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ドラクエ3 〜そしてツンデレへ〜 Level14

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2011/01/16(日) 15:28:24 ID:hPBublOn0
DQツンデレスレへようこそ。
ここは職人方が書いてくれるDQ関連のツンデレなSSに萌えるスレです。
新しい職人さん大歓迎です。SS題材はDQであれば3以外でもおKです。
DQ3の攻略等に関する質問は専用スレでどうぞ。

前スレ ドラクエ3 〜そしてツンデレへ〜 Level13
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/ff/1280818864/

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ドラクエ3〜そしてツンデレへ〜
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ドラクエ3〜そしてツンデレへ〜 Level3
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ドラクエ3 〜そしてツンデレへ〜 Level4
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ドラクエ3 〜そしてツンデレへ〜  Level5
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ドラクエ3 〜そしてツンデレへ〜 Level 6
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ドラクエ3 〜そしてツンデレへ〜 Level 7
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前スレ ドラクエ3 〜そしてツンデレへ〜 Level11
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ドラクエ3 〜そしてツンデレへ〜 Level12
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1258160608/


まとめサイト (Level 4 までのログはこちら)
ttp://www.geocities.jp/game_trivia/dq3/
CC氏まとめサイト (Level 5 からのログはこちら)
ttp://www.geocities.jp/tunderedq3cc/

290 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/06/05(水) 20:10:19.48 ID:ki33aMbp0
age

291 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/06/09(日) 18:17:07.64 ID:3HcbQ/V50
ツンデレ

292 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/06/09(日) 19:01:53.66 ID:+PUKsaaS0
魔法使い女「あんたのことが好きなわけじゃないの。
呪文を全部覚えたらもう別れてやるんだからねっ!」

293 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/06/11(火) 09:16:47.33 ID:A/J/mDld0
ルビス様がツンデレだったらな

294 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/06/16(日) 21:42:21.09 ID:vgewVGtZ0
ほしゅ

295 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/06/18(火) 09:06:17.04 ID:Pxf6TPa20
ルビス「違うの。別に勇者に興奮しているわけじゃないのよ?
ただちょっと顔が赤くなって心拍数が上がっているだけなの。

これは魔法医学的に言うとね、恋ではないの、なぜなら…」

296 :楮書生:2013/06/20(木) 16:47:42.90 ID:73AbXihb0
なんで、一話投下する度に規制が発生するんだテストorz

297 :楮書生:2013/06/20(木) 17:43:14.24 ID:73AbXihb0
虚救旅団  序章の最後の一人
「診断結果:体に刻む恨みから為るらんぼうもの 遺された生き方:朽ちるまで戦士」

 王への謁見――それは茶番だ。
 王もこの日のために何度も自分に投げかける言葉を推敲し
 あるいは家臣達が作り、それを何度も手直しし、影で練習していたのだろう。
 王の口からまるで詩の様に紡がれる言葉は酷く薄情に聞こえた。
 予め、私も「はい」と言う返事しか出来ない事は聞かされていた。

「勇者ルクスよ、約束の時はついに来てしまった」
「はい」

―待ち望んでいたのに?

「わしとて君の様な小さな少年に世界を救うなどと言う大任を任せると言うのは
 正直な話どうかと思う。が、君はその使命に逃げる事もなく今日と言う日を迎えてくれた」
「はい」

―逃げたってどうせ、探し出すか代わりを作る癖に

「この様な島で君の様な逸材を、可能性を、奇跡を世界を見せまた君にも世界を見知って欲しい」
「はい」

―ま、その可能性っていうのも父が凄かったってだけですけどね

「我々大人が手助けできることはほんの僅かな事だが。
 何せこうやって各国の協力を仰げたのはほぼ、奇跡といってよい。
 皆、この魔王の支配に憂いており、人が人を信じる事すら出来ない」
「はい」

