:゚∩「なお、っちゃう」

川 ゚ 々゚)「治る?」

('(゚∀゚∩「…って、遅かったよ…」

川 ゚ 々゚)

川 ゚ 々゚)「何なの、あんた」




川 ゚ 々゚)「何なのって聞いてるの」

('(゚∀゚∩「え?ああ、言ってなかったよ」

('(゚∀゚∩「僕は『人間サンドバッグ』。どんな傷もたちまちこの通り、不死身なんだよ!」

川 ゚ 々゚)「不死身…って…」

('(゚∀゚∩「そうだ!お姉さん殺したい人がいるんだよね!」

('(゚∀゚∩「だったら予行演習とかどう?ほら、凶器なら」

ズララララッ!

('(゚∀゚∩「死ぬほどあるよ!」




('(゚∀゚∩「最初は何がいいかなぁ…釘バットは自分で使っちゃったし」

川 ゚ 々゚)「あんた…正気…?」

('(゚∀゚∩「?正気だよ?痛いの、好きだし」

川 ゚ 々゚)「……」

('(゚∀゚∩「何固まってるの、お姉さん」

346 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:16:50.09 ID:???
('(゚∀゚∩「人を殺してもいいって思ってるんでしょ?はい」

川 ゚ 々゚)「…ナイフの握り方なんて知らないわ」




グサッ!!

川 ゚ 々゚)「…ッ」

('(゚∀゚∩「こ、こうやって、おなか、にさし、て」

グリグリグリグリ

('( ∀ ∩「ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり」

川 ゚ 々゚)「……」

ズボォッ!!

('(゚∀゚*∩「あは、あは、はぁ…どう?」

川 ゚ 々゚)

('(゚∀゚∩「気持ちいいでしょ?」

川 ゚ 々゚)「…眩暈してきたわ」




('(゚∀゚∩「じゃあ次、これだよ!」

('(゚∀゚∩「じゃーん!チェーンソー!」

川 ゚ 々゚)「…ばかじゃないの…あんた…」

ヴィィィィィィィィィィ

('(゚∀゚∩「はい、持って持って」

川;゚ 々゚)「ちょっ、重っ!?」

ババババババババババババババババババババババババ

('(゚∀;;;;;「きっ」

;;;;;;;゚∩「たああああああああああああああああああ!!!!」

川;゚ 々゚)「う…」




('(゚∀;;;;;「どう、したの、おね、え、さん」

川; 々 )

347 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:17:20.38 ID:???
('(゚∀;;;;;「かお、まっさお」

('(゚∀;;゚∩「だ、けど」

('(゚∀゚∩「ふぅ」

('(゚∀゚∩「ま、いいや。次々ーっと」

('(゚∀゚∩「何がいいかなー…たまには拷問器具でも使ってみようかなー…」

川;゚ 々゚)「…や、やめて」

('(゚∀゚∩「…何で?」




('(゚∀゚∩「どうして人を殺させてくれないのかって」

('(゚∀゚∩「殺したいんでしょ?人」

川;゚ 々゚)「……」

('(゚∀゚∩「殺してよ」

('(゚∀゚∩「僕を殺してよ」

('(゚∀゚∩「僕、お姉さんみたいな人に殺されるの大好きだよ」




('(゚∀゚∩「次はどうする?」

('(゚∀゚∩「アイアンメイデンに放り込まれてもいいし、スプーンで目玉をくりぬくのもいいし」

('(゚∀゚∩「あ、耳でも削ぐ?それから指を一本ずつ切り落とすなんてのもおつだと思うよ」

川;゚ 々゚)「…い…嫌よ…」

('(゚∀゚∩「そう」

('(゚∀゚∩「じゃ、無理やりやってもらおうかな」

川;゚ 々゚)「!!」

('(゚∀゚∩「ここって何でもありなんだよ、お姉さん」

('(゚∀゚∩「体、動かないでしょ?僕が動かしてあげるよ」



('(゚∀゚∩「はい、包丁」
川;゚ 々゚)

('(゚∀゚∩「喋らないほうがいいよ!舌噛むよ!」

ザグゥッ!

('(゚∀゚∩「ひひ、左耳」

348 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:17:50.51 ID:???
ザグゥッ!

('(゚∀゚∩「右、も」

ザグゥッ!

('(゚∀゚∩「あ…てくびか、らいっちゃ、ったよ」

ザグゥッ!

('(゚∀゚∩「ひひ、ひじも、いらない、よ」

('(゚∀゚∩「あ、あはは、あははははは、すぴーど、あげ、る、よ」

ザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグ

川;゚ 々゚)

ザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグザグ




(;;;::;∀#;;「いい、いた、いたたたい、よよ」

(;;;::;∀#;;「おお、おね、おねねねええええええさん、んんん」

(;;;::;∀#;;「たのしい?」

川  々 )「……わけ……」

川  々 )「…楽しい…わけ…ないでしょ…」

(;;;∀;

(;゚:;∀゚「どうして?」

(゚∀゚∩「殺したいって言ってたのに」

('(゚∀゚∩「楽しくないなんておかしいよ」

('(゚∀゚∩「お姉さんがやりたかったの、こういうことでしょ?」




('(゚∀゚∩「何が違うの?」

('(゚∀゚∩「殺すってこういうことだよ」

('(゚∀゚∩「相手の体を、魂を、何もかもを」

('(゚∀゚∩「ばっらばらにするってことだよ」

('(゚∀゚∩「ほら」

グサッ!!

川 ゚ 々゚)「…また…」

349 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:18:20.71 ID:???
('(゚∀゚∩「まだ誰かを殺したいって思う?」

川 ゚ 々゚)「…ここまでされて…思う方がどうかしてるわ…」

('(゚∀゚∩

川 ゚ 々゚)「…ここまでされないとわからないなんて…ほんとどうかしてるわ、私」

('(゚∀゚∩「うん、そうかも」




('(゚∀゚∩「うん」

川 ゚ 々゚)「ったく…誰よ…実感するほうが楽しいなんて言ったの…」

('(゚∀゚∩「でも、実感しなきゃ納得できなかったでしょ?」

川 ゚ 々゚)「…まぁ、ね。私、ヒネてるから」

('(゚∀゚∩「わかってもらえてよかったよ!僕も痛いのを我慢した甲斐があったよ!」

川 ゚ 々゚)「…え?」




('(゚∀゚∩「当たり前田のクラッカーだよ!」

川 ゚ 々゚)「ふるっ」

('(゚∀゚∩「痛かったけど、お姉さんが人殺しになるのは嫌だったんだよ!」

川 ゚ 々゚)「…あんた、正気じゃないわ」

('(゚∀゚∩「えっへん」

川 ゚ 々゚)「誉めてない」




('(゚∀゚∩「でも、やっぱり殺しちゃいけないんだよ」

('(゚∀゚∩「誰も得しないもん」

川 ゚ 々゚)「自分も痛いし」

('(゚∀゚∩「そうそう。どうせやるなら、痛くないことのほうがいいよ!」

川 ゚ 々゚)「…ええ」




川 ゚ 々゚)「…はぁ」

350 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:18:57.44 ID:???
('(゚∀゚∩「?」

川 ゚ 々゚)「いや…えらく疲れたなって…」

('(゚∀゚∩「自業自得だよ!」

川 ゚ 々゚)「…そう?」

('(゚∀゚∩「これに懲りたら、バイオレンスな考えは止めた方がいいよ!」

ガチャ

('(゚∀゚∩「でないとまた僕のところに来ることになるよ!」

川 ゚ 々゚)「二度と来ないわよ」

バタン

('(゚∀゚∩「…うん。それでいいんだよ!」




川 ゚ 々゚)

( ^ω^)

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)

(^ω^)「なにこのひとこわい」




( ^ω^)「ん」

川#゚ 々゚)つ)ω゚).・。゚ ゴファ

(#)ω゚)

(#)ω゚)「何すんねん」

川 ゚ 々゚)「ガキにやらせるアトラクションじゃないでしょう」

(#)ω^)「…誰に何やらせようと僕の勝手だお」

川 ゚ 々゚)「だからって」

(#)ω^)「そのアトラクションに諭されてる奴に言われたくないお」

川 ゚ 々゚)「ぐ…」




川 ゚ 々゚)「うるさい。『殺したい』とか言うよりマシ」

351 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:19:27.53 ID:???
(#)ω^)「…ま、そりゃそうだお」

川 ゚ 々゚)「私はもう来ないけど」

川 ゚ 々゚)「このままにしておいたら殺すわよ」

(#)ω^)「お前成長したのかしてないのかどっちなんだお」




(# ^ω^)「ったく!もうさっさと帰れお!」

川 ゚ 々゚)「そうする」

(# ^ω^)「ここを真っ直ぐ行けば元の世界だお!」

川 ゚ 々゚)

( ^ω^)「なんだお、またガン見して」

川 ゚ 々゚)「…いや」

川 ゚ 々゚)「さようなら」

( ^ω^)

( ^ω^)ノシ「ばいぶー」




ガチャ

('(゚∀゚∩「…お姉さん、帰った?」

( ^ω^)「ん」

('(゚∀゚∩「あれ?支配人さんなんか頬っぺた汚れてるよ?」

( ^ω^)「ガキにやらせるアトラクションか、って殴られたんだお」

('(゚∀゚∩「…僕がやりたいって言ったのに」

( ^ω^)「そんな事情向こうが知ってるわけないお」

( ^ω^)「教える必要もないし」

('(゚∀゚∩「でも、そのせいで支配人さん殴られちゃってるよ…」

( ^ω^)「君は君のやるべきことをやった。僕は僕のやるべきことをやった。それだけだお」




( ^ω^)「それより、君。今ので十人目だおね」

352 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:46:17.04 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき
信平の悲劇を繰り返すべきではない

353 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 22:46:50.66 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

354 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 23:07:21.62 ID:???
('(゚∀゚∩「…そうだよ!」

( ^ω^)「おめでとう」

('(゚∀゚∩「うん!」

( ^ω^)「これで君も晴れて転生ってわけだお」

( ^ω^)「次の人生も思いっきり生きてやるんだお!未練なんて残すんじゃあないお!」

('(゚∀゚∩「わかったよ!」




( ^ω^)「元気でやれお」

('(゚∀゚∩「さようなら!」

( ^ω^)「達者でおー」

( ^ω^)ノシ

( ^ω^)ノシ

( ^ω^)




( ^ω^)「…さて…」

( ^ω^)「えーっと、今ので何人目だったかな」

( ^ω^)「…あ」

( ^ω^)「もうすぐ僕の出番も終わりか」

( ^ω^)「長かったような、短かったような…」

「……」

( ^ω^)「っとと、感傷に浸っている場合じゃないおね」

( ^ω^)


( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」





( ^ω^)ブンダーランドのようです 閉園

355 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 23:07:51.97 ID:???
( ^ω^)ブンダーランドのようです 最終話 ξ゚听)ξ
しかしそれも今日で終わりだ。

ξ゚听)ξ「…何なのよ、ここ」

これまた毎日眺めてきた門の前に、女が立っていた。
スカートの埃を払う程度の仕草にもどこか育ちの良さを感じる。
恐らく両家のお嬢様なのだろう。
まぁ、そんなことはここでは何の意味もないことだが。

着ぐるみの中で精一杯の笑顔を作りながら、俺は彼女に話し掛けた。

( ^ω^)「こんにちは、お嬢さん」



着ぐるみに話し掛けられたのだから無理もない話だ。

ξ゚听)ξ「あなたは誰?」

( ^ω^)「僕はここのマスコットだお」

ξ゚听)ξ「マスコットが話していいの?」

( ^ω^)「そういうところ、うちは緩いんだお」

そう、と言って女は周りを見渡した。
どんなに見ても見覚えなどあるはずのない景色を。

ξ゚听)ξ「変なところね」




ξ゚听)ξ「どこなの、ここ」

( ^ω^)「やっと聞いたおね」

咳払いを一つし、いつもの答えを返す。

( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ」

ξ゚听)ξ「ふぅん…」

自分から聞いた割に随分そっけない返事だ。
ここがどこかについてはそう興味もなかったらしい。

ξ゚听)ξ「帰りたいのだけど」

( ^ω^)「それはできないお」

…帰してやりたい気持ちはあるけども。




帰る気もさほどないようだ。
どうも無気力な女だ。はっきり言って、得意なタイプではない。
とはいえ、マスコットが客を選ぶわけにはいかない。

356 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 23:30:01.54 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