―だからって、どうかと思いますけどね。こんな子供を信じるっていうのも

「少しでも多くの人の困難を救い希望を照らして、笑顔を作って欲しい」
「はい」

―私はランプかなんかなんでしょうか? 笑わせるなら遊び人の方が専門でしょう

「お、王!?」

 玉座から立ち上がり、歩いていく。煌びやかな衣装、はめられた指輪
 宝石の大きさと金の装飾で重そうで王冠で塗り固められた権威の色が近づいてくる
近くで見るからこそわかるのだが、王冠の下の方は肌色が見える事から
禿げ上がっている居るのだろう。目は近くで見ると充血した目にやや黄色がかった白目
 手を取られて握られた指は骨ばっており、少し染みが出来ている。
 近くの家臣達ざわめいている。どうやら、予定外の行動らしい。
 緊張する近衛兵達は今にも飛び出しそうな勢いだ。
 ただ、王がわずかに目配せをすると石像の様に近くの者達はその場に立ち尽くしている。
 ルクスはびくっと背筋をわずかに震わせながらもまっすぐに立ち尽くし、微笑を湛えていた。
 王のその気配とプレッシャーは奇跡的にもルクスの狂気を抑えつけている。
 故にこの微小はルクス自らが選択した表情であり、仮面でもあった。

298 :楮書生:2013/06/20(木) 17:47:00.92 ID:73AbXihb0
 老人の震えた指で手袋を外し、自らの手で直接王がルクスの手を取れば、ぎゅっと握り締める。
 シワの刻まれた顔や威厳ある王という事前情報のギャップから、酷く力が弱く感じられる。
 離さない。王はその手を握ったまま、まっすぐに目を見つめ離さない。
 頑張れとか、救ってくれとか魔王を倒してくれとか
 色々言わなければならない事も多いのは承知していた。
 予定では式典として一時間は掛かると聞いていた。しかし、王は何も喋らない。
 歯を食いしばり、ただただ自らの生気を注ぎ込むかの様に手を握っていた。

「………………はい」 
「では、君の旅の無事を祈っておる。叶うならば生きてこの国へと帰り
 勇者オルテガと共に、再びわしに顔を見せて欲しい」
「はい」

 思わず何も聞かれていないのに返事が出た。良く解らない。
 ただ、率直な感想は王とはやはり王になるべき人が王になっているのだろう。
 僅かに王が言葉を残した後、式典は滞り無く続けられ、ルクスも僅かな資金と装備を手渡される。
 こうして、私の勇者としての旅は始まった。

―ルイーダの酒場にて

 ルイーダの酒場。既に名簿は三名しか居なかった。
 欲しい人材の登録所というのが上にはあるのだが
 とてもじゃないがそんな空気ではなかった。誰も彼もが他人ぶりながらも一挙手一動を見ていた。
 ルイーダの女将さんも好きな人を選んでねとは建前で、予め決められた三名が居た。
 あくまで建前の公平性。選ばれなかった事で苦々しい顔をするもの。
 何があったか知らないが大けがをしている者が数名いる。特にそれらの者の視線が強い。
 見る目がないと明らかに侮蔑を向けていた。
 そんな視線を笑顔で乗り切ったつもりで カウンターへと足を運ぶ。

「……では、この三人で」
「はい。じゃ、此処に登録を書いてね。これで、貴方達は正式に国が認められたパーティよ。
 この書類を持ってれば、例え、道中倒れても誰かが、それぞれの国の範囲内で助けてくれるわ」
「はい」
「ま、持ちつ持たれつって奴ね。あなたも勇者だの以前に
道中困ったパーティがあったら助けてあげるのよ?」
「解ってますよ」

299 :楮書生:2013/06/20(木) 17:49:59.44 ID:73AbXihb0
 書類の手続きをする。えらく事務的なのは此処がそれだけ人材の流出入のシステムとして
 求められ、洗練されているのだろう。サインをしている間に、待機していた3人が呼ばれた。
 一人は背の低い女の子。髪は二つ縛りでおでこを露出している。
 もう一人のいかにも冒険者といった感じの野性味と生傷と汚れた武装を見に包む
 体躯が一回り以上大きい大男で、女の子はその大男の腕にぶら下がっていた。
 それをうっとうしそうにしている中呼ばれれば、手を振り払う様にして近づいてくる。
 大男はルクスより身長が1,5倍はあった。
 
「おぅ、終わったか? じゃ、まぁ勇者殿これから宜しく。俺はマフィー。
 マフィー・ヤンピアラ。あの僧侶の小娘の代わりだ」
「はい。聞いてます」
「あいにく回復呪文つーのは使えんが見ての通り腕っ節はある。
要は傷作る前に倒しちまえば良いって理屈だわな」