357 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/07(月) 23:30:37.72 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

358 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 07:08:16.12 ID:???
( ^ω^)「ここについて、説明しとくかお?」

ξ゚听)ξ「ええ、お願い」

一応話を聞く気はあるようだ。

( ^ω^)「さっきも言ったけど、ここはブンダーランド」

( ^ω^)「夢の世界の遊園地だお」

ξ゚听)ξ「…夢?」




意識と無意識の境目、夢。その曖昧な世界の中にこの遊園地は生まれる。

ξ゚听)ξ「何のためにある場所なの?」

( ^ω^)「訪れた人の悩みを解消するためだお」

ξ゚听)ξ「へぇ。有意義な遊園地なのね」

( ^ω^)「そう、有意義なんだお」

来る側にとっても、来られる側にとっても。




( ^ω^)「…まぁ、着いてくればわかるお」

ξ゚听)ξ「そう」

俺は後ろに女を連れて歩き出した。
目的地はもう決まっている。

ξ゚听)ξ「色々あるのね…乗り物」

( ^ω^)「遊園地、来たことないのかお?」

ξ゚听)ξ「ええ。一回もないわ」

今時珍しい女もいたものだ。

( ^ω^)「…ああ、なるほど

ξ゚听)ξ「?」




ξ゚听)ξ「そう」

それから十分程歩きつづけたが、女はアトラクションを見回しつづけていた。


( ^ω^)「さて、着いたお」

ξ゚听)ξ「ここが目的地?」

359 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 07:08:46.05 ID:???
( ^ω^)「そう」

懐からいつもの鍵束を取り出す。
これを使うこともなくなると思うと、少しだけ感慨深かった。




( ^ω^)「その想像は合ってると思うお」

ここはアトラクションではないのだから。

( ^ω^)「さ、こっちだお」

廊下を少し歩き、先程よりも簡素な造りの扉を開いた。
部屋の中にあるのは長机一つと椅子が二脚。

ξ゚听)ξ「小さな部屋ね」

( ^ω^)「面接会場なんてこの程度でいいんだお」

ξ゚听)ξ「え?」




( ^ω^)「あ、君はそっちね」

長机側の椅子に腰掛けながら女に着席を促す。
渋々、といった様子で女が座ったのを見計らい、ポケットから例の紙を取り出した。

( ^ω^)「これからいくつか質問をさせてもらうお」

ξ゚听)ξ「…どうぞ」

紙に書かれた個人情報を読み上げていく。

( ^ω^)「君の名前は津出ツン。年は二十三」

ξ゚听)ξ「合ってるわ」

最後の一行以外、全てを読み上げた。
どうやら彼女が津出ツンであることは間違いない。




紙に書かれていた彼女の肩書きは、『津出財閥令嬢』。
津出財閥といえば、俺が生きていた頃にも随分有名だったところだ。
あれから随分経ったが未だに繁盛しているらしい。

ξ゚听)ξ「…どうでもいいことよ。それより」

苛立ちを隠そうともせず、彼女は聞いてきた。

ξ゚听)ξ「面接って何なの?」

( ^ω^)「君がここで働けるかどうか、その面接だお」

360 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 08:34:17.01 ID:???
野里は大学関東に行かないんだな
拓大とかに誘われてたのになんで八戸とか変なとこに

361 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 08:54:47.64 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

362 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 11:56:29.84 ID:???
ξ゚听)ξ「…悪いけど、こんなところで働く気は」

( ^ω^)「あろうとなかろうと話は聞いてもらうお」

ξ゚听)ξ「……」



しかし今回は少しだけ、説明内容が違った。

( ^ω^)「君にやってもらう仕事は、ここの支配人だお」

ξ゚听)ξ「いきなり支配人なの?」

( ^ω^)「うん。今は僕がやってるんだけど、そろそろ終わりの時期だから」

彼女がこの話を請けてくれるなら、俺の役目は終わりだ。

( ^ω^)「支配人といっても大した仕事じゃないお」

園内の地図を取り出し、彼女に見せた。




ξ゚听)ξ「それだけ、って…どれだけあるのよ、アトラクション」

( ^ω^)「さぁ?数えたことないからわからんお。一応中身は全部把握してるけど」

ξ゚听)ξ「そんなの無理よ…」

( ^ω^)「ま、これは慣れだおね」

地図を閉じ、再びポケットにしまいこんだ。
重要なのはここからだ。恐らく、次に彼女から来る質問は『何故自分なのか』。

ξ゚听)ξ「何で私がそんなこと…」

予想通りだった。




彼女の履歴書を取り出した。

( ^ω^)「ここに来るには、二つ条件があるんだお」

( ^ω^)「まず一つ。大きな未練を抱えていること」

( ^ω^)「そして二つ」

ゆっくりと履歴書を表に返し、彼女に見せる。

( ^ω^)「既に死んでいる人間であること」

ξ゚听)ξ「…あ…」

( ^ω^)「最後の行、読めるかお?」

363 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 11:57:00.49 ID:???
そこには、『車に轢かれ事故死』と書かれていた。




ξ゚听)ξ「…ええ。嫌ってほど」

( ^ω^)「んじゃ、話の続き」

できるだけ淡々と、俺は話す。

( ^ω^)「あんたにできる選択は二つある」

( ^ω^)「一つはここで支配人として働き、来世に望みをかけること」

ξ゚听)ξ「来世って?」




ξ゚听)ξ「……」

( ^ω^)「支配人の場合、一万人をアトラクションに案内することがノルマになってる」

一万人。普通の遊園地なら大したことのない数字。
だが一日数人も来るか来ないか程度のここでは、随分と大きな数字だ。

ξ゚听)ξ「長いわね」

( ^ω^)「大したことじゃない」

ここで過ごした時間は長かったが、不思議と退屈ではなかった。

( ^ω^)「…で、もう一つの選択。消えることについて」

( ^ω^)「これは文字通り。完全に存在が抹消される。来世はないけど、悩む必要もなくなる」

ξ゚听)ξ「……」




( ^ω^)「どうしても働きたくないならそれもよし」

( ^ω^)「未練を晴らしたいならそれもよし」

( ^ω^)「…どっちにするかは、君次第だお」

ξ゚听)ξ「……」

彼女は長いこと黙っていた。俺も黙っていた。



ただ、できれば生きる選択をして欲しかった。
未練を抱えたまま死ぬことの辛さはよくわかっている。
だからこそ、その辛さを抱えたまま消えて欲しくない。
いつも面接の時に思っていることだった。

364 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 12:26:40.36 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

365 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 12:27:11.47 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

366 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 12:54:12.59 ID:???
何分かして、彼女はようやく口を開いた。

ξ゚听)ξ「働きます」

彼女の言葉は力強かった。

( ^ω^)「…良かった」




( ^ω^)「その方がすっきりできると思うお」

ここで話さなければ、彼女はきっとその機会を失うだろう。
自分の経験上、それはわかっていた。

ξ゚听)ξ「ありがとう」

一言礼を言い、彼女は話し出した。

ξ゚听)ξ「私、お嬢様だったけど…それが嫌だった」

ξ゚听)ξ「生まれたときから色々決められて…生きるのが辛いって思ってた」




ξ゚听)ξ「生きたい、って…初めて思ったの」

ξ゚听)ξ「こんなところで、自分のやりたいこともやらずに死ぬなんて」

ξ゚听)ξ「絶対に嫌だって思った」

生きたい。それは、単純な未練だ。
しかし単純だからこそ、強い未練になる。




ξ゚听)ξ「だから次は、もっと生きたい」

ξ゚听)ξ「それに、私みたいに困ってる人がいるなら…助けたい」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「良かった。あんたになら任せられる」

着ぐるみの頭に、手をかけた。




ξ゚听)ξ「…もしかして、これも受け継ぐの?」

( ・∀・)「ああ。もちろん」

ξ゚听)ξ「……」

きっと臭いやら暑さやらを気にしているのだろう。
異を決したように、彼女は頭を被った。

367 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 12:54:43.36 ID:???
( ^ω^)「意外と軽いのね」

( ・∀・)「夢の国だからさ」

何故かこういうところは都合良くできているのがこの世界だ。




( ^ω^)「こういうことかお?」

( ・∀・)「そう。できるだけそうやって喋るんだ」

マスコットキャラはイメージ商売だ。どこの世界でも、これは変わらない。
特にここでは、親しみやすいキャラクターを演じることが重要になる。
そうすることで相手の悩みを引き出すのが支配人の役目だ。

( ^ω^)「結構大変ね…お」

( ・∀・)「俺もたまに地が出たからなぁ」

特に昔の同級生が来た時は無駄に感情的になってしまった。
あいつは今、しっかりやっているのだろうか。




悩みを聞き出せればそれに越したことはないが、それができない場合もある。
人に話したくない悩みを抱えている人間もいるからだ。
そういう時は、人の言動から判断しなければならない。

( ^ω^)「難しそうだけど…」

( ・∀・)「慣れだ」

( ^ω^)「結局そうなるのかお…」

( ・∀・)「気持ちさえあればすぐにわかるようになる」




( ・∀・)「それがなければ…この仕事は続かない」

( ^ω^)「…わかったお」

( ・∀・)「よし。じゃあ一つ頼みたいんだが」

振り返り、背中を新支配人に向ける。

( ・∀・)「チャックを降ろしてくれ」

( ^ω^)「こっちも受け継ぐのかお…」

乙女には辛いだろうが、これも決まりだ。



着ぐるみがないせいか、やたらと明るく感じられた。

368 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 14:00:25.79 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

369 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 14:00:56.49 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

370 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 14:45:29.99 ID:???
( ^ω^)「これであなたも来世行き…なのかお?」

( ・∀・)「ああ」

それにしても随分上手く語尾を使いこなしている。
適応力は十分らしい。

( ^ω^)「…嫌ならいいんだけど」

( ・∀・)「ん?」

( ^ω^)「あなたの未練は、何だったんだお?」

( ・∀・)「……」




二人の女の顔が思い浮かんだ。

( ・∀・)「娘が生まれてすぐ、俺は病気で死んじまってな」

( ・∀・)「嫁と娘のことを思うと、死んでも死に切れなかった」

( ^ω^)「それでここへ来た、と」

( ・∀・)「そういうこと…まぁでも俺は恵まれてるほうだよ」

二度と会うことはできないと思っていた二人と、再会できたのだから。




( ^ω^)「来世って、どこから行くんですお?」

( ・∀・)「この遊園地の入り口。客も係員も、帰るときはそこからと決まってる」

二人で入り口へと歩いていく。
今まで自分が着ていた着ぐるみと一緒に歩くのは中々奇妙な気分だった。

( ・∀・)「……」

( ^ω^)「名残惜しいんですかお?」

( ・∀・)「…まぁな」

俺の歩みが遅くなったのを見逃さなかったらしい。
早速教えを実践しているようだ。




( ・∀・)「元から居た人も少しは残ってるけど…大体はそうかな」

( ^ω^)「…挨拶とかは」

( ・∀・)「必要ない」

371 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 14:46:00.26 ID:???
言い切った。
そもそも向こうが知っているのは俺の隣にいるマスコットなわけで、俺が会いに行っても誰かわからないだろう。
そう伝えると、着ぐるみは俯いてしまった。