 そういって、マフィーから振り下ろされた小さい背の女の子はしゅたっと両手を地面についた後
 軽業師の様に前方宙返りをして、ルクスと目の鼻の先まで来る。
目は爛々と輝き全てを見透かしていそうな濁りの無い瞳。
先ほどの男よりも血のにおいが鼻先を掠める。
 そして、最初から違和感に気付いた。まるで指先を隠すかの様に全ての指に指サックの様な
 付け爪が付けられていた。”普段からそうなのか?”と直感させられるのは
 付属の革の痛みと血のりにより錆びた金具の匂いが雄弁に物語っていたからだ。

「システアはシステアだよ! おにぃ……あ、ゆーしゃさま。よろしくおねがいします。
 あ、えーとおにいちゃんってよんでいーですか?」

 小さい女の子はそんな違和感など気にする事もなく、あらかじめ考えいた台詞を
 すらすらと述べている。ニコニコとした笑顔だったが先ほどの王の謁見より白々しい感じがした。
 獲物を捉えた猛禽類の様な鋭さと猫のような愛らしさの交じる瞳で
 まじまじと見つめられてしまえば、当然断るなんて選択肢は無い訳で
ええっと小さく微笑みを返しながら了承する。
 今、思えば恐らく断っても絶対受け入れない感じだったと思う。
 システアはそれを聞くとわーいっと手を上げながらも抱きついてくる。
 羽毛のような軽やかな動きとは裏腹にどっとと体にのしかかるときは鉛のようであった。
 私は困惑する事無く、にこやかに笑顔を向けながら暫くされるがままにされている。
 すると先ほどまで全く無かった気配。ぼんやりと霧霞が集まってその場に漂うような人影が現れる。
 システアの髪を撫でながら諭す様な声が聞こえてくる。

「ほらほら、システアちゃん。勇者様が困っていますよ? おばあちゃんにもご挨拶させておくれ?」
「はーい」
「ヴァーラ・ブレアセイレム。わたくしの名前です。好きに御呼びください。
 見てくれはこうですがもう大分長いことを生きてきました。
 最期の時がお役に立てるかと思い志願させて貰った次第。以後宜しくお願いします」
「はい。宜しく」
「良い顔をしておりますの、勇者殿。笑いとは余裕であり、好意の証であり、安心を誘います。
 その笑顔が続けられる様にわたくしも粉骨砕身の奉仕を」
「あ、あははっ。ありがとうございます」

300 :楮書生:2013/06/20(木) 17:51:28.91 ID:73AbXihb0
 後ろから現れた女性は偉く堅苦しかった。恭しく頭を下げて、決して自分より頭を上げようとせず
 スカートのすそをつまみ上げ、右手は胸を触り、へっぴり腰の様になる古風な礼儀作法。
 言葉もまるで古典の登場人物の様で演劇を見せられているかの様なやり取りをされたが
 それでも自分が困惑した表情を出せる事出来ない事を改めて痛感する。
 見た目は美しい女性であった。切りそろえられたボブカットに
 肌の露出も少ないながらに20代後半の女性の様な肉付きの良い肢体。
 帽子もまるで頭を覆い隠すほどの大きさで、いかにも魔女と言った風貌であった。
 そう、彼ら3人ははっきり言えば経験者であり、実力者である事は容易に想像できた。
 恐らく、その筋ではそれなりに名が知れていそうな人たちばかりだ。
 これがアリアハンの大人の最大限の努力なのだろう。
 それぞれ見たことも無い武器を所持していた。
 王から宛てられた建前上の金貨と一部の武装などは彼らの得物と比べれば、どれも玩具の様だ。
 と言うか、それらの武装も事前に売却というか譲渡済みだった。
 此処で武装を揃えることになる冒険者初心者の少しでも足しになる様に
 自分が使う物以外は通してある。

「さ、挨拶も終わったなら、勇者殿。早速御用命よ?」
「あ、はい。ロマリアですか?」
「今、ちょっと騒ぎが起きてるみたいでね。”出来るだけ早く”着く様に。
 一応、2週間後には此処から船が出る予定だけど、まぁそれだと時間が掛かるから」

 ぴくっと眉が一瞬動かすのに感づかれた。大体推測出来る。恐らく、何らかの手段で
 早く着く事が出来るのだろう。それでも出来ない場合はそれで送れという事だ。
 当然考えの行き着く先は簡単で、要するにこれは最初の試金石なのだろう。
 この島に等しい大陸からいち早く脱出できる力を持っているか。
 もし、なければそれなりのフォローなり色々とプランも練られているのが透けて見える。

「保険……ですか?」
「ま、そーいう事ね。ま、あまりに気にしないで。
 この船は定期便の一種だから。ま、席は最優先で取れるってだけよ。
 王様からの特命だもの」

 奥歯で砂をかむ様な感触が脳裏をよぎる。
 これからどれだけこういうところが待っているのだろうか。
 何処の国の人もしたり顔で品定めをする様な視線をするに決まっている。
 アリアハンの総力、人材を集めに集め、厳選した中の一級の強者。
 僕はそれに悔しがる事もなく、感慨を抱くこともなく、事実だけを受け止めて
 微笑を湛えていた。

301 :楮書生:2013/06/20(木) 18:10:25.87 ID:73AbXihb0
 そして僕達”世界を救う勇者ご一行様”はアリアハンを出る。
 当然その前にはいろいろと下準備があった。食料の確保、薬草などの確保もそうだが
 概ね2名がほぼ旅慣れている所為もあり、滞りなく終わる。
 システアはよくわからないけど、ひたすら僕にひっついていた。
 町を一歩出れば広大な平原に遠くには森林が群生する地帯もあるが
 何よりも目立つのは海の向こうにある孤島に佇む古ぼけた塔だ。
 何度も見たことある風景でも僕にとって冒険への序盤という事を考えれば
 感慨深いものがあると思ったが、相変わらずの顔なので度胸と覚悟を誤解されていた。

「さて、勇者殿」
「はい。ヴァーラさんなんでしょう?」
「わたくし共は今は勇者殿よりも実力は上でしょう。
 しかし、ある日逆転される。それは勇者という血筋が成せる運命です」
「ま、よーするにそのうち、勇者殿が俺らより強くなってもらわねーと困る訳だ」
「そうですね。努力は怠らないです。予定でもつもりでもなくね」

 前髪で目を隠しながらもヴァーラは人差し指で空中に弧を描きながらもあるいていく。
 隊列はマフィー、システア、僕、ヴァーラの順なので自然と後ろに視線へと求められる。
 立ち止まる隊列。ちょうど開けた草原の中、ヴァーラの頷きとともにマフィーも荷物を一旦下ろす。
 その様子を直感と勘だけで察知したのかシステアはごきげんな様子で
 ぴったりとくっついてたルクスに離れる。

「じぶんひとりがつよいだけじゃめーなのよってじーじがいってた」
「システアはえらいねぇ? ま、そういうことでございます」
「つー訳でだ」

 変わらぬ笑顔で自慢気に語るその言葉。理解はしているかは解らない。r
 ただ、言葉としてそれを僕に教えた事が良いことであり、ヴァーラにほめられた事が
 更にシステアの機嫌を良くしていた。荷物を置いて、軽く肩慣らしを始めるマフィーを見て
 事の事象が大体と解る。街から離れ、人気もない塔への道中。
 相当の変わり者ではなければ、あるいはわざわざ自分たちを追いかけて居なければ
 とてもではないが見つける気にもならない魔物の気配漂う草原のど真ん中だ。

「取り敢えず、俺と軽く立ち会って貰う。ま、俺が勝つ。
 此処で重要なんはあれだ、えーと」
「力量の差というか今、勇者殿がどれだけ脆いかという事を知り
 そして、それでも尚、わたくし共が倒す魔王とはそれを上回るモノだと理解して頂きたい」
「おーおー、それだそれ。つー訳で、得物を取ってくれ。本気で構わん」
「分かりました」