やがて、入り口が見えてくる。




( ^ω^)「…あの。少しだけ、ここで待っててもらえませんかお?」

( ・∀・)「…?構わないけど」

( ^ω^)「すぐに済みますお」

着ぐるみはおぼつかない足取りで、どこかへと駈けていった。
一体何をするつもりなのだろうか。

それから、体感時間で五分ほど後。
彼女の企みがわかった。




俺の任期では一度も使わなかったスピーカーが唸りを上げていた。

『…繰り返しますお。従業員の皆さんは、至急入り口のところに集まってくださいお…』

徐々に顔見知りの係員たちが集まってくる。
その中の一人が話し掛けてきた。

('A`)「…もしかして、着ぐるみの…?」

( ・∀・)「……」

他の係員たちも、俺の方を見ていた。
どうやら皆、俺が誰なのかわかっているらしい。

( ・∀・)「…良くわかったな」

('A`)「…やっぱりそうですか」




('A`)「何となくです」

やがて、彼女は戻ってきた。
あいかわらず足元はおぼつかない。

(;^ω^)「はぁ、はぁ…皆集まりましたかお?」

( ・∀・)「ああ…大体いるんじゃないか」

(;^ω^)「良かった…」

( ・∀・)「必要ないと言ったんだけどね…」

( ^ω^)「…でも、皆お礼ぐらい言いたいと思ってるはずですお」

372 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 14:46:37.20 ID:???
その言葉に、その場にいた全員が頷いていた。
…本当にお節介な女だ。




|  ^o^ |「じき しはいにんは わたしだとおもっていました」

| ^o^ |「それは ありえません」

( ∵)「私たちがここにいるのもあなたのおかげですから」

(#゚;;-゚)「感謝してる」

( ・∀・)「俺は仕事を全うしただけだ」

('A`)「それでも、です」

( ・∀・)「…そうか」

知らないうちに色々感謝されていたようだ。

( ・∀・)「どうもくすぐったいな…」




( ・∀・)「お前…」

J( 'ー`)し「人の厚意は素直に受け取っておくものよ」

( ・∀・)「…ああ。そうする」

短いやり取り。それで十分だった。
集まった皆に背を向けて、出口を見据える。

( ^ω^)「あの!」

新支配人の声が聞こえた。

( ^ω^)「来世もしっかり生きてくださいお!」

( ・∀・)「言われなくてもそのつもりだ」

次は未練なんて残さない。
死ぬ時は笑って死んでやる。

俺は、ブンダーランドを後にした。




('A`)「そうですね」

ノパ听)「ところで、あんたが新しい支配人なのか?」

( ^ω^)「そうだお。よろしく頼むお」

|  ^o^ |「つぎは ぜひわたしを」

373 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 14:47:07.86 ID:???
| ^o^ |「とりあえず だまりなさい」

( ∵)「さて、持ち場に戻りましょうか」

(#゚;;-゚)「ん」

J( 'ー`)し「お客さんが来てもいけないしね」




( ^ω^)「前のあの人、凄かったんだおね」

( ^ω^)「私…じゃなくて、僕も頑張らなきゃいけないお!」

( ^ω^)「よし!やる気出てきたお!」

「……」

( ^ω^)「あ…」

( ^ω^)「えっと最初に言うのは…うん、そうだお」

( ^ω^)コホン


( ^ω^)「ブンダーランドへようこそ!」




「ん。どうしたんだ、坊主」

「…お母さんがいなくなっちゃって…」

「ああ、迷子か…どうしたもんかな」

「どうかしたんですか?」

「あ、この子が迷子になったらしくて」

「そうなんですか…おじさんはショボンっていうんだ。君は?」

「…モララー」

「あたしはハイン。よろしくな、坊主」

「それじゃ、一緒にお母さん探そうか」

「…うん!」





( ^ω^)ブンダーランドのようです 閉園

374 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:34:21.64 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

375 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:34:52.35 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

376 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:44:29.13 ID:???
( ^ω^)だから、Give you smileのようです

―――ギャァ―――オンギャア―――


自室に響く新しい命の声。
明るく―――強く灯った命の灯火。

喧騒に包まれた部屋の中、その音だけが耳についた。


「ほら、ツン。元気な女の子だお」


生まれたばかりの我が子をタオルで優しく包み、彼女の目の前まで持ってくる。
彼女は小さく微笑み、その白く細い指で子供の頬を撫でた。
そして、その微笑みを僕に向け、何かを呟く。


「……ん…………て………」


背後で助産師さんと医者が何やら大声で叫んでいて、彼女の声は僕に届かなかった。


だから僕は、彼女に―――――………

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ζ(゚ー゚*ζ「ごちそーさまでした!」


( ^ω^)「おっ。全部食べたお。偉いお」


ζ(^ー^*ζ「えへへ……」


幸せな家庭のとある1コマ。
エプロン姿の男が笑いながら小さな女の子の頭を撫でる。

女の子は水色の園服に身を包んでいて、胸につけたひまわりをかたどった名札には『ないとうでれ』と書いてあった。


町の外れにある小さなアパート。
そこでブーンこと内藤ホライゾンと、その娘であるデレが暮らしている。
ブーンは地元の工場で働いていて、収入は多くないにしろ、2人が暮らして行くには十分な程は稼いでいた。
近所でも評判の仲良し父娘で、いつも笑顔が絶えない家族だと周りから言われている。
ただ……


( ^ω^)「じゃ、ごはん食べ終わったらお母さんにあいさつだお」


ζ(゚ー゚*ζ「うん」

 

377 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:44:59.62 ID:???
デレの母親、つまりはブーンの妻……内藤ツンは、デレを産んだ際に亡くなってしまった。
笑顔で満たされた家庭ではあったが、あるべき物を失ってしまった家庭でもあるのだ。

家庭を満たす笑顔は、その寂しさを紛らわせる物のような、そんな感じがした。


ζ(゚ー゚*ζ「おかあさん、いってきます」


小さな手のひらを合わせ、デレは写真の中の母へ挨拶をすませる。
その表情に寂しさを思わせる色はどこにも見られなかった。

入れ替わりに写真の前に立つブーンは、やはり柔らかい笑顔で―――


「行ってくるお、ツン」


―――窓の外で、雀が二羽戯れていた。
―――朝日が差して、写真とその隣に置かれた一輪の花を照らす。

しばし、時が流れた。
やがてデレが居間に戻ってくる。
その目に映ったのは、亡き母の写真の前で寂しそうに立ち尽くす父の姿だった。

 

ζ(゚、゚*ζ「……おとー……さん?」


( ^ω^)「ああ、ごめんお。もう行く時間だおね」


娘の声を聞いて、ブーンは慌てて振り返った。
……これ以上無いくらいの明るい笑顔で。

その顔を見て、少し心配そうな面持ちだったデレも笑顔に戻り、そそくさとブーンの手を取って玄関へと引っ張っていく。

ブーンは困ったような、そんな笑顔でデレの後をついて行った。
玄関で靴を履き、外へ出る。
扉を閉める前に、ブーンはもう一度だけ「行ってくるお」と呟いた。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

初めて会ったとき、僕らは正反対の存在だった。
弱虫ですぐ泣く僕と、気が強くて男勝りな彼女。

幼稚園でいじめられてる僕を助けてくれたのは、いつも彼女だった。
僕がお礼を言うと、彼女は決まって


「いつまでないてるの!おとこのこなんだからいいかげんなきやみなさい!」

378 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:45:29.92 ID:???
そう僕を叱りつけた。
でも、一度泣いてしまったらなかなか泣きやめないものだ。

だから僕は泣かないように、普段からいつも笑顔でいるように心がけた。
そうしたら、余計にいじめられた。

いじめられてるのに笑ってるから、さらにいじめられた。

でも彼女は


「なかなかったじゃない、えらいえらい」


そう僕を誉めてくれた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


2人の家から徒歩10分。
そこにデレの幼稚園があった。

門の前には優しい笑みをたたえた女性が立っていて、それを園児や保護者にいかんなく振りまいていた。


川 ゚ -゚)「おはようごz……なんだブーンか」


( ^ω^)「ちゃんと挨拶しろお」

川 ゚ -゚)「お前もな」


ζ(゚ー゚*ζ「クーせんせー。おはよーございます」

川 ゚ー゚)「おはよう、デレちゃん。デレちゃんはちゃんと挨拶できて偉いな」


( ^ω^)「おはようございます、クー先生」

川 ゚ -゚)「なんだ突然。気色の悪い奴だな」

( ^ω^)「おい」

 
彼女、素直クールはブーンとは中学時代からの付き合いで、ツンの友人だった女性だ。
現在はデレの通う幼稚園の教員をしている。


( ^ω^)「じゃあデレ。とーちゃんは仕事に行くからクー先生の言うことをちゃんと聞いて、いい子でいるんだお」


ζ(゚ー゚*ζ「わかった!いってらっしゃい!おとーさん」


( ^ω^)「じゃあクー、頼んだお」

川 ゚ -゚)「うむ。任せておけ」

379 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:45:43.30 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

380 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:46:00.02 ID:???
ブーンはクーにそう言うと、一度だけデレの頭を撫でてその場を後にした。
デレはその背中が見えなくなるまでそこを動かないでいた。
父の背をじぃっと見つめるその瞳には、どこか寂しそうな色が伺えた。


川 ゚ -゚)「……さぁ、そろそろ中に入ろうか」


ζ(^ー^*ζ「うん!」


クーの言葉にデレが笑顔で答える。
……父親譲りの明るい笑顔で。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


放課後、空が赤くなるまでめいっぱい遊んでから家に帰っても、僕は一人だった。
父は仕事で、母は僕がまだ小さいときに亡くなってしまったから。

でも、寂しいと思ったことは一度もなかった。
父は僕を母の分まで愛してくれたから。
仕事が休みの日にはいつも遊びに連れていってくれたし、そうでなくてもよく遊んでくれる。

そして父は僕にとって一番尊敬できる、強い人だった。
いつも笑顔でいてくれて、僕を元気づけてくれた。

父の笑顔を見たら憂鬱な気分もどこかへ行ってしまうのだ。


だから僕もこれからはずっと笑顔でいようと心に決めた。
いじめられても泣かないように。
誰かを元気づけられるように。
また彼女に誉めてもらえるように―――


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 
(*゚ー゚)「せんせーさようなら」

川 ゚ー゚)「うん。さようなら」


(*゚ー゚)「デレちゃんもさようなら」

ζ(゚ー゚*ζ「しぃちゃんばいばーい」


時刻は2時を少し回った頃。
園児達は各々の母親に連れられて家路に着いていた。

しかし家庭の事情でどうしてもこの時間に迎えに来ることができない子供もいる。
デレもその1人だった。


从'ー'从「デレちゃ〜ん。こっちでおままごとしよ〜」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。いいよー」

381 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:46:14.22 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

382 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:46:53.16 ID:???
 
そんな子供達の中で一番デレと仲がいいのが渡辺だ。
両親が共働きで、彼女はいつも遅い時間まで幼稚園で待たされている。


从'ー'从「わたしおかあさん。デレちゃんはかわいいひとりむすめね」

ζ(゚ー゚*ζ「おとーさんは?」

从'ー'从「おとうさんは……」


川 ゚ -゚)「ふむ、では私がやろう」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、クーせんせー」

从'ー'从「じゃあせんせーはいじわるなおしゅうとさんね」


川 ゚ -゚)「あぁ、嫁をいびる姑をばっちり演じて……ん?」

 
渡辺の家庭内の状況も、あまり思わしいものではなかった。
父親はジャーナリストで、国内の様々な場所を旅している。
しかしなかなか実入りが悪く、近所のスーパーで働く妻の収入にすら及ばないほどだった。


从'ー'从「さあ、ばんごはんができましたよ」

ζ(゚ー゚*ζ「わーい!」

川 ゚ -゚)「遅い。年寄りを餓死させる気か」

从;'ー'从「す、すいませんおかあさま……」


ζ(゚ー゚*ζ「いただきます!もぐもぐ、おいしいねー」

川 ゚ -゚)「辛い。なんだこの味噌汁は。こんな辛い味噌汁飲んでたら早死にしちまうよ。
あんたは私にとっとと死ねって言いたいのかい?え?」

从;'ー'从「もうしわけありません……おかあさま」


ζ(゚ー゚*ζ「クーせんせーすごーい。ひるどらのおしゅうとめさんそっくり」


川 ゚ -゚)(しまった。父親役をやるつもりがノリノリで姑役をやってしまった)

 
从 ゚∀从「悪い。遅くなっちまった」

从'ー'从「あ、ほんもののおかあさんだ〜」


川 ゚ -゚)「その言い方は誤解を生みかねないからやめなさい」


从 ゚∀从「ああクー先生。いつもお世話になってます。すいませんね、毎度迷惑をかけて……」

383 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:47:34.33 ID:???
川 ゚ー゚)「いえ、私もこの子といる時間が楽しいので一向に構いませんよ」

从 ゚∀从「そう言ってもらえると助かりますわ。……じゃあ帰ろうぜ」


从'ー'从「うん。デレちゃん、せんせー、またあしたー」

川 ゚ー゚)「ああ。さようなら」

ζ(゚ー゚*ζ「わたちゃんばいばーい」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


いつも笑顔でいたら、いつの間にかいじめられなくなった。
それどころか、気がついたら人の輪の中心にいることが多くなった。

先生にも明るくていい子だと誉められるようになった。
友達も随分と増えた。
その代わりに彼女と一緒にいる時間が減ってしまったのが唯一の問題だった。

しかし、もっと一緒にいたいと彼女に言ったら彼女は顔を真っ赤にして怒るのだ。
その時の僕は彼女が本当に怒っているのだと思い込み、本気で落ち込んだものだ。


いつの間にか、僕は自然に笑顔でいることができるようになっていた。
少し父に近づけたような気がして嬉しかった。

彼女も、僕の笑った表情が一番気に入っていると言ってくれた。
友達も、僕の笑顔を見ていると癒されると言ってくれた。

笑顔には人を幸せにする不思議な力がある。
そう思った。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

時刻は6時を回り、幼稚園に残っているのはデレとクーだけになった。
いつもならブーンは6時には迎えに来ていたのだが、その日はなかなか姿を現さなかった。


川 ゚ -゚)「遅いな……ブーンのやつ」

ζ(゚ー゚*ζ「きっとおしごとがいそがしいんだよ」


川 ゚ -゚)「……大人だな、デレちゃんは」

ζ(゚、゚*ζ「……?あたしまだ5さいだよ?」

川 ゚ー゚)「ふふっ、そうだな」



デレは同年代の子に比べて少し大人だった。
5歳にしては気が利くし、物事を一歩引いて見ることもできる。
それでいて明るく積極的で、みんなの人気者だ。

384 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:48:13.53 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

385 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:48:44.12 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

386 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 16:54:41.58 ID:???
 
クーにはそれが不思議でならなかった。
普通、片親の子どもというものはどこかしら心に問題を持つものだ。

ましてデレはまだ5歳。
彼女の"正常"さはある意味"異常"でもあった。

母親がいない故に娘がしっかりしてきたのだろうか。
まさか、中高生ならまだしもこんな子どもがそんなことできるはずがない。
ならばブーンの教育がいいのか。
どうしてもそうは考えられない。
では一体何故―――――


クーの思考はいつもそこでストップする。
いくら考えても、理由がわからなかった。


ζ(゚、゚*ζ「……」


川 ゚ -゚)「……ん?どうしたんだ?」


ζ(゚、゚*ζ「せんせー、むずかしーかおしてた」

川 ゚ -゚)「ああ、すまない。少し考え事をしていたんだ。気にしないでくれ」

ζ(゚ー゚*ζ「なやみごと?」

川 ゚ -゚)「まぁ……そんなところだ。気にしないでくれ」


ζ(゚ー゚*ζ「じゃあおとーさんにそうだんにのってもらおうよ!」


川 ゚ -゚)「え……?」


ζ(゚ー゚*ζ「つらいことがあったり、こまったことがあったらすぐにとーちゃんにいうんだ、っておとーさんがよくいってるから。
    きっとクーせんせーのちからになってくれるよ!」


川 ゚ー゚)「……ああ、ありがとう。機会があったら話してみるよ」

ζ(^ー^*ζ「えへへ」


川 ゚ -゚)(……考えすぎか。片親ということに固執しすぎたかな)


川 ゚ -゚)(……それとも父親があいつだから……)

 
ζ(゚ー゚*ζ「あ!おとーさんだ!」


西の方からこちらへ駆けてくる父親の姿を見つけて、デレの表情は一層明るいものになった。
やはり父親がなかなか迎えに来なかったことに多少の不安と寂しさを感じていたのだろう。

387 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 17:10:09.68 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

388 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 17:10:40.66 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

389 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 17:11:08.97 ID:???
クーはそんなデレの姿にどこか安心しながら、いたたまれなさを感じた。
なぜその寂しさを、教育者である自分に見せてくれないのか、と。

隠しているわけではないのだろう。
無意識に、それを表に出そうとしていないのだ。


(;^ω^)「はぁ、ひぃ。ご、ごめんお。遅くなったお」


ブーンは全身汗びっしょりだった。
どうやらここまで走ってきたらしい。

膝に手を当て、荒い息を立てるブーンにデレはそそくさと寄っていき、
額から垂れる大量の汗を花柄のハンカチで拭ってやっていた。


ζ(゚ー゚*ζ「おとーさんすごいあせだー」

 
川 ゚ -゚)「まったく。だから免許を取れとあれほど……」

(;^ω^)「免許があっても車を買う余裕がないんだお」


川 ゚ -゚)「ん?貯金しているんじゃなかったのか?」

( ^ω^)「あれはデレの学費だお」


言いながらブーンはデレの手を握った。
優しく、それでいて離さないように、しっかりと。


( ^ω^)「小学校行って、中学に入って、高校に行って、大学に入る。
贅沢はさせてあげられなくても、せめてこれくらいはしてあげたいんだお」


クーはそれから何も言わなかった。
何も言えなかった。
ブーンのその昔からの笑顔の前では、何も……。


( ^ω^)「じゃあ帰るかお。デレもおなか空いてるお?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、おなかペコペコー」

( ^ω^)「……あ、クーも食べていくかお?」

川 ゚ -゚)「……独身の女を部屋にあげていいのか?」


( ^ω^)「お?」

川 ゚ -゚)「いや、なんでもない。せっかくだし夕飯くらい代わりに作ってやろう」


( ^ω^)「お!ありがとうお!」

390 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 17:24:48.36 ID:???
連投やめたの?
運営にこのスレ報告してるから遠慮してんのか

391 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 18:18:33.20 ID:???
川 ゚ー゚)「……ふふっ。ほら、行くぞ」


ζ(^ー^*ζ「わーい!クーせんせーとごはんー!」


デレははしゃいでクーの周りをグルグルと回った。
端から見れば、母親の周りを走り回る娘といった風に映るだろう。

だが、クーにはわかっていた。
自分では……いや、誰にも彼女の母親の代わりなど決してできないということが。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 
中学に入学して、さっそく僕は人気者だった。
彼女とは違うクラスになってしまったけれど、そのおかげで不安はなかった。

でも、僕は度々彼女のクラスまで遊びに行っていた。
彼女も人気者だった。

そんな彼女と一番仲良さそうにしている女の子がいた。
黒い長髪がよく似合った可愛い子だった。

しばしその子に見とれていると、彼女は途端に不機嫌になってしまった。
僕は一生懸命取り繕って、彼女の機嫌を戻そうとした。
そんな僕らのやり取りをその子は笑って見ていた。

その子はとても頭が良くて、テスト前にはよくお世話になった。
ただ唯一問題があるとすれば、僕がその子にばかり話を聞いていると、
彼女は決まって機嫌が悪くなり、僕はその度に彼女のご機嫌を取らなければならなくなる。

ある日、その子はそんな僕らの姿を見て一言、

「お前達はまるで夫婦みたいだな」

と言った。
彼女は真っ赤になって否定した後、僕を散々に殴ったが、心なしか随分機嫌がよさそうに見えた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


翌日、デレはいつも通り幼稚園にいた。


川 ゚ -゚)「まぁ、有名な手遊びはこれくらいだ。じゃあ、さっそくやってみるから二人組でペアを作ってくれ」


ζ(゚ー゚*ζ「なーべーなーべーそーこぬけー」

从;'ー'从「そーこがぬけたらかえり……いたたたたた」

ζ(゚ー゚*ζ「わたちゃん、まわるのそっちじゃないよー」



川 ゚ -゚)「……うん。園児の数が偶数でよかった」

392 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 19:14:16.92 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

393 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 20:21:31.90 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

394 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 21:13:35.41 ID:???
野里は大学関東に行かないんだな
拓大とかに誘われてたのになんで八戸とか変なとこに

395 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 21:43:37.17 ID:???
ξ(ФωФξ「クー先生。デレちゃんのお父さんからお電話ですわ」

川 ゚ -゚)「ん、わかった」

 
川 ゚ -゚)「もしもし、私だ」

『あ、クーかお。今晩デレを頼めるかお?』

川 ゚ -゚)「どうしたんだ、突然」


『実は機械のメンテしてたら欠陥が見つかって……。
パーツが届くのは5時以降って話だし、そこから修理してたらどれだけ時間がかかるかわからないんだお』

川 ゚ -゚)「その修理はどうしても今日しなくちゃならないのか?」

『明日現場で使うんだお。修理の代わりを他の人に頼もうにも、みんながみんな自分のことで手一杯だから……』


川 ゚ -゚)「……むう。それは困ったな」

『ダメかお?』

川 ゚ -゚)「今晩は私も外せない用事があるんだ。一応園長にも掛け合ってはみるが……まぁ無理だと思ってくれ」

 
『そうかお……。ありがとうお。仕方ないからドクオにでも頼んでみるお』

川 ゚ -゚)「ああ、わかった。……すまないな」


『こちらこそ仕事中にごめんお。じゃあ、バイバイお』


通話が切れ、ツー、ツーと電子音が一定の間隔で流れ続ける。
それなのにクーは受話器を持ったまま動かなかった。


川 ゚ -゚)(……今日も遅くまで仕事か。あいつはちゃんと休んでるのだろうか)


クーは中学の頃、今のデレとそっくりな家庭を見ていた。
産まれた時に母親を亡くし、父一人子一人で、生きてきた親子を。
それでも幸せそうに生きてきた親子を。

その人の父は、明るい人だった。
クー達が突然家に押しかけても笑顔で迎えてくれた。
痩せこけていて、笑った顔が素敵な父親だった。


川 ゚ -゚)(とりあえずデレちゃんには言っておかねばな……)

 
ζ(゚ー゚*ζ「いーとーまきまきいーとーまきまき」

从'ー'从「ひーてひーてとんとんとん」

396 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 21:44:55.69 ID:???
川 ゚ -゚)「デレちゃん、ちょっといいか?」

ζ(゚、゚*ζ「どーしたの?せんせー」


川 ゚ -゚)「ブーンだが……今日は迎えにこれないらしい」

ζ(゚、゚*ζ「えー」


川 ゚ -゚)「本当なら私が一緒にいてやりたいのだが……生憎仕事がな」

ζ(゚、゚*ζ「ひとりでおるすばん?」


川 ゚ -゚)「いや、ドクオが来るには来るみたいだ」

ζ(゚ー゚*ζ「ドクオおじさん!