302 :楮書生:2013/06/20(木) 18:23:03.85 ID:73AbXihb0
 荷物を地面に置き、銅の剣を構える。幼い日から父が遺してくれた血汗の滲みついた得物。
 物心ついた時から毎日コレを振るい、剣術の腕を磨いてきた。
 もっと良い物が買えたかもしれないが武器の出来に頼る事を避けてきた事と
 此処周辺の魔物はコレで十分という判断だった。
 同じく遺してくれた青銅の盾を構えつつもじりっと間合いを取る。
 僕に対して、マフィーの武装はけいそうだった。皮の腰巻と胸当てに
 片手に持つのは巨大な骨。なんでもデッドペッカー種の超大物の太腿の骨。
 それに骨髄の中に鉄を注ぎ込んだ素振り用の得物らしい。
 
「では、参りま――っ」
「終いだ」

 一瞬だった。きちんと構えて声を掛けた瞬間その巨大な骨の塊が僕に向かってぶっ飛んできた。
 当然、盾と剣で防ごうとするがそれはまるで陶器の様に割れ砕けて四散する。
 体は宙に舞い、折れた剣の柄はどこかに飛び、真っ二つに割れた青銅の盾はもう後ろの
 持ち手となる革紐部分だけになっていた。そして、確かに感じた。
 
 ”コレは手加減をされての結果なのだと”

 吹っ飛んだ僕を待ち構えていた、システアに僕はダイビングキャッチされる。
 意識はなんとか保っていた中、ヴァーラはすでに薬草の調合をし始めていた。
 大骨を担ぎながらもマフィーは僕の顔を覗き込む。それは欺瞞でも上下関係を決めるだの
 そういった俗物的な顔色ではない。まして、申し訳ないという気配など微塵も感じさせなかった。
 気だるそうな空気もこの散々たる結果も全てのこの場に居る人間がわかっていた事だ。

「つー訳だ。話になんねぇ。ただ、これから話になんねぇお前には
 英雄譚を作ってもらわねぇといけねーわけだ。魔王ぶっ倒してな?」
「……はい」
「ま、落ち込むな。ただのガキが一朝一夕で俺より強くなる訳がねぇ。
 いくら英雄の息子だからってな」
「ははは、そうですね」
「ねーねー、おきゃくさんがいっぱーいきたよー」

 今の騒ぎという訳ではないが、周囲には魔物気配がおびき寄せられる。
 勿論、実力者3人を狙っている訳ではない。
 今、なぎ倒されて昏倒寸前であるルクスを狙っているのだ。
 人間の込み入った事情など解る程の知能も無い下級魔物達は単純に
 肉食獣のお残しの死肉を狙うハゲワシの如く
 ただただ、その場でうようよとたむろっているに過ぎなかった。
 ひょっとしたら仲間割れをしているのか、ひょっとしたらあの弱い人間はこのまま捨てられるのか。
 そんな、甘く見通しのない打算と本能だけでその哀れな生き物たちは屯っているのである。

303 :楮書生:2013/06/20(木) 18:25:14.25 ID:73AbXihb0
「では勇者殿。私の微力な力、覚えておいて下さいませ。後、3人ともそこから一歩も動かぬ様に」
「はーい」
「あいよぉ」
「大地に眠る力強き精霊たちよ、いまこそ我が声に耳を傾け、敵を傅かす力を与え給え! 

              "ベタン"                                       」

 ヴァーラが呪文を唱えた。見たことも聞いたこともない魔術だ。
 それは不思議な術だった。一瞬、地面が大きく揺れたかと思うと
 周囲の草が全て何か巨大な鍋のふた押し付けられたかの様にべったりと押し付けられて
 地面も少し低くなった様な錯覚すらおぼえる。同時に魔物たちの僅かな悲鳴と共に
 気配があった箇所には血だまりと肉と骨のひき肉と血に汚れた毛皮があった。
 おそらく、つい先程までそこに生きていたのだろう。
 
「私の魔術は基本的にこの術が一日一回でございます。
 今は私の判断で撃ちますが将来的にはきちんと勇者殿の判断でご指示下さいませ」
「……解りました」

 ヴァーラの言葉に頷く僕。世界が変わった。そう、僕が今まで後生大事に抱えていたモノを折られ
 蠢いていた未知の魔物達を押し潰す術を知った。
 己の小ささは理解していたが、手にしたそれは自身の手に余るもので
 それすらも成長を見越しての前払いという事になる。
 へし折られ、押し潰されたという目の前の現実が今は重要なのだ。