 
少し沈み気味だったデレの顔がパァと明るくなった。
一方のクーはこめかみを抑えてため息をついている。


ζ(゚ー゚*ζ「ドクオおじさんいっぱいあそんでくれるからすきだよ!」

川 ゚ -゚)「む……まぁ、デレちゃんがいいならあまり口出しはしたくないが……」


ζ(゚ー゚*ζ「?」


川 ゚ -゚)「……まぁ、あまりドクオと仲良くしないことだ」

ζ(゚、゚*ζ「なんで?」


川 ゚ -゚)「あー……それはだな……。デレちゃんがドクオと仲良くしてたらブーンがデレちゃんを取られたと思うだろ?」

ζ(゚ー゚*ζ「じゃあおとーさんといっしょにドクオおじさんとなかよくする!」

川 ゚ -゚)「……まぁそういうことでいいか。とにかく、ドクオと二人きりの時はあまりドクオと仲良くしないことだ」

ζ(゚ー゚*ζ「はーい」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


二年生になっても、相変わらず僕は人気者になれた。
ある日、誰の輪にも入らずにいつも一人でいる男を見つけた。
そういうのがほっとけない性分だった僕は、彼に積極的に話しかけた。

でも言葉は返ってこない。
時おり「うぜぇ……」といったボヤキが聞こえてくる程度だった。

397 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 21:46:15.97 ID:???
周りのみんなは彼が嫌いなようだった。
彼も周りのみんなが嫌いなようだった。
だから、みんなは僕に彼に構うのはやめろと言ってきた。

彼がいじめに遭うのも時間の問題だった。
彼は泣かなかった、けれど笑いもしなかった。

僕は彼がかわいそうに思えた。
いじめられてるからじゃない、笑わないからだ。

そう思った日から僕はできるだけ彼と一緒にいるようにした。
鬱陶しがられても関係なかった。

ある日彼は「どうしてお前なんかが俺に構うんだ」と聞いてきた。
僕は君の笑った顔が見てみたいからだと答えた。
彼は一瞬キョトンとしていたが、やがて小さく笑って「そんなクサい台詞、男に言うもんじゃないだろ」と言った。
口調は相変わらずだったが、初めて彼の笑った顔が見れたので満足だった。

友達は少し減ってしまったが、代わりに大切な友達が出来た瞬間だった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

園児達が母親に連れられて家路に向かっていく。
男は、その様子をぼんやりと眺めていた。
時折門から園内の様子を覗いては、そそくさと路端に戻り、降園中の園児達へと視線を送る。


(*゚ー゚)「ねぇ、ママ。あそこにヘンなひとがいるよ?」

イ从;゚ ー゚ノi「こら!指ささないの!」


(;'A`)「…………」

ボサボサの髪に、中途半端に伸びた髭。
服はヨレヨレで、痩せこけた体躯に合っていない。
明らかに不審なその男を横目に、母親達は早足でそこを通り過ぎていく。

男も自分がどのように思われているのか気づいているらしく、くたびれた顔をさらにくたびれさせてため息をついた。

 
「ドクオおじさーん!!」


('A`)「あ……」


そんな男のもとへ元気よく駆けてくる少女が1人。
暗く、沈み気味だった男の顔が一気に明るくなっていく。


ζ(>ー<*ζ「だーいぶ!!」


(;'A`)「おわっと!?」

デレはタックルをするかのような勢いのままに男……鬱田ドクオの胸に飛び込んだ。
ドクオは少しバランスを崩しながらも、しっかりとデレを受け止めた。

('A`)「おいおい。危ないじゃないか」

398 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 21:50:51.70 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

399 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 21:51:25.31 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

400 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 22:30:22.42 ID:???
野里は大学関東に行かないんだな
拓大とかに誘われてたのになんで八戸とか変なとこに

401 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 22:33:53.40 ID:???
ζ(^ー^*ζ「えへへ……、ごめんなさーい」

 
先ほどの不審な様子はどこへやら、ドクオは優しい笑みをたたえてデレの頭を撫でる。
その笑顔は純粋で、どこにもやましいものは感じられなかった。

そしてその笑顔は、ブーンの笑顔とはどこか違った雰囲気をデレに感じさせた。


川 ゚ -゚)「怪しい男がいると聞いてきたが……お前か」

('A`)「ああ、クーか。デレを頼むとブーンに言われてな」

川 ゚ -゚)「それはこちらも把握している。不本意だが頼むぞ」

('A`)「おい、不本意ってなんだ」


ζ(゚ー゚*ζ「ドクオおじさん、おうちかえろ?」

('A`)「あ、ああ。そうだな。……じゃあな、クー」


川 ゚ -゚)「ああ」

 
まだ太陽が高い位置にあるままに帰宅することは、デレにとって久しぶりのことだった。
ドクオの手をしっかり握り、しきりに彼に話しかける。
ドクオもその都度笑顔で応答していた。


ζ(゚ー゚*ζ「ねぇドクオおじさん。おとーさんはどうしてこれなかったの?」

('A`)「あぁ、仕事でトラブルがあったみたいだ」

ζ(゚、゚*ζ「とらぶる?」

('A`)「なんでも、仕事で使う機械が壊れたりしたらしい」

ζ(゚ー゚*ζ「ふーん。おとーさんもたいへんだね」

('A`)「……」


ドクオは「大変なのは君の方だ」と言おうとして、やめた。
今言っても意味がない。
デレには理解できないことだろうし、それは彼に伝えるべき言葉なのだ。

 
ζ(゚ー゚*ζ「おうちかえったらなにしてあそぶー?」

('A`)「おー、何でもいいぞ。俺は遊び相手になるくらいしかできないから」

ζ(゚ー゚*ζ「じゃーねー!うーんとねー……」


あごに手を当てて何をするかを一生懸命考えるデレの姿は、年相応の子供らしい物だ。
楽しそうにニコニコ笑って、あーでもない、こーでもないと考えを巡らせている。

402 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 22:34:25.58 ID:???
デレの母、ツンはあまり笑わない人だった。
……いや、笑った顔を人に見せないと言った方が正しいか。


('A`)(でも……よく似ている)


ドクオはツンの幼少の頃の姿を知らない。
だがそれでも、デレはツンによく似ている。
そう思ったのだった。


('A`)(似ているから……か)


小さく呟いた言葉は青空へゆっくりと溶け込んでいく。
まだまだ日は高い。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


それは、中三の夏のことだ。
その日は良く晴れていて、学校が終わったらみんなでどこかに遊びに行かないかと話をしていたところだった。

突然、担任に呼び出されて、僕はそのまま車に乗せられた。
車の中で担任から聞いた言葉についてはよく覚えていない。
あまりに突然の事だったので思考がついて行かなかったのだろう。

辿り着いたのは市内の病院だった。
そこから少し歩いて、僕が通されたのは薄暗い、嫌な空気の場所だった。


父が死んだ。


仕事場で機材に押し潰され、搬送先の病院で息を引き取ったらしい。
連日の仕事で疲れが溜まり、それが事故に繋がったとか。

まだ若い僕に、父親の死を通達した医者はどんな顔をしていただろうか。
自分の教え子が父親の遺体と対面している間、担任はどんな顔をしていただろうか。

その時僕は、どんな顔をしていただろうか。
父との別れ際、ちゃんと笑えていた自信はない。

 
翌日、父の葬儀が行われた。
と言っても、お金も無かったし、他に親族もいなかったから小さな葬儀だった。

そんな葬儀だったがみんなも来てくれた。
みんな父とは一応面識があったからだろう。
特に彼女は、ずっと小さい頃から父と顔を会わせている。

その時のみんなの顔を、僕は覚えていない。

父との最期のお別れが済んで、数少ない参列者が去っていく。
途中、「頑張れよ」とか「何かあったらいつでも相談に来い」と父の仕事仲間に言われた。

403 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 22:56:32.26 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

404 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 22:57:03.01 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

405 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 22:59:14.89 ID:???
最終的にそこに残ったのは、僕と彼女だけだった。
とりあえず家に戻ったものの、迎えてくれる人はもういない。

いつも笑顔でいた、優しくて強い父は、もういないのだ。
そう実感すると、悲しくて、苦しくて、涙が溢れそうになった。


「今日だけは、泣いてもいいかお?」


彼女が無言で、小さく頷いたのを視界の端で確認してから、僕は泣いた。
声を上げてわんわんと。

彼女は終始無言だったけれど、強く僕を抱きしめてくれた。
痛いくらいに、強く。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


ζ(-、-*ζ「すー……すー……」


家に戻り、少し遊んだらデレは眠ってしまった。
ドクオはデレに布団をかけると、ただ何をするでも無く窓から外を眺めていた。


('A`)「あまりいい眺めじゃねぇな……」


街の外れにある小さなアパートだ。
立地条件もそういい物ではない。

窓の近くの棚に手を置こうとして、一枚の写真に気がついた。
そこには今は亡きツンが写っていた。

その横に少し太い腕が半分写り込んでいるが、きっとブーンだろう。


('A`)「この写真のブーンは、きっと笑ってんだろうなぁ」

 
ドクオもブーンの笑顔は好きだった。
小、中学とロクに友達も作れず、ひねくれていたドクオにしつこく話しかけてきたのがブーンだ。

ドクオが無視を決めこんでも、ブーンはしつこく、笑いながら話しかけてきた。

最初はおちょくられているんだろうと思っていたが、だんだんとそうでは無いことがわかった。


('A`)「……で、気が付いたらブーンにツン、クーと仲良くなってたんだな」


これからの人生はずっと孤独なのだろうと思っていたドクオにとって、ブーンは恩人のようなものだ。



それゆえに、最近のブーンの様子を心配していた。
それに対して、多少なりの憤りも感じていた。

406 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 22:59:45.39 ID:???
今日のトラブルについては仕方がない。
だが、どうもブーンは普段から働きづめのように思える。

 
('A`)(デレを迎えに行くために6時には仕事を終えているみたいだが……)


労働の時間だけで見れば、そう気にすることはないだろう。
だが、家事と仕事も両立させ、まともに休みを取らない生活で果たして体は持つのだろうか。


ドクオ自身、ブーンに言ってやりたいことは山ほどあった。
しかし、ドクオには何も言えなかった。

十年以上付き合っている友人だ。
ブーンがどんな気持ちなのかを理解できないわけがない。
だからこそ、何もできず、何も言えない状態が続いていた。


何を言う?
何と言う?
壊れた笑顔を浮かべるブーンに、なんと声をかければいい?



('A`)「なあ、ツン。俺に何ができるかなぁ」

 
写真に向かって語りかけても、返事はなかった。
写真の中の彼女は、照れ笑いを隠そうとしながら、それでも幸せそうな表情でいた。


('A`)「……この写真のブーンは、きっと笑ってんだろうなぁ」


二度目の呟き。
きっとブーンは、彼女の隣で、昔のような笑顔でいるのだろう。


('A`)(―――デレは……)


そういえばデレは、ブーンの笑顔を見たことがあるのだろうか。
ピエロのような壊れた物ではなく、周りの人を幸せにさせるような、あの笑顔を。


ζ(-、-*ζ「……ゅむ……すー……」


('A`)(……もしかしたら、ブーンから一番離れたとこにいるのかもな)

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


中高一貫の学校だったから、高校へは無事に進学できた。
みんなも、同じ高校へ進学した。
クーなんかは頭が良かったからもっといい高校に行けただろうに、わざわざ同じ高校に来たのだ。

407 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:06:31.82 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

408 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:07:02.49 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

409 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:07:50.61 ID:???
きっとみんなは、僕を心配してくれていたのだろう。
父親を亡くしたショックはその時には大分薄れていたけど、みんなの気持ちは嬉しかった。


高校生活は大変だった。
バイトと学業を両立させるのは本当に骨が折れた。

そんな僕に、彼女はお弁当を作って来てくれた。


「べ、別に深い意味なんてないから。あんたが忙しいだろうから作ってあげたんだから感謝しなさいよ!」


真っ赤になりながら早口でまくし立て、弁当箱を押しつけてきたことはよく覚えている。
それからしばらくはクーとドクオにからかわれ続けた。
彼女はその度に真っ赤になって二人を追い立てたり、時には僕を叩いたりなんかした。

それでも、みんなと一緒にいる時間は、忙しい日々の中で唯一心が休まる時間だった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 
(-A`)「……ん?」

(;'A`)「やべ……。寝てた……」


ドクオが目を覚ました頃には、外は薄暗くなっていた。
時計を確認して、すぐにデレの方に目を向ける。
デレはまだ眠っていた。


('A`)(そろそろ夕飯か……。どうしよう、俺料理作れないし……。コンビニでいいかな)

ζ(-、-*ζ「くー……くー……」

('A`)(……とは言ったものの。デレを一人にするのはなぁ)


デレはこの歳にしてはしっかりしている。
ドクオがどこかに行ったとしても取り乱したり、危険なことをすることはないはずだ。

しかしブーンから任された手前、デレを放置して買い物に行くのは気が引ける。

 
『ピンポーン』

ドクオが悩んでいると、チャイムが鳴った。
もうブーンが帰って来たのか、ドアを開けるとよく見知った顔が見えた。



川 ゚ -゚)「む。ドクオか」

('A`)「なんだクーか……。ブーンが帰ってきたのかと思った」

川 ゚ -゚)「ブーンはまだか……」

410 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:08:21.07 ID:???
クーは小さくため息をついて、玄関から部屋の中を覗き込んだ。
その手にはスーパーのレジ袋が握られている。


川 ゚ -゚)「デレちゃんは?」

('A`)「部屋で寝てるよ」

 
ζ(ぅー`*ζ「……おとーさん?」


物音で起こしてしまったか、デレが寝ぼけ眼を擦りながら玄関にやってきた。
まだ頭がちゃんと起きてないのか、ドクオをブーンと勘違いしているらしい。


川 ゚ -゚)「すまん。起こしてしまったか……。それと、ブーンは……」

ζ(´ー`*ζ「…………おかあさん?」



川; ゚ -゚)

(;'A`)



空気が固まった。
気まずさと、どう返答するかの困惑が混じり、2人の背中を冷や汗が伝う。

しかし、デレは母親の顔を知らないはずだ。
一体何を思って「おかあさん」と言ったのだろうか。

 
ζ(゚ー゚*ζ「……あれ?クーせんせー?」


ようやく覚醒したか、玄関にいた2人をデレが認識した。
先ほど自分が何を呟いたかは覚えていないようで、2人はホッと胸を撫で下ろした。

だが、そもそも何故自分たちはこんなに緊張しなくてはならないのか。
そんな疑問が2人の頭に浮かぶ。

ツンが死んでからもう5年経つのだ。
積極的に話題に出すことはなくとも、ツンの話をすることに抵抗はほとんど無い。


それでも、この父娘の間に彼女の話を持ち込むのはタブーのように思えた。


ζ(゚ー゚*ζ「せんせーどうしたの?」

川 ゚ -゚)「ああ、いや。この男が悪いことをしてないか心配になってな」

('A`)「そんなことしねぇよ……なんで信用がないんだ、俺は」

川 ゚ -゚)「顔が悪い」

(;'A`)「余計なお世話だ!」

411 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:08:28.57 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

412 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:08:59.70 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

413 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:16:55.62 ID:???
 
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオおじさんはいいこにしてたよ?」

('A`)「ほれ見ろ」

川 ゚ -゚)「子供扱いされてるが、そこに異論は無いのか」

('A`)「……まぁ、ありっちゃありかなぁ……って」

川 ゚ -゚)「デレちゃん、やはりこいつとはあまり関わりを持たない方がいいぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「……なんで?」


川 ゚ -゚)「実はこいつは妖怪なんだ」

ζ(゚ー゚*;ζ「えぇっ!?ドクオおじさんよーかいだったの!?」

川 ゚ -゚)「ああ。そうだ」

ζ(゚−゚*;ζ「ドクオおじさん……」


('A`)「待て待て待て待て待て。デレがマジで信じるからやめれ」

川 ゚ -゚)「黙れ人間モドキ」

(;'A`)「まだ言うか!?」

 
ζ(゚−゚*;ζ「ドクオおじさん……」

('A`)「ん?どうした?」

ζ(゚−゚*;ζ「はやくにんげんになりたい……?」

(;'A`)「だから妖怪じゃねぇっつのに!!俺たちゃ妖怪人間なのか!?」

川 ゚ -゚)「待て、そのネタはデレちゃんに通じるのか?」


クーの言葉をデレが真に受けて、ドクオが誤解だと喚き散らす。
騒がしくも楽しそうなその様子は、まるで家族のようなものだった。

途中まで騒いでいたドクオも、そう感じて途端に難しい表情に変わる。

嬉しいはずなのに、嬉しくない。これじゃない。
そう感じて、先程までの浮かれた気持ちがさっぱり無くなってしまった。


ζ(゚ー゚*ζ「ドクオおじさん?」

('A`)「……いや、なんでもないよ」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


受験シーズンになると、みんな忙しくてなかなか遊べなくなってしまった。
僕はもともと進学する気はなかったから、バイトしながらいい就職先を探していた。

414 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:20:28.81 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

415 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:21:00.91 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

416 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:21:04.95 ID:???
みんなが受験勉強している中、一人だけ就職活動するのは寂しかったし、辛かった。
学もなく、コネも無い僕を雇ってくれる企業なんて無かったから就職活動は難航した。

そんな僕をみんなは心配して、よく様子を見に来てくれた。
それだけで、僕は笑うことができた。
みんなのおかげで、僕は辛くとも頑張ろうと思うことができた。

彼女は、自分の勉強も忙しいはずなのに毎日僕に弁当を作って来てくれた。
大変だろうから、わざわざ作ってくれなくてもいいと言ったら怒られた。
いつもの照れ隠しとは違う、本気の怒り方だった。

「大変なのはみんな一緒でしょ!何のためにあたしがあんたに弁当作って来てあげてるのか考えなさいよ!!」

「……大変な時は、お互い助け合うのが友達でしょ。そんなこともわからないの?」

彼女は少し表情を緩めてそう言った。
彼女の言葉が嬉しくて、彼女の気持ちが嬉しくて、僕は泣いてしまった。
父が死んでしまった時以来の涙だった。

彼女や、みんなのおかげで、僕は辛く苦しいその時期をなんとか乗り切れるような気がした。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 
('A`)「デレは?」

川 ゚ -゚)「大丈夫。もう寝かしつけた」


時刻はもう11時を回っていた。
それなのにブーンはまだ帰ってこない。
デレもブーンが帰って来るまで待とうとしていたが、時間が時間のため、クーが無理矢理寝かせた。


('A`)「……しかし、遅いな。ブーンの奴」

川 ゚ -゚)「まったくだ。こんな時間まで何をやってるんだ」


('A`)「……ツンがいたら、あいつ帰って来たらボコボコにされてたろうな」

川 ゚ー゚)「はははっ。確かに、ツンならやりかねんな」

ξ#'A`)ξ「こんな遅くまでなにやってたのよ!待ってる私たちの身にもなりなさいよね!!」

('A`)「とか」

川 ゚ー゚)「あいつなら言いそうだ」

 
ツンの話をする2人の表情はとても柔らかかった。
先ほどデレが「おかあさん」と呟いた時のような緊張感は微塵も感じられない。

以前にも言った通り、2人ともツンの事を話題に出すのにもう抵抗は無いのだ。


川 ゚ -゚)「……デレちゃんも、そのうちツンみたいになるのかな」

('A`)「……」

417 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:22:07.81 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

418 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:22:42.88 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

419 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:23:22.59 ID:???
川 ゚ -゚)「そうなったら、ブーンは……」

('A`)「やめろ」


ドクオの強い拒絶の言葉に、クーの口がそれ以上動くことは無くなった。
押し黙るクーを見てか、少々キツい口調で言った気まずさからか、ドクオも沈黙する。

狭いボロアパートの一室。
時計の音と、隣の部屋からうっすらと聞こえるデレの寝息が支配していた。

 
( ^ω^)「ただいまお……」


静寂を破ったのは、ガチャリとドアが開く音。
そして、疲れた顔に笑顔を貼り付けた家主だった。


('A`)「やっと帰って来たか……。随分遅かったな」

( ^ω^)「なんとかメドは付いたお。明日も6時から行かなきゃならんお」

川 ゚ -゚)「6時……随分早いな」

( ^ω^)「ドクオ、悪いけど明日朝デレを送ってってやってくれお」

('A`)「それは構わないが……お前、大丈夫か?」

( ^ω^)「これくらいどうってことないお」

('A`)「けど……」

 
ドクオが心配するのも無理はない。
ブーンの顔色は遠目から見てもわかるほど悪かった。

だがそれでもブーンは笑顔で

無機質な笑顔で―――


( ^ω^)「明日も早いから。今日は早く寝るお。二人ともごめんお」

川 ゚ -゚)「寝るのは構わないが……お前、夕飯は食べたのか?まだ残ってるから食べていないなら……」

( ^ω^)「ありがとうお。でも、今はいいお」

川 ゚ -゚)「食欲がないのか?だが無理にでも食べた方がいいぞ。顔色も良くないし……」

( ^ω^)「おっおっ。心配無用だお。ブーンはこれで結構頑丈なんだお」

川 ゚ -゚)「だが……」

( ^ω^)「大丈夫だお。じゃあ、ブーンは寝るお。ドクオの布団も出しておくおね」

('A`)「あ、ああ……」

クーの言葉を途中で遮り、ブーンはそそくさとドクオの布団を出す。
そして、自分の布団をデレの隣に敷いて、さっさと寝る準備を始めてしまった。

420 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:23:51.45 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

421 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:24:55.19 ID:???
5分と立たないうちに規則的な寝息が聞こえ始め、クーとドクオは一度顔を見合わせて小さくため息をつく。


('A`)「明日も仕事なのに飯も食わずに寝やかって……。何考えてんだ、あいつは」

川 ゚ -゚)「……あいつ、昼はちゃんと食べたのだろうか」

('A`)「いくらなんでもそれは……」


ドクオは途中で口を噤み、ブーンの鞄に目をやる。
ボロボロで、傷や汚れが目立っているが、まだ鞄としての役目は果たしているようだ。


('A`)「あいつ、確か弁当持ってってるよな」

川 ゚ -゚)「ああ。デレちゃんの分と一緒に自分のも作っていたはずだ」

 
ドクオはブーンの鞄を開け、弁当袋らしき物を引っ張り出そうとした。
が、鞄から取り出す前に動きが止まる。

そのまま弁当袋を鞄に戻し、先ほどよりも大きなため息をついた。


('A`)「……弁当、重かったぜ」

川 ゚ -゚)「……今から起こして、無理にでも食べさせるべきだろうか」

('A`)「……いや、あいつ、相当疲れてたからな。ちょっとやそっとじゃ起きないだろう」


('A`)「……今は、休ませてやろう」

川 ゚ -゚)「……そうか」


再び部屋を訪れた静寂。
聞こえるのは時計の音と、二人分の寝息だけ。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


クラスメート達が次々と進学先を決めていく中、僕は1人色んな企業を東奔西走していた。
そして、町外れの小さな工場に勤めることができるようになった。
給料は安いが、それでも十分生活を賄えるだけの額はあった。

みんなには散々祝福された。
僕も辛く苦しい時期を乗り切ることができ、やっと肩の荷が降りた心地だった。

一方のみんなも、無事志望校に合格できたようだった。
ドクオは近所の、クーは隣の県の、彼女は県内だがここから少し距離のある大学に行くことになった。

みんなの合格を喜ぶ反面、バラバラになってしまうことを悲しむ気持ちもあった。
ドクオはいいが、クーと会う機会は激減するだろう。
そして、小さな頃からいつも一緒にいた彼女とも……。

離れるのは嫌だった。
つなぎ止めておきたかった。

422 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:25:10.39 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

423 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:25:43.37 ID:???
僕は思わず、ずっと言えなかった言葉を口にしていた。
そこにみんながいることも忘れて。

彼女は一瞬キョトンとした後、顔を真っ赤にしてパニクっていた。
一通りパニクった後、彼女は急にしおらしくなって、僕の問いかけに頷いてくれた。

嬉しさのあまり、僕は彼女を抱きしめてしまった。
殴られるかと思ったが、その時だけは全く抵抗されなかった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


(-A`)「むにゃ……んあ?」


なにか美味しそうな匂いがして、ドクオは目を覚ました。
寝ぼけ眼をこすり、大きなあくびをしながら起き上がる。
時刻はまだ5時だった。


('A`)(そうだ。昨夜はブーンの家に泊まったんだ)


だんだんと頭が冴えてきて、昨夜の事を思い出す。
遅くまで仕事をしていたブーンを心配して、クーも残ると言ったのだが、
ドクオが半ば無理矢理家に帰して、その後自分も床についたのだ。


( ^ω^)「お、ドクオ。起こしちゃったかお」

('A`)「ブーン、早いな……って今日は6時から仕事か」

 
( ^ω^)「これ、デレのお弁当だお。渡しておいてくれお」


可愛らしいデザインの弁当箱を指差してブーンはそう言った。
すでに作業服に着替えており、鞄も玄関口に置いてあるので、もう仕事へ行く準備は出来ているようだ。


( ^ω^)「じゃあドクオ、デレの事頼んだお」

('A`)「あ、おい……」


言うが早いか、ブーンは荷物を持ってさっさと部屋を出て行ってしまった。
部屋に一人残されたドクオはポリポリと頭を書きながら部屋のカーテンを捲り、外を見る。
まだ日は昇っておらず、東の空がうっすらと明るくなっている程度だった。

デレはまだ寝ているようで、ドクオも二度寝しようと布団に潜りこんだが、すっかり目が冴えてしまって眠れそうにはなかった。


('A`)「……そういやブーンの奴、朝飯食ったのかなぁ」

 
昨日昼も夜も食べてないのだから相当腹を空かせているはずだ。
そんな状態で朝食を抜くとは考えられないことではあるが。

424 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:28:37.55 ID:???
('A`)(でも、ブーンは昨日から様子がおかしかったしな……)