「あはは、おにいちゃんわらってる〜」

 僕は笑っていた。それはナニか、きっと自由になったのかそれとも壊してくれたのか?
 実際そんなことはないのだけど、そんな何かが僕は治ったのか壊れたのか解らずに
 正気とも狂気とも取れぬ笑いをその場でただただ、笑うしか無かったのだ。

序章完結 一章アリアハン大陸編へ続く

304 :楮書生:2013/06/20(木) 18:35:08.12 ID:73AbXihb0
以上です。合間が空いて申し訳ありませんでした。
次は少し時間がかかるというかアリアハンの大陸での騒動が
少し追加されるかもしれないので今調節中です。
では、投下失礼しました。

305 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/06/22(土) 22:12:40.43 ID:/1YU2SMd0
男勇者のほうは仲間がかなり強いですね。
これからルクスはどう強くなるのか楽しみです。

306 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/06/29(土) 12:11:40.44 ID:6KC3m47i0
ほしゅ

307 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/07/09(火) NY:AN:NY.AN ID:B9OK5zJV0
ho

308 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:34nOhHvQ0
保守

309 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/07/21(日) NY:AN:NY.AN ID:tOuNIYg80
保守

310 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:HLcvnZee0
ほしゅ

311 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/08/05(月) NY:AN:NY.AN ID:HbGKDIoh0
ほしゅ

312 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/08/10(土) NY:AN:NY.AN ID:do5qqEVF0
保守

313 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/08/18(日) NY:AN:NY.AN ID:iT7mgUW90
保守

314 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/08/21(水) NY:AN:NY.AN ID:D1gpQczg0


315 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:Sd8oHOTL0


316 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:UAWSzK2r0


317 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/09/01(日) 20:29:39.50 ID:VT3bC96m0
乙です

318 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/09/08(日) 18:56:40.23 ID:+7BG6P7t0
保守

319 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/09/15(日) 00:31:15.26 ID:MFnScwlh0


320 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/09/21(土) 22:43:36.16 ID:TWm5foca0
保守

321 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/09/28(土) 23:24:07.95 ID:8gnjNn6U0
ほしゅ

322 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/10/05(土) 22:53:59.82 ID:E/UoKbP10
ho

323 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/10/14(月) 00:00:25.40 ID:TkbOPFtA0


324 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/10/21(月) 20:43:15.23 ID:dZWSxwZ30
保守

325 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/10/29(火) 01:00:51.96 ID:dsBNivZu0
ほす

326 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/11/04(月) 22:37:50.25 ID:QrU/JA350
保守

327 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/11/06(水) 20:49:42.04 ID:ZCXXAcvy0
6月以降、一言保守書込み以外無いけど、このスレ要るの? 素直に沈めたが良くね?

328 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/11/06(水) 21:06:39.39 ID:19sTcE670
作者の出現ペースが大体半年に一回だから、12月には来るんじゃね?

329 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/11/15(金) 05:20:52.02 ID:GdoGCXSK0
気まぐれでダメダメな自称・新職人な俺が来た

マリベル「別にこの書き込みしてる人はニートじゃないんだからねっ!」

330 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/11/15(金) 08:01:44.74 ID:GdoGCXSK0
主人公「それで、君たちはどんなツンデレヒロインが好みなんだい?」

331 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/11/16(土) 13:09:44.27 ID:CqcrYjjA0
女の子「ツンデレに種類なんてあるわけないでしょ!」
男の子「いや、マニアックなところでは そうでもないらしい」

332 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/11/24(日) 10:24:58.64 ID:+gwUj3kW0
新職人さんに期待

333 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/11/28(木) 16:32:27.28 ID:7VX1gjuP0
このスレ、生きてたんだ…

334 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/12/04(水) 20:01:27.20 ID:cPlgbYy00
ほしゅ

335 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/12/11(水) 16:55:04.39 ID:gywlzSGz0


336 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/12/19(木) 00:14:58.21 ID:9HMDqF3U0
ho

337 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2013/12/25(水) 04:07:13.80 ID:49ZGHR7W0
ツンデレ

338 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2014/01/05(日) 00:30:30.84 ID:eML249WA0


339 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2014/01/09(木) 21:14:47.85 ID:q1Vc/Fqn0


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