昨夜、布団に入ってすぐに眠ってしまったあたり、かなり疲れていたのだろう。
だがそれでも、昨夜のブーンの行動には違和感があった。
夕飯を食べるようクーが言ったのにブーンはそれを聞かなかった。
遠慮した、と言うより頑なに拒んだような感じで……。


('A`)(何やってんだあいつ。もう自分一人の体じゃねぇんだぞ……)


ドクオはふと、ブーンの父親の事を思い出した。
父一人子一人……今のブーンと同じような環境で生きていた人のことを。

何度か顔を合わせたことはあった。
痩せこけていたが、いつも明るい笑顔を浮かべていた。

……そして、疲れのせいか倒れてくる機材に気づかずそのまま下敷きになり、死んでしまった。

ブーンの父の葬儀には、もちろんドクオも参加した。
その時のブーンの顔をドクオは今も覚えている。



( ^ω^)



ブーンは笑っていた。
父の遺影を見つめて。

いつものような明るさや暖かさのない、壊れたピエロのような笑顔。
……今のブーンの笑顔。

ドクオは、ブーンに声をかけることが出来なかった。
クーも同様だ。
なんと声をかければいいかわからないという面もあったが、単純に声をかけることが憚られるような気がした。

ツンもその日は一言も喋ることはなかった。
それでも、彼女はずっとブーンの隣にいた。
みんなが解散しても、その場に留まるブーンにずっと付いてやっていた。

……ツンだけが、傷ついたブーンの心を癒すことが出来たのだろう。

 
('A`)(ツンは……いつもブーンの心の支えだったんだな)


布団から起きあがると、ドクオはツンの写真の前に立った。
そして写真の中の彼女に語りかける。


('A`)「なぁツン。やっぱり、今のブーンを助けられるのはお前だけなのかな」


当然、返事はない。
何故、彼女は死んでしまったのだろう。
もし彼女が生きていたら……。

425 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:33:10.01 ID:???
('A`)「……ごめんな。情けない友達でよ」

('A`)「っと……。こんな事言ってたらお前に殴られちまうな」


死んでしまった者は、もう帰って来ない。
……生きている者でどうにかするしかないのだ。

 
('A`)(……でも、俺は何もできちゃいない。……何も出来ない)

('A`)(中学までの俺と同じ……。ブーンがいなきゃ何も出来なかった)

('A`)(俺は……一人じゃ何も出来ないのか)

窓の外に雀が一羽舞い降りてくる。
チチチ、と小さくさえずると、すぐに飛んでいってしまった。

時計の針は中々進まない。
ここまでの時間はあっという間に過ぎて行ったのに。

デレが起きてくるまで、こんな情けない気分でいなきゃならないなんて。
そう考えると、自然ため息がこぼれた。


('A`)(デレはまだ寝てるよな……)


隣の部屋を確認しようと、戸に手をかけた時だった。
ドクオが手に力を込めるより早く、戸が勝手に開いた。

 
(;'A`)「おわっ!?」

゚。ζ(ぅー`*ζ「んー……?」


開いた戸の先ではデレが寝ぼけ眼を擦りながら立っていた。
二本足で立ってはいるが、ちゃんと起きているかは怪しい。


(;'A`)「デレ……?どうした、まだ起きるには早いぞ?」

゚。ζ(´ー`*ζ「……おしっこ」

(;'A`)「え?あ、ああ何だ。トイレか……って待て待て!そっちはベランダだ!トイレはこっちだろが!」

゚。ζ(´ー`*ζ「むー……?」

(;'A`)「ほらほら、こっちこっち」

゚。ζ(´д`*ζ「ふひゃー……」

 
寝ぼけるデレをなんとかトイレまで連れて行って、ドクオはまたため息をついた。
……だが、何故か先ほどよりも気分は晴れていた。


(;'A`)「まったく……。こういう所は歳相応だな」

426 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:40:39.86 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

427 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/08(火) 23:41:16.24 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

428 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 07:05:24.15 ID:???
('A`)(そういやデレはおねしょ癖とか無いのかな……。俺は小2まで治らなかったけど)

('A`)(布団湿ってないか調べといた方がいいかな……)

('A`)(もしおねしょしてたら着替えの手伝いを……)


(;'A`)「って何考えてんだ俺は!変態かっ!!」

ζ(゚ー゚*;ζ「わっ!!どうしたのドクオおじさん!?」


ドクオが一人で想像を膨らませて一人で自己嫌悪に陥ってるところで、丁度デレがトイレから出てきた。
いつの間にかちゃんと目を覚ましたようだ。


(;'A`)「だ、大丈夫だ。ちょっと自分の中の何かが暴走してた……」

ζ(゚ー゚*;ζ「……よーかいのち?」

(;'A`)「まだ信じてたのか!!人間だっての!!」

 
('A`)「少し早いが……朝飯にするか?」

ζ(゚、゚*ζ「……」


リビングに戻り、ドクオは食パンの袋をガサガサとしながらデレに話しかける。
しかしデレは周囲をやけに気にしていた。

昨日と特に変わったところもないのに、一体何が気になるというのか。


('A`)「どうした?デレ」

ζ(゚、゚*ζ「おとーさんは?」

('A`)「ああ、ブーンか。……そういや、ブーンが帰って来たときデレは寝てたからなぁ」


デレはブーンが今日早めに家を出て行くのを聞かされていない。
いつもならいるはずの父親がいないのだから、不思議に思って当然か。

 
('A`)「ブーンはもう仕事に行ったよ。今日はちょっと早く行かなきゃいけなかったんだ」

ζ(゚、゚*ζ「そうなの?」

('A`)「ああ……。デレは寝てたから、教えられなかった。ごめんな」


ζ(゚、゚*ζ「……」

('A`)「デレ?」

ζ(゚、゚*ζ「……おとーさんに、おかえりなさいもいってらっしゃいもいえなかった」

('A`)「デレ……」

429 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 07:06:28.75 ID:???
少し俯きながらデレが呟く。
なんて父親思いの子なんだろう。

それなのに父親は、この子に心配をかけて……。


ζ(゚ー゚*ζ「あ……。早くご飯にしよ!ドクオおじさん!」

('A`)「あ、ああ」


努めて明るく言ったデレを見て、ドクオは居たたまれない気分になる。
何故自分には、何かを変えようと行動することが出来ないのかと……。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

社会人というものを、僕は舐めていた。
高校までと違い、結果だけで全てが評価される世界。
高卒だからとか、一生懸命やっているからとか、そんな事は関係無かった。

どんだけ必死にやったって、小さなミス一つで上司からこっぴどく叱られる。
仕事もハードで、毎日のように疲労が蓄積されていくだけ。
正直、辛かった。


だけど僕はくじける事なんて無かった。
僕には、彼女がいてくれたからだ。

彼女は、自分だって忙しいだろうに毎晩のように電話をかけてきてくれた。
ご飯はちゃんと食べてるか、だとかちゃんと寝てるか、だとか仕事は辛くないか、だとか。
そっちこそ、勉強は大丈夫なのかと聞いたら、学生と社会人じゃ大変さが違うでしょと返された。

学校が休みの日とかには、わざわざ家まで来て夕飯を作ってくれたりもした。

「か、彼女なんだから、このくらい当たり前でしょ!」

そんな事を言いながら彼女は僕を支えてくれる。
それだけで僕はどれだけ辛くてもやって行ける気がした。

そして、もっともっと頑張らなくてはとも思った。
いつかは二人分……いや、三人分、四人分を養えるようにならなくてはいけないから……。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ、ドクオおじさん、またねー!」

('A`)「おう。……クーもよろしくな」

川 ゚ -゚)「ああ。お前と一緒にいさせるよりは安心だ」

(;'A`)「どういう意味だ!」


時刻は9時を回った頃。
デレはドクオに連れられいつものように幼稚園に来た。

いつものようにクーに朝の挨拶をし、ドクオと別れの挨拶をすませ、いつものように自分の教室に入る。

ただ、いつもと違ったのは、普段自分より早く来ているはずの友人の靴が無かった事だろうか。

430 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 07:07:22.20 ID:???
(*゚ー゚)「あ、デレちゃんおはよー」

ζ(゚ー゚*ζ「しぃちゃんおはよー!……わたちゃんはまだきてないんだね」

(*゚ー゚)「ねー。いつもならいちばんにきてるのにね」

 
前にも言ったが、渡辺の家庭は少々問題を抱えている。
そのため彼女の母親がパートに行っているのだが、
パートの出勤時間の関係で早いうちに渡辺を幼稚園に送り出さなくてはならなかった。
だから、渡辺はいつも一番早く幼稚園に来ていたのだ。


川 ゚ -゚)「みんな集まったかー?」

ζ(゚、゚*ζ「あ、クーせんせー」

川 ゚ -゚)「む、どうした?」

ζ(゚、゚*ζ「わたちゃん今日はどうしたのー?」

川 ゚ -゚)「……事情があって、今日は遅れるみたいだ。デレちゃんは気にしないでいい」

ζ(゚、゚*ζ「……?」


クーが少し困ったような顔をしたのを、デレは見逃さなかった。
ただ、なんで渡辺の遅刻で困るような事があるのかは、理解出来なかったようだが。

クーは困ったと言うよりは焦っていた。
ブーンとデレの事も心配なのに、急に新たな心配事が増えてしまったのだから。

 
从'−'从「……」

ζ(゚ー゚*ζ「あ!わたちゃんだー」


渡辺が幼稚園に来たのは、お昼近くになってからだった。
デレは笑顔で渡辺に寄って行くが、すぐに違和感に気づき表情を変えた。


ζ(゚、゚*ζ「わたちゃんどうしたの?おなかいたい?」

从'−'从「……ううん、ちがうよ。おかあさんがね……」


从'−'从「おとうさんとりこんするんだって」

ζ(゚、゚*ζ「りこん……?」


まだ幼いデレにも、離婚の意味は理解できた。
ただ、テレビとかでしか聞いたことが無い話を、自分の一番の友達の両親が、ということはすぐ理解できなかった。

 
从'−'从「それでね、デレちゃん……」


从'−'从「わたし、おかあさんといっしょにとおくにいかなきゃいけないんだって」

431 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 07:09:34.24 ID:???
ζ(゚、゚*ζ「え……?」

从'−'从「デレちゃんと、バイバイしなきゃいけないんだって」
ζ(゚、゚*;ζ「え……?バイバイ……?」

从'ー'从「……でも、だいじょーぶだよ!デレちゃんには、しぃちゃんとか、ほかのおともだちもいっぱいいるし」

从'ー'从「わたしも、おてがみとかちゃんとかくから」

ζ(゚、゚*;ζ「で、でもわたちゃん……」

从'ー'从「わたしもだいじょーぶだよ。おかあさんといっしょにがんばるから」

从^ー^从「えへ、えへへ……」

ζ(゚、゚*;ζ「……」

デレは頭の中がゴチャゴチャになっていた。
大切な友達の両親が離婚してしまうこと、その友達がどこか遠くに行ってしまうこと。
……辛いはずの友達が笑っていること。

それらを一度に理解するには、デレはあまりにも幼すぎた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ただひたすらに、馬車馬のように働いた。
さすがに三年も経つと仕事にも慣れてミスも随分と減った。

そして、ひたむきに頑張り続ける姿は、『仕事の評価』ではなく、『僕自身への評価』を上げてくれた。
おかげで上司にも気に入られ、職場での人間関係も円滑になった。
だから余計に仕事が捗った。

毎日毎日ヘトヘトになるまで働き続けて、彼女には随分心配をかけた。
「働きすぎよ!バカ!!」と怒られたこともあったが、あと少しだけ頑張る必要があった。

そして、その年の夏。
ようやく僕の目標に手が届いた。

いつもより少し洒落た服を着て、小さい頃一緒によく遊んだ公園に彼女を呼び出した。
本当はレストランとか、そういうオシャレな場所がよかったのかもしれない。

でも、僕には……僕達には、そこが一番いい気がした。

「どうしたの?こんなところに呼び出して。……まさか、この歳になって一緒に遊ぼうって言うんじゃないでしょうね」

―――違うお

「じゃあ何?ピクニックするならもっといい場所があるでしょ?」

―――違うお

「まあ、公園で一緒にのんびりするってのも悪く……」

―――ツン

「っ……!」

―――ブーンと、結婚してくださいお

―――これからも、ずっとずっと、ブーンと一緒にいてくださいお

432 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 07:11:05.94 ID:???
 僕よりも賢い彼女が、気づかないわけなかった。
僕が、いつもと違う服装で、彼女と一緒に遊んだこの場所に、彼女を呼び出した理由を。

彼女の性格はもうよく知っている。
ああやって関係のない話にもっていこうとしたのはただの照れ隠し。

―――それとも、僕からちゃんとその言葉を聞く前に、泣いてしまわないようにしていたのだろうか。

簡単な、僕なりの、僕らしいプロポーズの言葉。
彼女は何か言おうとして……何かが詰まっているかのように言葉は出てこなくて。
代わりに両目から大粒の涙が溢れ出した。

多分、生まれて初めて見る彼女の涙。
誰よりも優しくて、誰よりも強くて、そして誰よりも大切な彼女の……涙。

彼女は涙で目を赤く腫らしたまま優しく微笑んで

「幸せにしてくれなきゃ……許さないんだからね」

そう、言った。
 

「おい!!内藤!!」


「バカ!後ろだうs;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ζ(゚、゚*ζ「……」

昼休み。
他の園児達は昼食を食べているのに、デレは一人で園庭のブランコに座っていた。

もちろん、それに気づかないクーではない。
自分の昼食に手を付けず、デレの元へと歩いていく。


川 ゚ -゚)「デレちゃん。お昼ご飯の時間だぞ」

ζ(゚、゚*ζ「クーせんせー……」

川 ゚ -゚)「どうした……って聞くまでもないか」


川 ゚ -゚)「……聞いたんだな」

ζ(゚、゚*ζ「うん……」

433 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 07:12:52.14 ID:???
いつも元気が自慢のデレがこんなに落ち込んでいる姿を見るのは、クーも初めてだった。

だが、この歳で親友との別れを経験するのだ。
こうなるのも仕方あるまい。

ζ(゚、゚*ζ「わたちゃん、とおくにいっちゃうんだね」

川 ゚ -゚)「……そうだな」

ζ(゚、゚*ζ「それに、わたちゃんはおとーさんともはなればなれになっちゃうんだね」

川 ゚ -゚)「……」

ζ(゚、゚*ζ「……わたちゃん、さびしいよね」
川 ゚ -゚)「……そう、だな」


ζ(゚、゚*ζ「……でも、なんでわたちゃんはわらってたんだろう」

川 ゚ -゚)「……!」
 
デレの疑問に、クーは衝撃を覚えた。
なんで笑っていたのか?
なんでそんなことがわからないのか……。

そこまで考えて理解した。

わかるわけがないのだ。

デレはきっと知らない。
辛いのに、笑わなきゃいけない時があることを。
顔は笑っているのに、心では泣いて、助けを求めていることがあるのを。

デレはいつも、壊れた笑顔しか見ていなかったのだから。

川 ゚ -゚)「デレちゃん……。人が笑う時には、二つの場合があるんだ」

ζ(゚、゚*ζ「ふたつ……?」

川 ゚ -゚)「楽しい時と、悲しい時。その時に、人は笑うんだ」

ζ(゚、゚*ζ「かなしいのに……わらうの?」
 
ζ(゚、゚*ζ「なんで……?」

川 ゚ -゚)「……」

なんで、人は悲しい時にも笑うのだろう。
相手に心配をかけないため?
確かに今回はそれに当てはまるだろう。

だが、あいつは……?
ブーンの笑顔は……?


ブーンは、何故笑っているんだろう……

ζ(゚、゚*ζ「ねぇ、クーせんせ……」

ζ(ФωФ;ζ「クー先生!!」

434 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 07:14:01.89 ID:???
デレがクーに再度問いかけようとした時、突然別の先生が園庭に飛び出してきた。
 
川 ゚ -゚)「どうした?そんなに慌てて……」

ζ(ФωФ;ζ「デレちゃんも……ちょうど良かったわ」

ζ(゚、゚*ζ「ロマせんせー……?」


ζ(ФωФ;ζ「いい?二人とも、落ち着いて聞いてね」


川 ゚ -゚)「だからどうしたと……」


ζ(ФωФ;ζ「デレちゃんのお父さんが、職場で機材に押しつぶされて……」


川; ゚ -゚)


ζ(゚、゚*ζ「…………え?」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

小さな教会で、小さな結婚式を挙げた。
式に来てくれた人は少なかったけど、幸せだった。

様々な讃辞が飛び交う中心に、僕らはいた。
彼女は恥ずかしいのか終始俯き気味ではあったが。

もちろん、ドクオとクーも来てくれた。
式が終わった後は、4人で僕の家に集まって騒いだ。
二人とも僕らをからかってはツンから制裁を受けていた。
なんだか高校の頃に戻ったようで、少し懐かしい気分になれた。

クーは幼稚園の先生を目指しているようで、「もしかしたら、お前達の子どもを私が面倒見ることになるかもな」と言ってきた。

子ども、というワードに思わず反応したのは彼女も同じようで、
ちらと横に視線を送るとすぐに右の拳が飛んできた。

子ども……。
今までは漠然としか考えていなかったが、いざ自分が父親になるとなったら、途端に不安が首をもたげてきた。

僕は、父のような父親になれるのだろうか……?

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

(;'A`)「はぁ……はぁ……」

(;'A`)「あ、クー!!」

川 ゚ -゚)「病院で走るな。あと、静かにしろ」

(;'A`)「そうも言ってられるか!ブーンは!?」

川 ゚ -゚)「まだ手術中だ」

('A`)「……そうか」

435 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 07:14:46.25 ID:???
ブーンの話を聞いたクーはデレを連れてすぐにブーンの搬送された病院へ向かった。
幼稚園の先生達も、クーとブーンが友人同士ということを知ってるからか、
「今日は幼稚園に戻って来なくてもいい」と言ってくれた。

('A`)「デレは……?」

川 ゚ -゚)「あそこだ」


ζ(゚ー゚*ζ「……」


(;'A`)「……」


デレはベンチに浅く腰掛けて、手術中のランプをじっと見つめていた。
……薄く微笑み、死んだ魚のような瞳で。

それは、父親の葬儀に参列した時のブーンの表情と同じだった。


(;'A`)「デレ……?」

川 ゚ -゚)「……残酷な物だな。親友と離れ離れになる話を聞いた後で……これだ」


心を抉るような出来事が立て続けに2つ。
しかも今現在たった一人の肉親を失うかもしれないのだ。
普通の子どもならば状況が飲み込めないだろうが……デレは違う。
母親を亡くしている彼女は「死」がどういうことかを知っている。

もしブーンに何かあったら……きっと彼女は耐えられないだろう。

 
10分……20分。
どれくらいの時間が経ったろうか。
一向に進まない時計の針にドクオがイライラし始めた頃、手術中のランプが消えた。


川; ゚ -゚)(;'A`)「「!」」


( ´ー`)「ん?親族の方ですか?」

川; ゚ -゚)「いや、私たちは彼の友人だ」

(;'A`)「それより、ブーンは……?」


( ´ー`)「大丈夫です。命に別状はありません。夜になる頃には目を覚ますでしょう」


川; ゚ -゚)

(;'A`)


川; - .-)(;-A-)「「はぁぁぁ……」」

436 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 12:07:41.80 ID:???
次スレな

【必勝不敗】能代工業 二十冠目【V58】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1357700699/

437 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 13:31:21.49 ID:???
キャプテンはキャプテンできる奴にやらせるべき

信平の悲劇を繰り返すべきではない

438 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 13:31:53.18 ID:???
普通に三根か松本じゃないのかね

佐々木はキャプテンじゃなくてエースとして暴れてほしい

439 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 16:05:39.11 ID:???
野里は大学関東に行かないんだな
拓大とかに誘われてたのになんで八戸とか変なとこに

440 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 18:25:14.37 ID:???
あの代は誰もキャプテンできなかったよ

信平、齊藤、橘田、越田とかどんだけw

441 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 19:09:41.46 ID:???
当然佐々木でしょう!
1年時からスタートで地元出身!!
そうでなかったら、あの指導者は本当に何もわかっていないと思う。

442 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 20:27:01.46 ID:d0hfsivt
俺は神奈川の中学生で来年の四月に入学する予定だけど田臥見たいに一年から試合でてるやつ今いるの?俺は田臥二世と呼ばれてるけど俺よりウマイやついるよな?

443 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/09(水) 21:26:28.41 ID:???
>>442
アメリカに行け。ハワイの学校で頑張るんだ
そこで自分より上手い奴に出会うだろう

444 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/10(木) 22:48:47.88 ID:???
446 名前:必殺名無しさん[sage] 投稿日:2012/12/02(日) 06:42:18.56 HOST:i114-184-118-206.s41.a006.ap.plala.or.jp [1/3]
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447 名前:必殺名無しさん[sage] 投稿日:2012/12/06(木) 23:26:27.20 HOST:i114-184-118-206.s41.a006.ap.plala.or.jp [2/3]
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445 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/10(木) 22:49:23.35 ID:???
448 名前:必殺名無しさん[] 投稿日:2012/12/23(日) 16:51:54.99 HOST:i114-184-118-206.s41.a006.ap.plala.or.jp [3/3]
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449 名前:バスケ大好き名無しさん[] 投稿日:2012/12/31(月) 09:47:42.35 HOST:1076599 [1/4] p202.razil.jp (126.118.194.148)
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http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/25-35
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/38-42
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/44-45
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/48-51
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/60-63
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/66-69
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/71-73
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/75-81
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/86-91
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/97-104
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/106-110
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/112-119
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/121-128
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/130-137
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/139-154

削除理由・詳細・その他:

5. 掲示板・スレッドの趣旨とは違う投稿
レス・発言
スレッドの趣旨から外れすぎ、議論または会話が成立しない
故意にスレッドの運営・成長を妨害

6. 連続投稿・重複
連続投稿・コピー&ペースト
連続投稿で利用者の会話を害しているもの
スレッドの趣旨と違うもの

アスキーアート
必然性がない
連続投稿・コピー&ペースト

446 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/10(木) 22:49:56.53 ID:???
450 名前:名無し[sage] 投稿日:2012/12/31(月) 19:21:53.67 HOST:HKRnf1620.tokyo-ip.dti.ne.jp
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/8-23
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/25-35
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/38-42
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/44-45
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/48-51
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/60-63
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/66-69
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/71-73
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/75-81
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/86-91
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/97-104
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/106-110
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/112-119
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/121-128
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/130-137
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/139-154
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/157-164

削除理由・詳細・その他:
5. 掲示板・スレッドの趣旨とは違う投稿
レス・発言
・故意にスレッドの運営・成長を妨害している
6. 連続投稿・重複
連続投稿・コピー&ペースト
・連続投稿で利用者の会話を害しているもの
・全く変更されていない・一部のみの変更で内容の変わらないもの
・スレッドの趣旨と違うもの

451 名前:バスケ大好き名無しさん[] 投稿日:2013/01/10(木) 10:09:58.01 HOST:1076599 [2/4] p202.razil.jp (126.118.194.148)
削除対象アドレス:
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/169-170
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/175-182
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/185-192
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/195-204
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/208-215
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/218-225
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/228-235
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/238-245
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/248-255
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/258-259
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/262-277
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/280-284
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/287-289
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/basket/1356255030/292-294
削除理由・詳細・その他:
5. 掲示板・スレッドの趣旨とは違う投稿
レス・発言
スレッドの趣旨から外れすぎ、議論または会話が成立しない
故意にスレッドの運営・成長を妨害

6. 連続投稿・重複
連続投稿・コピー&ペースト
連続投稿で利用者の会話を害しているもの
スレッドの趣旨と違うもの

447 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/10(木) 22:50:40.89 ID:???
アク禁おめでとう

448 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/11(金) 18:29:37.58 ID:???
>>439
野里は元から八戸出身だしな

449 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/11(金) 20:46:16.97 ID:???
>>442 そんなに凄いの神奈川にいたの? 入ってくるの楽しみだ

450 :バスケ大好き名無しさん:2013/01/14(月) 04:04:29.54 ID:???
将来はnbaか

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